回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.7 - |
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31歳です。現在、体外受精を行っています。採卵で、多数の卵が採れました。受精卵を3つ戻すといわれましたが、全部着床して、多胎になってしまうのではと不安です。複数個もどすのはどうしてですか?
体外受精時の戻す胚の数は、戻すステージによって違います。2日目(4細胞から6細胞)は、2,3個が一般的です。また、3日目(8細胞)は2個、4日目(桑実胚)は1,2個、5日目(胚盤胞)は1,2個(1個が理想)と思います。しかし、年齢、これまでの治療回数、内膜の厚さなどを考慮にいれて、戻す数を決められた方がいいと思います。
どのような症例でも、単一胚盤胞という考え方もありますが、これではやはり不十分だと思います。当然複数の胚を戻すと、多胎になる可能性はあります。産褥的リスクを考えますと、多胎は極力避けるべきです。とはいっても、経済的な問題も深刻ですし、妊娠率を下げてしまっては、元も子もありません。この点は、皆さんがもっとも悩むところです。ひとりひとりの状況をみながら、多胎を避け、なおかつ、妊娠率を高くキープするように個数を決めることが理想でしょう。 (院長:田中温)
ロング法で体外受精(IVF)をすることになり、高温期からスプレキュアを使い続けています。予定生理日になっても、出血がありません。スプレキュアの影響で生理が遅れることはありますか?
黄体中期からスプレキュアを使うロング法では、予定生理が少し遅れる場合もありますが、少しの遅れであれば、スプレキュアの影響だと考えられてよいと思います。しかし、時々、妊娠を合併している場合もありますので、妊娠判定テストをしてみてください。妊娠していても、スプレキュアは悪影響ありませんので、ご安心ください。
(院長:田中温)
体外受精を何回も繰り返していますが、妊娠できません。GIFTやZIFTが、妊娠率が高いと聞いて、試してみたいと思っています。GIFT、ZIFTの治療方法の違いと、どういう症例に向いているのか、また、治療効果に差を教えてください。
採卵当日に卵子を受精させないまま、精子と一緒に卵管にいれる方法をGIFT法といいます。ZIFT法は、翌日、受精を確認した後に、受精卵を卵管にいれる方法です。過去のGIFTの欠点は、卵子が受精したかどうかを確認できないことでした。ですから、現在のGIFTは顕微授精を行った後に、卵管に卵子を戻します。
GIFTやZIFTは、採卵した卵の数が2個以上、受精卵が2個以上を適応としており、良好な卵子が1,2個、受精卵が1個の場合には、腹腔鏡手術の負担を考えますと、あまりお勧めしておりません。卵子が3個ぐらいの場合には、ただちにGIFをしますが、5個以上の場合は、翌日受精した受精卵のみをいれることが可能です。ですから、採取した卵の数で、GIFTがよいかZIFTがよいかを区別しております。GIFTとZIFTの妊娠率はほとんど差がありません。 (院長:田中温)
無事採卵を済ませましたが、受精をしなかったといわれました。卵が採れたのに、受精できないというのは、どういう理由が考えられるでしょうか?
体外受精後、受精しない場合には、精子側の問題と、卵子側の問題があります。精子の数、動きが共に低下している場合には、精子の側に受精能力がないと考えられますので、次回からは顕微授精をおすすめします。精子の状態が良好で受精しない場合は、卵子に問題があります。卵子の透明帯が精子を受け入れない場合、もしくは、卵子の細胞質の成熟度が低いために受精しない場合があります。このような場合は、卵子の質が高くなるような排卵誘発を検討するとともに、顕微授精をすることをおすすめします。
(院長:田中温)
先日、体外受精の戻し(IVF-ET)をしたのですが、その後、出血がありました。なにか異常があったのでしょうか?また、受精卵への影響は大丈夫でしょうか?
体外受精後の出血は、ほとんどが、移植時に子宮の一部を把持した部分からの出血で、これは、子宮外からの出血ですから、問題はありません。とはいっても、患者さんにとってはこのET後の出血は気になると思います。少し出る場合には、ガーゼなどで圧迫して止めてもらうといいと思います。ただし、ETをしてから4,5日後から出血する場合には、黄体機能不全の場合もありますので、よくみてもらってください。超音波で見れば、子宮内の出血かどうかの判別ができます。
(院長:田中温)
体外受精(IVF)を10回以上経験しており、誘発剤やカウフマンなどで、大量のホルモン剤を使用してきました。最近、乳がんの原因に、ホルモン剤の影響があるとききました。治療で使用した多量のホルモン剤で、乳がんになることはあるのでしょうか?このまま薬を使用した治療を続けて大丈夫でしょうか?
体外受精の副作用として一番心配なのが、癌にならないかということです。卵巣がんや乳がんになりやすいのではないのかと、みなさんご心配していらっしゃると思いますが、WHOの世界的な調査の結果、因果関係はないという結果が出ております。ただし、30歳後半以上の方は、不妊治療にかかわらず、乳がん、子宮がん、卵巣がんの超音波検査は定期的に受診することをお勧めします。
(院長:田中温)
体外受精をするために、排卵誘発の注射を数本打ちました。しかし、本日の内診で、卵胞がひとつも見えないと言われました。注射を追加して、様子を見ようという指示でしたが、今現在、卵胞がひとつも見えないのに、これからできる可能性はあるのでしょうか?
