回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.4 - |
|
子宮内膜が薄くて悩んでいます。子宮の血流がわかる方法があると聞きましたが、それはどういった方法なのでしょうか?また、病院で検査をしていただけるのでしょうか?
子宮の血流は超音波検査の際にカラードップラーを用いて測定することができますが、この機械は高額なので、どこの施設未でもあるものではありません。
子宮の血流が増加することにより、卵子の質が高くなることは報告されていますが、内膜の厚さとの相関関係は認められていないようです。子宮内膜が薄くなると、着床率は低下しますので、内膜を厚くするための研究が過去20年以上行われてきました。しかし、残念ながら、現在のところ、これといった成果はあげられておりません。血流をふやすためのレーザー治療、バイアグラ、パイナップル、マカなどが、試みられておりますが、有効であったという科学的な報告はありません。 (院長:田中温)
先日の診察で、両卵巣に卵胞が見えるといわれました。この場合は、両側から排卵するのでしょうか?また、多胎になる可能性が高いのでしょうか?
原則として、自然周期の場合には、発育卵胞は1側で1つが排卵します。月経初期には排卵に至らない2番目,3番目に大きな卵胞が見えることがありますが、問題はありません。排卵する卵胞は大きくなるスピードが速く、最も大きくなります。尿中LH濃度が最高値となった翌日から翌々日に、どの卵胞が消失したかを経膣超音波で確認することにより、排卵数が確認できます。排卵誘発剤を使用した場合でも、排卵する卵胞の数は意外と少ないものです。ただし、排卵誘発剤を使った場合には、両側から複数個の卵胞が排卵することがあります。これは、多胎の原因となります。
(院長:田中温)
体外受精(IVF)の治療を仕事の都合で延期することにしました。その間はピルを服用するようにと指示され、渡されましたが、これは何のためでしょうか?
採卵日を都合のいい日にあわせるように月経周期をコントロールするためにピルを使うことはあります。この場合は、早く月経を発来させるよりも、遅らせる方がうまくいきます。ピルを数ヶ月間使用しても、卵子に悪影響はありませんのでご安心ください。
また、高齢の方や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの排卵障害があって良好な卵子がとれない方の治療法として、1ヶ月ピルを服用し、その後の月経周期に排卵誘発剤を使用することもよくあります。これは、ピルを使うことによって、FSH,LHレベルをコントロールすることができることや、排卵誘発法の卵胞発育をそろえることができるからです。ただし、若年者で卵巣機能が正常な方の場合にはあまり効果は期待できません。 (院長:田中温)
治療をはじめて3年目に入り、なかなかよい結果が出ずに、気持ちがとても焦っています。
現在は、自然周期で毎周期の採卵をしていますが、なかなか質のよい卵が採れません。これは、治療を休まずに続けすぎている影響ではないでしょうか?
自然周期での採卵は、刺激周期でいい卵子がとれない場合に限るべきだと考えます。自然周期で良好な卵子がとれない場合は、高齢化により卵巣自体の反応が悪い場合と、そうでない場合があります。卵巣の反応が原因ではない場合には、GnRHアナログ、アンタゴニストなどと同時にHMG,FSHなどの誘発剤を試してみるといい卵がとれることがよくあります。最初から自然周期にはいるのは不利だと思います。
(院長:田中温)
現在、自然周期で体外受精(IVF)を行っています。採卵は何日目が理想的なのでしょうか?
自然周期の体外受精の採卵日は、排卵日になりますので、個人によって違います。クロミフェンなどを投与した場合も、個人によって違います。何日目かという問題よりも、卵胞の大きさ、エストロゲンの濃度、内膜の厚さなどを見て、最も適した時期に採取すべきでしょう。
(院長:田中温)
ロング法で、スプレキュアを長期使用しています。長期使用をすると下垂体の反応が悪くなると聞いて心配していますが、複数多数回の体外受精(IVF)で続けて使用しても大丈夫でしょうか?
ロング法は、下垂体へのLH,FSHなどの性腺刺激ホルモンを分泌する機能を司るレセプターの感度を下げる方法です。しかし、使用を中止することによって直ちに戻りますので、体外受精で使用する程度であれば、卵巣機能や下垂体の機能を低下させるという心配はいりません。
(院長:田中温)
体外受精(IVF)をしていますが、誘発剤の注射に保険のきく場合ときかない場合があるような気がします。それはどうしてでしょうか?
