回答一覧 - 不育症・流産・子宮外妊娠・陽性判定後 No.7 -
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:3回
 私は抗リン脂質抗体検査で、抗PセリンIgMと抗PセリンIgG、抗PエタノールIgM、抗PエタノールIgGが陽性で、妊娠したらアスピリンとヘパリンの投与が決定しております。
 41歳で高齢のため、夫婦で話し合って、羊水検査も希望していますが、出血しやすい薬の服用中であっても、羊水検査は受けられるのでしょうか?また、これまでに初期流産を2回経験しており、不育症検査を1回受けましたが、誤差を考えて、再度、不育症の血液検査を受けた方が良いでしょうか?

 羊水検査は必ずしもしなければいけない検査ではないので、それを希望するかしないか、また、どの程度強く希望するのかは御夫婦によって異なります。
 低用量アスピリン療法およびヘパリン療法を行っている場合には、当然、臨床的な出血傾向の有無をチェックしているはずです。異常値でなければ羊水検査を受けても構わないと思いますが、リスクとベネフィットについては、考慮し、夫婦で十分に話し合うべきです。一般に羊水検査による流産率は(術者の経験と技術にもよると思いますが)0.3〜0.1%あるといわれています。また、胎盤が子宮前壁を覆っていると胎盤を貫いて羊水膣に入らなければならないので、注意と技術が必要です。最終的には「自己責任」において判断する事になります。
 また、御存知とは思いますが、羊水検査の結果、胎児の染色体の異常が判明しても、その異常を治療する方法はありません。最終的に生むのか生まないかの選択をする事になります。[2008年2月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:6回 体外受精:0回
 人工授精(AIH)を繰り返しましたが、結果が出ずに転院したところ、1回目の人工授精で妊娠しました。人工授精の2週間後、深夜に左下腹部の激痛に襲われ、救急車でかかりつけのクリニックに運ばれましたが、内科的なものだろうということで、近くの総合病院へ移りました。しかし、内科で検査しても異常は見つからず、総合病院の産婦人科で検査すると、卵巣出血と診断され、入院しました。10日ほどで退院したものの、1週間後にまた同じ激痛で再入院・・・。1週間の入院後退院しましたが、その後も何度か激痛に襲われました。妊娠をしていたため、総合病院で、アドナ、トランサミン、ダクチルの薬を処方していただき、様子を見ていました。診察時に、腹痛を繰り返す旨を伝えましたが、原因がわからないと言われてしまいました。人工授精を行った病院へ戻ると、腹痛の原因がわかるでしょうか?原因をつきとめるにはどうすればよいのでしょうか・・・。いつまでも続く腹痛の原因がわからないと安心して妊娠生活をおくれず、それでは、胎児にもよい環境だと思えません。アドバイスをください。

 人工授精(AIH)の際には、排卵誘発剤の注射などを使用して、卵がたくさんできていたのでしょうか。また、排卵誘発剤を使わなくても、卵巣が腫れていたということはありませんか。
 1回目の痛みは卵巣出血と診断されたそうですが、止血は開腹しないで自然に止まったのですか。それとも腹膣鏡下に外科的に止血したのでしょうか。
 一般的に、腹痛を繰り返す場合では、切迫流産で頻繁に子宮収縮が起きて痛みを伴っていることや子宮外妊娠(産婦人科的もののみ)、内科あるいは外科的に疾患を併発して痛みを伴うことなどが挙げられます。内科あるいは外科的なものとしては、クローン病や潰瘍性大腸炎、膠原病が隠れている事がありますので、よく診てもらってください。[2008年2月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:2回 体外受精:6回
 妊娠判定で陽性となり,現在4週5日です。黄体補充のため、プロゲステロン25を毎日自己注射、プラノバールも服用していますが、胎児に影響はないのでしょうか?どのくらいまで、服用および注射は続けるのが一般的なのでしょうか?

