回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.19 -
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:4回 体外受精:2回
 体外受精(IVF)を受けています。今回の方針がだめだったら、次はこの方法で・・・という形で治療を受けていますが、よい結果が出ずに病院へ行くと、毎回異なる治療法が提示されます。あまりにも話が二転三転するので、本当にこれで良いのかと不安になります。
 体の状況は、特に変わっていないと思っていますが、治療法はそんなにも変わるものなのでしょうか?同じ方法をしてみるということはないのでしょうか?

 排卵誘発法は数種類あります。まずは成績の高いものから選んでいきますが、個人によって反応が違いますから、治療法が変わることは悪いことではないと思います。しかし、変えた後に結果が悪くなるようであれば、意味がありませんね。卵の質、数、内膜の厚さなどから、方法を絞り込んでいけるのではないでしょうか。結果が出ないまま、同じ方法を繰り返すよりも、少しずつ方法を変えていくことは悪いことではないと思います。但し、同じ方法であっても、その時の体調によって、かなり変化することもありますので、毎回変えるのは少し多いかもしれませんね。担当の先生としっかり話し合いをされてください。ご自身の思っていることは、遠慮なく、お伝えになった方がよいと思いますよ。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:1回
 初めて体外受精(IVF)をおこないました。高プロラクチンのため、テルロンを服用しています。体外受精の前周期にはカウフマン療法を行ないました。スプレキュアと3日目からFSHの注射を1週間行いましたが、片側の卵巣に4つ卵胞が見られただけで、もう片方は反応しませんでした。
 12日目に採卵を行なって、反応した片側から3個採取しました。受精の結果はグレード3〜4の4分割が2個と、グレード4の2分割が1個で、14日目に胚移植を行ない、現在は毎日注射を行ないながら、結果待ちです。
 卵巣に特に問題はないと診断されているのですが、片側の卵巣が反応しなかったのが気になっています。今回たまたまということもありますか?問題はないのでしょうか?また、採卵数が3つと、反応が良くないようですが、他の誘発方法として、どのようなものがよいでしょうか?

 排卵誘発剤を使うと、一般的には両側の卵巣で卵胞が発育します。しかし、片方のみで卵胞が発育するということもめずらしいことではありません。あなたの年齢であれば、もう少し数が取れてもよいと思います。
 排卵誘発法を決めるには、月経3日目までの胞状卵胞の大きさ、数、位置、E2やFSHなどが参考になります。月経3日目までの胞状卵胞が粒揃いでなかったり、一部だけが大きくなっている場合には、キャンセルした方がよいと思います。
 カウフマンは、卵巣の機能を整える上で有用ですが、卵巣が腫れてしまうことがあります。このような場合には、卵胞の発育が低下しますので、注意が必要です。排卵誘発剤でどのくらいの卵ができるかは、月経3日目までの卵巣内の胞状卵胞の数を見れば予測が可能ですよ。その時点で5〜6個見えれば、10個程度の卵ができると思います。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:5回 体外受精:2回
 インターネットを見ていたら、子宮鏡を使って、子宮から卵管に向けて卵を移植する方法があるのを知りました。手術ではないので何度も挑戦できるし、体に負担が少ないのは魅力的なのですが、GIFT・ZIFT法とは反対の方向から移植する形になると卵が膣へ行かず卵管采へ出て行ってしまわないのかなと思うのです。どちらを選ぼうか考えているのですが、専門的にみてどのような違いがあるのでしょうか。

 あなたの仰るように、卵管は卵管采(卵管の一番外側)から子宮に向かって、稲穂が風になびくように、一方向にのみ動きます。ですから、排卵し、卵管に取り込まれた卵子が子宮内に運ばれていくわけです。今までの不妊治療の歴史をみますと、卵管内に配偶子や胚を入れる場合には、腹腔鏡の成績が良くなっています。子宮鏡を用いた方法も報告されていますが、継続して高い妊娠率がえられたという報告は残念ながらあまりないようです。
 腹腔鏡をしなくてすむという点は、子宮鏡を用いたGIFT法の利点ではありますが、最も重要なのは妊娠率です。子宮鏡を使うのであれば、体外受精(IVF)の方がよいかもしれませんね。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:6回 体外受精:0回
 先日初めて採卵し12個の卵を採卵することができ、うち8個の受精が確認できました。卵巣が腫れていたので、4個を凍結、4個は培養を継続しました。培養した受精卵のうち2つは、6日目に胚盤胞になりました。グレードはG1とG4で、2つとも凍結になりました。ホルモンや子宮の状態が整った時点で、凍結胚盤胞移植をするという説明を受けました。
 分割のスピードですが、5日目に胚盤胞になるのが普通だと思いますが、今回の私の場合は6日目に胚盤胞なったので、スピードが少し遅いのではと気になっています。これらの違いは何なのでしょうか。6日目の胚盤胞は、5日目より妊娠率は下がると聞いてますが、もしも妊娠することができたとしたら、胎児に影響はないでしょうか?

