回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.32 -
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:1回 体外受精:5回
 ピルは、諸刃の剣で、卵巣機能を回復させる反面、卵が採れなくなることもあると回答にあります。もし、それが私に当てはまっていて、卵が採れなくなってしまったのであれば、ピルをやめて時間が経てば、採れるようになるのでしょうか?もう採れないままなのでしょうか?また、採れるようになるのであれば、ピルをやめて何周期くらいで採れるようになるのでしょうか?

 ピルの投与には、卵胞発育に必要なホルモン(FSH、LH)の分泌が正常に戻るようにする働きがあります。しかし、ピルはカウフマン療法よりFSHやLHに対する効果が強くなりますので、排卵誘発剤に反応しなくなって卵が採れなくなる場合もあります。ピルが原因で卵が採れなくなっても、卵巣機能が消失していなければ、再び卵は採れるようになりますので、ピルではなく、カウフマン療法を1〜2周期おこなった後に、もう一度排卵誘発をされてみてください。その時に卵胞が発生しない場合は、卵巣機能がかなり低下している可能性があると判断します。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:1回
 排卵障害、精子無力症で治療を受けています。初めての体外受精(IVF)で、34個の卵子が採取でき、15個が受精しました。一旦凍結し、3個(G1)を融解して、2個戻し、1個が着床しました。心拍が確認され、9週目まで順調に育っていましたが、11週目で心拍が確認できなくなり、稽流流産と診断されました。
 術後の経過はよく、翌月に生理が来ました。子宮内膜も問題なく、生理7日目からクロミッドを5日間内服し、14日目に再度受診したところ、子宮に水が貯まっており、場所が着床した辺りなので手術時の残りがあるようだと言われました。次の生理で剥がれれば良いが、次周期も水が貯まるようなら、処置をした方がいいと言われています。
 それで、今回の移植は中止となりました。掻爬後は、妊娠しにくくなると聞いたことがありますが、このようなことが原因なのでしょうか?これまで、時々は月経周期が長くなり(40日以上)クロミッドを服用していましたが、子宮内膜やホルモンの異常は特にありませんでした。でも、今回のようなことがあって、今後、内膜の異常で妊娠できなくなるのではと不安です。漢方は、菊地黄丸と婦宝当帰を飲んでいます。
 私のような状態だと妊娠率は悪くなるのでしょうか?また、内膜を正常に戻す方法など、教えて頂けますでしょうか?

 移植の際に子宮内に内膜以外のものがある状態は、着床の妨げになり、妊娠率を低下させる可能性があります。貯まっているものは何なのでしょうか。
 流産物の一部がくっついていて、生理と同時に剥がれて、消失すれば問題はないと思います。主治医に内膜や子宮の状態などを十分に観察をしてもらって、指示に従ってください。[2008年12月20日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:0回 体外受精:2回
 セントマザーにて、2回の顕微授精(ICSI)を行っています。
 1回目は採卵後3日目に移植し、着床を助けるホルモン剤を服用しました。2回目は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のため、全胚凍結をして、自然周期にて胚移植を行ないました。その時は移植後のホルモン剤の服用はありませんでした。
 ホルモン剤を服用する場合としない場合とはどのように違うのでしょうか?2回とも残念な結果になってしまったのですが、凍結卵の自然周期戻しの場合も、ホルモン剤の服用をすると、少しでも着床率はあがるのでしょうか?そうであれば、移植時にお願いをすれば、処方してもらえますか?

 凍結胚の自然周期移植の場合、月経が規則正しく排卵日がはっきりしている方には、ホルモン剤を使わない方が妊娠率は高くなり、流産率は低くなります。ただし、月経周期が不順で排卵日がわかりにくい方の場合には、ホルモン周期の方が有効となります。ただし、月経周期が正常で問題がない方でも、自然周期で妊娠しない場合には、ホルモン周期で移植することは可能です。ご希望であれば、ご相談ください。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:1回
 3年前に顕微授精(ICSI)で子供を授かりました。その時に凍結保存した受精卵が2つ残っていて、そのまま凍結保存した状態になっています。
 次の治療を考えた時、3年もたっている受精卵だとリスクがあるのではないかと心配になってしまいます。3年も凍結保存した受精卵は使わないで、新たに採卵を行った方がよいのでしょうか?長期間の凍結保存で、質や融解率に違いがあるのであれば、教えて下さい。