 プロゲステロン、プラノバールは卵胞ホルモンや黄体ホルモンの主成分とするホルモン剤です。これらのホルモン剤は妊娠初期には注意するようにと効能書きに書いてあります。しかし、これらのホルモン剤は、実際には広く長く、使われてきており、経験上、胎児には影響はないということが知られておりますので、ご心配はないと思いますよ。[2008年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 29歳で妊娠、8週で流産(完全流産・処置なし)しました。その1年後に化学的流産、更に1年後に妊娠・出産に至りました。半年くらい前から第2子を希望していますが、今月また化学的流産をしてしまいました。
 化学的流産は医学的には流産に分類されないそうですが、私のような場合、習慣性流産の可能性はありますか?自己免疫疾患を持っているので(1型糖尿病)、その自己免疫系に関連があって、流産率が高くなってしまっているのではと心配しています。

 「抗リン脂質抗体症候群」によって流産を繰り返すことは一般にもよく知られていますが、そのように確定診断がされていない場合でも、「膠原病」など、「自己免疫疾患」をもっている場合には流産をしやすくなります。また、血糖コントロール不良な糖尿病は、先天性異常や流産の原因になりえます。
 経口糖尿病薬は妊婦には禁忌で、妊娠中はI型・II型にかかわらず、インスリン療法が必要となり、非妊時よりも厳格な血糖コントロールが必要です。
 自己免疫異常による不育症に対しては、一般的に低用量アスピリン療法、ヘパリン療法の他、ステロイド療法、漢方薬なども考えられますが、糖尿病の治療との併用についての注意も必要です。[2008年1月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:6回 体外受精:1回
 先日、初めての体外受精(IVF)を行いました。採卵後2日間に、微量の出血が止まらず、胚移植日に主治医に伝えたところ、「ポリープがありますので、出血したのでしょう。」と言われました。
 移植日には、出血は止まっており、ポリープがあっても妊娠しないわけではないとの事で、予定通り胚を戻しましたが、その後ポリープの処置をどうするのかについては、お話がありませんでした。
 妊娠判定はまだですが、もし妊娠が成立した場合、ポリープはどのタイミングで切除するべきでしょうか?又、切除する事、あるいは放置しておく事で、流産等を引き起こす事はないのでしょうか?どのような処置が適当なのか分からず、不安でおります。

 子宮頚管ポリープは外子宮口にできますので、切除しても流産の原因にはなりません。妊娠初期でも、切除はかまいませんが、出血によって切迫流産との判断がしづらいかもしれません。ただ、切除しなくても、子宮入口のポリープからの出血が起こって、切迫流産に間違われることもあります。
 一般に外来で簡単にできる処置で、病理組織標本検査で悪性の有無(癌)もチェックしますが99%以上は良性です。[2008年1月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:55 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 顕微授精(ICSI)1回目で妊娠が陽性と出た数日後に、主人と口論になり、その直後腹痛がおこりました。横にはなっていたのですが、鮮紅色の出血がトイレにひろがり、ハンカチ四つ折りの半分ぐらいの茶色のおりものが出ました。そのときの気持ちのよかったこと・・・まるでお腹の中の異物がなくなってすっきりした気分でした。でも、これで流産したのではと思い、ショックを受けました。病院に電話したところ、流産かもしれないが、とりあえず安静にしていればよいとのことでした。その数日後、超音波検査で胎嚢を確認することができました。一体、あの時のおりものは何だったのでしょうか?その後も、時々出血があります。それほど多くはありませんが、鮮血が出て、あわてて安静にしていると黒っぽい血液にかわって、落ち着きます。現在は、エストラディオール2mgを1日3錠、プロジェストロンの注射2mlを毎日打っています。このまま安静を続けた方がいいのでしょうか?散歩ぐらいはしてもよいものでしょうか?現在、葉酸、アスピリン、鉄分、マルチビタミン、ビタミンC、カルシウムのサプリメントを服用しております。また子宮筋腫塞腺手術をしています。

 サプリメントは関係ないと思います。子宮筋腫はどのくらいの大きさでしょか。多少関係しているかもしれませんが、いずれにしても、出血がある場合には、担当の先生によく診ていただいてください。[2008年1月3日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:3回 体外受精:3回
 ホルモン補充にて凍結胚移植をしましたが、6週目(心拍確認後)に出血し完全流産しました。PRG値は、移植前日が0.61、1週間後の判定時で0.46、その後は計っていません。今更ですが、妊娠反応が出てからも体温が上がりませんでした(36.4〜36.5度)。ドクターに質問しましたが「(ホルモン補充の時は)気にしなくてもいい」と言われました。それは、なぜでしょうか?
 また、流産後の初めての生理の診察(10日目)で、子宮筋腫のような影がみえるといわれ、妊娠は一度見送った方がいいと言われました。その後も、基礎体温が二相性にならず、水っぽいおりもの(たまに血が混ざります)が頻繁になり、臭いもあります。また、生理の量も少量でダラダラ続くといった、今までにない症状が続いているので不安です。痛みなどはなく、現在、薬は当期芍薬を飲んでいます。体調が整えば、再チャレンジを考えていますが、しばらくは何もせずに様子を見るべきなのでしょうか。それとも、何かの治療や生活改善をすべきでしょうか?