排卵誘発剤を数本打った後に卵胞がひとつも発育しない場合には、その後注射を追加しても、発育する可能性はほとんどないと思われます。排卵誘発法には、年齢や疾患部位の違いなどにより様々な方法がありますが、卵胞が発育しなかった理由は行った排卵誘発法が貴方に適していなかったからだと思います。一般的に、排卵誘発剤を打っても卵胞が発育しない場合には、排卵障害が考えられます。正確なホルモンの検査(LHRテスト、TRHテスト)をして、視床下部、脳下垂体、卵巣ホルモンの流れの中で、原因がどこにあるのか、また、その程度がどのくらいかを詳しく調べることが必要です。その結果をみて、それにあった排卵誘発方法を見つけることが大切です。
(院長:田中温)
あれこれ調べてみると、体外受精(IVF)の受精卵を戻した後の安静時間が、病院によって違うようです。安静時間が短いと、なんだかせっかくの受精卵が、起き上がった瞬間に子宮から落ちてしまうような気がします。どれくらい安静にしていれば、立ち上がっても大丈夫なのでしょうか?また、戻しの後、トイレに行きたくなることもあり、安静時間の間に我慢ができなくなることがあります。戻しの後すぐにトイレに行くと、やはり、おなかに力がかかるし、受精卵が出てしまうのではないのでしょうか?
戻し後の安静時間は、0(ゼロ)でも着床率に差がありません。欧米ではほとんどが戻した直後に、歩いてご帰宅されております。ただし、個人のご希望で、長時間の安静をご希望の方は、安静にしていた方が精神衛生上いいかもしれません。トイレに行かれても大丈夫です。
(院長:田中温)
体外受精をしています。先日胚移植を行ったのですが、普通に生活していいといわれました。判定日まで、ほとんど寝て過ごす方もいるというのに、大丈夫なのでしょうか?また、「普通に」とは、走り回ったり、腹筋に力の入るような運動をしてもいいということでしょうか?自転車は子宮に振動が大きいからダメといわれる病院もあると聞いて不安なのですが。
安静にしていた方が妊娠率が高いとよく言われますが、統計をとってみますと、差はありません。普段の生活をされて、一向にかまいません。胚移植されたことを忘れられて、日常生活を過ごされてもかまいません。
(院長:田中温)
人工授精(AIH)や体外受精の戻し後(IVF-ET後)に、エアロビクスやテニスや筋力トレーニング、スキューバダイビングなどの激しい運動をしても大丈夫でしょうか?やってはいけないことはありますか?
原則的に、人工授精(AIH)、体外受精後の生活に規制はありません。何をされても、着床率に影響はありません。
(院長:田中温)
今回の体外受精(IVF)ではよい結果が出ませんでした。次の治療までの間、カウフマン療法をするようにといわれましたが、薬を飲むことに抵抗があります。どうしても必要な治療なのでしょうか?
体外受精後、排卵誘発剤による卵巣機能を矯正するためにカウフマン療法は有効です。また、高齢の方の場合には、採卵周期の前にカウフマン療法またはエストロゲン単独投与にて、FSHの濃度を下げることは、排卵や卵子の発育の上では有用です。
(院長:田中温)
体外受精(IVF)をしています。仲間の間で、生理3日目のE2値がよく話題になるのですが、病院間での基準がまちまちなので、自分の数値をどう判断していいのか迷っています。生理3日目のE2値は、どれくらいが理想なのでしょうか?
生理3日目(D3)のE2の値については、他の質問で回答がありますので、「E2」というキーワードで検索をしてみてください。
(院長:田中温)
体外受精(IVF)をした後、卵巣の方ではなく、下腹部の真ん中(子宮のあたり)が、重くジーンと痛むときがよくあります。卵巣の位置ではないので、戻した受精卵に異常が・・?と心配です。何が原因でしょうか?
体外受精後、子宮ないし下腹部が重くなるような鈍痛を訴える方が多くおられます。ひとつは、採卵時の採卵針で膣壁を貫通して卵巣に刺したための鈍痛です。他には、卵巣が肥大したための圧迫痛などが原因だと思われます。
稀に、胚移植の操作で子宮が収縮して鈍痛を訴えられる方もいらっしゃいます。この場合には、胚移植後に子宮の収縮と抑える薬や鎮痛剤の投与が効果があることもあります。
(院長:田中温)
体外受精を続けていますが、うまく妊娠できません。数ヶ月前に、卵管水腫が見つかりました。水腫が着床を妨げることがあると聞いて、このまま体外受精を続けても意味があるのかどうか悩んでいます。水腫が着床しにくい原因となるのであれば、切除してから治療をしたいと思いますが、どうでしょうか?
