回答一覧 -高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.41
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:30回 人工授精:6回 体外受精:3回
 過去に3回の体外受精(IVF)をしましたが、そのうち2回が一部排卵済となってしまいました。誘発法は、ショート法、スプレキュア点鼻薬とHCGでした。点鼻薬は1日3回していて、採卵前々日のお昼15:00で終了し、20:00にHCG切替注射を打ち、採卵は8:30でした。
 卵子の数も少ないので、1個も無駄にしたくありません。先に排卵してしまう卵の方が成熟しているいい卵なのでしょうか?次回はロング法の予定なのですが、ロング法だと高い確率で排卵済を防げるものなのでしょうか?対策があれば教えてください。

 2回の卵の数と切替え時の卵胞の大きさ、数はどうだったのでしょう。2回ともShort法ですか?また、排卵後に採れた卵の質はどうだったのでしょうか。 対策としては次の3つがあると思います。  1. 卵が20mm以上で大きめであれば、18mm以下の時点で少し早めに切り替えにする。
 2. スプレキュアをHCG切り替えの1時間前にもう一度使用する。これには排卵を抑える効果があります。
 3. 排卵誘発剤を、Long法やアンタゴニスト法に変える。
上記のように卵胞が大きくなりすぎていたら、排卵する可能性もあるかと思います。Long法に変えると排卵が防げるかもしれません。原因としては何が考えられるか、主治医に尋ねてみてはどうでしょうか。[2010年3月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 ホルモン補充周期で、今回2回目の胚盤胞を移植しました。今はジュリナ内服とエストラーナ貼用、プロゲステロン注射を毎日しています。
 ウテメリンを飲んで移植をしました。移植直後から翌日の朝まで、腹部の重い(生理前のような)だるい感じがありました。鈍痛とまではいかないのですが、違和感はかなりありましたが、この症状は移植の処置によって起こることなのでしょうか?正常なことでしょうか?
 また、移植翌日のみ38度台の熱が3時間くらいありました。風邪ではなさそうでしたが葛根湯を飲んで解熱しました。移植後には、あまり体を温めない方がよいということですが、(今回はそれを知らずに)カイロをして熱もあり鍼灸治療もしてしまいました。本当に温めることは受精卵には好ましくないのでしょうか?また発熱は受精卵への影響はありますでしょうか?

 子宮の内腔が曲がっている場合は胚移植が難しく、移植チューブが硬めでないと入りにくい方がいらっしゃいます。こういった場合には、移植後、下腹部痛や、違和感を伴うことがありますので、このような状態だったのではないでしょうか。熱に関しては血液検査をしていないので、正確とはいえませんが、軽い炎症のようなものがあったのかもしれませんね。
 移植後にプロゲステロンを打っていますが、37.5度前後の熱は出ることはあります。黄体ホルモンは体温を上げる作用があります。体を温めるというのは、冷え症などでしょうか?体の冷えなどがあるのでしたら、体を温めることは絶対だめということはありません。熱が継続して続いてなければ、受精卵への影響はないと思います。[2010年3月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 1人目を体外受精(IVF)で妊娠出産しました。子どもは1歳9ヶ月になり、2人目を欲しいと思っていますが、なかなか断乳できません。 先日、妊娠中の授乳は流産とは関係ないという論文を浜松の先生が発表されたようですが、授乳しながら不妊治療はできるのでしょうか?やはり治療をするには断乳が必要ですか?
 2人目は以前凍結した胚の移植をする予定です。

