回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.28 -
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:5回 体外受精:0回
 周期3日目からフォリスチム150を4日間注射し、周期7日目から、セトロタイドとHMGフジを5日間注射し、周期12日目で採卵しました。周期6日目では、担当医の予想に反して卵胞が4つしかできていませんでした。採卵数も4つでしたが、卵が少し未熟だったようで、ひとつも受精しませんでした。
これまでに、卵巣機能やホルモン値などの異常を指摘されたことは一度もなく、他にも検査をしていますが、原因は不明のままです。今回は、すべて未熟卵だったようですが、どのようなことが原因なのでしょうか。また、これを機に、今までうまくいかなかった原因が見えてくるでしょうか。今後の治療についてもアドバイスをください。

 卵の作り方はセトロタイドを用いた代表的な方法ですね。すべてが未熟だという事は珍しい事ですが、卵がまったくできていないというわけではありません。排卵誘発法を変える、採卵時期を少し遅くするなどの試みをすれば、必ず良い卵ができると思いますよ。[2008年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:3回 体外受精:8回
 プレキュアと注射で誘発していますが、採れる卵は少ないのに、採卵周期はお腹が痛くなるので、凍結して自然周期に移植する方が私には楽です。セントマザーでは、凍結胚を使ったGIFT・ZIFTZIFTはしておられますか。凍結胚であればグレードがかなりよくないとうまくいかないのかもしれませんが、凍結胚でGIFT・ZIFTした場合は、新鮮胚でした場合に比べると、着床率は落ちるのでしょうか。卵は新鮮胚の方がいいだろうし、内膜は凍結胚の方がいいような気がするのですが・・・・教えて下さい。

 凍結する事によって多少なりとも着床率は下がってしまいます。これは、避ける事はできません。しかし、不妊治療に言えることですが、スプレキュアやGnRHアンタゴニストなどの子宮内膜に直接影響を与えるお薬を使った周期に胚移植する場合よりも、全胚凍結して自然周期に戻す場合の方が着床率は高くなります。ですから、採卵後に凍結し、凍結胚をGIFTすることは、有用だと考えます。しかし、卵の数が少なかったり、排卵誘発がセロフェンやクロミフェンだけのような軽い場合には、あえて凍結せずに採卵周期に戻した方が有利となります。[2008年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:2回 体外受精:1回
 セントマザーでお世話になっています。
先日採卵をしましたが、今回は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性もあり、全胚凍結で2ヵ月後に移植の予定となりました。自然周期での戻しは妊娠率が高くなると聞きましたが、自力では生理がこないため、移植周期はホルモン補充(プレマリン+ヒスロン)になりました。
自然周期での方がホルモン補充で内膜を作るより妊娠率が高いと書いてありましたが、自然よりもどれくらい妊娠率が低くなってしまうのでしょうか。やはり薬の服用なので、内膜にダメージを与えるのでしょうか。排卵障害のためホルモン補充でないとダメなのは分かっていますが、妊娠率が下がることが不安なので教えてください。

 排卵障害がある場合には、自然排卵を待つ事は難しくなりますので、ホルモン剤でコントロールして移植することをお勧めいたします。月経周期が不順な方場合には、ホルモン周期の方が妊娠率が高くなります。内膜へのダメージはありませんよ。[2008年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:8回 体外受精:8回
 今回、ロング法にて誘発を開始する前に、ピルで周期を整えましょうということで、低温期D3から、12日分PLVを処方されました。
帰宅してから色々と調べてみると、前周期のピルは高温期から服用されている方が多いので、とても不安になりました。以前にも、低温期から11日間PLVを飲んだところ、D3のホルモン値がLH<0.1、FSH:1.2、E2:13.3、P:0.3と とても低くなった経験があるので、このまま誘発に入っていいのか迷っています。アドバイスをください。