基本的には、体外受精には保険がきかないと思っているのですが、どういう場合に保険がきくのでしょうか?
体外受精のための誘発剤には保険がききません。きく場合は、原則としてありません。
(院長:田中温)
遠方治療を希望しているのですが、胚移植後の交通手段が心配です。長時間の電車や、振動が直接伝わるバス、飛行機の気圧と、身体に影響がある乗り物に乗ることは大丈夫でしょうか?移植した胚が出てしまうのではと不安なのですが・・・。
ET後の安静度は、心配なさる必要はありません。ET後、直ちに歩かれて、いかなる交通手段を利用されても、妊娠率には影響はありません。ただ、どうしても精神的に不安な場合は、病院の近くに一泊宿泊してからご帰宅されるとよいと思いますよ。
特に、遠隔治療をされている方が心配されるのは、飛行機の気圧ですが、飛行機内では気圧はほとんど変わらないようになっているはずですから、まったく心配いりませんよ。 (院長:田中温)
いつも排卵が遅く、16日から18日ですが、体外受精(IVF)で誘発剤を使うと、10日前後で採卵になります。こんなに早く卵が成長しても大丈夫なのでしょうか? また、内膜が薄いのも、このせいではないかと気になっているのですがどうでしょうか?
排卵誘発剤を使うことにより、排卵時期が早くなることは、珍しくありませんし、それほど異常なことではありません。内膜が薄くなるといっても、あまり気になさらなくて結構です。卵が正常に発育していれば、卵胞ホルモンが高くなり、内膜もそれに応じて厚くなっていきます。
もしも、採取した卵子の質が不十分であるならば、排卵誘発法を検討しなおして、卵胞期をもう少し長くする方法に変えてみたらいかがでしょうか?卵胞期を長くするには、HMG(またはFSH)の量を少なめに打つと効果的です。また、GnRHアナログやスプレキュアを使う場合には、ロング法という方法を試されるといいと思います。 (院長:田中温)
刺激周期で、卵の数はたくさんできますが、質のよい卵はとても少ないのです。最終的に戻せる卵の数を考えると、とても少ないので、これならば自然周期でとった方が身体への影響が少ないのではないかと思うのですが・・・・。
体外受精の妊娠率は、採取された卵子の数に関係します。しかしながら、20個や30個以上では、かえって卵胞の質が低下しますので、避けるべきでしょう。至適卵胞数(最適な卵胞の数)は、約10個であり、その場合は、6-7割が良好な卵子となります。排卵誘発法には様々な種類があり、患者さんによって最適な方法は異なります。ですから、担当医と相談をしながら、ご自身に合った最適な誘発法を行うことが大切です。
刺激周期で採れた良好な卵子の質は、自然周期で採れた卵子の質と変わりません。ですから、質の高い卵子が、自然周期で1-2個採れるよりは、刺激周期で6-7個採れる方が、妊娠率が高くなります。また、1回の採卵で、余剰胚を凍結することができますので、1回の採卵あたりを考えると費用も安くなります。 自然周期の利点のひとつとして、排卵誘発剤の使用による副作用がないという点がありますが、10個程度の卵胞であるならば、ほとんど肉体的、精神的な負担はないと思いますので、妊娠率の高い刺激法をおすすめしたいと思います。 (院長:田中温)
採卵後、内膜が薄くなります。採卵した卵胞に血液がたまっている映像を見たことがあるのですが、子宮への血流がそちらに行ってしまって、内膜が薄くなるのでは?と思うのですが、どうなのでしょうか?
採卵後に内膜が薄くなることは、珍しくありません。しかし、これは採卵後の卵胞内にたまる血液が原因ではありません。内膜がなぜ薄くのか、血流がどのようにしてなれば厚くなるのかといったメカニズムはわかっておりません。内膜の薄い方は、なかなか厚くならないのが現状です。どうしても内膜が厚くならない方の場合には、薄い内膜のままで、なんとか妊娠率や着床率を高めることが必要です。そのためには、採卵周期には移植はせず、4-8細胞で凍結して長期培養し、自然周期に着床率の高い胚(桑実胚または胚盤胞)を戻すことがベストだと思います。
(院長:田中温)
先日、麻酔なしで採卵を行いました。耐え切れない程のかなりの激痛でしたが、卵巣や子宮への影響はないのでしょうか? この刺激で、妊娠率が下がるということはありませんか?