 通常授乳中はプロラクチンというホルモンの影響で排卵が抑えられ、妊娠しないのが通常です。しかし、なかには授乳中に排卵して妊娠する場合もあります。その場合、授乳を続けていると子宮の収縮を引き起こし、流産するのではないかという意見が以前からありましたが、浜松医大の論文では関連性が無いということになっています。
 しかし、これは不妊治療を受ける場合には、あまり考えない方がよいと思われます。貴重な凍結胚を戻して着床させようと努力していく訳ですから、自然排卵周期で戻すのか、ホルモンを使用して移植するのかに関わらず、万全を期して移植に望むべきでしょう。そうでなければせっかくの凍結胚が無駄になってしまいます。[2010年3月15日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:10回 体外受精:2回
  海外で治療をしています。1回目はロング法で体外受精(IVF)をしました。D3からBuserelinを始め、GonalFを150iu打っていましたが、D10から112iuに変更しました。D14で採卵し、スキャンでは27個みえていましたが、採卵は20個でした。20個のうち、成熟卵は5個だけで、全部受精しませんでした。その時の血液検査の結果が、D8でE2=2.28、P4=1、FSH=11、LH=2でした。(D12はE2=14.8、P4=3、FSH=8、LH=4)
 2回目はピルを飲んで生理が来た後にアンタゴニストで誘発して顕微授精(ICSI)をしました。D2からGonalFを112iuを始め、D7からCetrotide250を開始しました。D2のE2=0.2、P4=1、LH=4、FSH=7でした。その後D10になっても卵胞の育ちが異常に悪いため、GonalFを150iuに増やして、D16でようやくE2レベルが上がってきたのでD21まで注射を打ち続けました。血液検査の結果はそれほどよくなく、D21でE2=5.1、P4=1、LH=1でした。D24に12個採卵し、5個が成熟卵で全部受精はしましたが、5日目でまだ桑実胚、1つ移植しました妊娠にいたらず、他の4つも分割が停止して凍結できませんでした。
 2回とも採卵した卵の質が悪い(Dark looking)ことに問題があると言われました。これは色が悪いということですか?どうすれば質の良い卵がつくれるでしょうか?
 次回はロングかショートかアンタゴニストになりますが、その注射にプラスして、LH補充のための注射、そこにバイアグラを飲んでみてはどうかと言われました。質の悪い卵子が多いのは、もしかしたら初期に成長が早すぎて採卵の頃には古くなっているからかもしれないとの説明でした。最近の研究では、バイアグラを飲むと卵子の成長を遅くする作用があることが発見されているとの話です。3種類の注射をする上に、バイアグラなんて強い薬を飲むなんて、あまりにも薬漬けになりそうで体への影響も心配です。(海外なので容量も多いのではないかと心配)こんな治療法はあるのでしょうか?

  E2=2.28の単位を教えて下さい。文面からすると1個1個の卵の質が悪いということですね。
 問題点を整理すると次の2点ですね。
 1. 卵胞がたくさん成長する。
 2. 卵の質が悪い。
 1.に対しては、アンタゴニストやLong法で誘発をする方法や排卵誘発前のピル内服がとられます。あなたの場合も同じ方法ですので、すすめられてよいと思います。
 卵の質に関しては、難しい面があります。卵の質が悪いということに関して、卵の殻が固い(厚い)場合と、卵の細胞質(本体)が悪い場合とがあります。卵の殻が固い(厚い)場合には、顕微授精(ICSI)が選択されます。卵の質が悪い場合には、他の誘発法に切り替えることが良い場合があります。方法としては、Short法、またGn-RHアゴニストやアンタゴニストを使わないクロミッド法およびクロミッド+HMG(量を段階的に増減していく)法があります。海外ではLHが低い場合には、スプレキュアを上記の方法に追加投与する方法もあります。また女性でもバイアグラやDHEAで卵の質の改善が見られることもあります。[2010年3月1日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:9回 人工授精:5回 体外受精:1回
 クロミッドを3周期服用しました。1回の移植では着床せず、お休み期間に自然妊娠しましたが、8週目で不全流産となりました。7週で心拍がわずかに確認されたのですが小さいことを指摘されていました。
 昨年9月からクロミッド服用の体外受精(IVF)にステップアップしましたが、これまで3回の採卵は常に空胞があり、受精はしてもフラグメントが多く、唯一移植できた受精卵もグレード3でした。
 今回、自然妊娠できたことは前向きに捉えたいと思っていますが、流産の原因が受精卵の異常によるものであるのならば、過去の採卵結果から卵子の質が悪いのではないかと思っています。そうれあれば今後も流産の可能性が高いのでしょうか?