 これまでの体外受精(IVF)でできた卵胞数は、多かったのでしょうか。当院でも、D3の時点で卵巣に嚢胞のようなものがあった場合には、D3からプラノバールを21日間内服することによって、卵巣の腫れを抑制する事があります。お話からすると、ホルモン値がかなり抑えられているようなので、このままでいいのかを主治医と相談されて下さい。場合によっては、高温期からにするという変更があるかもしれません。D3のホルモンまで下がるようでしたら、エストロゲン、プロゲステロンの量が少ないものに変えた方がいいのかもしれません。[2008年5月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:46 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:1回 体外受精:6回
 2人不妊の治療を始めて3年になります。
今までにいろいろな形での体外受精(IVF)を試みましたが、残念な結果に終わっています。年齢のこともあり、そろそろ治療を終わりにしたいと考えています。
最後にもう1度、高齢でも負担の無い人工授精(AIH)でトライしてみようと思っているのですが、排卵誘発剤を使用する方が良いと聞きましたが、本当でしょうか。人工授精を行う上で効果的な方法があれば教えてください。 また、ある医院では手術の必要の無い方法でGIFT法ができるそうですが、私のような高年齢、今までなかなかうまくいっていない者でも、GIFT法が有効なケースがあるのでしょうか。

 あなたの年齢を考えるならば、人工授精(AIH)よりもGIFTの方が妊娠率は高くなります。しかし、GIFTは腹腔鏡をしなければならないという身体的な負担もあります。ですから、前もって担当医と十分相談されて、治療に臨まれてください。まず、基礎体温が二相性で規則正しいかどうか、月経初期の左右卵巣内の胞状卵胞は何個あるのか、LH、FSH、E2などのホルモンの値がどうなっているかなどを調べる必要があると思います。[2008年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:40準 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:4回 体外受精:7回
 何度も治療しておりますが、なかなか着床に至りません。卵の質がだんだん落ちてきたせいもあるのですが、戻しの時にも問題があるようです。担当医がいうには、子宮にひっかかりがあるようで、硬いチューブや埋め込みで戻す方法をとっています。通常は柔らかいチューブで戻すようですが、硬いチューブを使うことによって、子宮に負担がかかって着床の確率が下がるということはないでしょうか。子宮にひっかかりがある場合、子宮に戻すより、卵管から戻すギフト、ジフトの方が確率は上がるのであれば、それも考えてみようと思いますが、どうでしょうか。

 いずれか一方の卵管が使用可能であればGIFT(ZIFT)治療は可能ですし、胚移植(ET)がスムーズにいかないのであれば、GIFTやZIFTは十分有効な選択肢といえると思います。
 他の選択肢としては、採卵周期あるいは凍結保存胚移植周囲において、月経第5日目前後に、静脈麻酔下に子宮頚管拡張術(ヘガールNo.10あるいはNo.15まで)を事前に施しておく事によってETが容易になる事もあります。[2008年5月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:1回 体外受精:6回
 この半年間、完全自然周期で採卵していますが、空胞だったり分割がストップしてしまったりで、胚盤胞になったことがありません。本日も、月経2日目(D2)のホルモン検査で、FSH:25、LH:5.6、E2:32で、卵胞はまったく見えていませんでした。毎回マーベロン飲んでいるのも気になっており、経済的にも厳しくなってきましたので、可能性が無いなら、今回はキャンセルしようと思ったのですが、主治医は採卵し続けるしかないとおっしゃいます。通常はD3くらいで卵胞が見えてくると思いますが、D2で卵胞が見えないのは通常でしょうか?また、D3でも見えない場合は、可能性が低いのでしょうか?

 適切な数の卵が採れた場合、体外受精(IVF)の妊娠率は採れる卵子の数と相関します。すなわち、数が多い方が少ないより有利ということになります。自然周期は様々な点での負担が少ないという意味では、いい方法ですが、1回あたりの妊娠率は、排卵誘発した方より下がります。GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニスト、FSHなど、色々なお薬がありますので、排卵誘発をされてみてはどうでしょうか。ただし、マーベロンを毎回飲むと、かえって卵が採れなくもありますので、ご注意下さい。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:1回
 採卵周期新鮮胚移植で結果が出ず、現在、凍結胚移植の準備を進めています。今回は、自然周期での移植予定となりました。D3のホルモン値は、FSH:7.98、LH:3.01、E2:95.55、prl:20でした。誘発剤は使用せず、D9よりプレマリンを7日間(1T/day)飲むよう指示されました。D10の診察で、卵胞21.5mm、内膜5.7でLHサージが薄く反応していました。D13の診察では、卵胞30mmで内膜は6.2mm、排卵はしていないということで、黄体化未破裂卵胞(LUF)だと言われました。治療を始めて4年になりますが、初めての経験です。
 実は、以前にも、D5よりプレマリンを処方され、その後のエコーで卵胞、内膜ともに退縮して見送ったことがあり、主治医のプレマリンの使い方に不安を感じています。私の理解では、プレマリンはカウフマン療法やホルモン補充周期等、排卵を起こさない周期で使う薬であり、排卵させたい周期には使わないものと思っています。しかし、主治医は、内膜が厚くする目的で使われているようです。プレマリンは飲む時期によって作用が違うのでしょうか。
 自然周期移植では、排卵誘発+HCGで、排卵確認後に胚移植というのが一般的だと思いますが、私の場合は内膜が薄いので、この適用にはならないのでしょうか。次回もプレマリンを処方されてしまった場合、どうすればよいのか迷っています。