 胚の分割は、日数とともに進み、通常は、2日目で4分割、3日目で8分割、4日目で桑実胚、5日目に胚盤胞と成長します。しかし、胚によっては、成長が早いものも遅いものもあります。また、卵を観察する時刻によっても変化することがあります。例えば、2日目に3細胞だったり、5細胞だったりと、どの時刻に観察するかで、多少異なります。また、形態も刻々と変化しています。
 たとえ、スピードが遅くても、凍結蘇生が可能で、妊娠し、順調な成長が見られるならば、まず問題はないと思いますよ。[2007年3月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:38 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:1回
 3ヶ月前に顕微授精(ICSI)をしました。熟成した卵子で、精子も活発だったということですが、結果は受精せずでした。
 卵子が何の反応もしなかったそうで、あまり見られないパターンだといわれました。顕微授精において、卵子が無反応となる原因として何があるのでしょうか?やはり高齢なので良い卵子が採れていないのでしょうか?

 良好な卵子に対して顕微授精(ICSI)しても受精しない場合には、卵子の質に問題があります。卵子の質はカリウム膜をすべて取り除いたICSI前の状態を顕微鏡で見ると、ほとんど判定が可能です。ですから、顕微鏡下の観察で問題ないのであれば、精子がうまく卵子の中に入っていないのかもしれません。顕微授精の技術も影響してきます。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:4回 人工授精:3回 体外受精:4回
 ホルモン補充周期の凍結胚移植で、内膜の状態は良く、グレードのよかった桑実胚を戻しましたが、うまくいきませんでした。高齢が原因か、染色体異常か、卵の質が悪いのか・・・原因がわからずに落ち込んでいます。
 体外受精(IVF)も4回を超え、年齢的にも焦りがあります。「卵の数が少なかったり質が良くない場合には、凍結胚移植よりも卵管移植の方がよい」という回答を見て、次はセントマザーでGIFT・ZIFT法をしたいと考えています。
 そこでいくつかお尋ねしたいことがあります。教えて下さい。
 1. GIFT・ZIFT法は採卵周期に卵管に戻すようですが、内膜が10mm以上あれば、排卵誘発の注射等のダメージを受けた内膜に戻しても影響は無いのでしょうか。
 2. 高齢の卵子で殻がやや固い場合、卵管から戻す方が着床しやすいのでしょうか。(アシステッドハッチングをしてGIFT法で戻すことはといったことは可能なのでしょうか。)
 3. 卵管内に留まって子宮外妊娠をするという可能性は高くなりませんか?
 4. 外的手術が必要ですが、妊娠に至らなかった場合に、次のIVFやGIFT法に挑戦する場合は、どのくらいの期間をあけなければならないのでしょうか。