 クロミッドで3回採卵し、結果が出ず、お休み中に自然妊娠、流産されたということですね。33歳と年齢も若いようですから、今後はクロミッドではなく、HMG注射で体外受精(IVF)をしてみてはどうでしょうか。クロミッドよりも採卵数が多くなり、より良い受精卵を選んで戻すことができると思いますよ。[2010年3月1日]
(産婦人科医:産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 男児になるY精子は、女児になるX精子の2倍作られると聞きました。
X精子の方が寿命が長いため、自然妊娠であれば男女比はほぼ半々です。しかし、顕微授精(ICSI)と行うと、数の多いY精子が使われる可能性が高く、男児が多くなるのでは?と思いますが、どうでしょうか。有意差があると思われますか?

 X精子とY精子は1対1です。ですから産まれてくる割合も1対1です。ARTで男児が多くなるということはありません。[2010年3月1日]


(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:2回 体外受精:2回
 体外受精(IVF)を2回試しましたが、1度も胚盤胞に育ちませんでした。医師からは「男性ホルモンが高くて卵巣年齢が若い人は胚盤胞に育つ確率が低い。それは誘発方法をかえても劇的には変わらないと」言われました。
 私の男性ホルモン=54、AMH=37.9です。
 これまでの体外受精では
 1回目: クロミッド法
 採卵数:7(正常卵=4)、受精卵:3(正常=2、初期胚G3を移植、胚盤胞手前で成長停止=1)
 2回目: アンタゴニスト
 採卵数:8(正常卵=7)、受精卵:6(正常=5、初期胚G2を移植、一番グレードのいい卵を含む3つ培養したが成長が停止)
 2回目では、アンタゴニストでLHが0.9まで低下し、効きすぎる体質と指摘されました。次回はロング法を試す予定でいます。胚盤胞に育つ卵が採れるまで採卵を繰り返すしか方法はないのでしょうか?

 体外受精(IVF)が成功するかどうかは、採れた卵子の質によって決まります。そしてこの卵子の質は、排卵誘発の方法によって決まるといっても過言ではありません。
 あなたは、2回目のアンタゴニストの方がいい状態ですね。ただ、HCGとアンタゴニストの間隔が短くなりますと、卵にとってあまりいい結果が出ませんので気を付けて下さいね。
 Long法はいい方法だと思います。是非試されてみてください。また胞状卵胞の数が左右10個近くあるようであれば、ピルを1周期(3週間)飲むのもいい方法ですよ。
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:5回
 自然周期で採卵していましたが、E2の値が十分になる前にLHがかなり上がってしまい良い卵子が得られなかったり、排卵済みで採卵できない情報が続きました。5回目の体外受精(IVF)はロング法をしましたが、薬の反応が悪いため、月経3日目から毎日テイゾー150を8日間打ちました。それでも卵胞は3つしかできず、ホルモン値はE2=663、LH=4.5で、採卵できたのは2つでした。内膜の検査をしたところ厚くなっておらず、孵化し始めた胚盤胞を7日目に移植しましたが結果は陰性でした。
 次回はSEET法で挑戦するつもりですが、もう少し採卵数が多くなるとよいと思っています。採卵前にLHが高いと卵の質が落ちるといわれていますが、 ロング法以外にLHを抑える方法はないでしょうか?クロミッド+HMGでも卵の質も悪くLHもさほど下がりませんでした。
 自然周期の時の排卵期のホルモン値は以下の通りです。
 1回目: E2=76.47  LH=16.39
 2回目: E2=409.7  LH=14.2
 3回目: E2=205.5  LH=16.1
 4回目: E2=151  LH=34.63 (採卵時排卵済み)
 5回目: E2=208.5  LH=97.9 (採卵時排卵済み)