 ホルモン補充療法で合成プロゲステロン剤を使用している場合にはプロゲステロン値は低値のままですし、基礎体温も上昇しない人もしばしばいます。
 流産後の状態については、直接診察してみなければ何ともいえません。基礎体温表をつけて他の不妊専門施設でのセカンドオピニオンを求めてはいかがでしょうか[2008年1月3日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:40 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:20回
 はじめまして。宜しくお願いいたします。
私、この度6回目の流産となりました。不育症検査の結果、夫婦間の白血球の型が似ているとの事で、ピシバニールの治療を受けておりますが、ピシバニール治療をしていても、2回流産という結果でした。
 いずれの妊娠も心拍は確認できない状態ですので、受精卵の染色体異常の可能性だと言われておりますが、流産後の組織検査では染色体異常でなかった事もありました。今後、元気な受精卵にめぐりあう事だけを信じて、諦めずにチャレンジして良いものか不安と悲しみでいっぱいです。
心拍確認前の流産の場合は、6回もの流産後でも次の妊娠は出産可能な場合もあると信じて良いものでしょうか?着床前診断などは受けられないのでしょうか。

 「ピシバニール」は特異的免疫賦活(ふかつ)療法ですが「夫リンパ球移植」という方法もあります。アレルギー反応やウイルス感染の可能性があるので、前もって夫の血液検査やインフォームドコンセントが必要です。保険適応ではない治療法で、最終的には自己責任において行っていただく事になります。
 また、「着床前診断」は夫婦に染色体異常がなければ適応とはなりません。「抗リン脂質抗体症候群」による不育症の可能性はないのでしょうか。今まで、どのような検査をおこなっているのでしょうか。はっきりした異常がみつからなくても低用量アスピリン療法を行ってみる事も1つの方法です。(負担が大きいのでヘパリン注射まではおすすめできませんが...)[2008年1月3日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:39準 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:10回 体外受精:5回
 同種免疫異常の不育症と診断され、リンパ球移植を行いました。リンパ球混合試験の結果は、かなりひどいレベルに入るそうで、もうすぐ2回目のリンパ球移植をする予定です。
 5回目の体外受精(IVF)を失敗してから、ここ数ヶ月、毎月タイミングを見ています。基礎体温はきれいな2相性になっています。リンパ球移植を行ってから、この3ヶ月のタイミングで、生理前にごく少量(ティッシュに軽くつくくらい)の出血があり、その数日後に生理が来ます。これは不正出血と考えるべきでしょうか。放っておいてもよいでしょう?
 また、リンパ球移植はアメリカでは否定されているようですが、同種免疫異常の患者に対して、行える治療はリンパ球移植以外にどのようなものがあるのでしょうか?教えてください。

 夫リンパ球は、特異的免疫賦活(ふかつ)療法です。「ピシバニール」という癌治療における免疫能力を高めるための薬を非特異的賦活療法として行っている施設もあるようですが、本当に効果があるのかどうかの証明はされていません。
 「リンパ球混合試験の結果」が本当に「夫リンパ球移植が必要である」と断言できるだけの根拠として証明されているのかどうかも疑問です。保険適応もされていない治療なので、あくまで医師と患者との間で話し合った上での「自己責任による治療」となります。[2007年12月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 重度の生理不順で妊娠が難しいと思い、不妊治療に通っています。治療1年が経過した頃から、クロミッド+HMG+HCG+漢方で排卵するようになり、今年の5月に妊娠できました。しかし、6週頃になっても胎嚢から次の成長がなく、繋留流産となりました。11月に同じ治療方法で2度目の妊娠をする事ができたのですが、今度は6週経っても胎嚢もはっきりと確認できず、流産もしくは子宮外妊娠と言われ、現在経過を見ている所です。
 排卵さえ出来なかった私が、妊娠出来るまで良くなってきたと思い始めて喜んでいました。12週未満の流産のほとんどは、染色体異常による赤ちゃん側が原因であると聞きますが、私の場合、2回とも初期から赤ちゃんの成長が見られない事、通院当初の血液検査でホルモンの値が閉経の人なみしかないと言われた事、2度目の妊娠の尿検査で6週目なのにHCGが835しかないと言われた事などから、赤ちゃん側の理由ではなく、やはり自分自身に原因があるのではないかと思っています。それに2回の妊娠共に、排卵10日後頃から深夜や早朝に耐え難い腹痛で目が覚める事が定期的にあり、茶色の出血が続く症状があった事も気になります。2度目の妊娠の処置がこれからなので、しばらく治療はできませんが、今後も妊娠できたとしても同じことを繰り返すのではと思ってしまいます。もしも対処法があれば、教えてください。

