回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.24 -
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:10回
 チョコレート膿腫で、これまでに3回の開腹手術をし、左卵巣全摘をしました。
 不妊治療も6年間行いましたが、1度妊娠反応が出た後、3ヶ月くらいで流産しました。いつもFSHの値が高く、卵も1つしかとれません。受精もしたり、しなかったりの繰り返しです。
 今、通院している病院では、FSH値(19くらいです)が高いので、かなり難しいと言われています。改善する薬もないということで、サプリメントを5日間分処方されました。FSH値を低くしたり、卵巣機能がよくなる方法はないのでしょうか。これまで、ホルモン値の説明を受けたことがなくて、今回の病院で初めて知りました。少しでも治療に役立つことがあれば、教えてください。

 チョコレート嚢腫で手術をしているということは、卵巣の実部分(卵胞ができる部分)がかなり減少していると思います。このような場合には、FSHが高くなってしまいます。すなわち、脳下垂体から出るFSHの値に対して、卵巣が反応できるだけの機能がないということです。残念ながら、このような状態を改善する方法は、ないと思います。サプリメントもあまり効果はないと思います。1個の卵でなんとか着床できるように繰り返すことが必要かと思います。[2007年11月1日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:1回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて1年3ヶ月たちましたが、まだ妊娠にはいたりせん。現在は、タイミング法から人工授精(AIH)にステップアップしましたが、先日もだめでした。
 他にも原因はあるかもしれませんが、卵子の質の良し悪しを調べるのは、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)でしか分からないのでしょうか?卵胞が育つ過程でわかることがあれば教えてください。

 卵子の良し悪しは、実際に採卵をして、顕微鏡を見てみないとわかりません。卵胞が育つ過程で判断することはなかなか難しいものですよ。[2007年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:8回 体外受精:2回
 セントマザーでいつもお世話になっています。
 透明帯除去法、アシステッドハッチング、胚盤胞ハッチングの違いと成功率を教えてください。
 前回のQ&Aで書かれていたように、アシステッドハッチングについては、最近は有効ではないようですが、する事によって胚に悪影響があるのでしょうか?デメリットがあれば教えてください。

 従来アシステッドハッチングは着床率を上げるために、非常に遣われてきた手法ですが、最近の我々の研究では、それほど妊娠率は高くならないこと、また、かえって着床率が下がる可能性があることがわかってきました。
 本来、透明帯は自力でハッチングするまで卵子を外界から守る働きがあります。その透明帯をごく初期に破壊するわけですから、当然、卵子の発育を障害することが生じてもおかしくありません。[2007年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:4回 体外受精:8回
 今回、ホルモン周期で凍結卵を戻すことになりました。昨日(周期14日目)、内膜を計測したところ、7.5mmだったのですが、予定通り3日後に胚移植(2日目凍結)をすることになりました。
 私が通うクリニックの先生の方針なのか、ホルモン周期では、内膜が薄くても当初の予定に従って戻すようです。毎回、「内膜が薄いですけど、戻しましょう」といわれますが、以前に「排卵時に内膜が8mm未満では妊娠できない」ともいわれたことがあり、不信感を覚えてしまいます。ホルモン周期は、内膜が厚くなるのを待って移植できるのがメリットの1つなのではないでしょうか。先生のご意見を聞かせてください。

 通院している病院での凍結胚移植は、ホルモン周期のみでしょうか。これまでに、自然周期に戻すことはなかったでしょうか。ホルモン周期で戻す際には、あと数日、卵胞ホルモンを内服して、内膜が厚くなるかどうかをみていただくころはできないのでしょうか。子宮内膜が8mm未満の場合、妊娠率は低くなります。ホルモン周期では、内膜が厚くなるのを待って戻せるという点は、ご指摘の通りです。もう少し内服等を続けて、内膜が厚くなるのを待ってから戻しをすることを検討し、担当医にご相談されてみてもいいと思います。[2007年10月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:2回
 両卵管閉塞と乏精子症で顕微授精(ICSI)をしています。6月に凍結胚移植を行い、陽性反応でしたが8週で心拍が確認できず、稽留流産と診断を受け、その後自然流産となりました。次の月経から治療を再開予定で、1つ残っている凍結胚(胚盤胞)を移植予定です。その凍結胚については、グレードはAですが、フラグメントが少し有り、核を確認することができないまま分割したという事でした。(6月の移植は、核を確認しているという事でグレードBの凍結胚を移植しました。)
 胚の分割など、施設の決まった時間にたまたま確認できなかっただけかもしれないのですが、核を確認できていない胚を移植するのは、やめた方がよいのかもしれないと思っています。新たに採卵した方がよいでしょうか?