 採卵前のHCG投与前にLHが上がるといい卵は採れません。それは排卵前に卵巣の黄体化が起きてしまい、卵子の質が下がるからです。是非Gn-RHアンタゴニスト、Gn-RHアゴニストを用いてLHをコントロールされて下さい。必ずいい卵が採れるはずですよ。
 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の妊娠率は、採取された卵子の質で決まると言っても過言ではありません。そして卵子の質は、どのような排卵誘発法を選ぶかによって決まります。あなたに最も合った排卵誘発法を選ぶには、月経3日目までの胞状卵胞の数、大きさ、E2,LH、FSHの値などを参考にすることです。そうすれば必ずいい方法が見つかりますよ。
 自然周期の採卵は、最初に選ぶ方法ではないと思います。妊娠率は精子や卵子の数に比例します。
成熟した卵子を作る方法は今述べたようにたくさんありますので、是非トライしてみてください。[2010年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温: 生理周期: タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:20回
 治療暦8年、体外受精(IVFIも20回以上となりました。その間3回妊娠反応は出ましたが継続しませんでした。ずっとピルを服薬しているので基礎体温等ははかっておりません。
 生理開始頃のLH・FSH・E2ホルモン値では、ピル服用の関係で低値のことはあっても、高値となったことはなく、卵胞数も6個前後は見えております。誘発は、「フォルリモンのみ」又は発育状況に応じてHMG、セトロタイドを追加し、13〜15個採卵できます。受精卵も最低10個はできますが、胚盤胞になるのはいつも6日目で1個、グレードもG4BB〜CCと低いです。5日目では拡張期胚盤胞ができません。
 前回、土曜日AM8:00に採卵し、木曜日AM11:00に、初期胚盤胞(G2)でした。医師からは、妊娠する可能性はあるが、発育が遅いとの事でした。
朝8:00に採卵した場合、何日目のどの時間頃に初期胚盤胞になり、何日目のどの時間頃に完全胚盤胞、拡張胚盤胞と進んでいくのか、許容範囲も含めて教えていただけないでしょうか?

 ピルの効果は有用な場合と逆の場合がありますので、十分な注意が必要です。
あなたは年齢に比べて、発育卵胞数が良好ですので、有利だと思います。しかし胚の発育スピードがやや遅れていますね。これは排卵誘発下における 卵子の質がよくないか、採卵後の体外培養の条件に問題があるかもしれません。対応策としては、排卵誘発法を変えてみる、ピルの使い方を変える、もしくは使用を止めるなど、色々とありますから、試してみる価値はあると思います。
 標準的な胚発育の速度は、採卵2日目で4細胞、3日目で8細胞、4日目で桑実期胚、5日目で胚盤胞です。
 胚盤胞には、初期、中期、拡張胚盤胞の3種類があります。良好な胚であれば、5日目には拡張胚盤胞などに至ります。6日目で初期胚盤胞は発育が遅れていると考えてください。かえって5日目、6日目まで培養せずに、3日目、4日目で戻した方が有利な場合もありますので、ご検討されてみて下さい。[2010年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:6回
 セントマザーにて男性不妊で治療中です。
 これまで、ロング、ショート、アンタゴニスト、低刺激など、あらゆる方法を試しています。ピルを飲んだり、D3の胞状卵胞やホルモン値もチェックして、誘発法を決めています。
 採卵で数はとれるのですが、いつも分割がうまくいかず、移植すらできない状態が続いています。このような状況でも可能性はあるのでしょうか。これ以上何か方法があればおしえてください。

 治療法が顕微授精(ICSI)でしょうか。精子はどの程度でしょうか。わずかでも良好精子、運動精子が認められているなら、男性が原因の不妊症は、顕微授精で克服できると思います。最終的には採取された卵子の質で決まります。あなたの卵の数が採れていて顕微授精をしているのならば、必ず分割していくはずです。一般的な顕微授精で対応できないような男性不妊症であれば、またご相談ください。[2010年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 男性不妊のため、顕微授精(ICSI)をしています。
 私は、AMH抗ミュラー管ホルモン検査の結果が4.7と低く、両方の卵巣にチョコレート嚢胞があるため、卵の数が採れません。
初めての医院では、4回目の採卵で全く卵子が採れず転院しました。転院後、5回目の採卵で、ようやく3個採卵できて、2個が受精し胚盤胞を移植しましたがダメでした。
 卵の数が採れないので、採卵を繰り返して凍結卵をためるという治療方針となりましたが、毎回採卵数が3個以下で、ほとんど凍結はできない状態です。
 チョコレート嚢胞がある場合は、卵巣年齢は低いものなのでしょうか?手術など、何かできる治療はないのでしょうか...どうしても子供が欲しいと、夫婦で頑張ってきたのに希望が薄れてきました。私達に子供を抱く事ができるのでしょうか?