 基本的に胚移植はGIFTであっても、ZIFTであっても、体外受精(IVF)であっても、自然周期戻しが最も着床率が高くなります。ですから、なるべく凍結して自然周期で戻した方がいいと思います。しかし、内膜が10mm以上と良好であれば、採卵周期でも構いません。
 最近の研究では、卵子の殻自体が妊娠率を左右するということはあまりないと言われています。やはり、卵子全体の質が問題になります。しかし、明らかに透明帯が厚く、茶色になっている場合には、アシステッドハッチングは多少効果があるかもしれません。
 GIFT法・ZIFT法が始まった当初は、子宮外妊娠の率が高くなるのではないかと危惧されていましたが、実際の発生率は体外受精(IVF)よりも明らかに低くなります。頻度は1%程度で、自然妊娠の発生率と同様であるとお考え下さい。
 GIFT・ZIFTは腹腔鏡が必要ですが、傷は2〜3mm、処置は10〜15分で終わります。次回の体外受精には影響はありませんし、続けてGIFT・ZIFTをするのであれば1ヶ月あければ可能ですよ。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:4回 体外受精:1回
 昨年、顕微授精(ICSI)を行い、7個採卵、いずれも胚盤胞まで育たず、5日目の桑実胚を2個移植しました。結果、陽性反応が出てHCGは1200でしたが、出血してしまい、あえなく撃沈してしまいました。
 卵も多くとれませんし、胚盤胞まで育たない場合は、分割胚を移植した方がよいのでしょうか。

 胚盤胞まで育たないということは卵子の質が不十分だということです。いかにして良質の卵子を発育させるかが、体外受精(IVF)の成功の鍵であるといっても過言ではありません。月経周期が規則的で、基礎体温は二相性、年齢も34歳と問題はないようですので、あなたに合った排卵誘発法を見つけることが重要だと思います。
 排卵誘発を決める際には、月経3日目までの胞状卵胞の数、位置、大きさ、粒揃いかどうか、E2やFSHの値などが参考になります。卵子は約2ヶ月かけて育ちますので、2ヶ月前より排卵誘発を検討しなければなりません。胞状卵胞が不揃いであったり、数が多い場合には、ピルなどでコントロールすることも重要となります。
 あなたに合った排卵誘発剤が見つかれば、必ず良い結果がでると思いますよ。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:0回 体外受精:2回
 セントマザーにて、遠隔治療で体外受精(IVF)を行っています。
 地元の病院で内膜チェックをした場合は10mm以上あるのに、セントマザーに行くと7mmと診断されたことがあります。今度、初めての凍結胚移植をしますが、地元の病院では10.5mmと言われてプレマリンの量を減らしました。しかし、九州に行くのは移植当日になります。その時にまた7mmだったらどうしようと不安です。大丈夫でしょうか?

 施設によって超音波の違いや、医師の測定の違いがありますし、日ごとに子宮内膜が変化することもあって、内膜の厚さには差が出ることは、どうしても避けられません。ですから、遠隔治療の方の場合、卵胞の大きさや子宮内膜の違いが出てしまいます。子宮内膜が薄い場合には、長期培養やアシステッドハッチングを施し、卵の方で子宮内膜が薄い条件をカバーする対処方法もありますので、がっかりしないで下さいね。[2007年3月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:0回 体外受精:2回
 今度、セントマザーにて凍結胚移植をうけますが、もしだめだった場合はどのくらいの間隔をあけないといけないのでしょうか?
 凍結胚移植周期はホルモン補充をしていおり、プレマリンを多量に飲んでいるので心配です。しかし、できるだけ早く採卵したいと思っています。凍結胚移植から次の採卵(排卵誘発周期)への間隔を教えてください

 凍結胚移植は原則としてお薬を使いませんので、よい結果がでなかった場合でも、翌周期から採卵が可能です。プレマリン、ヒスロンを使っていて、妊娠しなかった場合は、ホルモン環境が整っていますので、すぐに採卵に入ることが可能です。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:3回 体外受精:0回
 右卵管閉塞のため体外受精(IVF)を行っています。これまでに5回も誘発し、いつも3個程度しか卵ができず、採卵できたのは2回(採卵数は1〜2個)です。質が悪く、受精・移植まで進んだ事はありません。
 誘発法は、クロミッドを1日3回5日間、パーゴグリーン300単位を生理5日目から10本打つなど、誘発方法はそれほど変わっていません。先月、主治医に誘発方法を変えてみたいと相談したところ、私には今までの方法(クロミッドやパーゴグリーン)が1番合っていると思うから、今後もこの方法を続けましょうと言われました。
 できる卵の数も少なく、質も悪いのに、これからも同じ誘発方法でいいのかと疑問に思っていますが、主治医からそう言われてしまい、何度も同じ提案ができません。本当にこの方法でいいのでしょうか?

