回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.33-
年齢:30 生理周期:不明 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 受精卵の移植ミスがニュースになっているので、失礼と思いながら、質問をさせていただくことにしました。
 このサイトでもいくつか回答があり、セントマザーはチェックをする専門スタッフがいて、院長であっても、チェッカーの了解なしには次の工程に進めないとありました。
 それは、採卵・採精・顕微授精(ICSI)を含む受精や移植の時、すべてにおいて行われていると考えていてもよいでしょうか。
 患者の数が多い病院だからこそ、管理体制には気をつけておられることと思います。それはわかっていてもどうしても不安になってしまうので、どのような時にチェックを行っているのかなど、管理体制についてのご意見をお聞かせいただければ嬉しく思います。お願いします。

 御心配されるのは当然の事だと思います。
 当院においては、チェックだけを専門とする“チェッカー”というスタッフが現在4人常勤しております。採卵、採精、体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)、胚移植など、操作の全てにおいて、「検査技師同士」のダブルチェックではなく、「検査技師とチェッカー」によるダブルチェックを行います。(ダブルチェックとは、2人で確認をしながらチェックをすることです。)ドクター、検査技師に関わらず、すべての操作においてチェッカーの確認のサインがなければ、次の工程に進むことはできません。
 なお、当院はJISART(日本生殖医療標準化機構)の会員であり、3年に1度の厳重な審査をパスしなければなりません。精子・卵子・胚の取扱いに関しては、最も厳しいチェックが他施設のメンバーから構成される審査チームによって行われます。この審査は、私達だけでなく、第3者による審査ですので、特に、精子・卵子・胚の取り扱いに関しては自信を持って安全性を保証します。詳しい内容はJISARTのサイトをご覧ください。また、チーフチェッカーからの回答もございますので、参考にされてください。(チーフチェッカーの回答を掲載した時期から、チェッカーが1名増えました。)[2009年3月5日]
 ■JISART(日本生殖医療標準化機構)
 ■精子や卵子のとり違いは起こりませんか?
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:3回 体外受精:2回
 1年前に、子宮内膜症、チョコレート嚢腫の開腹手術をしました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあり、不妊歴は3年、アメリカ在住です。これまでに2回の体外受精を行いました。
 1回目はBravelleと Menopurを1日目に投与し、その後フォリスチム300ius×5日間、その後フォリスチム225iusとMenopurを数日間併用しました。採卵前にE2値が10000を超え、HCGを打つとリスクが高いので採卵は中止になりました。ホルモンの数値からは、PCOSの可能性はないが、E2がここまで上がる症例はPCOSではないだろうとのことでした。ただし、ネックレスサインもでておりません。
 約2週間後に出血があり、その次の生理2日目からピルを飲み始めて、1週間で中止して、生理をおこさせ、刺激周期に入りました。今回は、フォリスチムのみの投与で、採卵前の数日間はMenopurとGanirelixで排卵をおさえました。この周期もE2値が高く、3日目のみ投薬をしませんでした。E2値が3000以内になり、10個採卵できましたが、そのうち、空胞が6個もありました。成熟卵は3つだけで、顕微授精(ICSI)を行った結果、2つが受精しました。しかし、その2つも、1つは3日目に2分割で停止、1つはフラグメントが多いものになり、移植中止となりました。 担当医は、「あなたの体は予想がつかない。10年間診ていても、こんな分割停止は初めてだ。分割停止は、卵子に問題があるが、年齢的には問題がないので原因がわからない。」と言っていました
 その後の説明で、やはりPCOSではないかということで、次回は2週間以内に生理を起こさせ、ルプロンを1週間使って、すぐに刺激周期にはいることになりました。卵巣を休ませなくてもよいのか、残った卵胞がある場合は影響しないのか、本当にPCOSなのか・・・と色々と心配です。私のようなケースでは、どのような治療を行うのがよいでしょうか。アドバイスをお願いします。