 両側チョコレート嚢胞の場合には、採取される卵子の数が減ってしまいます。しかし卵子の質には影響ありませんで、十分チャンスはあると思います。
 AMHが4.7は卵巣内の原始卵胞数が減少していることを示していますが、卵子の質が低下しているわけではありませんので、妊娠には直接影響しないとお考えください。
 分割した胚を凍結し、自然周期に戻すのが一番いいと思います。数が少ない場合は、少しずつ貯めていって戻してはどうでしょうか。決してあきらめずに頑張って下さい。[2010年2月15日]
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 凍結胚を自然周期で移植する場合、私の通院しているクリニックでは、ホルモン補充周期の移植と同様の黄体補充がなされます。1日あたりプロゲステロン腟坐薬2個、デュファストン3T、エストラーナ1枚、数日おきにプロゲデポーとプロゲステロンの注射です。
自然周期にこのような黄体補充が必要なものでしょうか。かえって着床の妨げになることはありますか。また、合成黄体ホルモン薬の胎児に対する悪影響はありますか。
毎回このような形をとるのであれば、自然周期に移植をしている意味がないように感じます。特に極端に黄体ホルモンが少ないということはありませんが、やはり必要なのでしょうか?

 当施設では自然周期胚移植をする場合、ホルモン補充する場合としない場合があります。よって、必ずしも必要という訳でもありません。自然周期の胚移植の場合、子宮内膜の日付と胚の日付を合致させることが重要ですので、移植後、黄体補充を行ったとしても不適切な投与量でないのなら有害ではありません。各不妊治療の施設によって、どの方法での移植で最も成績が良いかはデータを取っている筈なので、その点は、通院されているドクターに教えてもらっても良いのではないでしょうか。[2010年2月3日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:?回 人工授精:2回 体外受精:回
 体外受精(IVF)で移植しても、子宮外妊娠になるケースがあるということを最近知りました。
卵管が詰まっていると、必ず子宮外妊娠になるのですか?受精卵は子宮に移植するのですよね・・・子宮外妊娠の可能性が高い症例というのは、どのようなケースでしょうか?その症例にあてはまる場合、胚盤胞を移植するしかないのでしょうか?

 体外受精(IVF)は胚を子宮内に入れますので、子宮外妊娠にはならないと一般的に思われがちですが、自然の発生率よりも、体外受精での発生率の方が少し多くなります。子宮に戻しても、一度卵管の方へ移動し、正常な卵管ならば再度子宮内に戻ってくるところ、卵管に異常があればそこに留まってしまうためです。卵管に異常のある方は、体外受精を受ける率が高くなるために、子宮外妊娠率が高くなるといわれております。しかしその発生率は、高くありません。
 移植ですが、胚盤胞にしなくても2日目、3日目の胚で、卵管に異常があっても十分妊娠は可能ですよ。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:回 体外受精:回
 高温期中期に黄体ホルモンと卵胞ホルモンの検査をしています。プロゲステロンは10前後あって問題ないのですが、エストロゲンが240〜270といつも高値を示しています。E2の値が高温期に高いと着床しづらいといったことはあるのでしょうか?子宮内膜が着床に適していなかったりするのでしょうか?何かE2が高い原因があるのでしょうか?

 自然周期でのホルモンであるならば、黄体ホルモンが低く、エストロゲンが高くなっており、この状態ではやはり着床しづらいと思います。その場合、黄体ホルモンを排卵後に服用すると効果があると思います。服用の投与の仕方は、筋肉注射、膣錠、経口投与があります。その時のホルモンの状態、内膜の状態を見ながら選択されてはどうでしょうか。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:46 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 彼51歳で、近い将来結婚予定です。そして私たちはどうしても2人の子供が欲しいと思っています。
 こちらで拝見しましたところ、40代を過ぎての妊娠確率は、かなり厳しいとあり、自分の年齢による悪条件を改めて強く感じています。
 今後産婦人科を訪ね、不妊治療を受ける予定ですが、セントマザーは遠方のため、治療後は疲れすぎてしまうのではないかと懸念します。
 セントマザーの分院や技術提携機関などはないのでしょうか?また、紹介をしていただくことは可能でしょうか?時間がないので、技術の高い病院にかかりたいと願っています。

