回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.12 -
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:3回
 ロング法にて誘発を行っておりましたが、卵胞発育がなく、現在は、低刺激で顕微授精(ICSI)を行っております(採卵数は1〜2個です)。繰り返しできるメリットを生かしたいのですが、生理3日目(D3)で残存卵胞があり、その周期は見送りとなります。自然にリセットさせても、連続で残存卵胞という状況が続いて、なかなか採卵周期に至りません。一度は吸引してもらいましたが、身体的に負担が多く、辛いです。ドオルトンでリセットすることもしましたが、FSHがあがってしまうようです。
 残存卵胞を消すよい方法はないでしょうか?黄体化非破裂卵胞(LUF)が多いのですが、それが関係しているのでしょうか?また、できれば周期を短くして1日でも早く採卵周期にしたいですが、薬でリセットさせる場合、D3の残存卵胞を発覚後すぐに服用して、生理周期を短くしても良いものでしょうか?

 「ドオルトン投与でFSHが上昇する」ということの因果関係については疑問ですが、もともとFSHの基礎値が高めなのでは。もしかしたら、ホルモン測定の条件が一定でなかったのかもしれません(月経何日目に採血したかにより値はかなり変わります)。ドオルトン投与によってFSHは必ず下降するはずです。
 質問文から察するところ、今まで何回も治療されてきて、あまりいい結果が出ていないように思われます。
 月経発来時点で残存卵胞(機性卵巣嚢腫)があった場合、御自身が希望されるように、その直後からドオルトンを7〜10日間くらいの短期で内服して消退出血を起こしてみて、もし消失していれば治療に入るというやり方も、トライしてみる価値は多少あると思います。それでもまだ残っていれば、3週間(21日間)服用されてみて下さい。効果はあるはずです。月経周期を短くするより1ヶ月の長さで調整した方がいい結果となります。E2を測って高ければ、その周期は中止し、ドオルトンを服用してみて下さい。ただ、そのようなやり方を受け入れてもらえるかどうかは、その治療施設の方針によりますので、主治医の先生と御相談下さい。[2006年6月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:6回 体外受精:1回
 今週期にホルモン補充療法にて、凍結胚盤胞移植を予定しています。通常は生理開始より20日過ぎに移植をすると聞きましたが、事情により、移植日を遅らせることになりました。私の場合、生理開始より27日目が移植予定日となりましたが、移植日を遅らせても着床には影響はないでしょうか?

 ホルモン補充療法にて凍結胚盤胞を融解し移植を行う場合、月経1日目から卵胞ホルモン剤服用となります。14日目に子宮内膜や卵巣のモニター検査を行い、以後は黄体ホルモン剤を追加してゆき、子宮内膜の状態を観察しながら凍結胚を融解し、子宮内膜の状態の一番良好と考えられる時が移植日になります。ですから移植日は、個人個人によって異なりますし、発育した受精卵と子宮内膜の状態が一番バランスのとれた状態が移植日とお考え下さい。[2006年6月1日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0.回 体外受精:2回
 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)で卵巣が腫れてしまいましたが、長期培養をしていたため、戻すしかありませんでした。しかし、資料には卵巣が腫れていたり内膜が薄いと妊娠しにくいので、凍結して自然周期に戻した方が良いと書いてありました。前回はこのやり方で戻しましたが、結果が出ませんでした。卵巣が腫れているとどうして妊娠しにくくなるのでしょうか?又、OHSSにならないための卵作りはありませんか?

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が予想される場合、当院では、原則として凍結して自然周期に胚移植するようにしています。OHSSの状態で妊娠しにくい状態なのは、ホルモン環境が不安定になっているためです。ただ、個人差があるため、多胎妊娠となってOHSS状態が持続し、入院管理が必要となる患者様もいらっしゃいます。
 OHSSを避ける方法として、HMG量を通常の1/2〜1/4に抑え、隔日に投与し、卵の成長に合わせて増量したり減量したりする方法や、アンタゴニストを使用することによって、卵を減らす方法などがあります。また排卵誘発する前周期にピルやカウフマン療法をすることで、卵が均一化し、数が減ることがあります。当院の患者様であればドクターに御相談下さい。一緒にあなたに合った方法を考えましょう。他院にて治療されている場合にも、担当の先生に御相談されみてはいかがでしょうか。[2006年6月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:48 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 この度、ひとまわりも年下の男性と結婚をすることになりました。彼は子供が欲しいと言っているのですが、私は48歳、帝王切開で出産した16歳の障害児がいます。今後、子供ができる可能性はどのくらいでしょうか?また、妊娠した場合の注意点など教えて下さい。よろしくお願いします。