 核が確認できなかったということですが、核が確認できないのには2つのことが考えられます。1つは、核がない場合(無核の状態)です。これは、退行変性ですので、発生が止まります。もうひとつは、核が見えなかった場合です。細胞分裂の過程では、核はいったん消えてから、細胞分裂が始まります。ようするに、細胞分裂の直前には、核が消えますので、その時に核の存在を調べても、核は確認できないわけです。この場合は正常ですから、心配はいりません。次回は頻度を増やして核の存在を確認してもらってください。無核の細胞で胚盤胞になるということはあまりありませんよ。[2007年10月15日]
(院長:田中温)
凍結胚移植の前に、スプレキュアを使うのはなぜでしょうか?
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:3回 体外受精:2回
 近いうちにホルモン補充周期で凍結胚移植を行う予定です。ホルモン補充周期の場合、病院によって、前の高温期からスプレキュアを使う施設と使わない施設があるようですが、この違いはどのようなものから決まるのでしょうか。双方の利点というのは、どのようなものでしょうか。

 ホルモン補充周期でスプレキュアを使うのは、ホルモン状態を更にコントロールするためであるといわれておりますが、あまり差はないと思います。使っても使わなくても大差はないとお考えください。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:3回 体外受精:1回
 セントマザーにて、7月に初めての体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)を行いました。G1・G2の卵が採れ、顕微授精での3個が受精、新鮮胚(初期胚盤胞1個と桑実胚2個)を移植しましたが、陰性の判定でした。
説明を受けてないため、受精卵のグレードは分かりませんが、妊娠に至らなかったのは何が原因と思われますか?実は、その直後の周期に自然妊娠をしたのですが、7週で完全流産してしまいました。顕微授精でしか受精しなかったのに、自然妊娠をしてビックリしたのですが、年齢の事を考えて、少しでも確率を上げるために次回は再度、顕微授精に挑戦しようと思っています。しかし、気になるのは、黄体補充をしても高温期が短め(10〜14日)という点です。移植のタイミングは着床に関係あるのでしょうか?また次回の培養と移植の方法はどうするのがよいと考えられますか?

 体外受精(IVF)後の自然妊娠はめずらしくありません。排卵誘発で卵巣が刺激されたということも自然妊娠に至った理由かもしれません。高温期は10〜14日あれば、問題ないと思いますよ。やはり最終的には卵の質が一番重要だと思います。妊娠率が高く、流産率が低い方法は、全胚凍結、自然周期戻しです。採卵後、凍結されて、自然周期に戻すことをおすすめしております。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:6回 体外受精:2回
 セントマザーでお世話になっています。
 今周期に凍結胚移植をする予定になっていて、8分割を3個と胚盤胞を1個凍結していますが、多胎を避けるために、今回の移植は2個を希望したいと思っています。その場合は、どれを戻すことになるのでしょうか?
 また、無事に融解できた時は、残りの1つは、再凍結になるのですか?それとも破棄されるのでしょうか?もしも再凍結をする場合、その時にまた凍結の料金が再度かかるのか教えてください。

 8分割を3個融解し、2日間培養し、胚盤胞が0〜1個しかできなかった場合には、凍結している胚盤胞を融かします。もしも、3個のうち2個が胚盤胞になれば、その2個を戻し、凍結している胚盤胞は融かしません。8分割3個すべてが胚盤方になった場合は、残った1個を再凍結できます。受精卵の再凍結には料金が発生します。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 セントマザーで体外受精(IVF)をして、5回目で妊娠、出産しました。両卵管閉塞と診断されています。
 同じ両卵管閉塞の方で、1人目は体外受精で妊娠し、2人目は自然妊娠できたという話を聞いたのですが、本当にそのようなことがあるのでしょうか?両卵管閉塞だと自然妊娠は絶対に無理だと思っていたのですが...2人目を考えているので、ぜひ教えて下さい。
 2人目も体外受精にする場合、すぐに体外受精に入れるのでしょうか?また卵管造影などの検査を最初からしなければならないのでしょうか?