 分院はありませんが、提携している施設はあります。遠隔治療されている方は、採卵と移植のみ当院で行い、その他のモニターは地元の病院で行うといった遠隔治療のシステムがありますのでご安心ください。ご希望であれば、ご説明いたしますから、気軽に問い合せて下さいね。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 治療暦3年になります。卵管因子です。
今の病院は、卵管因子には胚盤胞移植のみしか行いません。私の場合、胚盤胞の病院基準に満たず、採卵だけで時間が過ぎていきます。焦りは禁物とわかっていますが、年齢的に採卵ばかりで過ぎていくことに戸惑いがあります。
 病院からは、胚盤胞に育たない卵はお腹に戻しても育たないと断言されています。そのような考え方が一般的なのでしょうか?また卵管因子の場合、胚盤胞移植のみが有効なのでしょうか?

 身体の中に勝る体外培養条件はありません。胚盤胞にならないのであれば、2日目、3日目に早めに戻す方がいいと思います。卵管因子の場合でも、2日目、3日目でも十分妊娠します。胚盤胞移植が一般的になるまで、数年前までは2日目、3日目戻しが一般的でしたよ。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:1回 体外受精:7回
 この1年程、採卵しても空胞が続いており、悩んでいます。採卵前にスプレキュア以外の薬は何も使っていません。年齢の割に、とても卵巣年齢が高く、3日目のホルモン値はFSH=26.9、E2=69、LH=7.6、P4=0.4で、3.6mmと5.3mmの卵胞が見えていました。その後はE2も順調に伸び、FSHは10以下になり、14日目にE2=255、LH=25.9、FSH=8.8、P4=0.4となり、18.9mmの卵胞になったので、その場でスプレキュアをして、翌日のお昼に採卵しました。ホルモンも出ているし、まん丸のはっきりした卵胞も見えているのに、空胞でした。
最近はいつも空胞です。これは、私の体にほとんど卵が残ってないという事でしょうか?いつか、奇跡的に出てくる卵を見逃さないように採卵を続けるしかないのでしょうか?

 年齢の割に3日目のFSHの値が高いですね。数は多くはありませんが胞状卵胞がきちんと見えているので、十分可能だと思います。問題を考えるとしたら、スプレキュアをして採卵までの時間です。普通は36〜38時間後に採卵となります。あなたの場合は24時間以内で少し早いように思います。間隔が短い場合にはいい卵は採れにくくなります。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 セントマザーで治療中です。男性不妊で受精卵を凍結できないため、毎回採卵して、戻しています。今までに4回顕微授精(ICSI)を行い、1回目と2回目は妊娠しましたが、どちらも10週で流産しました。3回目と4回目は受精したものの妊娠には至りませんでした。
 私は毎回戻しの時にモニターを見ています。1回目と2回目の戻しの時は空気の泡のようなものがチューブから出ていくのが分かりました。院長が戻しをされていました。3回目と4回目の時は、院長ではない先生で、ずっとモニターを見ていましたが、知らないうちに戻しが終わっていました。
 ここで疑問なのですが、戻しの際、受精卵はモニターで見える大きさなのでしょうか?先生によって戻す場所が違うのでしょうか?1回目と2回目は妊娠したのに、その後妊娠しないのでショックです。戻し方でかわってくるのでしょうか?