 基礎体温は規則正しく二相性になっていますか。二相性になっているのであればチャンスはあると思います。出産の経験がある方は、同じ年齢でも初産の方よりも妊娠能力は高いと思います。但し、一般的に子供ができる可能性は2〜3%くらいではないでしょうか。
 妊娠した場合には、高齢出産となりますので、母体管理、体重管理の集中治療が必要です。NICUのある産科で診てもらって下さい。[2006年6月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:1回
 仕事で、重いものを(10kgぐらい)持つことがあります。戻し後は、通常の生活をしてもよいといわれていますが、あまり重いものを持たない方がいいのでしょうか?戻し後は、気にしなくてもよいと言われても、1歳になる甥を抱っこするのでさえ、とても心配です。

 ヒトは、全身の骨格、筋肉に協調的な体を支える動きがあり、「持つ」という動作につながります。従って、その「持つ」という動作が妊娠に悪影響を与える場合は、ある程度妊娠の状況が進み、子宮も大きくなり、強い腹筋や腰筋の負荷が子宮や子宮周囲の筋肉に影響を与える場合に限られると思われます。戻し後は、受精卵が着床するまでの過程ですので、その間、運動や重いものを持つというような生活の中のさまざまな負荷に対して、着床への影響を受けることはありませんので心配はありません。但し、妊娠が判明して、胎児として育ち始めれば、影響を受けることもありますので、できるだけ安静をとるといった基本的な注意が必要となります。[2006年5月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:不明 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:2回 体外受精:4回
 主人の精液検査では62%、9000万/ccで良好と言われましたが、実際に、体外受精(IVF)を行ってみたところ、受精しませんでした。そこで、顕微授精(ICSI)をしてもらいました。
 精子が良好でも受精しないのは、卵の殻が硬いためとも聞きますが、なぜ硬くなるのでしょうか?卵の質が悪いのとはどういう関係があるのでしょうか?受精しなかった原因は何でしょうか?

 透明帯は、卵母細胞(卵子)と顆粒膜細胞または卵丘細胞の間にあるもので、卵母細胞の発育や受精に重要な役割を果たしています。卵母細胞は、その発育調節に必要な物質を透明帯を介して顆粒膜細胞から供給されています。また精子は透明帯に付着すると、先体反応といって、精子頭部が卵子に侵入しやすい状態が成立し、卵に到達します。
 透明帯には、1匹の精子が入ると、その他の精子が侵入するのを防ぐはたらきがあります。透明帯は、糖蛋白という物質でできていますが、加齢や卵の質が悪い時などには、この糖蛋白の並び方に乱れが生じ、卵の殻(透明帯)が硬くなったり、厚くなったりします。ただ、卵の殻が硬いことと、卵の質が悪いということは必ずしも一致するわけではなく、卵の細胞質が良好であれば、顕微授精(ICSI)をすることによって良好な卵子が得られます。[2006年5月4日]
(永吉基)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 前回はロング法でブセレキュアを使用し、採卵数9個、受精卵6個(G1:2個、G2:1個、G3:3個)でしたが妊娠できませんでした。生理周期は28日で、排卵も毎回14日目位にきちっとあります。
 今回は顕微授精(ICSI)にチャレンジする予定ですが、誘発法は前回と同じ方法かアンタゴニストを使用する方法にするか迷っています。前回のような受精卵の結果からすると、今回はどちらでやった方がいいのでしょうか?アンタゴニストを使用するメリットとデメリットを教えてください。