 最適の排卵誘発法を見つけることが体外受精(IVF)の妊娠率に最も影響を与えます。排卵誘発法を決めるには、月経3日目までの胞状卵胞の数、位置、大きさ、粒揃いかどうか、E2やFSHの値などを観察することが重要となります。月経3日目までに、3〜4個の胞状卵胞が見られる場合には、GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストを用いる方が有利だと思います。排卵誘発法は、必ず良くなるという方程式はありませんし、その方法を見つけることも困難だと思います。やはり、これまでの結果を参考にしながら、主治医と話し合って決めることが最も有効だと思いますが、まったく方法を変えていないのであれば、方法を変えてもらうと効果があるかもしれません。あなたの考えと主治医の考えが合わない場合には、施設を変えてみるのも手かもしれませんね。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温: 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:3回
 先日凍結卵を戻しましたが、主治医から「今回は卵の戻りがいまいちだった。少しつぶれていたね。」と言われましたが、問題ないのでしょうか?どのような状態で戻すのが最適なのでしょうか?
 卵の質は良いということですが、結局妊娠に至りませんし、年齢的にも厳しいと思っています。このまま同じように体外受精(IVF)を続けてよいのかと悩んでおります。今後の治療でよい方法があれば教えて下さい。

 凍結胚を用いた自然周期胚移植は、着床率が最も高くなる方法ですが、融解後の胚の戻りが悪い場合には、ほとんど着床しません。胚が正常に戻らない理由としては、凍結時に胚の状態が不十分であったか、凍結の技術が不十分であったかのどちらかです。現在では、凍結の技術は、ほぼ画一的になってきていますので、おそらく凍結時の卵の質に問題があったのではないでしょうか。
 年齢的に厳しい状態ではありますが、当院では、高齢の方の場合は、全胚凍結、自然周期戻しが妊娠率が最も高くなっております。但し、凍結の技術が完全でなければ、却って卵の質が悪くなることもありますので、各施設によって方法は多少異なるのかもしれません。[2007年3月15日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:6回 体外受精:1回
 結婚4年目、都内の病院で治療をしています。2年半前に主人の精子無力症がわかり、セロフェンで治療しています。
 昨年11月に初めての顕微授精(ICSI)をしました。中刺激法の誘発でHMG+アンタゴニストで14個採卵できましたが、2個が未成熟卵でした。ICSIで11個中9個が受精し、5個の胚盤胞ができたので、採卵周期に2個(孵化中胚盤胞AA,BB)を移植しましたが、結果は陰性でした。その2周期後にホルモン薬で内膜を調整して1個(拡張胚盤胞AA)を移植しましたが、また陰性でした。どちらも移植時は内膜は良い状態でしたが、着床もしていないようです。
 29歳ですが、2回も良い状態の胚盤胞を移植して妊娠しないのは、着床障害の可能性が高いのでしょうか?免疫系疾患や子宮内膜の細胞検査をした方が良いのでしょうか?私のようなケースの場合、セントマザーではどういった治療をするのか、アドバイスをお願いします。
 体外受精(IVF)で妊娠するためには、良好な胚と同時に、良好な着床が必要です。排卵誘発のためには、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト、HMG、FSHなどのお薬を使うため、卵巣や子宮内膜に悪影響が及んでしまいます。当院では、原則的に、採卵周期には全胚凍結をして、自然周期に戻すことをお勧めしております。その方が着床率は明らかに高くなります。但し、すべての胚が凍結できるわけではありませんが、可能であれば、この方法を試してみてはいかがでしょうか。免疫系疾患や子宮内膜の検査は必要ないと思いますよ。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セロフェンで排卵誘発を行う予定でしたが、生理3日目のFSHが31、E2が45で、「両方とも高いから誘発は中止しましょう」と言われ、現在カウフマン中です。
 生理3日目のFSHやE2の値は、どのくらいが理想の数値ですか?
 理想としては、FSHの値は10mIU/ml以下、E2の値は20pg/ml以下です。あなたの値は、両方とも高い状態ですので、排卵誘発はキャンセルした方がよいでしょう。
 年齢の問題や、排卵障害の有無が重要となってきます。LH-RHテストではどのような反応を示すのでしょうか。また、月経3日までの胞状卵胞の位置・大きさ・数はどうでしょうか。それらの情報があれば、もう少し詳しく戦略を立てることができると思います。妊娠は十分可能だと思います。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 初めて投稿する34歳の主婦です。先日、自然周期法で、初めての体外受精(IVF)をしましたが、失敗に終わりました。途中、体調不良もあり、HMGを1本少なくしました。
 2個採卵できましたが、1個しか受精しませんでした。グレードは2−3Day2の6分割でした。戻した場所は20mmの場所で、いい場所に戻しましたと言われました。お薬はブラノバール(10日間)とクロミフェン(10日間)、移植後にプロゲストン+ビタミンE、移植終了後に注射1本(翌日から軽い卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりました)、その後2回(プラゲ)を打ちました。