 3年であれば、受精卵のリスクが高くなるという事は報告されていませんので、使われても大丈夫だと思います。  長期間(10年以上)保存した胚の移植経験はありませんので、はっきりしたことは言えませんが、凍結状態が良好ならば問題ないと考えます。もし、凍結状態が不良の場合は、融解時に胚は元に戻らないと思います。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:4回
 精液検査で男性不妊(スイムアップ検査不良)が分かり、ロング法で誘発し、顕微授精(ICSI)をおこなうことになりました。アシステッドハッチングも行うという説明を受けました。
 来月から服薬と点鼻薬が開始されます。問題なく進めば、採卵2日後に移植の予定となっています。採卵の2日後ということは、受精卵が4細胞期の頃でしょうか。この時期の受精卵に、アシステッドハッチングを行うことはあるのでしょうか?また、着床率はどれくらい上がるのでしょうか?

 アシステッドハッチングは4細胞から胚盤胞までどの時期でもできます。しかし、アシステッドハッチングによる妊娠率の向上は認められないと言われています。ただし、透明帯が厚く、硬く、茶色っぽくなっているような場合には、効果が期待できます。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:4回
 これまでに、ショート法、ロング法で誘発し、いずれも胚盤胞まで分割して、移植もできましたが、結果はでませんでした。
 いつも、卵子が20個以上と多数採れてしまい、「多すぎで、質が下がったかな」と言われています。
 数が比較的少なくなるアンタゴニスト法をしてみたところ、10個くらいで数としてはよかったのですが、受精卵としては、今までで最もグレードが低く、移植できませんでした。
 多数採れてしまうと分かっていても、また同じ方法をしなければいけませんか?それとも、アンタゴニストを再度するべきでしょうか?

 月経周期が正常で二相性ですので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではありませんね。ただし、多嚢胞になりやすい卵巣なのでしょう。
 卵子が20個以上採れた場合は、1個あたりの卵子の質が低下しますので、卵子数を15個以下にしたいところです。そのために、まずピルを1〜2周期服用されてから、排卵誘発をすると良い結果になると思いますよ。是非、試されてみてください。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:6回
 昨年より治療を開始しました。精子数が少なく、1回の射精で数匹しかみつからず、顕微授精(ICSI)をしたところ、初回で妊娠しましたが、化学流産に終わりました。
 精子がまったくいないこともあったため、精子凍結をして、これまでに4回の顕微授精を行いましたが、1回しか受精しませんでした。(受精した1回も分割がストップしてしまいました。)
 昨年は、2回とも、受精し分割も進み、G1の4細胞を移植できました。誘発法は、クロミッドのみですが、成熟していると言われております。
 うまくいかない原因は、卵か精子かわからずにいます。また、今後は、どのように進めていけばよいかアドバイスをください。凍結精子はこのまま使わずに、採卵当日に採精したものを使う方がよいのかも併せて教えて下さい。

 顕微授精(ICSI)ですから、凍結精子でも新鮮精子でも差はなく、精子数が少なくてもわずかながら動いており、形態が正常であれば、妊娠には影響はありません。やはり最終的には卵の質、数に左右されるものと考えます。
 月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、位置、大きさ、E2、LH、FSHの濃度をみて、できればクロミッドだけではなく、数がもう少しできる排卵誘発法を試してみられてはいかがでしょうか。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:6回
 昨年8月に乳がんの手術を受け、片側全摘出しました。幸いなことに非浸潤に近い早期でしたので、その後の治療は受けていません。エストロゲン、プロゲステロンともにプラスです。
 今まで子作りはしてこなかったのですが、手術以降、子供を希望し、体外受精(IVF)を6回しました。医師の考えで、薬はまったく使わない自然周期の体外受精or顕微授精(ICSI)です。ホルモン値は悪くはなさそうで、毎回1個の採卵はでき、受精もするのですが、胚盤胞までは育ちません。
高齢のため難しいのでしょうが、良い卵子を作る為に私にもできる治療はないでしょうか?やはり、エストロゲン値を上げる治療は避けた方がよいのでしょうか。