採卵時の痛みは、耐え難いものと思います。我慢しようとして、反射的に身体が動いてしまい、卵を採れないということもあります。ですから、早く効き、早く血中より消退する麻酔薬を使用する方法が必要だと思います。採卵時に使用するこの麻酔薬は、卵胞に影響がありませんので心配いりません。痛みが卵巣や子宮に影響を与えることはありませんが、反射的な体動により、卵が採れなければ、妊娠率の低下につながります。
(院長:田中温)
凍結卵を移植することになりましたが、内膜がなかなか厚くなりません。色々と試してみたのですが、一向に厚くなる気配がなく、手詰まりのように感じてしまいます。内膜を厚くするいい方法はありませんか?
内膜の厚さには、個人差があります。内膜が薄い方には、どのような方法をとっても、厚くならない方がいらっしゃいます。このような場合には、自然周期で胚を長期間培養し、桑実胚または胚盤胞の状態で戻すと、同じ内膜の厚さでも着床率が高くなります。
(院長:田中温)
次回から体外受精(IVF)にステップアップすることになりました。今は、自然周期と刺激周期とを検討する段階なのですが、どちらがよいのでしょうか?
体外受精の妊娠率は、採取できる良好卵子の数と関係しており、良好卵子がたくさん採れるほど、妊娠率が高くなります。それは、移植できる胚の数が増えるからです。刺激周期(排卵誘発剤を使う)でも、自然周期でも、胚の質には影響はなく差はありません。
これらの方法で差があるのは、採卵できる卵の数です。 自然周期は、副作用もなく、患者にとって楽な方法かもしれませんが、刺激周期に比べて、採取できる卵の絶対数が少なくなり、1回あたりの採卵に対する妊娠率は、低下します。ですから、経済的な面を考えるのであれば、お勧めできる方法ではないと考えます。以前は、卵の数が多ければ妊娠率も高くなると言われておりましたが、その考えは正しくないことが証明されており、最適卵胞数は10個前後だと思います。ですから、10個前後の卵胞ができる排卵誘発方法が、最も妊娠率が高くなり、経済的な面からもお勧めできる方法だと思います。ただし、刺激周期で多数の卵胞ができた場合には、質の高い卵子はだいたい半分くらいで、残りの半分は、質の程度がやや下がります。いかに個人の卵巣機能に適した排卵誘発を行うかが成功の鍵です。 (院長:田中温)
こんにちは。初めて相談をします。不妊治療を始めて2年近くなります、毎回卵が採れにくくて困っています。月経周期も規則正しく、基礎体温もきちんと二相になっているのですが、なぜ卵が採れにくいのでしょうか?先日の診察では、卵巣萎縮が始まっているといわれましたが、手はないでしょうか?
基礎体温が規則正しく二相性であっても、発育する卵子が少ないということはあります。しかし、採卵できる卵子が少ないからといって、卵巣萎縮が始まっているとはいえません。若い方でも、排卵誘発剤を多量に投与しても、卵子の数が1-3個と少ないことは、珍しいことではありません。
月経初期の2,3日目の卵巣を経膣超音波で観察をすると、胞状卵胞(未成熟の卵胞、排卵誘発剤使用後大きくなる)があるのですが、発育する卵子が少ない方は、この胞状卵胞が1,2個と少ないことが一般的です。原因としては、おそらく遺伝子レベルでの問題だと思います。 卵の数が少ない場合にはHMGの投与を行いますが、大量のHMGを投与しても、数ができないということもよくあります。そのような場合には、強い排卵誘発よりも、クロミッドだけのほうがかえっていい結果となることもあります。1,2個の卵子をいかに質の高い胚にして子宮にもどすかが大切となります。 (院長:田中温)
糖尿病の薬を使用すると、妊娠しやすくなる人がいると噂で聞きました。それは本当なのでしょうか?本当なら、処方していただけますか?
若い方における排卵障害の原因の中でもっとも多いのが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。
このPCOSの原因として、インシュリン抵抗性の糖尿病を伴う方がいらっしゃいます。インシュリン抵抗性がありますと、LH、プロラクチンの濃度が高くなり、排卵を障害します。また男性ホルモンの濃度が高くなり、多毛の原因ともなります。更に、レプチンの濃度が高くなり、脳下垂体のホルモンに影響を及ぼすことや、肥満を伴うこともあります。このような方には、糖尿病の薬である塩酸メトホルミンなどの薬が効果的で、既に高くなったLH・プロラクチン・男性ホルモンの濃度を下げることができます。これらの濃度が下がると、排卵機能が正常化され、妊娠率が高くなります。 この薬は短期間ではあまり効果がないので、数ヶ月という長期間服用する必要があります。糖尿病の精密検査を行い、インシュリン抵抗性がある場合には、試してみるべきでしょう。 (院長:田中温)
排卵誘発剤を使用して不妊治療をしていましたが、生理が不順になって、治療に対して不信感ができてしまいました。身体がどうかなってしまったと心配です。大丈夫でしょうか?