 主治医は「卵もいいからうまくいくかも」と言っていましたが、着床に至らなかったのはなぜでしょうか?次回再チャレンジしたいのですが、良質な卵を作ったり、子宮内膜を厚くするにはどうすればよいでしょうか?主治医からは「もしかしたら3回位かかるかもしれないが、まだ若いから大丈夫です。」といわれましたが、これはどういった意味でしょうか・・・最低でも3回は必要ということなのでしょうか。
 体外受精(IVF)胚移植の妊娠率は、採卵する卵の数に影響されます。1〜2個では、やはり妊娠率は低くなります。34歳で基礎体温も正常ということですから、GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストとFSHまたはHMGを使って、10〜15個の卵を採る方法が有利ではないでしょうか。その結果、たくさんの胚ができれば、凍結も可能です。凍結胚移植の着床率は非常に高くなります。
 当院では、原則的には採卵周期に戻さず、全胚凍結して自然周期に戻すことをお勧めしております。しかし、すべての胚が凍結できるわけではありません。また、凍結の技術が十分でなければ、却って卵の質が悪くなることもありますので、一般的な治療法とはいえないかもしれません。しかし、可能であれば、そのような治療法も試されてはいかがでしょうか。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:5回 体外受精:2回
 クロミッドでタイミング法を行い、1回目で妊娠しましたが、胎嚢は確認できず化学流産しました。その後、1回目の人工授精(AIH)(クロミッド+HMG+HCG4回)で妊娠しましたが、7週で不全流産(胎嚢確認できず)の経験があります。
 ステップアップし、1回目の体外受精(IVF)は、OC-ロング法で10個の採卵ができましたが、E2の値が3000くらいありました。胚盤胞まで培養して2個を戻し(4AAと3)、黄体ホルモンの注射と膣座薬の併用をしましたが、判定は陰性でした。2か月後に、凍結胚を融解して胚盤胞2個を戻し、ホルモン補充をして、黄体ホルモンの注射と膣座薬を併用し、バファリンも服用しましたが、判定は陰性でした。その後、子宮境検査を受けると、奥の方にポリープが見つかり、手術でとりました。
 2回目の体外受精は、OD-ロング法で9個採卵、受精は5個です。3日目に8分割(グレードI)を移植し、その2日後に5ABの胚盤胞を1個と胚盤胞になりかけを移植しました。今回は、アシストハッチングもして、黄体ホルモン(プロゲホルモン50mg)と膣座薬を併用し、バファリンも服用しました。
 E2の値は採卵前2000、5日目に400台でしたが、10日目に19になってしまう、エストラダームを4枚ずつ2日おきに5回貼りました。エストラダーム開始2日目にはE2は118になりましたが、今回も判定は陰性でした。卵ではなく、子宮側の原因ではないかといわれています。どうすればよいでしょうか?
 胚の発育は良好なようですので、次回は採卵周期には戻さず、全胚凍結をして自然周期に戻す方法をされみてはいかがでしょうか。全胚凍結・融解胚移植の場合には、ホルモンの値は正常の状態ですし、プロゲストロンやエストロゲンの補充も必要ありませんので、着床率は高くなると思いますよ。この場合でも、バファリンは飲まれて結構だと思います。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:1回 体外受精:0回
 海外で顕微授精(ICSI)に向けて治療をしていたところ、HCG注射を打つ当日になって、エストラジオール値が高すぎたため、治療がすべてキャンセルになってしまいました。
 治療内容は、生理2日目よりGnRHアナログ0.1mg(皮下注射)、20日目よりpuregon100uiを朝晩2回、8日間はGnRHアナログに加えて注射しました。その間puregon開始から1日おきにエコグラフィとエストラジオール採血をしました。
 結果、最後2回の採血で、エストラジオール値が高くなりすぎたようです。卵も20数個ほど育っており、このままHCGを打つと卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性が高いということで中止になったわけですが、中止になる前にエストラジオール値を押さえる方法はなかったのかと疑問に思っています。
 私たちは、男性不妊で、私には特に問題がありません。以前、排卵誘発剤(注射)を使ってタイミング法を行った時も、注射の効き目がよくて、5〜6個の卵ができてしまったため、多胞妊娠を避けるためにキャンセルになったことがありました。puregonの量が私には多すぎたのでしょうか?今後はどうすればよいでしょうか?
 基礎体温が二相性で月経周期が規則的ということは、卵巣機能は正常だと言えます。ただ、排卵誘発に対する反応性が高いために、卵巣が腫れるのだと思います。卵がたくさんできすぎると、1個あたりの卵の質が低下し、着床率が下がりますので、決していいことではありません。卵の数は10〜15個程度に抑えるべきでしょう。
 月経3日目までの胞状卵胞(未成熟な卵胞)の数・位置・大きさを見れば、どのくらいの卵子が排卵するかを予測することができます。数が多い場合は、3日目の胞状卵胞の数を、5〜6個程度に減らすために、前もってピルを1〜2周期服用するとよいと思います。その後、排卵誘発を始めると、10個程度のよい卵が採れると思いますよ。諦めずにがんばってください。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セントマザーにお世話になり始めて6ヶ月になります。39歳、難治症の排卵障害で治療歴6ヶ月になります。