 身長・体重はどれくらいですか?多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に関しては、LH-RHテストを行ってみれば、ある程度の診断がたちます。LH優位のホルモン状況であれば、PCOSを疑います。PCOSでなければ、視床下部下垂体に問題があって、お薬に対して過剰に反応してしまうことが考えられます。
 今後の方針としては、ピルを1〜2クール使って周期を正常化し、胞状卵胞(卵のもと)の大きさを均一化し、排卵誘発剤150単位を打ち、Long法(GnRHアゴニスト)やGnRHアンタゴニスト法を行う方がよいと思います。注射の投与法も、毎日ではなく、隔日に行った方が良い場合もあります。[2009年2月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 私は黄体機能不全、主人は重度男性不妊で、顕微授精(ICSI)を2回おこなっています。
採卵周期で、グレードの良い胚盤胞を1つ戻しましたが結果はでず、別周期に融解胚移植(グレードのよい胚盤胞)を1つ戻しましたが、これもまた失敗に終わってしまいました。
現在、桑実胚(グレードは良い)を4つ凍結保存してあるのですが、移植するにあたって教えていただきたいことがあります。
融解胚移植をする場合は、自然周期とホルモン補充周期で戻す方法があると聞きました。今回は採卵周期と翌周期をお休みしての移植で、病院へ行ったら「生理4日目からクロミッドを飲んでください」といわれました。おそらく排卵日を確実にするためだと思うのですが、クロミッドは子宮内膜に影響が出るのではととても心配です。採卵時にもクロミッドを飲んで誘発したので、これでは採卵周期に戻すのと変わらず、今までお休みしていた意味はあるのか・・・と不安になってしまいました。
この方法は、自然周期とホルモン補充周期と、どちらなのでしょうか?また、それぞれの方法のメリット・デメリットを教えてください。担当医は全く説明をしてもらえず、以前こちらから質問した時に面倒臭そうな顔をされてから、質問できなくなってしまいました。ですから、子宮内膜がいつもどれくらいあるのかもわからないまま治療をしています。担当医に直接聞けばいいことだとわかっていながら、怖くてできず、こちらで質問をしました。お願いします。

 月経周期が規則正しく二相性になっている方は、自然周期で排卵日を確認後、凍結胚を移植した方が、流産率がホルモン周期よりも低下します。妊娠率には、差がありません。
 しかし、月経周期が不規則で、排卵日が正確に見つからない方の場合には、ホルモン周期の方が有利です。卵胞ホルモンを飲み、内膜が厚くなった(10mm以上)時点で、黄体ホルモンを加えるという、本来の自然の周期と同じような方法で内膜を作る方法です。クロミッドを使って排卵させる方法もありますが、クロミッドの内膜や黄体に対する影響で着床率はやや低下すると考えられます。
 大事な凍結胚ですので、十分に検討されて移植をされて下さい。[2009年2月16日]
(院長:田中温)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:9回
 40歳で自然妊娠しましたが流産しました。以降、不育症検査を経て体外受精(IVF)を行っています。
 注射による誘発をしても、採卵に至るのは1個のみなので、誘発はセロフェンのみで行っています。グレードのよい(G1)の受精卵ができますが、着床しません。ホルモン周期での移植も試しましたが着床せず、胚盤胞までの培養を試したのですが桑実胚で分割停止してしまいました。
 そろそろ諦め時と思い、最後にGIFTを希望したところ、1個のみでGIFTをするのはリスクが高すぎるため、前核胚期で凍結しながら3-4個貯めることになりました。凍結-融解の工程は、受精卵にストレスが掛かるように思います。凍結前核胚期を使ったZIFTについてのご意見を伺わせて下さい。また、採卵1個の症例で、他の手立てがあればアドバイスをお願いします。

 GIFT・ZIFTは卵管内に胚または卵子と精子を入れる方法ですが、当院の最近の検討では、採卵周期でのGIFT・ZIFTの流産率が非常に高くなっていることが気になります。当院では、凍結胚を卵管に入れる治療を始めており、現在のところ、良好な結果となっております。卵管に入れる数は、やはり、1個よりも2〜3個は貯めた方が有利だと思います。しかし、年齢が若い方の場合には、1個でも十分だと思います。[2009年2月16日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セントマザーの治療で、内膜が3mmの40代の方が体外受精(IVF)で妊娠されたと聞きました。私も内膜が薄くて悩んでいます。
 内膜が薄いとはいえ、毎回6〜7mm はあるので、3mmと聞いてびっくりしたのですが、内膜が薄くても着床できるように何か特別な処置をされたのでしょうか?それとも卵の質で内膜の薄さを補うことが可能なのでしょうか?