 前回のロング法での分割卵の状態はどうだったのでしょうか。分割している胚の数が2日目で4細胞期胚が2〜3個以上になっているのであれば、今回も同じ方法でいいと思います。
 2日目で4細胞期胚が1個以下であれば、他の方法に変えた方が良いでしょう。他の方法の1つとしてアンタゴニストを使用する方法があります。アンタゴニストは、ブセレキュアと違って、直接的にゴナドトロピンを下げるので、より自然な方法と考えられます。ブセレキュアや排卵誘発剤を使用する量が減る傾向にあるかと思います。また方法が合えば、良好卵が得られる可能性が高まります。ただ個人差はあり、アンタゴニストが強くホルモンを抑えると、卵の質や黄体期に影響し、いい結果が得られないこともあります。アンタゴニストは卵胞が多くできる多嚢胞性卵巣症候群などの症例には、卵胞数が減り、卵巣過剰症候群にならず良い方法ですが、数が少ない症例では、他の方法と妊娠率に差は出ないことを考慮し、アンタゴニストが合っているかドクターと相談してみてはいかがでしょうか。[2006年5月4日]
(永吉基)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:3回
 今までに3回の体外受精(IVF)をしましたが、卵子の分割がうまく進まず、3回とも胚盤胞まで進みませんでした。1回目:10個採卵で2個移植(4分割)・2回目:10個採卵で2個移植(4分割)・3回目15個採卵で2個移植(2分割、顕微授精)
 採卵数が多いわりには、なかなか分割がすすみません。主治医より糖尿病の治療薬を服用することで優良な卵子が得られると言うお話も伺っていますが、どうすればよいでしょうか?

 採卵数が15個未満であるならば、採れた卵の質はそれほど低下しません。分割率が20〜30%以下の場合には、顕微授精(ICSI)をされた方が良いと思います。もし顕微授精でも分割率が低い場合には、排卵誘発法を変えることが重要でしょう。多嚢胞性卵巣症候群の場合(特に血中のインシュリンが高く、血糖値が高い場合)には、糖尿病の治療薬(メトホルミン)が有効と言われております。もちろん、このような糖尿病の所見がなくても、多嚢胞性卵巣症候群というだけでもこの糖尿病薬は効果があるかもしれません。使ってみる価値はあると思いますが、その前にまず排卵誘発法を変えるべきでしょう。あなたのようにやや多めの卵が採れる場合には、GnRHアゴニストよりもGnRHアンタゴニストの方が良い結果が出ると思われます。[2006年5月4日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:4回 体外受精:1回
 先月にはじめての体外受精(IVF)をしましたが、化学流産でした。
 凍結胚盤胞が2つあるので、次周期に戻す予定ですが、これらの卵は、最初に新鮮胚として移植したものに比べて、妊娠の確率は低くなったりしないのでしょうか?

 凍結胚盤胞を解凍して移植可能であれば、胚としての発育能力は高いといえるので、新鮮胚と比べ同じか、それよりも高い妊娠の確率があると思われます。子宮内膜の状態が良ければ更に妊娠率は上がると思います。[2006年5月4日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:4回 体外受精:1回
 体外受精で陰性後、2周期目にてホルモン補充療法での凍結胚移植を予定しています。今回は、ゴールデンウイークをはさむので、2周期目の生理を遅らせる方法を検討していますが、生理を遅らせた周期でも着床に問題はないのでしょうか?生理を遅らせることと併用でホルモン補充療法は行えますか?それとも、着床の確立を考えると、3周期目に伸ばしたほうがいいのでしょうか?私としては少しでも早く妊娠したいと気持ちが焦っています。
 それから、凍結胚盤胞胚が2つあるのですが、1つずつ戻すべきか、2つ同時にもどすべきか、どちらを選択すべきでしょうか?教えてください。

 ホルモンで月経周期をずらしても着床にはあまり影響ないと思います。胚盤胞は1つより2つの方が妊娠率は高くなりますが、双子の率が高くなりますのでご注意ください。
 胚盤胞の凍結は以外と難しいものです。ですから、凍結した胚盤胞がきちんと元に戻っているかが問題になります。きちんと戻ったように見えても、数時間経つとダメになってしまう場合もあります。そういう意味では、2つ戻した方が安全かもしれませんね。
 それと凍結の治療は、各施設でかなりの差がありますので、その施設の成績を十分に聞かれてください。十分であるならば1つ戻してみて結構ですし、あまり良い成績でなければ2つ戻しても良いのではないでしょうか。[2006年5月4日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:3回 体外受精:3回
 現在、他の施設にて治療をしています。今周期、自然周期で凍結胚移植をする予定で、プレマリンとクロミフェンを服用していましたが、生理から27日たっても排卵せず、内膜の状態も良くないとのことで、次回に延期となりました。(生理周期はおよそ31日周期で、ずれても2,3日ぐらいでした。)
 次回はホルモン補充周期により移植の予定ですが、自然周期とホルモン補充周期では何か違いはありますか?内膜の状態など、自然周期と比べて良いものになるでしょうか?それぞれのメリットやデメリットを教えてください。