 あなたのおっしゃるように、当院でも自然周期においてはプレマリンは使いません。ただ、あなたの主治医のように子宮内膜が薄い場合にプレマリンを使用している先生もいらっしゃるようです。この場合、プレマリンの使用量が問題になると思います。使用量が多いと、その周期の卵胞の発育がスムーズに行かず、途中で成長が止まって排卵しないことがあります。今回の場合もそのためだと思います。その点を主治医とよく相談され、治療を進めてください。[2008年4月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:2回
 2002年に第1子を自然妊娠で授かり、出産から2年後に第2子を希望し、2回の体外受精(IVF)を行いましたが妊娠に至っておりません。夫側には異常はなく、アシスティッドハッチングも施行した上でのIVFでした。
 少し治療をお休みして、専門施設を受診したところ、抗ミューラー管の検査で3.3という結果でした。今回の生理周期3日目のFSHは6でしたが、卵巣年齢はすでに40代の半ばのようです。体外受精(IVF)をすすめられましたが、採卵できる可能性が30%くらいと言われ、質にこだわりましょうとのことでした。
 まさか卵巣機能がそこまで落ちているとは思いもせず、このまま治療を続けていいのか、でも諦めきれず、悩んでいます。卵巣機能は、卵をつくるためのホルモン(例えばDHEAなど)を服用すれば改善するものでしょう?それとも、もう元に戻らないのでしょうか?改善させるための方法があれば教えてください。

 抗ミューラー管ホルモンの値が非常に低く、卵巣機能の予備能の低下を示しますが、FSHが正常なので相関しませんね。一般的には、FSHが高くなります。
 月経初期の胞状卵胞の数や大きさはどうでしょうか。もし、胞状卵胞が1個でも2個でも見えるのであれば、是非、排卵誘発されてどうでしょう。その場合は、あまり強いお薬ではなく、飲み薬ぐらいがいいかもしれませんよ。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:4回 体外受精:3回
 過去に3回の体外受精(IVF)を試みました。1回目は排卵誘発剤を使用し、採卵数3個のうち、受精数は1個でしたが、3日目で分割がストップしてしまいました。
 排卵誘発の方法が合わなかったのだろうということで、2回目は排卵誘発剤の回数を少なめにして採卵を行いました。結果、採卵数は1個で、受精はしたものの分割が3日目でストップしていました。
 その後、担当医から、卵巣を刺激すると排卵機能が戻るのに時間がかかるので、自然周期での採卵をすすめられ、3回目は自然周期で1個採卵しました。やや未熟だったものの受精可能だろうという判断でしたが、多精子受精+3日目での分割ストップという結果でした。
 担当医から、自然周期で良い卵子が採取できるまで繰り返しましょうと言われましたが、正直自信がありません。自然周期で何度も続ける意義はあるのでしょうか?それとも、もう諦めざるを得ないでしょうか、夫婦ともに悩んでおりますので良いアドバイスをお願いいたします。

 体外受精の成功率は排卵誘発法が適当であるかどうかによって大きく変わってきます。すなわち、採取された卵子の質・数によって妊娠率がほとんど決まってきますからであります。年齢的にはもう少し数が取れていいような気がいたします。それには、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞(未成熟な卵胞)の大きさ・数、E2やFSHやホルモンの値などを参考にして、波乱誘発法を決めるようにしております。
 自然周期もひとつの排卵誘発法ですが、卵の数が少ない点ではやはり、数があったほうが有利だと思います。よろしければ、一度卵巣の状態を拝見させていただけないでしょうか。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 男性不妊で顕微授精(ICSI)を行っております。先日、初期胚より胚盤胞にして凍結し、よい周期に胚移植すると妊娠率が高くなると説明を受けました。それで、次回の採卵時には胚盤胞まで育てて凍結する予定にしています。
そこで質問ですが、子宮内膜刺激胚移植法(SEET)の場合、初期胚より胚盤胞まで育てて凍結することで、着床率は上がるのでしょうか。