 一般的に子宮内膜は排卵後、黄体ホルモンの分泌により、さらに肥厚して、着床しやすくなるという機序があります。しかし、体外受精(IVF)などで、正常な卵巣機能で多量の排卵誘発剤を使う事により、お薬が子宮内膜および黄体に直接作用しますので、着床率はかなり低下してしまいます。
 着床率が高くなる方法としては、採卵周期では胚はすべて凍結し、別の周期(自然周期)に戻すことです。この方法であれば、着床率は確実に高くなり、流産率は下がります。自然周期の場合には、内膜はそれほど厚さを心配しなくても妊娠率は高くなります。
 また、内膜は意図的に厚くしようとして、なかなか厚くなるものではありません。大量のエストロゲンや卵胞ホルモンを使う事により、かえって卵巣機能を乱してしまう事もありますので、十分注意されて下さい。[2009年2月16日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:3回 体外受精:6回
 【 質問 】 卵の質も分割も内膜もいい・・・なのに何度移植しても結果が出ません 29歳の時に1人目を自然妊娠し、帝王切開で出産しました。その3年後に骨盤腹膜炎になり、不妊治療を始めて3年になります。
 ホルモン値などの血液検査では全く問題なく、卵管造影検査でも両卵管とも通っていましたが、通気通水でかなり細いということで、体外受精(IVF)をしています。
 今までに、ロング法で3回採卵しています。移植は新鮮胚・凍結胚合わせて6回していますが、結果が出ません。採卵数は、毎回7〜8個で、6個くらいは受精します。どれもG1・G2といい卵ばかりです。
 内膜も厚く、問題はありません。分割もよく、初期胚、胚盤胞での移植をどちらもしてみました。原因が全くわからず、今後どうすればいいのかまったくわかりません。アドバイスをいただけると嬉しいです。体外受精であれば、卵管が細くても問題がないと思っているのですが、結果が出ない原因としては、どのようなことが考えられますか?

 お一人出産されているという事は、卵巣、子宮、精子の状態は良好だと考えます。その後の体外受精(IVF)でも大きな問題はなく、妊娠しないのであれば、排卵誘発法を見直すこと、また転院を考えるのも方法だと思います。
 同じような体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)・凍結保存をしたとしても、その内容には施設によって、かなりの差があると言われております。特に凍結技術は各施設によって差があると思います。
 採卵した卵の数は、多い方が有利です(ただし多すぎるとよくありません)。採卵周期には戻さないで、採卵周期には全胚凍結して自然周期に戻す方が妊娠率は高くなり、流産率は下がるはずです。しかし、この場合、凍結の技術が 完成されていなければ、かえって胚をダメにしてしまいます。
アドバイスといたしましては、卵の作り方をLong法ではなくてShort法かアンタゴニスト法に変えてみることでしょうか。他のアドバイスとしては、転院をされて施設を変えてみるのもひとつだと思います。[2009年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:7回 体外受精:6回
 いままでに、HMGのみでのショート法、フォリスチムを併用してのアンタゴニスト法など、誘発法を変えて治療をしています。しかし、注射の量も多いものの、卵子の成長も遅く、数も5〜8個と少ないという状態です。
グレードはよく、すべて受精するものの、分割が遅くて凍結できません。(これまでに胚盤胞まで成長したことはありません。)
 卵の数は少なくはなりますが、体への負担が少ないので、クロミッドのみでの誘発が良いと思っていますが、クロミッドの誘発ではウラン済みで中止になったことが2回あるので、躊躇してしまいます。自分に合った誘発法が何かわからず悩んでいます。セントマザーでは、D3までのE2などのホルモンや胞状卵胞を見て決めるとのことですが、どのように決まるのでしょうか?