 凍結胚移植の方法は、自然周期とホルモン補充周期の2通りがあり、それぞれに利点、欠点があります。
 まず自然周期で行う場合は、月経周期が規則正しく、基礎体温が二相性になっていることが必要です。尿中のLH、頚管粘液、経膣超音波で自然排卵時間を測定し、移植の日にちを決めます。このような測定を行うと着床率が高くなりますが、100%排卵日が正確に見つけられないということもあります。約5〜10%で尿中のLHが陽性にならないまま卵胞が消えたり、または卵胞も消えない(黄体化未破裂卵胞)ことがあります。このように排卵日が不規則になった場合には、来院日数が増えたり、検査の費用がかかることが欠点です。自然周期の場合には移植後の黄体機能補充は必要ありません。
 次にホルモン補充周期の方法です。この方法には何通りかあります。卵胞ホルモン、プレマリンまたはエストラダームのような貼り薬もあります。ホルモン補充周期は、これらを漸増し、内膜が10mm以上になった時点で黄体ホルモン、ヒスロンなどを投与する方法です。この方法の利点は、排卵をみつけるための検査が不要であり、内膜の厚さを測定すれば、あとは自動的に移植日を計算できる点です。欠点としては黄体ホルモンや卵胞ホルモンで、吐き気や嘔吐がひどくなったり、エストラダームで湿疹ができるような場合がある点があります。これらは、体質や症例に応じて使い分ければいいと考えます。また、ホルモン補充の際、前周期の黄体期の途中より、アンタゴニストの注射をうったり、アゴニストを使ったりする方法もあります。これもLH、FSHホルモンを低下させ、移植時のホルモンをコントロールしやすくするための方法です。[2006年5月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 こんにちは。現在、海外で不妊治療をしています。軽度の甲状腺機能低下症といわれ、薬を飲んで治療中です。それ以外は夫も私もとくに原因がない、原因不明不妊です。
 今周期は、排卵誘発注射とHCGの注射を用いてタイミング療法をしました。HCG注射の3日後から、100mgの黄体ホルモンの膣座薬を朝1つ、昼1つ、夜2つとの処方を受けました。この量は適切でしょうか?
 以前こちらのサイトで、黄体ホルモンの補充が多すぎても着床によくない結果をもたらすといった記事を読んで、少し心配しています。どのくらいが適量なのでしょうか?

 自然に排卵した後には、卵巣内に黄体が発生し、その黄体より黄体ホルモンが多量に分泌されます。そして、このホルモンの作用で着床が準備されますので、自然で妊娠された方には黄体ホルモンの補充は必要ありません。
 不妊治療をする場合で、黄体補充が必要な理由は、排卵誘発剤を使うことによって、正常な黄体の機能が乱れるからです。特にGnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストは、この黄体機能を低下させるために、黄体ホルモンの分泌が低くなり、着床が阻害されます。
 黄体ホルモンの投与についてですが、量にはかなり幅があります。10mgから多いところでは400mgと差があり、どれが最も適応かという方程式はありません。一般的には、プロゲステロンの筋肉注射を20mg〜50mg連日、HCG1000〜2000単位を隔日で2週間、あとは経膣の黄体ホルモン坐薬を100mg〜300mgなどがあります。一般的に、黄体ホルモンの筋肉注射と坐薬が有効的と言われております。しかし、注射は毎日行わなければならないので、大変かもしれません。
 HCGは黄体ホルモンと同時に卵胞ホルモンも上昇させますので、卵巣が腫れている場合には、使用を中止しなければなりません。飲み薬の黄体ホルモンは、ほとんどが消化管内で吸収されてしまい、効果が下がってしまいます。また当院での経験では、黄体ホルモンの量が必要以上に高くなった場合には、着床を妨げることがあります。以上の点から私達は黄体機能が障害されていると思われる症例は、すべて凍結し、自然周期に戻しております。その方が妊娠率は確実に高くなります。[2006年5月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:6回 体外受精:4回
 こんにちは。これまでに4回の体外受精(IVF)を行いました。いつも受精はしますが、次の日から分裂のスピードが遅くなり、止まってしまいます。そのため、まだ1度も移植ができていません。
 注射の種類、量や回数など、色々と試してはいますが、どれも同じ結果に終わっています。担当の先生にも受精を助けることはできるが、分裂を助ける治療法はないといわれました。
どうすればいいのかと、本当に悩むばかりです。何が原因なのでしょうか?よい治療方法があれば、教えてください。