 子宮卵管造影検査は、100%正しいものではありません。その時に、痛みが強かったり、抵抗があったりすると、痛過性が十分にわからず、閉塞と判断してしまうこともあります。2人目は10ヶ月から断乳し、生理が2回くらいきているなら、治療に入られていいと思います。また、体外受精(IVF)に入る前に、人工授精(AIH)やタイミングを試してみたいというご希望があれば、再度、子宮卵管造影検査をされてもいいと思います。体外受精を第1に考えているのであれば、必ずしも必要とは思いません。以前にも同じようなご質問があります。他の医師の意見も参考にされてください。[2007年10月2日]

 ■両側卵管閉塞でしたが、出産後に卵管が通ることはあるのでしょうか?
(産婦人科医:永吉基)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:3回 体外受精:6回
  セントマザーで、体外受精(IVF)、凍結胚移植、ZIFT法と3回お世話になっています。色々と方法を変えて行っておりますが、未だプラス判定が出ていません。期待していたZIFT法でも着床せず、病気があるのか、年齢が原因なのか・・・と先が見えなくなっています。凍結胚移植では内膜は11.2mmありましたが、G2とG3の卵しかとれませんでした。いくつか質問をさせてください。
 1. 体外受精(IVF)の時にはG1が2つあり、長期培養で採卵3日後の8細胞を2個と、7細胞を1個、12mmの内膜に移植しました。内膜も卵も良かったのにうまくいかなかったのは、排卵誘発剤で、内膜が良い状態ではなかったからでしょうか。
 2. ZIFT法の時でもG1を2個とG2を1個の合計3個を卵管移植しましたがうまくいきませんでした。内膜は7.8mmでした。卵が良くて卵管を通しても、内膜が十分な厚さでなかったことが原因でしょうか。
 3. 今後、どのような方法が私に合うと思われますか?やはり凍結胚移植を再度やってみるのがよいでしょうか。
 4. 移植の数日後(着床の頃)に、夜中目が覚めて下腹部と腰に生理痛のような激痛が毎回あります。呼吸が乱れて苦しくなり、大量の冷や汗をかく程の痛みが5分程続きます。これが着床を妨げているのではと不安になります。生理痛はほとんどありませんが、内膜の病気を疑った方がよいのでしょうか。HMGとスプレキュアで誘発し、採れる卵は5個くらいですが、採卵後に卵巣が腫れているのでしょうか。放っておいてもよい症状でしょうか?
いつもお忙しそうなので、診察時に十分に質問ができず、この場でたくさん質問してしまいました。年齢的に難しくなっていますが、あと少しだけ頑張ってみたいので、よろしくお願い致します。

 なかなかよい結果が出ず、申し訳ございません。体外受精(IVF)の胚の状態もよく、内膜もよい状態で妊娠しない場合には、やはり採卵時の卵の質が最終的には十分でなかったという判断になります。卵の質は、排卵誘発法に最も影響を受けますが、年齢も大きな要因になります。しかし、当院では46歳の方も出産されておられますので、十分チャンスはあると思います。妊娠率が高く、流産率が低いのは、全胚凍結自然胚移植です。もう一度この方法をおすすめしたいと思います。移植後の激痛は色々な原因が考えられますが、採取された卵子の数がそれほど多くありませんので卵巣のトラブルという可能性は低いと思います。服用しているホルモン剤の影響もあるかもしれませんが、ぜひ症状があった日に来院されて詳しく検査をして下さい。質問があれば遠慮なくおっしゃってくださいね。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 はじめまして。ご相談させてください。
 子宮内膜症ステージIVで、29歳の時に開腹手術をし、30歳から採卵を開始、3回の採卵を経て胚移植を6回(胚盤胞移植も含みます)行いました。いつも卵はとてもきれいなものができるのですが、着床にいたりません。
 毎回不正出血があり、主治医には「高温期に内膜がぽろぽろと剥がれ落ちているようだ」といわれました。カウフマンも行いましたが効果が出ず、2007年5月に内膜を軽く掻爬(そうは)し、8月の採卵時にチューブで茶色い出血を吸い出していただき、2個の胚盤胞を戻しましたが(内膜9mm)、やはり着床にいたりませんでした。もちろん高温期にはホルモン補充もしています。
 私のような症状では、やはり妊娠は難しいでしょうか。内膜が厚くなっても、きちんと保持できず、茶色い出血となって出てきてしまいます。いつもすごくきれいな胚盤胞ができているだけに残念でなりません。もう無理なのでしょうか。