 2回以上の流産の場合は、習慣流産といって詳しい検査が必要です。ぜひ、不育症のスクリーニング検査を受けられて下さい。
 もし、可能ならば流産処置時の胎盤の染色体を調べてもらってください。少し高額になりますが、次回の流産防止のためには必要な検査だと考えます。HCGが低いのは、流産による結果だと思います。腹痛や血液検査のホルモン値はあまり関係がないと思います。もし、異常があれば、妊娠まで至らないと考えます。[2007年12月16日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:0回
 排卵はありますが、卵の成長が遅く、高温期が11日と短めで、高温期のガクンと体温が下がる事があり、クロミッドを服用していました。
 排卵後2週間目に検査薬で陽性が出ました。妊娠中は、重い物を持つことを控えるとありますが、もうこの時期から気をつけた方がいいのでしょうか?以前、着床直後に妊娠に気が付かないで海外旅行に行った時に、妊娠2ヶ月で流産した事があるので、今回は旅行を控えているのですが、細かいことを考えて悩んでいます。
 どのくらいから気をつけるべきなのか教えてください。

 妊娠検査薬で陽性が出た時期から、妊娠がスタートしたと考えられてよいです。通常は、この時期は、妊娠4週で妊娠2ヶ月と数えます。不正出血等から流産につながることも多くみられます。
 従ってこの時期重いものを持ったり、旅行に行くことは控えるべきだと思います。なるべく無理をしないで身体に負担をかけないように心がけて下さい。特に前回流産された方は、注意が必要です。
 妊娠中期(18週頃)からは安定期ではありますので、ドクターから許可があれば、お近くの場所であれば旅行も可能だと思います。[2007年12月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。今年結婚して、2月に稽流流産、10月に不全流産を経験しました。
 現在通院している病院では、もう一回流産してしまったら習慣流産になるので、その前に検査をするかどうかと尋ねられました。とても不安になって、セントマザーに来院しようと考えていますが、どのような検査になるのでしょうか?私自身は健康体で、2回も自然妊娠したのに、なぜ育ってくれないのか・・・・検査ではっきりと結果が出るでしょうか?

 当院ホームページ内の不育症(http://www.stmother.com/art.html#5)をご参照下さい。ひととおりの検査をしても、原因をはっきり断定できない場合が80%以上とお考え下さい。健常な若いご夫婦でも、自然流産率は、約10〜15%あります。たまたま起こった流産が2回繰り返す可能性もあります。[2007年12月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:1回 体外受精:3回
 はじめまして。こちらを拝見して、いろいろ勉強になります。
 男性不妊で、昨年春から顕微授精(ICSI)を3回行ないました。一度目はロング法で刺激し、14個の卵胞が確認できたものの、採取は4個(残りは空胞)で、受精は3個でした。全て戻し、妊娠反応は出たものの胎嚢未確認で化学流産でした。
 2度目は転院し、4個採卵でき、そのうち2個(2個は凍結)を戻して妊娠反応が出ました。胎嚢を確認したものの、数日後に出血し、また流産となりました。3度目は凍結胚を使い、ホルモン補充にて2個を移植し、周期29日目に妊娠反応が出ました。周期40日目に胎嚢を確認、周期47日目に胎芽・心拍まで確認できましたが、その日に出血し、流産となりました。
 胚盤胞の状態もよく、内膜も11mmあり、着床にも問題なさそうですが、妊娠を継続する事ができません。仕事は立ち仕事で、多少の負担はあるかもしれませんが、妊娠反応が出た時点で、自分なりに気をつけています。体力が戻り次第、もう一度挑戦する気はあるのですが、また流産するのでは…と不安があります。私のようなケースは不育症となるのでしょうか?何か検査(染色体検査など)を行った方がよいのでしょうか?