 受精はするが、分割は全くしないのでしょうか。それとも分裂はするけれども、そのスピードが遅いのでしょうか。受精はするけれど、分割は全くしないということはあまり経験がありません。受精すれば少なくとも1〜2個は分割するはずです。しかしながら、分割のスピードはかなり程度の差があります。その分割のスピードの差となる原因としては、まずは卵子の質が高いか低いか、2番目は精子の状態があげられます。体外受精(IVF)は、精子の状態がその後の胚の発育のスピードに大きく影響します。ですから、次回からは顕微授精(ICSI)にされてみてはどうでしょうか。顕微授精をして、なおかつスピードが遅いのであれば、これは卵の質にも原因があると思いますので、排卵誘発を思い切って変えてみるといいと思いますよ。[2006年5月4日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:7回 体外受精:3回
 先日セントマザーで体外受精(IVF)をしましたが、失敗に終わりました。1〜2周期あけると言われましたが、年齢的にもすぐにでも再開したいのですが...。休む周期が短いとよい卵ができないのでしょうか。排卵誘発方法も変わってくるのでしょうか。

 排卵誘発の種類、卵が何個できたかなどによってお休みする期間が変わりますが、最低1ヶ月あけることは肉体的、精神的に必要ではないかと考えております。卵の数が少なく、アンタゴニストなどを使用していない場合には休憩期間がなくても大丈夫な場合もありますよ。[2006年5月4日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:4回 人工授精:5回 体外受精:1回
 胚移植後の安静は特に必要なく、温泉旅行に行っても構わないと回答がありましたので、大丈夫だと思うのですが、やはり心配なので、質問をさせてください。胚移植後、海外旅行で、長距離の飛行機、なれない食事や環境であっても、妊娠率に関係はないでしょうか?

 胚移植後の安静は特に必要ないと思いますし、通常の日常生活を送って構わないと思います。温泉などに行かれて、気持ちをリラックスされても良いかと思います。
 しかし、あなたが書かれているように海外旅行で長距離の飛行機、なれない食事や環境といった日常とはまったく違う強いストレス下に体をおいても良いというわけではありません。このようなストレスに体をおくということは、体のホルモン環境、特に女性では女性ホルモンの分泌やバランスに悪影響を及ぼすことは充分考えられることだと思います。また治療後に妊娠した場合、出血や流産の心配もあります。海外に行けば対処のしようもありません。このように海外旅行の場合には高いリスクがあります。お近くの温泉などでリラックスされてはいかがでしょうか。[2006年4月17日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:1回
 なかなか不妊治療の結果が出ないので、気分転換のために旅行によく行きます。
 顕微授精(ICSI)で妊娠した場合、着床から1ヶ月以内に温泉に入ってもよいでしょうか?流産しやすくなったりしませんか?

 温泉は、気持ちをリラックスし、最適な気分転換だと思います。
 温泉が不妊治療や妊娠前のものに悪影響を与えることはありません。顕微授精後でも、体外受精後でも着床してから1ヶ月以内であっても悪影響はありませんし、流産しやすくなるといったこともありません。むしろ気持ちがリラックスしたことで、生体内のホルモンが活性化され、肌もきれいになり、食欲も増し、女性としての機能にも良い影響を与えるのではないかと考えます。御主人と一緒に夫婦仲良く旅行へ行ったり、温泉に行けることは大変うらやましいと思います。妊娠してからも仲良く温泉に行ける関係を築いて下さい。
 温泉に入ることを気にされる方が以外に多いのですが、温泉は基本的にお風呂にミネラル成分が混じっているのみであり、体内に吸収することもありませんし、安全と思って良いです。[2006年4月17日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:18回 体外受精:7回
 体外受精(IVF)では、内膜の厚さが8〜12mm、卵はG1〜G3、分割も順調〜桑実胚と条件はよいのに、うまくいきません。何故でしょうか?
 スプレキュア、アンタゴニスト、セロフェンによる自然周期、全胚凍結など、様々な方法をしてきました。また、これまでに戻しを計11回おこないましたが、その内3回は化学流産(普通の生理周期と変わらず、検査しないと気付かない流産)でした。精子と卵子の遺伝子上の相性のようなものがあるのでしょうか?何故うまくいかないのでしょうか?どうすればよいでしょうか?