 ホルモン感受性の乳がんという事ですね。私も実際に経験がありますが、自然周期での体外受精(IVF)では、妊娠率が低くなりますので、排卵誘発をされた方がいいと思います。
 採卵までの約1週間は、ホルモン値は高くなりますが、採卵周期にはすべて凍結保存をして、自然周期で移植をすればほとんど影響はないと思います。一回の妊娠率の高い方法を選ばれる事をお勧めいたします。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:4回 体外受精:7回
 アンタゴニストを使っての排卵誘発で、順調に卵胞が6つ育っていました。しかし、採卵前々日の夜にアンタゴニストを注射したにもかかわらず、採卵前夜に排卵痛があり、結局、採卵当日には2つしか採れませんでした。
 4日後に、受精した2つを戻しましたが、移植日から1週間後のP4値が60もありました。
 採卵前に排卵してしまったと考えるのでしょうか?もしも排卵してしまったとしたら、アンタゴニストが効かないということになるのでしょうか?

 お話からすると、排卵前にLHサージが起き、排卵して、黄体ホルモンが上がっている可能性があります。排卵前の卵胞の大きさはどれくらいだったのでしょうか。
 今までにもアンタゴニストを打って排卵したことがあったでしょうか。
 アンタゴニストの方がアゴニストよりも、排卵を抑制する効果は強いのですが、100%ではありません。アンタゴニストを打つ時期によって排卵が起こる可能性はあると思います。
 次回の治療方法がアンタゴニストを使用するようでしたら、注射の本数を少なめにするか、卵胞の大きさが小さめの時期にHCGの切り替えをしてもらうと、排卵してしまう確率は下がるのではないかと思われます。[2008年11月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:7回 人工授精:2回 体外受精:2回
 2回目の採卵を行い、7個の卵が採取できました。
 ドクターより、顆粒膜細胞が少なめと言われましたが、どういう意味なのでしょうか?顆粒膜細胞が少ないとどのような影響があるのか、詳しく教えて下さい。また、そういうケースでも妊娠に至る可能性はありますか?

 顆粒膜細胞が少ないということは、卵子の成熟度が低いということを意味します。成熟した卵子の周りには約3〜4mmのフワフワとした顆粒膜細胞が発育しています。
 この顆粒膜細胞が豊富で透明性が高い場合には、卵子の質が高いと判断します。ですから、顆粒膜細胞が少ないという事は卵子の成熟度が低いという事になります。
 この卵子の成熟度が低い原因としては、排卵誘発法が十分でない、または採卵時期がずれていることが考えられますので、次回の採卵時には十分検討されて、あなたにあった排卵誘発法を見つけてもらってください。
 そのためには、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、位置、大きさ、E2、LH、FSHの値などを参考にして決められるといいと思います。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:3回
 これまでに3回の体外受精(IVF)を行い、いずれも5日培養の胚盤胞移植を行いましたが、妊娠に至っておりません。私は、生理前になると下腹部痛や胸の張り等、多くの症状が現れます。しかし、いままでの治療では、この症状が、胚盤胞移植後の2〜3日に出ています。移植を行う5日目には、すでに私の体が生理になる準備に入っていて、着床する状態になっていないのではないか・・・と考えてしまいます。
 胚を長く培養した方がいいのは理解できるのですが、培養後の胚を採卵(排卵)日の2日後くらいに移植した方がいい場合はないのでしょうか?

 胚盤胞移植は採卵後、5日目に行うと思います。移植を2日早くするということは、採卵3日目となりますので、移植する胚と生理的な状態(内膜の状態など)とが合わなくなります。
 採卵周期はホルモン剤を使いますので、内膜や卵巣の機能は直接的に影響を受けています。ですから、採卵周期には全胚凍結し、自然周期に戻すと着床率は上昇し、流産率が下がります。長期培養を長くしたり、短くしたりすることよりも自然周期に戻す事をお勧めいたします。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:48 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:4回 体外受精:6回
 不妊治療を初めてもう6年目です。
 月経周期3日目(D3)で、FSHの値が13くらいです。担当医は「申し分ない」とおっしゃっていますが、色々と調べますと、月経周期3日目に2桁になるとよくないという情報もあるようなので、どのくらいが許容範囲なのかを教えて頂ければと思い、質問しました。
 これまでに、体外受精(IVF)を6回行い、採卵も6回できましたが、移植できたのは2回です。キャンセルになった理由は、異常受精や分割停止です。年齢的な卵子の老化なのだとは思いますが、現在の病院では、特に問題としていないようです。FSHを下げると、もう少しよい卵が採れるようになるでしょうか?方法があったら教えて下さい。