 不育症の可能性も考えるべきだと思います。一般的に、胎児の染色体異常による流産の場合も多くありますが、ご夫婦のいずれかに染色体異常がなければ、治療の対象とはなりません。不育症の原因は様々です。当院のホームページにも詳しく説明しておりますので、参考にされてください。
不育症のページ   http://www.stmother.com/art.html#5
データブック   http://www.stmother.com/databook/woman_01.html#12
 「抗リン脂質抗体症候群」による不育症については、採血による検査が可能ですので、受けることをお勧めします。[2007年11月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:15回
 4年前に主人の精子が少ないと診断を受け、体外受精(IVF)を行って、2回目で妊娠・出産しました。
 その後、1年半おいて、再度体外受精を行いましたが、2回続けて稽留流産しました。その後も治療を続けていますが、胚盤胞移植をしても着床せず、今年は胚盤胞まで育たず、移植に至らない状況が続いています。
 これは、長いこと治療しているせいで、卵胞の反応が悪くなっているのでしょうか?それとも、やはり年齢的なもので仕方がないのでしょうか?一度お休みをした方が良いのかもしれないとも考えておりますが、年齢的にもあまりゆっくりはできません。どうすればよいでしょうか?
 また、良い卵子を育てるために、日常生活で何かできることがあれば教えてください。

 加齢によって、卵子の異常が起こすやすくなります。核の中の染色体異常や細胞質の中の細胞内骨格の異常などが考えられます。体重は「健康的に」減量することが望ましいと思います(1日3食を摂取しながら、栄養バランスやカロリーを考え、間食を減らす。有酸素運動の継続など)。ストレスが排卵障害の誘因になることもあります。不育症音スクリーニング検査も受けてみてはいかがでしょうか。[2007年10月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:2回 体外受精:1回
 昨年12月に採卵をし、2回目の凍結胚移植にて妊娠が確認でき、現在8ヶ月に入りました。胎児も順調に成長し、母体もきわめて健康なのですが、出産が近づくにつれていろいろな不安がでてきました。
そのひとつが、採卵時に、40個もの卵ができたことです。私の体が排卵誘発剤の注射にすごく反応したからだと思いますが、そのせいで、卵巣が腫れて(卵巣過剰刺激症候群(OHSS))1回目の胚移植は1ヶ月後に伸びました。その後、2回目の凍結胚移植にて妊娠したのですが、そのように大量の卵子ができた中の1つの受精卵で妊娠したので、何か問題がなかったか不安です。ここまで順調に胎児が育っているということは、何も問題がなかったからと考えていいのでしょうか?

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)で、卵が多くできた場合には、卵の質が悪い方がいらっしゃいます。卵の質が悪い場合には、ほとんどの受精卵が分割せず、凍結できないこともあります。あなたの場合は、40個と多くても、質が良くて、分割も問題なく進み、2回目の移植で妊娠したものと思います。凍結もできて、かつ妊娠、そして、現在も順調に8ヶ月に至っているのは、卵の質がいいからですよ。赤ちゃんの成長も順調ということですから、自然の場合となんら変わりあません。まったく問題はありませんよ。お産の不安はあると思いますが、不妊治療のゴールはあとわずかです。気持ちを落ち着けて、出産・育児に臨んでください。[2007年10月2日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:3回
 この度、セントマザーにて3回目の胚移植で双子を妊娠することができ、現在9週に入ります。ありがとうございます。基礎体温をつけているのですが、出産するまで続けた方がいいのでしょうか?

 基礎体温は、妊娠に入ってしばらくの間、極初期のみ高温期が続くことで、妊娠の判別に役立ち、意味をもちます。しかし、心拍確認後より、徐々に低下してまいりますので、それ以降に基礎体温をつける意味はありませんよ。[2007年10月2日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
はじめまして。現在、妊娠10週になります。6週頃に出血があって、約3週間は実家で絶対安静にしていました。出血も止まり、今週、母子手帳ももらいました。そこで、質問です。実は、義母が末期ガンで入院をしています。今回の入院で、もう最後だろうと言われているそうです。お見舞いに行きたい気持ちはあるのですが、友達からは「妊娠中はあまり総合病院に行かない方がいいよ」と言われました。お見舞いに行ってもお義母さんは調子が悪くて、吐いたり咳が止まらなくなったりしています。別に気にする事はないでしょうか?