 子宮内膜症があり、子宮内膜と黄体機能に問題があるけれども、卵は良好ということですね。卵の状態が良好ですから、可能であれば凍結し、採卵周期ではない周期に、自然もしくはホルモン補充周期に胚移植をされる方がよいと思います。不正出血が続くようですから、移植前にホルモンがアンバランスであれば、調整してから移植される方がよいでしょう。内膜は、いつも薄いわけではないので、ある程度ホルモン治療をすれば、内膜も安定すると思いますよ。まずは質のよい卵作って、凍結しておいて、内膜が安定してから、よい状態で胚移植をするとよいと思いますよ。[2007年10月2日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 現在、セントマザーにて受精卵を凍結保存していただいているのですが、その凍結胚を別の病院に移動させていただくことは可能でしょうか?遠方からの治療で、色々と重なり、どうしてもそちらの病院に行くことができないので、他の病院で凍結胚移植ができればと考えています。可能な場合、どういった手続きをすればよいでしょうか?

 当院の凍結保存法は他施設と異なりますので、融解法も異なります。できれば当院で治療される方法が状況的には有利だと思います。遠方で大変だと思いますが、がんばってみてください。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:4回 体外受精:3回
 今年の5月から体外受精(IVF)をしていますが、排卵済みが連続3回もあり、これまでに一度も採卵できていません。いずれも生理3日目からセロフェン1錠を飲み、HMGスプレーをし、卵胞が育ったところでスプレキュアという方法でしたが、採卵時間を早めてもLHサージが起こってしまうようでダメでした。
 今回は3日目からセロフェンを1錠、フォリスチムを150単位(隔日3回)、12日目にアンタゴニストを注射して排卵を抑制しようとしましたが、注射部位に痒みがでて、広範囲に赤くなったため、もう使えないといわれました。
 現在通っている病院では、もう他に方法がないといわれたので、セントマザーへの転院を考えていますが、私のように排卵しやすいタイプにはどのような誘発方法をとっているのか教えて下さい。

 あなたの行っている排卵誘発は、誘発剤が非常に少なくて体に負担が少ないものです。この方法でいい卵が採れれば問題はありませんが、あなたのように何度も失敗している場合には、排卵誘発法を思い切って変えてみたらどうでしょうか。排卵誘発法はたくさんいい方法があると思いますよ。
 適切な排卵誘発法は、月経3日目までの左右卵巣内にある胞状卵胞の数、位置、大きさなどから判断することができますので、よろしければ来院されてみてください。もう少し詳しいお話ができると思います。決して諦めずにがんばってくださいね。[2007年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:無関係 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:9回 体外受精:3回
 治療を始めてすぐのタイミング療法で妊娠できたのですが、流産しました。その後全く妊娠できず原因を調べるために腹腔鏡手術を受けました。結果、両卵管溜水腫と初期の子宮内膜症が見つかりました。卵管は片方は通っているのですが、もう一方は閉塞している状態でした。
 その後、体外受精(IVF)にステップアップして3回目になりますが、妊娠しません。色々と調べると、水腫があると着床を妨げるとありますが、受診している先生は水腫について何も言いませんし、先生は自然妊娠の可能性もまだ残っていると言ってくれます。本当にそうなのでしょうか。うまくいかないのは水腫があることが原因なのではないか...水腫の治療をした方がよいのでは...と悩んでいます。

 卵管閉塞の原因としては、クラミジア感染や子宮内膜症などが考えられます。クラミジアの場合、クラミジア自体は完全に治療したとしても、いったん癒着した卵管は元には戻りません。
 通過していたはずの卵管に水腫があるということは、通過不良になっていると思われます。卵子の取り込み障害(ピックアップ障害)があると考えられ、可能性の低い自然妊娠に期待するよりは、卵管を腹腔鏡下に切断してしまう方法も選択肢の1つとして考えるべきかと思います。
 卵管水腫の中にたまっている液が、胚移植した子宮内に流れ込んで胚へ悪影響を及ぼす可能性が心配されます。卵管の中の通過不良があると、体外受精(IVF)で卵管内に入った場合に、再び子宮の中へもどることが困難になり、子宮外妊娠を起こす確率も上昇することが懸念されます。(本来、排卵の時期は卵管の中の流れは、卵管の外から子宮の中へ向かう流れになっているのですが、卵管水腫では流れが止まってしまいます。)[2007年9月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:20回 人工授精:1回 体外受精:1回
 セントマザーで治療をしています。
 初めての凍結胚移植を行いましたが、結果は陰性になってしまいました。まだ、凍結胚が数本残っているのですが、続けて、次の周期に移植することに問題はありませんでしょうか。また、私は遠隔から通っており、飛行機、車、電車で片道4時間かかります。移植の時には、やはり病院の近くのホテルにでも1泊したほうが良いのでしょうか