 当院では、D3の胞状卵胞の数、大きさ、位置およびE2、LH、FSHのホルモン値を総合的にみて、大きく分けてShort法、Long法、アンタゴニスト法の3つの方法から選んで排卵誘発を決めます。
 排卵誘発法は、体外受精(IVF)の成績のほとんどを決めるといっても過言ではないと思います。
 ただし、患者様の年齢や体質だけでなく、その周期の卵巣状態などによって、適切な誘発法はかわりますので、実際に卵巣の状態を拝見していない状況で、よい方法をご提案することは難しいのが現状です。[2009年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:1回
 先月、初めて、セロフェン+HMGで誘発し、体外受精(IVF)で新鮮胚移植をしましたが、陰性という結果でした。
3ヶ月くらいあけて、再度、体外受精に挑戦したいと思っていますが、それまでは自宅で排卵日検査薬を用い排卵日にタイミングをとろうと思っています。
 もともと、生理は規則的で、生理開始日から12〜13日で排卵検査薬がはっきり陽性を示し、翌日に排卵していました。毎月内診で排卵を確認していました。
 ところが、移植した翌周期の今月は、排卵検査薬は陽性を示したのに基礎体温がいっこうに上昇してきません。
 1.今周期は無排卵だったのでしょうか?
 2.体外受精後の無排卵はよくあることなのでしょうか?それとも高齢のため、排卵誘発剤で卵巣機能が弱ってしまったのでしょうか?
 3.低温期が続いていますが、このまま放っていて、自然に生理が始まるでしょうか?
ご回答をよろしくお願いいたします。

 セロフェン+HMGはともに排卵が自然に起きない排卵障害を持つ方に使用されるお薬であり、自然排卵のある方に使用しますと卵巣機能が乱れ、無排卵になるという事はよくあります。
 しかし、お薬による無排卵は、自然に元に戻る性質のものですので、それほど心配はないと思います。短期間に元に戻すためにはピルを2〜3週間飲むことが有効だと思います。
 このまま放っておいても自然に月経が始まると思いますが、年齢も卵巣機能が元に戻りにくい原因のひとつになると思います。ピルでコントロールした方がいいと思います。[2009年2月3日]
(院長:院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:6回 体外受精:0回
 私には17才になる子がいます。10年以上前から将来を約束した人がいます。向こうの家の事情もあって、子供を授かるか、17才の子が成人してから、入籍をすると決めています。
 1年半前に稽溜流産し、その後、通院を始めました。2人とも検査結果は良好ですが、高齢のためかなかなか授かりません。体外受精(IVF)を希望しているのですが、夫婦間でないと治療はできないのでしょうか。

 体外受精(IVF)などの生殖医療に関する法律は日本にはありません。学科のガイドラインが唯一のものではありますが、事実婚での治療が認められております。事実婚であるならば、体外受精は可能ですが、施設によっても異なると思いますので、治療の際に確認をされてください。しかし、お子さんのためにも妊娠・出産までには、籍を入れられることをお勧めいたします。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:6回 体外受精:0回 
 人工授精(AIH)を6回終えました。今年の初めに2.5cm程度の子宮筋腫が見つかりましたが、人工授精には支障はないとの説明をうけました。
 先日、虫垂炎の疑いで、他科を受診した際、腹部エコーにて子宮筋腫が5cmになっているのが認められました。外科の医師からは取った方がいいのでは?と言われました。(結局は、虫垂炎ではなく腸炎でした。)
 今後の治療として、腹腔鏡検査を行って癒着などを調べるか、思い切って体外受精(IVF)に進むか、どちらを選択すべきか迷っています。また、(腹腔鏡検査で問題がない場合)人工授精を続けるにしても、体外受精に進む場合でも、約1年で2倍の大きさになった筋腫の影響はないのでしょうか?

 子宮筋腫のできている場所は子宮のどのあたりでしょうか。子宮内膜に近く、症状(生理痛や生理の量が多いなど)が出現しているのであれば、子宮筋腫をとることを優先した方がよいでしょう。
 子宮筋腫は「大きさ」と「子宮のどの位置にあるか」によって妊娠の妨げになるかどうかが決まります。その点を担当医にじっくり診ていただいて、相談し、決定するとよいでしょう。
 人工授精も6回目されておられますので、年齢も考慮して、そろそろ体外受精(IVF)も考えていった方がいいと思います。もう少しの間、人工授精を希望するならば、腹腔鏡検査をする意味はあると思います。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:1回
 初めての顕微授精(ICSI)を行い、3日目に凍結保存しました。グレードはわかりませんが、形がいい受精卵が2個あるので、移植をしましょうと言われました。
 一般的には、3日目だと、桑実期胚で凍結させたということなのでしょうか?
 胚盤胞移植をすると、双子になる可能性があると聞いたことがあるのですが、桑実期胚でも双子の可能性はあるのでしょうか?
 また、女性側には問題がなく、男性側のみの問題でICSIを行った場合、1回の移植で妊娠する率はおよそどのぐらいなのでしょうか?