 高齢になるに従い、卵巣機能が低下し、その結果FSHが高くなるのは自然の現象ですので、ある意味では正常な現象だとお考え下さい。
 FSHの値はピルを飲むことによって下げる事は簡単ですが、卵巣機能が正常化するとは限りません。ピルの服用により、かえって卵巣機能が低下する事もありますので、十分な注意が必要になります。
 排卵誘発法の決め方において、重要な点は、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、位置、大きさです。よい卵を作るためには、FSHだけが問題ではなく、E2やLHの方が重要だと思います。FSHを下げることは、ひとつの方法ではありますが、それが全てではありませんから、ご理解くださいね。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:3 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:1回
 1年間タイミング療法を行なっておりましたが妊娠に至らず、先月、ロング法にて体外受精(IVF)を行いました。8個採卵できて、すべて受精し、3日後に8分割のG1を1個移植しましたが、残念ながら陰性となりました。
 採卵から5日後には、残りのうち、4個が胚盤胞まで育ったので、凍結保存をしています。
 こちらの質問フォームを読ませていただくと、採卵周期の移植よりも1周期おいて自然周期で戻すほうが妊娠率が高くなるとのことで、次回は少し期待しております。
 ただ、現在通院している病院では、ホルモン補充周期での凍結胚移植を推進しており、月経周期の5日目からプレマリンを内服するようです。
 私は、月経周期も規則的で、高温期は必ず14日あり、子宮内膜も10mm前後あります。できれば自然周期で移植をしたいのですが、私の年齢では、ホルモン補充をした方が妊娠する可能性が高いのでしょうか?凍結胚移植の時に、ホルモン補充周期で行うか、自然周期で行うかは、どのような基準(年齢や周期など?)で決まるものなのか教えて下さい。また、ホルモン補充周期と自然周期のメリットとデメリットも教えて下さい。

 凍結胚移植には自然周期とホルモン補充周期がありますが、月経周期が規則正しく、年齢が40歳未満の方は自然周期の方が、着床率が高く、流産率が間違いなく下がります。ただし、排卵日を正確に見つけられないと、成功率は下がりますので、一長一短です。
 あなた達のご要望と病院側の技術が一致するのであれば、自然周期をお勧めいたします。[2008年11月15日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セントマザーで治療しています。顕微授精(ICSI)をしましたが、良い結果ではありませんでした。
 現在は、8分割の卵を凍結しています。2回目にチャレンジする場合、胚盤胞まで培養しての移植は可能でしょうか?可能な場合は、どのタイミングで伝えればよいのでしょうか? また、胚盤胞まで培養した時のメリットとデメリットも教えて下さい

 培養しての胚盤胞移植は可能です。
 凍結胚移植の周期に入り、胚を融解するまでに、ご希望を伝えていただければ大丈夫です。ただし、胚盤胞まで分割しないことがあることをご理解ください。
 また、新鮮胚の胚盤胞移植を希望する場合は、採卵から2日後の時点の分割を見た上で、決めていただいても構いません。通常は、5日後に胚盤胞になりますが、(胚のクオリティーが低く)全ての胚がそこまで到達することができないことがしばしばあります。
 胚盤胞までいかなければ、今回は胚移植を中止するという選択肢もありますし、分割が良好に進行していないと判断した時点で、培養を中止して子宮内に早めに移植する、という選択肢もあります。[2008年11月4日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:7回
 顕微授精(ICSI)を7回しましたが、毎回、受精率が30%程度です。
 主治医より、次回はカルシウムイオノフォアを用いると説明を受けました。受精障害がある場合に効果があるそうですが、安全性が心配です。
 もしも害があるとしたら、どのような可能性があるでしょうか?また、何年くらい前からされている方法なのか、顕微授精でよく用いられるものなのか、この方法でどのくらいの赤ちゃんが誕生しているのかなど、教えて頂けますでしょうか?