 お母さんが感染症の病気があればよくないですが、そうでなければ通常はお見舞いのみで感染を起こすことはないと思います。インフルエンザや特別な感染症の方が入院されているような病院なら別ですが、総合病院にお見舞いに行くだけで何らかの感染症にかかることは考えられません。もしも、あなたが非常に気になるなら、まず、絶対に感染を起こしてはいけない風疹に注意し、抗体があるかどうかを確認して下さい。
 ただ、通常は、妊娠初期であれば、人ごみの場所には行かないものです。お母さんのお見舞いに行きたい気持ちは非常にあるのだけど、妊娠初期ですので、ご無礼しますといった内容をお手紙でお伝えになられてはいかがでしょうか。もしも、どうしてもお見舞いに行く必要があるのであれば、人ごみの少ない時間帯や、インフルエンザなどの感染症が流行る時期を避けるとよいと思います。お見舞い後に限らず、帰宅後は、しっかり手洗い・うがいを実施してくださいね。[2007年10月2日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:26 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 6年前と、2ヶ月前に9週で稽留流産をしました。血液検査をしたところ、ループスアンチコアグラント(LAC)が1.2、抗核抗体が20でしたが、次回の妊娠からはお薬が必要だといわれました。インターネットで調べたところ、不育症が陽性とみるには、LACの値が1.12以上だったり、1.3以上だったりとばらつきがあって、私自身が本当に不育症なのかどうかがよくわかりません。どうなのでしょうか?また、もし、不育症だったしたら、お薬はいつから飲むのでしょうか?妊娠検査薬で陽性が出てからでは遅いのでしょうか?

 流産や死産を繰り返す場合を不育症といいますが、様々な原因が考えられます。ここ近年は、「抗リン脂質抗体症候群」によるものが注目されています。微小血管内に多発性に血栓を形成することによる胎児への血流障害と見られています。ループスアンチコアグラント(LAC)と抗核抗体以外にどのような検査をされたのでしょうか。「実費の検査」もいくつかされたでしょうか。
 この分野は、まだまだ研究を深めていかなければならない途上であり、診断や治療も確立しているとはいえません。もちろん、その治療効果は認められており、その恩恵に浴したカップルは数多くいます。2回の流産の既往とループスアンチコアグラント(1.2)と抗核抗体(20)のみで、抗リン脂質抗体症候群と診断することは難しいと思いますが、総合的判断から低用量アスピリンを試してみることは、かまわないと思います。ただ、今の「ヘパリン療法」までする必要はないと思います。胎児心拍は確認できたのでしょうか。それとも「胎のう」のみしか見えなかった「枯死卵」だったのでしょうか。ひとまず、妊娠反応が出てから低用量アスピリンの内服を開始してみてはいかがでしょうか。[2007年10月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:1回 体外受精:2回
 抗精子抗体と診断され、体外受精(IVF)を行っています。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になってしまったので、ホルモン補充周期で凍結胚盤胞移植をしております。前回、4Bbを1つ移植し、尿検査で陽性反応があったものの、胎嚢が確認できませんでした。今回も4Bbを1つ移植し、陽性反応が出ている状態です。ただ、今回も前回と同様、尿検査後に茶色のおりものがたくさん出ます。主治医は様子を見てくださいとのことで、特になにもしてくれません。また今回も化学的流産で終わるのではないかと、とても心配です。質問をさせてください。
 1. この時期の出血(茶色のおりもの)は良くあるケースなのでしょうか?それとも順調でないから出血するのでしょうか?
 2. もし今回も胎嚢が確認できなければ、何か検査をしておくべきでしょうか? よろしくお願いします.

 妊娠反応が出る頃に出血することはよくあります。ただ、繰り返し出血し、流産になってしまうならば、習慣性流産の検査がありますから、調べてみてください。順調な方でも、初期に出血することはありますよ。順調な方でも、10〜15%の方が出血の経験をするものです。習慣性流産の検査は、血液が固まりやすいか、自己免疫疾患の検査を含みます。[2007年9月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:0回
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と子宮未熟と診断されています。妊娠を望むのは難しいと言われていますが、私たち夫婦の希望もあり、不妊治療をしています。現在は、生理不順があるので、ルトラールを飲んで生理を起こさせて、タイミング療法をしています。
 人工授精(AIH)をして、着床はしづらく、例え着床しても流産の繰り返しで、とても私の子宮では赤ちゃんが育たないと医者で言われています。年齢的にもこのままタイミングを続けていくより、人工授精にステップアップをしたいのですが、子宮未熟ではどのような方法をとっても、無理なのでしょうか?なにか方法はないのでしょうか...

 子宮奇形の中に、単頚単角子宮というものがあります。これは、正常の子宮の半分以下となります。このような方でも出産されておられますから、子宮の大きさだけであれば、問題はありません。ただ、内膜がまったく厚くならない場合には、着床が難しいと思います。子宮の大きさが小さいだけであれば、妊娠・出産は可能ですよ。[2007年9月15日]
(院長:田中温)
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