 ある報告では、胚が発育していく中で胚自身から分泌される作用により、着床を高める事があると報告されております。胚盤胞に発育した培養液を凍結して、それを胚と同時に移植することで着床率を高めようとする方法です。まだ、明らかな科学的な有効性は確認されておりませんが、一つの方法としては価値があるかもしれませんね。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:1回
 初めての体外受精(IVF)で5個採卵でき、すべて8〜12分割で凍結しました。私は右側の卵管が閉塞しています。左側は正常ですが、卵管閉塞がある場合は胚盤胞移植が良いと聞きました。
 8分割の移植でも妊娠の可能性はあるのでしょうか?融解後に培養して胚盤胞まで育てることは可能なのでしょうか?もしも可能な場合は、胚へのダメージの有無についても教えてください。
 先生は、融解後に8分割のまま戻すのと、胚盤胞まで育てて戻すのではどちらがよいとお考えでしょうか。教えてください。

 卵管閉塞の場合に胚盤胞移植が良いという学問的な根拠はありません。胚盤胞まで育てる事は有意義なことではありますが、必ずしもそうでなければならないということはありません。ですから、8細胞で戻してもかまいませんよ。その時その時の胚の状態で、胚盤胞まで育てた方が良いと判断した場合には、そのような選択をされてはいかがでしょうか。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:7回
 セントマザーでお世話になっています。遠方の為、近医にて誘発をしています。切り替えの注射の前には、慎重に卵胞の大きさを測ってくれますが、計測の度に卵胞の大きさが1〜2mm違っていたり、場所によっては測りにくい様子で、誤差はあると言われます。卵胞を測る機器もセントマザーほど精度は良くないと思われます。以前には、1日に2mm成長していた卵胞が一気に大きくなり、アンタゴニストを打つタイミングがずれていたような気がしました。内膜もセントマザーで測るより、毎回1〜2mm厚いので、卵胞も大きめに計測されているのかなと思ったりもします。卵胞計測に関しては、切り替えの注射を打つタイミングを決める重要なものなので、例え小さな誤差であっても卵の質に影響しないのか、いつも気になっています。夫は北九州に長期滞在して、誘発、卵胞計測をセントマザーでしてみたらどうかと言っています。長期滞在が難しい場合は、切り替え注射の前に北九州に行き、最終計測をセントマザーで行いながら、切り替え注射を打つ方法をとる方がよいのかとも考えています。卵胞の1〜2mmの計測誤差が卵の質に多少でも影響するのかどうか教えてください。

 卵胞の計測は、超音波や計測者によって多少の誤差が生じます。また、卵胞の成長は20mmに近づいてくると急速に大きくなる事もあります。以前にそのような事があった場合には、卵胞径が15mmを越えてからは毎日チェックした方がいいと思います。どうしても、採卵する側(セントマザー)の目でかなり変わりますから、できれば最終的な計測や判断は、当院で行っていただく方が、いいでしょう。卵が複数個あってばらつきがある時は、判断が難しくなるためです。[2008年4月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:5回 体外受精:5回
 主人の精液検査を行ったところ、運動率が30%、奇形率が98%という結果でした。頭部の形態異常で自然妊娠はほぼ無理と診断されました。
 6000〜12000倍の高倍率で精子を選んで顕微授精(ICSI)を行うIMSIという方法で、2回の新鮮胚移植を行いましたが、妊娠には至りませんでした。医師から精子には問題がないはずだし、卵子の質も悪くないと言われました。
 1回目の顕微授精では採卵数6個のうち2個を胚盤胞まで培養して移植しましたが、残りの胚は凍結できませんでした。2回目の顕微授精では、採卵数13個のうち2個を胚盤胞で移植、4個を凍結しました。
 担当医の説明では、IMSIでは精子の選別に時間がかかるので、胚盤胞まで培養できる胚は減ってしまうとのことでした。その説明に納得した上で、胚盤胞までの培養をお願いしましたが、妊娠には至りません。
 精巣生検手術を受ければ、奇形精子ではない良い精子がとれ、採れた卵子と同じくらいの数の凍結胚ができるのではないかと思っているのですが、どうでしょうか。射精によって得られる精子と精巣生検によって得られる精子の奇形率は同じなのでしょうか・・・。関東圏在住ですが、もしも、よい精子が採れて、よい状態の凍結胚ができるのであれば、遠隔治療であってもセントマザーでの治療も考えており、主人と話し合っています。奇形率が高い場合の治療法を教えてください。