 胚盤胞移植で、一卵性双胎になる可能性が高くなるのは事実です。桑実期胚よりも高くなります。しかし、全体としての率はそれほど高いものではありません。顕微授精(ICSI)の妊娠率は、女性側に問題がない場合で、32歳の場合には、約50〜60%となります。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:回 体外受精:回
 子宮内膜症(両卵巣のチョコレートのう腫)の腹腔鏡手術を受けました。生理周期は24〜25日で、基礎体温は二祖に分かれています。
 手術後、フォリルモン+HCG、フォリスチム+HCGでタイミング法を行いましたが、共に周期14日目で卵胞が20〜24mmまで成長するものの、排卵せずに高温期に入ってしまいました。次回はポンプ法での排卵誘発剤を試しましょうと言われています。卵胞は育っているのに排卵する気配が全くありませんが、どうすれば排卵するようになるのでしょうか。サプリメントや漢方、生活習慣の改善で排卵する体に近づけることはできないのでしょうか・・・。年齢のこともありますので、体外受精(IVF)を考えるべきでしょうか。

 腹腔鏡検査を行い、お腹の中の癒着、卵管周囲と卵管の間の癒着はないことを確認できていますでしょうか。癒着らしきものがあるようであれば、自然排卵にこだわらず、体外受精(IVF)が望ましいと思います。
 ポンプ法やサプリメント、漢方、生活習慣の改善をしてみるのもひとの方法ではありますが、2〜3周期様子をみて排卵の兆しがみられないようであれば、年齢のことも考慮し、体外受精にステップアップする方が良いと思います。子宮内膜症は進行性の病気であり、卵巣、卵管、子宮にも影響がおよぶ可能性は高いので、子宮卵管造影検査で問題なくても、体外受精を考える方がいいかもしれません。[2009年1月24日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:1回 体外受精:1回
 体外受精(IVF)にステップアップし、セロフェン+HMGで刺激しましたが、卵が1つしかできませんでした。人工授精(AIH)の時にもHMGのみ(スプレキュアなし)で刺激しましたが、卵が2つしかできませんでした。
 今回セロフェンを使用したこともあって自然周期のときよりも内膜が薄くなってしまいました。排卵誘発した周期は、卵巣がダメージを受けているので、1周期お休みして、自然周期に戻す方が妊娠率は高いと聞きました。
 年齢的なものもあると思いますが、私のようにできる卵が少ない場合は、排卵誘発をせず自然周期での採卵でもいいのではないかと思ってしまいます。採卵数が1つでも、排卵誘発をするメリットはあるのでしょうか?

 卵が1〜2個しかできないのですね。内膜が薄い場合には、セロフェンよりもセキソビットの方が良いかもしれません。自然周期での採卵は、タイミングを見つけるのが困難ですので、いい卵が採れる場合もありますが、キャンセル率が高くなります。セキソビット服用での採卵をお勧めいたします。また、その際に卵管に入れる方法は、いい方法だと思います。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:4回
 これまでに4回の移植(すべて胚盤胞移植)をしています。3回は自然周期、1回はホルモン補充周期での移植でした。3回の自然周期では、HCGは0.0〜0.3、ホルモン補充周期でも0.1で、いずれも着床しませんでした。
 卵管水腫があるため、両側クリッピングをしています。クリッピング前には、卵管造影検査と通水検査を行っています。
 生理3日目のFSH=12〜16、E2=60〜90で少し高めです。ただ、移植時のP4は問題ないと言われています。
 担当医は、卵の力がすべてだとおっしゃいますが、胚盤胞まで育ち、グレードもG1〜G2ですので、卵の質はいいのではないかと思います。移植を繰り返すしかないと言いますが、他に着床を妨げているものを探す検査など、私にできることはないのでしょうか・・・もし着床しない原因があきらかにありそうであれば教えてください。また、移植の方法(例えば、胚盤胞ではなく早めに移植する方がいい、ホルモン補充がいいなど)もアドバイスをいただければ嬉しいです。