 卵子の状態が良好な場合には、顕微授精(ICSI)の受精率は80%以上となります。この値が常に30%という場合には2つ理由が考えられます。
 卵子の質が低いか、精子の卵活性化能が低いかのどちらかです。精子の状態はどうでしょうか。精子の頭部に奇形が見られる場合(頭部が丸い、大きい、小さいなど)には、受精率がかなり下がります。
 精子に全く問題がないのであれば、排卵誘発法を変えて、卵の質が良くなるようにするといいかもしれません。
 カルシウムイオノフォアを使うと受精率は上がるかもしれませんが、原因が卵にある場合には、この方法は効果がありませんし、実際には妊娠率が急激に高くなるということは期待できないと思います。[2008年11月4日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:3回
 これまでに、クロミッドと黄体ホルモン注射とフォリスチムで誘発し、月経周期18日目に、新鮮胚盤胞(採卵6日目)移植をしましたが、結果が出ません。採卵後2日目からは、プラノパールを処方されて、判定待ち期間も服用するようにとの指示がありました。
 他に、プレマリン、デュファストン、膣座薬朝晩2回も処方されました。現在の病院では、移植当日の内診や血液検査などはなく、担当医もそっけないので不安を感じています。
 【質問1】
 胚盤胞になっても、凍結をしないで、そのまますぐに移植して大丈夫なのかが気になっていますが、通常は、新鮮胚移植をするものなのでしょうか?
 【質問2】
 内膜は、いつも9〜10mmと良い状態ですが、チョコレート嚢腫を腹腔鏡で除去しており、5年前、骨盤腹膜炎の経験があります。卵管閉塞には影響ないと聞いていますが、本当でしょうか?

 今の方法でも妊娠の可能性は十分あると思いますが、クロミッドを使用している場合には、内膜の状態が着床に悪影響を及ぼす場合もありますので、当院では、誘発周期には全て凍結して、自然周期に戻す事をお勧めしております。特にGnRHアンタゴニスト、アゴニストなどのお薬を使っている場合には、全胚凍結し、自然周期に移植する方が有利だと思います。
 卵管は閉塞していても着床には影響はありません。しかし、卵管が水腫になっている場合には、着床に悪影響を及ぼすので、前もって処置をされた方がいいでしょう。[2008年11月4日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:1回 体外受精:1回
 1回目の人工授精(AIH)で妊娠したものの子宮外妊娠だったので、体外受精(IVF)をすることにしました。 体外受精の前にカウフマンを3回しました。お薬は、生理3日目からプレマリン21日間とデュファストン12日間の投薬でした。
 その後、転院先の病院で、「その投薬は更年期障害の人にするカウフマンの方法だ」言われてとても驚いています。それが関係しているのかはわかりませんが、カウフマン後の方がホルモン値が悪く、卵も黒くて透明体が厚く、質の悪いものが多くなっています。
 現在の自然周期では、卵胞期のLHが18〜24と高くなり、自然周期では、卵が育たなくなってしまいました。
 カウフマンの影響で、ホルモンバランスが崩れてしまったのでしょうか?一度崩れたものは、もう元に戻らないのでしょうか?・・・とても不安です。元々、生理周期は36〜40日と長めですが、基礎体温も二相性になっていて、エコーで排卵を確認してもらっていましたが、排卵しない周期はありませんでした。元に戻りますか?

 生理周期は36〜40日と少し長めですが、周期的でまた基礎体温も二相性だったという事ですので、カウフマンを3回する必要はないように思います。カウフマンを3回しますと、ホルモンがかなり乱れて参りますし、元に戻るのに2〜3ヶ月かかると思いますよ。しかし、必ず元に戻ると思いますので、ご心配はいらないと思います。
 ただ、カウフマンを3クールされた理由が他にあるのかもしれませんから、(気持ち的な問題も含めて)可能であれば、以前の担当医に確認をされてみてはどうでしょうか。[2008年11月4日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:0回
 1年前に子宮頸部円錐切除をしました。その後、卵管造影で右側卵管閉塞がわかりました。血液検査でクラミジア抗体有りでした。
 現在は、人工授精(AIH)をしています。不妊治療を開始して2年になりますが、毎回どちらが排卵しているかなんて気にしていませんでしたが、右側の卵しか育ちません。今回で3回連続、右側からの排卵です。
 クロミッドとHMGも試したのですが、やはり右側からの排卵でした。なにか原因があるのでしょうか?右側が閉塞しているので、左側で育ってほしいのですが・・・