排卵誘発剤を使った次の周期は、かなり月経がガタガタになります。これは異常ではありません。本来、排卵する能力のある正常な方に、不必要な排卵誘発剤をたくさん使っているわけですから、乱れることは当然です。
しかし、もともとの卵巣機能は正常ですので、必ず元に戻りますから、ご安心ください。元に戻るまでに、2,3ヶ月かかることもありますので、体外受精を行った翌月には、カウフマン療法などのホルモン剤でコントロールするほうがいいと思います。 (院長:田中温)
こんにちは。排卵誘発のため、クロミッドを飲んでいます。今月は、基礎体温がいつもよりも早い時期に高くなりましたが、排卵したのでしょうか?
一般的にクロミッド服用後は、排卵の時期が少し遅れてきます。しかし、中には自然周期より早く排卵してしまうこともあります。排卵までに時間が長くかかるような遅延排卵(低温相が3週間以上続く)の方の場合には、クロミッドの作用で卵胞発育が正常に進行し、その結果早く排卵するのでしょう。いずれにしても排卵したかどうかは経膣超音波での卵胞計測と尿中LH測定が必要です。
(院長:田中温)
こんにちは。不妊治療を始めて半年になります。排卵誘発法には、ショート法とロング法があると思いますが、これは何が違うのでしょうか?それぞれがどのような場合に適用になるのかを教えてください。
ショート法は、GnRHアナログのフレアアップといって、使用初期の一過性の脳の中枢での刺激反応でFSHが高くなることで、卵胞の発育が増強される現象を利用した方法です。刺激する能力を優先するために、高齢の方や卵巣反応がやや低下している方、特に35歳以上の方に多く用います。
ロング法は、フレアアップののち、長期に使うことによって、下垂体から出るLHとFSHの濃度を低下させて、その後投与する排卵誘発剤の濃度をコントロールします。この方法により、LHの中途での分泌を阻止し、外から投与する注射で卵胞の発育を計画的にすることができます。若い方やLH濃度が正常より高くなる多嚢胞性卵巣症候群によく用います。 (院長:田中温)
こんにちは。現在、カウフマン療法を行っていますが、基礎体温がなかなか二相性になりません。なにかの病気なのでしょうか?
排卵誘発前の卵巣機能の調整のために、カウフマン療法やピルの服用をします。
カウフマン療法は自然の排卵周期に類似した内分泌環境となるように、前半はエストロゲン(プレマリン)を、後半はプロゲステロン(プレマリン・プロペラなど)を併用する方法です。排卵障害がある方に、卵巣機能を賦活させ、自然排卵を促進するために用いられています。プロゲステロンを服用し始めると基礎体温は上昇して必ず二相性となります。二相性にならないとすると、考えられる原因としては、薬の服用方法をまちがえているか、薬の量が足りないかのどちらかでしょう。また、体重の重い方の場合、ホルモンの量が不足し、反応が出ない場合があります。(日本人の常用量のホルモン剤をアメリカ人に用いますと、ほとんどの方で不正出血が始まります。ホルモン量を増加すると正常に戻ります。)お薬を飲み終えると2〜4日以内に出血が始まります。この出血は、量が少なくダラダラと続く傾向がありますが、薬の影響ですから心配はいりません。 カウフマン療法とは別に、卵巣機能の調整のためにピルを服用する方法もあります。マーベロンやドオルトン(プラノバール)はエストロゲンとプロゲステロンの合剤ですから基礎体温は最初から高温期となり、二相性にはなりません。カウフマン療法と同様で、飲み終えて2〜4日で少量の出血が始まります。作用の強さはマーベロンの方がドオルトンよりも強くなります。ですから、高齢の方や卵の数が少ない方がドオルトンを使用しますと、卵の数が減りすぎることがありますので、ご注意下さい。また、HMG(FSH)の使用量も増えます。これらのお薬を使用することにより、採取される卵子の質が高くなるという利点があります。 (院長:田中温)
|
| 質問一覧に戻る | このページの最初へ | TOPページに戻る |