 排卵誘発を行った周期は、内膜や卵巣の機能がかなり影響を受けていますので、この周期では戻さず、全胚凍結をして、自然周期に戻した方が間違いなく妊娠率は高くなります。あなたの場合も次回は発育した胚をすべて凍結し、自然周期に戻してはどうでしょうか。妊娠率は必ず高くなりますよ。[2006年4月17日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:5回 体外受精:1回
 体外受精での胚移植(IVF-ET)の後、凍結胚移植は1周期あければ問題ないと聞きました。そこで、質問ですが、ホルモン補充療法では、生理前より治療がはじまるので、結果的には1周期もあかないと思います。そのような場合でも、問題はないでしょうか?それともIVF-ETの判定後、2回後(次の次)の生理前から始めたほうがいいのでしょうか?

 体外受精の胚移植後(IVF-ET)後に余剰胚の凍結胚移植を行う場合には、あなたの言われるようにIVF-ETの判定後、2回後(次の次)の生理前から治療を始めることが一般的だと思います。凍結卵融解胚移植では、ホルモン補充療法での胚移植や自然排卵後の胚移植もありますので、上記以外は担当医の判断が大切だと思います。担当の先生とご相談の上、治療を開始して下さい。[2006年4月17日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:44 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:1回
 たまごの質が悪く分割しません。わたしは、右の卵管がつまっており、基礎体温は今までは二相性でしたが、最近は高温相になってしまいました。主人の精子はまったく異常なしです。
 最後の望みとして、セントマザーで顕微授精(ICSI)をお願いしたいのですが、治療をしていただけますでしょうか?今通っている地元の病院で使っていた注射の種類や錠剤など、調べておかなければならないことはありますか?また、受診するタイミング日を教えてください。

 40才を過ぎると、卵の質は悪くなる傾向にあります。基礎体温が二相性から一相性になると、排卵がうまくいっていないこともあります。地元で使った注射の種類や薬の名前がわかっていると治療がスムーズにすすむと思います。当院では、様々な排卵誘発法を行っておりますので、薬の名前や過去のデータをお持ちになってご来院いただき、初診時にお伝え下さい。
 受診の時期ですが、必要であれば、当院にて再度子宮卵管造影を行うことができますので、生理が終わった直後がよいでしょう。しかし、都合がつかない場合は、その限りではありません。[2006年4月17日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:18回 体外受精:1回
 今回セントマザーで2回目の顕微授精(ICSI)を行いました。
 卵を作るのにHMGの注射とアンタゴニストを使用し、卵が20個以上できたのですが、左右の卵巣でできる卵の数や大きさが違うのはなぜですか?できる卵の質は左右の数のバランスや出来る数で変わるのでしょうか?
 今回は卵巣が腫れていたため、受精卵は凍結し、2ヶ月後に戻すことになりました。現在、受精卵の凍結が4本あり、次回からは受精卵の戻しということになりますが、費用はどの位になるのでしょうか?

 左右の卵巣には、本来は同じ数の原始卵胞があるはずですが、実際に排卵誘発剤を使って発育する卵の数は、バラバラなのが一般的です。中には全く反応しないという卵巣もあります。左右交互に排卵する場合は非常に珍しく、片側のみから排卵するということはよくあります。ですから、あなたの場合のように、左右の卵巣からできる卵の数が違っても、決して異常なことではありません。採卵数が多い場合には、採卵周期に戻すと妊娠率が低くなりますので、そういった場合には、すべて胚を凍結して、自然周期に戻すとよいでしょう。次回の凍結胚移植に期待ができると思います。
 凍結胚移植の費用は12万円です。長期培養をすると1日1万円ずつ費用が加算されます。[2006年4月17日]
(院長:田中温)
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