 自然周期、ホルモン周期で胚盤胞移植を行って妊娠しない理由として、卵管水腫のクリッピングが不完全である可能性が考えられます。卵管水腫のクリッピングが不完全である場合、わずかな隙間から液体が子宮に逆流し着床を妨げます。不完全かどうかは、子宮卵管造影を行って完全に卵管が閉塞しているかどうかを確認すれば、はっきりします。できればクリッピングではなくて、完全に卵管を切除されるとよいと思います。しかし、完全に閉塞しているのであれば、問題ありません。
 4回とも凍結した胚盤胞移植でしょうか。胚盤胞の凍結は100%の保障があるわけではありません。もし、全胚凍結の自然周期移植であるならば、採卵周期で戻してみてはどうでしょうか。凍結すれば胚は多少なりとも質は下がってしまいます。(質が上がることはありません。)胚盤胞にはグレードがあり、グレードによっても着床率はかなり異なります。思い切って胚盤胞まで培養せず、3日目の8細胞、または4日目の桑実期で戻すのも、ひとつの良い方法だと思います。いろいろと方法を変え、トライすることをお勧めいたします。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 体外受精(IVF)の前周期にマーベロンを3週間のみ、1年半ぶりに刺激周期で採卵し、その周期に8分割(G2)を2個移植しましたが、妊娠しませんでした。(過去、IVFで2度流産の経験があります。)
 移植後にホルモン値などの結果を聞きに行ったのですが、刺激周期のD1のホルモン値が、FSH=40、LH=7もあり、愕然としました。2ヶ月前の治療開始前のD3ではFSH=8.3、LH=0.9で、今までにFSHが10を越えたことはありません。
 もしかして、このまま閉経してしまうのではないかと、すごく不安です。もちろん、加齢の影響もあると思いますが、FSHが急激に高値になった原因としては、何が考えられるでしょうか?(マーベロンの影響は考えられますか?)何周期かすれば、元に戻るでしょうか。また、D1でFSHが高値なのに、刺激注射(テイゾー300単位×2回+コーワ75単位×4回)を打ってしまいましたが、今後の卵巣機能に影響はありませんでしょうか・・・。

 ホルモンの測定した周期は、採卵周期の次周期でしょう。それならば、採卵時に使用した誘発剤の影響でFSHが高くなることは珍しくありません。ピルを3週間服用すると元に戻ると思います。心配はいらないと思いますよ。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:7回
 いつも回答を参考にしています。よい卵を作るには、月経3日目までのE2やLHの値が重要だと書かれていますが、これらのホルモン値の適正値はどのくらいなのでしょうか?
 私はいつもFSHが高いです。ただ、今回はFSH=16.8でいつもより低かったのですが、E2=74といつもより高くなっており、月経3日目に7mmと4mm×2個と、いつもよりも大きめの卵胞がありました。そのためか、今回は変性卵になってしまいました。ここで質問ですが、今回変性卵になってしまったのは、E2が高かったことが影響しているのでしょうか。そうであった場合、E2を下げる方法をE2やLHの適正値と併せて教えてください。

 年齢34歳、基礎体温が二相性で生理周期が規則的なようですので、3日目のFSHが16.8、E2が74というのは、正常値を外れています。胞状卵胞が7mmと4mmというのは、ほぼ正常な大きさですので、E2値と卵胞の状態が一致しない点が気になります。ピルを1周期服用される方がいいかもしれませんね。E2は50以下、LHが5.5以上、FSHが12〜13以下が正常値です。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:45 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 血液検査内診などの検査の結果、D4のFSH=12でE2=94と高いこと、排卵時の内膜が7mmと薄めでした。左の卵管は、子宮外妊娠のため切除していますが、右側は通っています。生理周期は27日前後で、排卵は毎月きちんとあります。LHサージ、排卵後に内診にて確認していますが、だいたいいつも17mmくらいと小さめで排卵します。
 以上のような状況で、初めて体外受精(IVF)を受けるのですが、今通っている病院は前周期のD5からプラノバールを21日間服用してから体外受精を行うため、体外受精を1回行うためには、必ず2ヶ月の期間が必要となります。高齢の場合、プラノバールは卵の数が減ってしまってよくないこともあると耳にしたのですが、本当でしょうか?また、私のような数値の場合プラノバールを服用する方がいいのでしょうか?