 凍結胚移植は、自然周期とホルモン周期がありますが、自然周期であるのであれば、連続でもかまいません。ホルモン周期でも基本的には問題はありませんが、内膜があまり厚くならなかった場合には、1周期お休みするということもあります。移植後は、安静にする必要はまったくありませんよ。宿泊した方が、ご本人の気持ちが落ち着くのであれば、それでもよいと思いますよ。[2007年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:1回
 夫婦共に原因不明の不妊です。私はここ1年半、お正月と体外受精(IVF)の準備周期の2周期以外は、ずっと毎周期HMGとHCG注射を打って、タイミングや人工授精を行ってきました。(うち、クロミッド+HMG+HCGも5周期試しました。)
 今周期、初めての体外受精(ロング法)に挑戦し、採卵数は5個、うち3個受精しましたが、2個は分割ストップ、1個はグレードが悪くて移植できませんでした。もともと卵巣の反応がいいと言われていたのに、採卵数も卵の質も悪く、とてもがっかりしています。
 もしかして、連続してHMGやHCGを打ちすぎて、薬の刺激に慣れてしまったのではないかと思って不安になっています。今回移植できなかったので、1周期おいて、またすぐにHMG+HCGとGnRHアンタゴニスト使用による採卵、顕微授精(ICSI)を予定しています。夫は私が薬漬けになっているのではないかと心配し、3〜4周期延期しては?と言っていますが、私は早く妊娠したくて必死なので、すぐにまたチャレンジしたい気持ちがあります。ほとんど休みなく治療を続ける事に問題はないのでしょうか。また、新しくGnRHアンタゴニストを使うことで良質な卵が採れる可能性が上がると考えられるでしょうか。

 治療を継続していて体調は問題ありませんか?タイミングや人工授精(AIH)のときに卵はいくつぐらいできていたのでしょうか。また、体外受精(IVF)の時に、採卵数5個でよいグレードの卵が採れていませんね。年齢のわりに、採れた数が少ないし卵の質が悪いので、「poor responder」という反応が悪い状態だと思います。原因に何があるか考えていかなければなりません。
 考えられる原因は、「1.卵巣を刺激し続けているため」「2.排卵誘発剤が合わなかった」「3.精子の状態がよくなかったか、卵の殻が固いなどの理由で、顕微授精(ICSI)が必要である」といった点が考えられます。
 「1.」が原因であれば、焦る気持ちはわかりますが、2〜3周期お休みしてみるのもよいでしょう。「2.」が原因であれば、次回使用するアンタゴニストも有効かもしれませんね。もちろん、他の方法があう場合もあります。「3.」であれば、採卵後、顕微授精(ICSI)をしてみて、分割がどのように変わるかを見ていけばいいと思います。[2007年9月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:1回 体外受精:1回
 体外受精(IVF)をしています。採卵日から4日後に6分割2個と4分割1個を戻して、採卵から14日後に市販の検査薬をしたところ、本当に薄くですが反応が出ました。次の日にも検査薬をすると、やはり線が出たように見えましたが、その次の日からは真っ白になってしまいました。最初に薄い反応が出たのはなぜでしょうか?また、分割が少し遅いようですが、分割を順調にするにはどうすればよいでしょうか?

 市販の検査薬は、線の出方がはっきりしないこともよくあります。反応が出れば、病院で再度確認の検査に行かれることをおすすめします。また、採卵14日目に着床しかかった状況のときに、一時的に反応が薄く出ることもあります。分割を順調にするためには、よい卵を採り、よい培養環境を作ることです。[2007年9月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:4回 体外受精:4回
 4回目の体外受精(IVF)で妊娠することができました。6週目に心拍が確認でき、7週4日迄デュファストンを服用しました。病院からはテルロンの服用期間の事は特に言われなかったので、デュファストンと一緒に服用していました。でも気になったので聞いてみると、「普通は妊娠が判明したら中止なのですが、テルロンがまだ余っているなら4日後の来院まで服用して下さい」と言われ、7週0日迄服用して中止しました。
 病院によってはテルロンを服用期間が様々で、私は7週近くテルロンを服用してしまったので、もし胎児に異常があったら..黄体ホルモンがもともと低い私がデュファストンの服用を止めたら流産するのでは..と思ったりして不安で仕方ありません。実際はどうなのでしょうか。教えて下さい。