 現在のところ、IMSIの効果については、はっきりとした結論がでておりません。IMSIを使う事によって顕微授精(ICSI)の成績が高くなるという評価が、まだ一定してないのが現状です。
 重要な点は、たとえ奇形率98%でも、正常な精子を選ぶ事が十分に可能だということです。この場合は、IMSIよりも、一般的な光学顕微鏡で探す方が絶対に有利です。精巣生検をする必要はありません。今のまま顕微授精で、精子をよく見てもらって選んでいただければ、必ずできるはずです。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:24回 人工授精:2回 体外受精:1回
 体外受精(IVF)で一度妊娠しましたが、初期流産に終わりました。絨毛が出なくて、掻爬(そうは)手術を2回受けました。
 流産から半年たった頃から、高温期7日目くらいに茶色のオリモノが出るようになりました。黒に近い茶色のオリモノで、数日間続いた後に生理になります。この状態が3周期続いたので、子宮ガン検査と黄体ホルモンの血液検査をしました。結果、ガン検査では異常なし、黄体ホルモンは高温期7日目に15で問題なしでした。通常の高温期は12〜13日あります。(2〜3回は、10日目に生理になったことがありました。)内膜の厚さは、11〜12mmあり、流産前と変わっていません。ただ、流産前は周期が乱れることは稀でしたが、このところ長い時で33日、短い時で25日と周期は乱れています。
 現在は、凍結胚があるので戻しの時期を見計らっています。担当医は、不正出血の明確な理由はよく分からないが、大丈夫だと思うとおっしゃいます。しかし、私としては、凍結胚をベストな状態で戻したいので、迷っています。高温期の不正出血がおさまってくれればよいのですが、今周期もやはり出血しています。この状態で凍結胚移植をしてもよいものでしょうか。セカンドオピニオンとして、アドバイスをください。

 高温層7日目から少量のオリモノが出るということは、黄体ホルモンが少し足りないかもしれませんね。しかし、7日間ぐらい高温層があるということは、十分に排卵し、黄体ホルモンが出ているという証拠になると思います。
 もし、自然周期で10日目くらいに必ず不正出血があるのでならば、思い切って自然周期ではなく、ホルモン周期で戻されてはどうでしょうか。それも1つの方法だと思います。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:2回 体外受精:3回
 不妊治療を始めて5年が過ぎます。精子数は問題ありませんが、運動率・奇形率ともに50%くらいです。
私の方は、毎回、卵子が8〜10個採れます。ロング法、ショート法、アンタゴニスト法のいずれも行いましたが、受精率が良くありません。初めてのロング法で体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)を半々で行ったところ、顕微授精で受精卵は2個できましたが、分割停止で移植できませんでした。アンタゴニスト法では、やはり顕微授精で、受精卵が2個できて胚盤胞まで進み、移植しましたが、着床しませんでした。ショート法では、体外受精、顕微授精で1個ずつが受精し、顕微授精の分のみが分割しており、現在移植待ちです。
 担当医は、「顕微授精での受精卵は、流産率が高いので、体外受精での受精卵の方が質は良い」というのですが、どうでしょうか。また、次回は、腹腔鏡とGIFT法(もしくはZIFT法)を考えているといわれていますが、腹腔鏡を行った当日にGIFT法(もしくはZIFT法)を同時にすることは不可能なのでしょうか。腹腔鏡を行った後に、GIFT法(もしくはZIFT法)をすると、お腹の傷跡が、たくさんになるだろうし、体にも負担になるのではないかと思っています。セカンドオピニオンとして、参考にしたいので、教えてください。