 E2の値が94というのは、かなり高めです。残存卵胞があるのではないでしょうか。このような場合には、プラノバールが有効です。1周期であれば、胞状卵胞の数はそれほど影響しないと思いますが、2ヵ月服用しますと卵巣が反応しなくなることがありますので、ご注意ください。[2009年1月24日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:1回 人工授精:0回 体外受精:0回
 1年前に、体外受精(IVF)の相談で受診した際には、FSHは6.9でした。体外受精を決意し、先日受診した際には、急にFSHが11.3に跳ね上がっていましたが、1年でこんなにも数値が変わるものでしょうか?また、この結果がだ妥当である場合は、急激な卵巣機能の低下を意味すると考えられるのでしょうか。
 今、生理1日目よりナファレリールを1日2回はじめ、3日目からフォリスチム300を注射しています。刺激注射が始まる3日目に、ホルモン数値を検査したところ、E2が178もありました。主治医からは、このまま注射を続けるようにとの指示がありましたが、E2が高いとその周期は中止することもあると聞き、不安になっています。先生が主治医ならば、どのように判断をされますか?アドバイスをお願いします。

 E2値が月経3日目で178というのは高過ぎます。卵巣が腫れていたのではないでしょうか。E2は50以下に下げる必要があると思います。
 また、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、位置、大きさはどうだったのでしょうか。また、FSH、LHの値はどうだったのでしょうか。その辺の所見の総合的な判断が必要だと考えます。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:1回 体外受精:3回
 先日、2回目の採卵で凍結できたとてもグレードの良い胚盤胞を移植しましたが残念な結果に終わりました。前回の移植もグレードの良い胚盤胞でしたが、結果はダメでした。
 胚盤胞をあと3個凍結保存しており、年内中に移植を予定しています。しかし、全部ダメに終わってしまうのではと心配しています。
 主治医は、「子宮も問題ないので卵の問題だ」と言われますが、本当にそれだけでしょうか?他に考えられる原因はないのでしょうか?とてもグレードがよい胚盤胞なのに、卵の問題というのは、よく理解できません。このまま続けて通院する意味はあるのか疑問に思えてきています。移植をする前にできることはないのでしょうか。

 胚盤胞で凍結し、融解後に元の状態に戻ったとしても、着床する能力があるかどうかを判定するのは困難です。通常は1日培養をして、分割が進むことにより胚の能力を確認します。しかし、胚盤胞の場合には、あまり長く体外に置くと着床能力が低下することもありますので、そのあたりの判定が難しいと思います。一見、良好な胚盤胞でも、発育が止まってしまった胚盤胞もありますので、次回、もし凍結胚を戻す場合は、もう1日おいて、胚盤胞がさらに分割するかどうかを確認されてはどうでしょうか。
 当院では、胚盤胞まで培養せず、3日目の8細胞または4日目の桑実期胚で戻すことも良い方法だと考えております。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:5回 体外受精:1回
 男性不妊のため、顕微授精(ICSI)をしておりましたが、残念な結果となり、今月2度目の顕微授精にチャレンジする予定です。
 教えていただきたいのは、胚移植後のホルモン値のことです。
 採卵3日後に新鮮胚を2個移植し、1週間後にE2とP4のホルモン測定をしました。E2が3000オーバー、P4が9.8でした。結果次第では、ホルモン補充(プロゲステロン注射)を増やすとのことだったのですが、ホルモン補充はしなくて良いとの判断でした。
 今回は、胚移植後のホルモン補充として、胚移植後から妊娠判定までルトラールを1日2錠、移植当日と移植3日目にプロゲステロン125の筋肉注射とHCGのみでした。
 ホームページなどで調べると、P4の値が10以下だと黄体機能不全の疑いがあるため、補充が必要とありました。今回は、本当に追加のホルモン補充を行わなくて良かったのかと疑問に思っています。通常、移植1週間後のホルモン値は、どのくらいがベストなのでしょうか?次回の移植時に参考にしたいので、教えて下さい。

 移植から1週間後のP4値が9.8は明かに低値です。それに比べて、E2が明かに高値となっており、内膜の着床準備状態はかなり乱れていると判断できます。
 一般的に体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の場合には、GnRHアゴニストやアンタゴニストを使うため、これらの薬剤の直接作用によって着床はかなり障害されます。採卵した周期には全胚凍結し、自然周期に戻す方が妊娠率は高くなり、流産率は低くなると報告されております。しかしながら、この成績は、凍結技術が完璧であることが前提となります。次回は是非、凍結胚の自然周期移植を行われてはどうでしょうか。[2008年12月20日]
(院長:田中温)
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