 胚移植の時には、お腹の上のプローブでETチューブの先端が、ちょうど子宮の一番奥の5mm位手前にくるようにして、胚と少量の媒液と入れております。この際、白く見える場合と見えない場合がありますが、これはその時のちょっとした角度の差で変化しますのでご安心ください。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:8回 体外受精:3回
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、1人目は2回目の人工授精(AIH)で授かりました。2人目の時はPCOSが酷くなり、排卵誘発をすると片側50個ずつほどの卵胞が大きくなり始めてしまい、いつもAIHはキャンセルになりました。卵巣をドリリングしてAIHに挑戦しましたがうまくいかず、その後、体外受精(IVF)に3回挑戦しましたが、妊娠にいたりません。
 【1回目】 ロング法で一番よさそうな3日目8分割胚を戻しましたが陰性
 採卵2日前E2=3100、D12で採卵数=13個、正常受精=6個、多精子受精=2個(どれもフラグメント多)、残りの胚は分割停止
 【2回目】 アンタゴニスト法でしたが、中止
 採卵2日前のE2=1100、D11で採卵数=9個、1個は受精を確認できましたが分割停止
 【3回目】 ロンク゛法で3日目に7分割と8分割の胚(両方フラク゛メントあり)を戻しましたが陰性
 採卵2日前のE2=2100、D14で採卵数=19個、正常受精=11個、多精子受精=2個、残りは3日目にすべて5分割以下で分割停止
 3回目は採卵数が多くて、11個も正常受精しているのにE2の値が低すぎると思うのですが、正常受精をしていても未熟卵ということなのでしょうか?そうであれば、もう少し長く排卵誘発すれば成熟して良い卵が採れるのでしょうか?それとも成熟しきっていても卵の質が悪いとE2が上がらないのでしょうか?

 排卵誘発剤で左右卵巣内の卵胞数が15以上となった場合には卵子の質は下がってしまいます。
 確かにE2の値が少し低いかもしれませんが、この程度であればあまり問題にしなくてもいいと思います。ドリリングは非常に効果があるはずです。ドリリングの後クロミッドだけで排卵しませんか?必ず排卵してくるはずですが...。
 1人目を人工授精(AIH)で授かったということですから、何とかクロミッドだけで排卵して人工授精できるといいですね。体外受精(IVF)をされたいのであれば、1〜2周期ピルを飲まれた後に排卵誘発をすると、卵の数はかなり減ってきます。その分、質は少し上がります。[2010年2月3日]
(院長:田中温)
卵子も内膜もとてもいい状態で5回の移植・・・結果が出なくて焦っています
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:5回
 8ヶ月前に両側卵管閉塞との診断で、体外受精(IVF)を受けました。ロング法で13個採卵し、12個が受精しました。とても良好な新鮮胚(8分割)を採卵周期に移植しましたが、結果は陰性でした。他の胚は、8分割を4個、胚盤胞を3個凍結保存しました。
 その後、1周期お休みして、現在まで1ヶ月ごとに凍結胚を、自然周期で1個ずつ移植していますが、すべて陰性です。8分割で凍結した胚を胚盤胞まで培養して移植する方法と、胚盤胞凍結した胚を融解して移植する方法との両方を行っています。毎回、内膜の厚さも十分で、胚盤胞のグレードも4AA〜4ABと良好です。
ただ、毎周期、高温期終わりから不正出血が始まり、1〜2日後に低温期に入って本格的な生理になることから、主治医には、うまくいかない原因があるとすれば、この不正出血かな・・と言われています。それで、3回目の移植からは、周期5日目からクロミッド50、移植前後にHCG注射をしての胚移植となっています。クロミッドを始めてからは、不正出血も止まりましたが、よい結果は出ません。主治医からは、誘発法を変えながら採卵をしてみましょうと言われています。私の病院では、アシストハッチング、複数個の胚移植、二段階移植、SEET法などは行っていません。妊娠判定までの間、HCG値測定や着床判定などもしていません。
 今の病院の考え方や先生はとても信頼していますが、特に問題がなく5回も妊娠しないと、年齢のことも考えると、他にも色々と方法があるのではないかと、焦って不安になるときがあります。良好な状態で移植をしているにも関わらず、妊娠しない場合、他に手立てはないのでしょうか。

 クロミッドは子宮内膜および黄体に直接作用をして、着床を阻害するネガティブな働きがあると言われております。せっかく良好な胚を凍結されているようですので、ぜひ自然周期で戻されて下さい。すなわち自然周期で排卵日を正確に確認し、凍結保存している胚を融解して移植する方法です。この方法を行えば、SEET法や2段階胚移植、アシステッドハッチングしなくても十分チャンスがあると思います。[2010年1月20日]
(院長:田中温)
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