 テルロンは妊娠したら内服を中止してもらっていますが、しばらく内服を続けていても、胎児への悪影響はないと思います。もし危険な薬であれば、もっと慎重に使用するように「警告」がなされているはずでし、また不妊治療には使えないことになります。妊娠7週で胎児が確認できていれば、すでに胎盤から十分なホルモンの産生が行われているはずですのでデュファストンはやめても影響ありません。[2007年9月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:0回 体外受精:3回
 9年の不妊期間があり、明らかな原因は見つかっていません。現在は、体外受精(IVF)治療中です。今まで、新鮮胚移植1回、凍結胚盤胞移植を2回行い、いずれも胚の質(3AB〜4BB)、子宮内膜(13mm〜17mm)、血液ホルモン値と全て良い状態にもかかわらず、着床しないという結果に終わっています。自覚症状はありませんでしたが、卵巣に20mmのチョコレート嚢胞が見つかったので、3回目の移植前に腹腔鏡下にてレーザー焼灼をしましたが、他に癒着もなく、内膜症としては軽度だったと言われています。このような場合、今後の妊娠の可能性はどの程度と考えればよいのでしょうか?また今後、どのような検査や治療法を考えていくべきか何かアドバイスをいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 軽い子宮内膜症がある以外はほとんど原因がはっきりしない状態ですね。文面からは、卵の質はいいように思われますが、今月の状態はどうでしたか?また、排卵何日目に何個を戻したのでしょうか?また新鮮胚も凍結胚移植の個数は少なすぎたり、多すぎることはなかったでしょうか?今後、以下のことをお考えになられてはいかがでしょうか。[2007年9月1日]
  1. 1個戻しであれば、戻す数を2個にふやす
  2. AH(アシステンドハッチング)といって、移植前に卵の殻の一部を切って移植する
  3. 卵巣の状態がよければ、腹腔鏡下に卵巣内に胚を移植する(GIFTやZIFT)
(産婦人科医:永吉基)
年齢:40 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:8回 体外受精:5回
 月経周期11、14、19日目に血液検査でホルモン値を検査し、22日目に胚盤胞移植をしました。基礎体温は、高温期が3〜4日と極端に短く、今回の移植も低温時の移植となりました。子宮内膜が薄いため(7mm前後)移植の周期はエストレスとテ゛ュファストンを服用しています。そこで質問をさせてください。
  1. 移植する場合、ホルモン値さえチェックしていれば、基礎体温が低くても差し支えないのでしょうか?アシステッドハッチング(AHA)を施行した胚盤胞であれば、時期を遅らせて高温期になってから移植した方が着床率は良い、ということはないのでしょうか?
  2. 胚盤胞を凍結する際に、ハッチングの有無の項目で、自然脱出とされていましたが、融解後移植をする際に、レーザーAHAを行ったということで、移植の時には着床補助となっていました。自然脱出した胚に着床補助を必要とするのは、どのような場合ですか?
  以上2点、ご回答をいただけると嬉しいです。お願い致します。

 ご質問の内容は、凍結胚移植のことであると考えておりますが、それでよろしいでしょうか。凍結胚を自然周期に戻す場合には2通りあります。ひとつは排卵日を正確につけて戻す自然周期移植、もう1つはエストロゲンやプロゲストロンというホルモン剤で内膜を作る方法です。どちらとも自然周期といいますが、後者はホルモン周期ともいいます。あなたの場合には、ホルモンを測っていますので、自然周期移植だと思います。
  最も大事な排卵時期を見つける方法としては、ホルモン測定よりも経膣超音波の卵胞モニターです。この両方がなければ、正確な排卵日は分からないと思います。自然周期であれば、内膜が7mmも着床率は十分にあります。原則的に、自然周期が規則正しく、高温期が10日以上ある場合には、ホルモン剤の補充は必要ないと思います。
  アシステッドハッチングは、従来よく行われていましたが、効果がそれほど高くないため、当院では現在はあまり行っておりません。ただし、透明帯が厚く、硬く、また茶色になっている場合は、少しは効果があると思います。[2007年9月1日]
(院長:田中温)
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