卵管水腫は、明らかに着床率を低下させます。超音波でもはっきりわかるような卵管水腫がある場合には、子宮と卵管水腫との交通性を遮断することが有効です。腹腔鏡下でできますので、事前にされることをお勧めします。
(院長:田中温)
胚盤胞移植は妊娠率がとても高いと聞いて、すでに数回、胚盤胞を移植していますが、いい結果がでません。胚盤胞移植でも妊娠できないということは、もう治療してもダメなのでしょうか?
胚盤胞移植は、万能ではありません。胚盤胞移植よりも、採卵2,3日目に戻す方が妊娠率が高くなることもあります。それは、体外での培養環境が、決して完全なものではないからです。人工的な環境に受精卵を置いておくのであれば、かえって、子宮の中に戻した方がいい場合もあるのです。
また、たとえ、胚盤胞になったとしても、着床の条件が十分でなかった場合には、着床ができません。内膜が薄かったり、卵巣が腫れている場合には、その採卵周期に戻さずに、凍結して自然周期に戻すと妊娠率が高くなります。ただし、胚盤胞の凍結後の妊娠率は、初期の分割胚に比べるとやや低下しますので、着床障害を疑われる場合には、胚盤胞まで培養しないで、初期の採卵2,3日目に凍結して、自然周期に戻した方が妊娠率が高くなることもあります。 胚盤胞移植で妊娠しなかったからといって、諦めないで下さい。まずは、4-8細胞で全胚凍結し、自然周期で戻すといい結果が出る可能性が高くなります。 (院長:田中温)
仕事の都合で治療がなかなか開始できずに、カウフマン療法を続けています。薬で周期を作り続けてずいぶん経つので、薬をやめた後に自力で卵が育つのかがとても心配です。自分のホルモンがさぼってしまうということはないのでしょうか?
1周期くらいは、不規則になるかもしれませんが、排卵能力のある方の場合は、卵巣機能に障害がおよぶことはありません。薬を中止すれば、必ず元に戻りますので心配はいりませんよ。
(院長:田中温)
体外受精(IV)で治療中です。インターネットの掲示板で、IVF中のE2値の変化が話題になっていますが、みなさんおっしゃることがまちまちで、どれが正しい情報なのかわかりません。IVF中の理想のE2の変動は、どれくらいなのでしょうか?
卵胞が1個の場合には、E2の値は、卵胞の成熟度を反映しますが、複数の卵胞があった場合には、1個一個の卵胞の成熟度を正確に反映するわけではありません。ですから卵胞発育が複数だった場合には、その判断が非常に難しくなり、E2の値によって、1日早くするか遅くするかという判断は非常に難しくなると同時に、あまり意味がないかもしれません。やはり、超音波上の内膜の厚さや卵胞径を見るほうが、経済的にも有効でしょう。もちろん、E2の値は、卵胞発育に従い、上昇するのが自然であり、E2の値が、変化しなくなったり、下がってくるような場合には、これは、正常な発育をしていないと考え、キャンセルしたほうがいいと思います。E2の最低値は約30pg/mlで、成熟した卵胞では300-500pg/mlとなります。
(院長:田中温)
治療を続けていますが、なかなか赤ちゃんができずに、焦っています。どんどん歳もとっていくので、できるだけ間をおかずに、治療をしたいと思っています。体外受精(IVF)は、連続してできるのでしょうか?
刺激周期、HMGを使った自然周期、HMGを使わない自然周期と、体外受精にもいろいろ方法があるようですが、それぞれの方法毎の最適な治療の間隔を教えてください。
HMGを使用した場合には、最低1ヶ月、できれば2ヶ月間あけてください。また、採卵した卵の数がたくさんとれた場合には、3ヶ月あけたほうがいいかもしれません。
自然周期の場合には、間隔をあける必要はないかもしれませんが、精神的にも経済的にも大変だと思いますので、少し間隔をおいた方がいいのではないでしょうか。 (院長:田中温)
カウフマン療法をすすめられましたが、できることなら、使用する薬を最小限にしたいのです。カウフマン療法をすれば、必ず卵の質は向上するのですか?薬を飲むことで、逆に質が下がることはないのでしょうか?
カウフマン療法したすべての方が、卵の質がよくなるわけではありません。しかし、大半の方は、卵子の発育する粒がそろうという効果があるといわれておりますので、特に高齢の方の場合には必要だと思います。
欠点としては、卵胞の数が減少する、卵巣が少し嚢状に腫れる、薬による副作用(気分が悪くなる、吐き気がする)といった症状が出る方もいらっしゃいます。もしも、嚢状に腫れた場合は放置してかまいませんので心配はいりません。 (院長:田中温)
仕事の都合で、別姓結婚(事実婚)です。わたしは、卵管閉塞と診断されており、妊娠するためには体外受精しか方法ありません。法律上の夫婦でないと、体外受精は受けられないと聞きましたが、わたしたちが体外受精を受けることはできないのでしょうか?
日本産婦人科学会のガイドラインでは、体外受精の適用は戸籍上の夫婦のみであり、事実婚は適用外となっております。しかし、事実婚を認めようとする動きはあります。(2006年4月22日に会告が改訂され、事実婚カップルへの体外受精を容認することが決まりました。[2006年4月22日])
(院長:田中温)
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