 FSHが30〜40と高値でしたが、1周期、カウフマンをした結果FSH8.8となり、1個採卵できました。FSH値が気になっていたのですが、その後カウフマン療法はせず、ドオルトン服用だけの指示のみでした。結果、FSH25の周期と FSH31の周期で、2回も誘発中止になりました。なぜカウフマン療法ではなく、ドオルトンだけの処置だったのでしょうか?高齢の患者向けなのでしょうか?
 遠隔治療をしていますので 地元の病院では誘発前の生理3日目に行うホルモン値の結果が出るまでに1週間かかります。今回は、セロフェンで誘発予定でしたが、生理3日目の血液検査をしてもらいたくて、セントマザーまで伺いましたが、FSHが31、E2が45とどちらも高いため誘発中止となりました。
 現在は、カウフマン療法中ですが、患者によって、ドオルトンが合わない人もいるのでしょうか?なんとしても授かりたくて信頼しております。この半年間の治療の結果で、今後、どのような治療を進めることが有利なのかを教えて下さい。
 FSHを下げるには、カウフマンよりもピルの方が効果的です。但し、ピルは効果が直接的で、強い場合には、卵子が育たないということもあります。このあたりが難しい点です。その点、カウフマンはマイルドな効果が得られます。しかしながら、FSHに対しては不十分ということもあります。
 あなたの場合には、結果的にカウフマンの方がよかったようですね。
 卵巣に卵子を作る能力があるかどうかを最終的に判断するためには、腹腔鏡検査で卵巣生検を行い、卵巣内の卵子の元となる原始卵胞があるかどうか調べる検査が必要となります。この検査で原始卵胞が確認できれば、多量のHMG製剤の注射をうてば、反応する可能性があると思います。もし卵巣内に原始卵胞がない状態であれば、FSHの値を一時的に下げても結果的には卵はでてこないかもしれません。
 あなたの年齢であれば、卵子は、卵巣の中に数十万個あり、1回の排卵のために約1000個の卵子が自然に消えていくと言われております。卵子は1個排卵するために、2ヶ月程前から順番待ちをして、育っていくようです。このメカニズムはまだ十分にわかっておりませんが、私たちはそれについて現在研究中で、良い卵が採れる方程式がないかと必死になって探しております。必ず良い方法が見つかると思います。諦めずにがんばりましょう。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:5回 体外受精:1回
 不妊治療歴は3年になります。37歳の時に2、3回目の人工授精(AIH)で妊娠したものの、7週で繋留流産、化学流産となりました。その後、更に2回のAIHを行いましたが妊娠せず、現在は体外受精(IVF)を行っています。1回目:ショート法(初日からスプレキュア・3日目からフォリルモンP150×2回・HMGフジ75×3回)で、2個採卵できましたが、2個とも空胞のためキャンセル。
 2回目:ショート法(初日からスプレキュア・3日目からフォリルモンP225×2回・ヒュメゴン150×5回)で、6個採卵でき、4個受精。2日目に4分割の新鮮胚を2個移植。妊娠せず。
 3回目:ショート法(初日からスプレキュア・3日目よりフォリルモンP300×2回・HMGフジ150×3回)で、5個採卵(1つは変性卵)でき、2個受精。しかし、分割が止まり移植キャンセル。
 それぞれ、採卵周期前に、プレマリンを1日2錠(生理5〜14日)、プラノバールを1日1錠(生理15〜24日)服薬しています。今回分割がとまった原因として、卵子の質の低下が考えられるので、次回はロング法で注射の種類も変えることになりました。帰宅後、インターネットなどで調べると、高齢の人にはショート法が向いており、ロング法では数が採れないなどの記述を見て、不安になっています。
 私の場合、ショート法でもそれほど反応がよいとは思えませんが、そのような状態でもロング法にチャレンジする意味はあるでしょうか?どの誘発法が自分に合うかわからないので、試す価値はあると思いますが、卵が育たなかったら・・と思うと不安で仕方ありません。ご意見を聞かせていただけたら嬉しいです。
 年齢の影響は多少あるかと思いますが、基礎体温が二相性で、月経周期が規則的ということですので、本来の卵巣機能は正常だと思います。
 これまでのすべての採卵周期の前にプレマリンとプラノバールを使用されていますが、この方法は、一長一短です。却って卵の質を下げるということもありえますので、十分な注意が必要です。
 まず、月経3日目までの胞状卵胞の数・大きさ・位置とE2やFSHの値を測定し、1周期様子を見ることが必要でしょう。採卵数は、5〜6個と問題ありませんが、受精数が少なく、分割が止まっていますね。顕微授精(ICSI)をされた方がよいのではないでしょうか。高齢の場合には、基本的にはショート法がよいと思いますが、場合によっては、GnRHアゴニストを使用しないで、クロミッド+FSH、またはGnRHアンタゴニストという方法を試されてはいかがでしょうか。十分に可能性はありますよ。諦めずにがんばってください。[2007年3月1日]
(院長:田中温)
 今回、GIFT法で、友人がめでたく妊娠しました。妊娠する確率が高いのであれば、私もチャレンジしたいと思っているのですが、GIFT法とはどのような方法なのでしょうか?また、どのような時に有効な治療法でしょうか?