 顕微授精(ICSI)も体外受精(IVF)も流産率は変わらないというのが一般的です。ただし、顕微授精は細い針を使って人工的に精子を卵の中に入れる侵襲度の高い治療ですので、顕微授精を行う技術の差はあるかもしれません。すなわち、卵子に顕微授精をする際に、ダメージがある場合には、流産率は上がるかもしれません。
 GIFT法は顕微授精、体外受精よりも流産率は少し低くなります。GIFTとは腹膣鏡を見ながら、卵管内に精子と卵子を入れる方法です。現在では、当院では顕微授精を行なった後に、GIFT法を行う、すなわち、卵管に戻しています。卵の数が多い場合には、受精を確認した後に受精卵を卵管に戻すZIFT法を行うこともあります。
 しかし、GIFTやZIFTは、卵管に戻しますから、傷は小さいのですが、おなかに穴をあけなければなりません。もしも、卵が8〜10個採れるならば、GIFT・ZIFTではなくて、体外受精の方が、そのような外科的侵襲が少なくていいと思います。
 流産率がもっとも低いのは、採卵後、その周期には戻さず、分割した胚をすべて凍結して、2ヵ月後の自然周期に戻す全胚凍結-自然周期戻しです。ただし、この方法の場合は、凍結技術が完成してない場合には、かえって成績が下がります。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:4回
 私は今までに移植を2回しているのですが、結果がでません。1回目はG1の8細胞を2個、2回目はAA評価の胚盤胞を1個移植しました。
 担当医に妊娠しなかった原因を聞きましたところ、「移植の2回とも、管が子宮内膜の中央にしっかり入っていないような感じがする。筋層と内膜の間のおかしなところに入ることが、妊娠できない原因かもしれない」と言われました。実際に、このようなことはあるのでしょうか?このまま、同じことを繰り返すだけでは妊娠できないような気がして不安です。なにか、予防策や対策などあるものなのでしょうか?

 胚移植の際に、超音波の画像を見ながら、チューブの先端がどこに入るか確認して行われているでしょうか。超音波を見ながら行っていれば、まず、どこにチューブが入っているかは、はっきりわかるはずです。超音波で見ない場合には、ご質問のようになるかもしれません。聞きにくいかもしれませんが、担当医に確認をして、是非、超音波を見て戻していただいて下さい。そうすれば、このようなご心配はなくなると思いますよ。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 先日初めての体外受精(IVF)を受けました。ロング法で5つの卵が採卵でき、すべて受精・分割しました。10分割の新鮮胚を戻し、残りは凍結しましたが、結果は残念ながら陰性でした。
 前周期からブセレキュアのスプレーを使用していましたが、いろいろなサイトを見ると、ブセレキュアの使用は採卵前日までとなっています。私の場合は、担当医の指示により、移植日まで使用していましたが、このような使い方もするものなのでしょうか。移植まで使い続けることのメリットはあるのでしょうか?

 ブスレキュアを排卵誘発時に使用する場合には、HCG使用時には注意しなければなりません。HCG終了時にブスレキュアの使用を中止するのが一般的です。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:3回 体外受精:0回
 初めての排卵誘発剤を使用した際、卵胞が40個程できてしまいました。担当医からは、こんなに沢山出来るのは恐らく多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だろうと言われました。しかし、生理は規則的で毎月排卵があり、過去の検査の結果からはPCOSではありません。なので、PCOSではなく、PCOだと思います。
 ただ、私は、男性不妊が原因で体外受精(IVF)をする事になりました。1周期ピルを飲んで卵巣を休めた後、アンタゴニスト法で行う予定でいます。そこで、心配なのは、排卵誘発剤や投薬で身体のバランスが崩れて、PCOからPCOSを発症してしまわないかという事です。そのような方はいらっしゃいますか?また、そういう例があるとすると、PCOからPCOSになってしまう要因や、予防策があれば教えてください。

 PCOとは超音波で両方の卵巣に胞状卵胞が10個ぐらい認められる状態をいいます。PCOの中にはホルモン異常が原因で発症する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)も含まれております。月経が規則性で毎月排卵がある場合には、PCOSではありません。PCOからPCOSになるという事はありません。しかし、排卵誘発法に関しては非常に過剰に反応しますので、十分に注意して排卵誘発を行わなければ、 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こしてしまいますよ。
 1周期ピルを飲んでアンタゴニスト法をする方法は非常にいいと思います。場合によっては2周期ピルを使ってもいいと思いますよ。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:8回 体外受精:4回
 先日、新聞に気になることが書かれていました。2008年4月より、日本看護協会で受精卵を1つしか戻してはいけないとことが決まったという記事です。これば本当なのでしょうか。
 35歳以上の女性に対しては、2つ戻しても良いとも書かれていましたが、私(30歳)は、たとえリスクがあっても3つ戻すことをいつもお願いしてきました。セントマザーで治療中なのですが、どのようになるのですか。

 最近、新聞報道されました移植胚数に関しては原則2個ということになっておりますが、これはあくまでの原則論であり、ガイドラインです。法的な拘束はありません。しかしながら、多胎妊娠は避けるべきですので、患者様の年齢、胚の状態、過去の成績などを十分検討しながら、数を戻していきたいと思います。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
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