 HMGの注射をうっても左側から排卵しないのであれば、左側の卵巣の機能が悪いのだと思われます。同側の卵巣に卵ができる場合の人工授精の妊娠率は、約10〜15%です。まして同側の卵管の通りが悪い場合は、妊娠率は1桁にしかなりません。
 クラミジアは治療をされましたか。現在は、治っているのかどうか、状態を確認してください。 今後、人工授精(AIH)を4〜5回行っても妊娠に至らなかったり、左側から卵がしないようならば、体外受精(IVF)へのステップアップを考えた方が良いと思います。[2008年11月4日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:7回
 男性不妊で、1年間に7回の顕微授精(ICSI)を行いました。1回目で妊娠しましたが、心拍確認できないまま、7週目に稽留流産となりました。
 その後、ショート法で、毎回、採卵して移植していますが、治療の辛さはありません。ただ、移植から妊娠検査日までの2週間、毎回毎回、自分の身体の変化を全神経を使って確認してしまい、精神的に参ってしまいます。
 移植から着床までのメカニズムを教えてほしくて質問しました。
 1.採卵から2日目の受精卵を子宮内膜に戻した場合、まだ桑実胚になっていない卵は、一度、卵管に戻ってから、内膜へと戻るのでしょか?採卵から2日目の分割胚、桑実胚、自然妊娠の着床までのメカニズムの違いを教えて下さい。
 2.移植後に安静時間がありますが、その時点で、着床するかしないかが決まってしまうのでしょうか?
 3.子宮内膜は、着床した場合としていない場合で、変化が異なるのでしょうか?

 原則的に採卵周期、特にGnRHアゴニスト、アンタゴニストを使用している場合には、子宮内膜への直接作用があり、着床率が下がります。ですから、採卵周期には全胚凍結し、自然周期に移植をする方が、臨床的には、妊娠率が高くなり、流産率が低くなると思います。
 子宮に入れた胚が卵管に入って、さらに戻ってくるかどうかに関しては、科学的に証明されておりません。ただし、子宮内に侵入して着床は胚盤胞のステージで行われているといわれております。着床するまでの4細胞〜桑実期までの胚は子宮内膜の間に留まっていると思われます。しかし、このようなことに関してはまだ、はっきりと正確に証明されている報告はほとんどありません。
 移植後の安静時間は、着床に影響しないと思います。欧米では胚移植後、直ちに歩いて帰る場合でも、妊娠率は変わらないと言われております。
 着床しますと胎児の一部が絨毛となり、HCGを分泌しますので子宮内膜は脱落膜へと変化していきます。[2008年11月4日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:1回
 先日、初めての移植をしました。ホルモン補充周期で凍結胚盤胞を2つ戻しました。結果は陰性で、移植から10日後に生理がきました。その時に、経血と一緒に5cmくらいの白い塊が出てきてとても驚きました。主治医に確認しましたら、「おりものではないだろうか?」との事でしたが、おりものにしては白くて弾力のある塊でした。
 この物体は一体何なのか、とても気になります。どのような可能性がありますでしょうか?
 病院での妊娠検査は尿検査のみで、血液検査はしていません。尿検査で陰性でしたが、超初期の妊娠だったという事は考えられませんでしょうか?現在の状態はとしては、腹痛もなく、普通の生理のようになっています。心配する事もないのでしょうか?

 凍結胚盤胞をホルモン補充周期で戻す場合、内膜を十分厚くしておりますので、妊娠しなかった場合に月経血とともに内膜が剥離してきたのだろうと思われます。妊娠反応は、病院の尿検査で陰性であれば妊娠していないといえます。もしも、血液の検査を行っていたとして、わずかでも高ければ超初期の妊娠といえないこともありませんが、それ以上の意味はありません。
 今回は、残念な結果となってしまいましたが、腹痛もなく普通の生理が来ているということですから、次回の治療に向けて気持ちを切りかえてみてはいかがでしょうか。[2008年11月4日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
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