 GIFT法とはGamate Intra-Fallopian tube Transferの略です。採卵後の卵子と精子をただちに卵管内に入れる方法です。精子と卵子が出会い、受精し、発育するのは卵管の中です。生理的な状態により近づけようとした治療法です。体外受精の成功率が低かった約20年ほど前に開発され、その妊娠率の高さにより、一時は、不妊治療の主流となりました。しかし、その後、体外受精の妊娠率が高くなったこと、色々な技術が進歩したことにより、腹腔鏡をしなければならないGIFT法は、現在では特殊な場合以外はあまり行われておりません。GIFT法が有効な場合は、採取される卵子の数が少ない、高齢である、体外受精・顕微授精で何度も失敗している、内膜が薄いなどの方が適用となります。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
 今まで色々な方法を試してきましたが、なかなかうまくいきません。担当の医師にGIFTという方法があり、これは体外受精などに比べ、妊娠率が高い方法だと聞きました。GIFTの他にZIFTという方法もあるとおっしゃっていたのですが、何が違うのでしょうか?妊娠率が高いのであれば、是非チャレンジしてみたいので、それぞれのメリットやデメリットを教えて下さい。

 GIFT・ZIFTのメリットは1回あたりの妊娠率が30%〜40%を越える点です。デメリットは腹腔鏡という外科的な処置をしなければならないという点、麻酔、入院設備のある施設でないと行うことができないという点です。ビル診では行うことができません。傷は3mm〜5mm程度と小さなもので、手術時間は15分ほどです。手術の翌々日からお仕事をすることができます。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
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