回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.45 -
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 一人目を体外受精(IVF)で授かり、その時の凍結胚盤胞を自然周期で2回戻しましたが、2回とも残念な結果に終わりました。
 次は主治医の勧めもあり、ホルモン補充周期に変更したのですが、1回目のエストラーナでは排卵してしまいました。2回目はイトレリンを生理開始から併用することで排卵を抑えることとなったのですが、D15の検査で、卵胞が2つ育っており、P値も高く、2回続けてキャンセルになりました。こういったことは普通考えられるのでしょうか?何がよくなかったのか、今後の治療のためにご指摘いただきたいと思っています。

 凍結胚移植には自然周期法とホルモン周期法と2通りありますが、月経が規則正しく2相性の場合には、自然周期の方が妊娠率は高く、流産率が低くなりますので自然周期をお勧めいたします。但しこの方法では排卵日が正確に確認できるというのが前提条件です。移植できる事をお祈りいたしております。[2010年10月18日]
(院長:田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 排卵障害があり、不妊治療を始めてから4周期目に入りました。
 1周期目は卵胞確認できず。
 2周期目はピル・誘発剤は一切使用せず1個採卵しましたが空胞
 3周期目は(セロフェン、HMGスプレーを使用しましたが、初期にあった卵胞1個が消えてしまい治療中止(D3のホルモン値は、E2=34、FSH= 6.7で、D17ではE2=29でした。)
 そして、4周期目に入りました。今回も3回目と同じ方法で行う予定です。前周期より、ピルを10日間飲んでリセットし、D2でE2=91、FSH=7.3 でした。
 主治医によると、ホルモン値に問題がないということですが、本当に大丈夫でしょうか。D3のホルモン値の基準値を教えてください。

 D3までのホルモン値の基準値は、E2は50pg/ml以下、LHは1.5以上10mIU/ml未満、FSHは3〜10mIU/mlです。E2は高めになっているようですね。月経3日目までの卵巣内の胞状卵胞の所見がもう少し詳しく分かると、さらに詳しいお返事ができると思います。[2010年10月18日]
(院長:田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:10回
 グレードの高い胚盤胞を移植したのですが妊娠しませんでした。主治医はこの胚盤胞で妊娠しない場合は子宮内膜掻爬を考えた方が良いといいます。 筋腫が3つあるのですが、着床に問題のない場所だと言われていますが、子宮内膜掻爬をして着床しやすくなるということはあるのでしょうか?

 移植時や生理前(移植後2週間頃)の子宮内膜の厚さはどうでしょうか。子宮内膜が薄いのであれば、あまり子宮内膜掻爬はおすすめしません。
 内膜が薄いと掻爬後、子宮内膜が厚くならなかったり、内膜が癒着を起こして月経血が出なくなる、あるいは出にくくなる事があります。子宮内膜が厚くなりすぎて月経時に子宮内膜がきれいに出ていないような時には、掻爬の必要性はあるかと思います。
 着床が上手くいかない場合、子宮内膜以外の原因として卵の問題も考えられます。特に、卵の殻が厚くてハッチングができない場合は、着床しづらいことがあります。この場合にはアシステッドハッチングと言って卵の殻の一部をカットないし、削って薄くして着床しやすい環境をつくります。[2010年10月18日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:36回 人工授精:1回 体外受精:5回
 1回目 ロング法で未成熟・変性卵2個(フォリスチム150×8day)
 2回目 マイルド法で未成熟・変性卵1個(HMG×4day、アンタゴニスト)
 3回目 完全自然周期で空胞1個
 4回目 未成熟卵体外培養で未成熟・変性卵1個
 5回目 完全自然周期で空砲1個
 という結果で移植をしたことは1度もありません。
 卵子提供を勧められ、海外に行ってドナーの予約をしてきましたが、海外の病院で、もっと強い刺激にして自分の卵子で頑張ってみたらどうですかと言われました。
 AMHは10.7でFSHは高いときで10.8でした。AMHが低いため、強い刺激をしても卵子が育ちにくいことは分かっています。未成熟・変性卵は生まれたときに作られた卵子だと日本の病院で説明されています。今までの状態から、強い刺激に変えると成熟卵が採れる可能性があるかどうかを教えていただきたいです。

 卵子提供はまだ早いのではないでしょうか。
 卵子の発育を予測する上で最も大事な所見は、月経初期から3日目までの胞状卵胞の数と大きさ、及びE2、LH、FSHの値です。この結果が分かればもっと詳しく説明できますし、前へ進めます。実際には十分チャンスがあると思います。[2010年10月18日]
(院長:田中 温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:3回 体外受精:2回
 2人目不妊で治療中です。3年前の顕微授精(ICSI)で妊娠して、その時の余剰胚を凍結保存しました。
 4つの胚を融解して培養して戻しましたが、妊娠には至りませんでした。残りの3つのうち1つが胚盤胞まで育ったので、再凍結をしてもらいました。
 3年に凍結した後で再凍結をした場合、凍結を繰り返すことでの卵へのダメージは大きいでしょうか。そのために子供への影響はあるのでしょうか?

 再凍結した胚の質は、やはり新鮮胚のものよりは少し落ちるとは思いますが、質が良好であれば、妊娠・出産は十分可能だと思います。凍結保存を繰り返すことによる胎児への影響はないと考えてよいと思います。[2010年10月18日]
(院長:田中 温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在、人工授精(AIH)を待っている状態ですが、通院中の病院は体外受精(IVF)までしか行っていません。年齢の事も考えて、状況に応じてすぐに顕微授精(ICSI)に切り替えられる病院に転院する方が無駄にならなくていいかもしれないとの話がありました。セントマザーでは、顕微授精を行うかどうかは、どのように、どのタイミングで決まるのでしょうか?(採卵の時から決まっているのでしょうか?)

 精液検査で、明らかに精子の状態が、数が少なく、運動率が低い場合には顕微授精(ICSI)になりますが、人工授精(AIH)を行えるくらいの所見であれば、体外受精(IVF)も可能だと考えます。当院では、最終的には、採れた卵の状態や患者様のご希望などで総合的に判断して、顕微授精か体外受精かを決めたいと考えています。[2010年10月18日]
(院長:田中 温)
年齢:41 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:2回
 年齢は41歳、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の検査結果は7です。卵巣刺激法で悩んでいます。
 注射を使うと卵巣機能が低下すると説明を受け、刺激法はフェマーラとなって、今まで2回の採卵を行いました。今後も フェマーラだけなのかと思うと、このままでよいのか不安になっています。(もう少し強い刺激も試してみたいと思っています。)
 しかし、サイトで色々調べると、その人に適した無理のない刺激ならば卵巣機能低化はそれほどはないと書いていました。逆に、年齢的に確率が落ちているならば、卵子をたくさん採って確率をあげたほうがよいという意見もありました。
 注射を使った刺激法を行うと、卵巣機能が低化するものでしょうか?このまま低刺激で続けるべきでしょうか?

 41歳でAMHが7ということであれば、年齢相応の値です。フェマーラで2回採卵して、結果が出ていないようですので、HMGの注射を試してみても良いのではないかと思われます。HMG注射を用いた体外受精(IVF)を数回試みても卵巣機能はそれほど影響されないと思いますよ。主治医の先生に相談されてみてはいかがでしょうか。[2010年10月18日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:32 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 左卵巣にチョコレート嚢胞があり、7年間、低容量ピル(オーソM)を服用してきました。現在は、75×35mmです。右卵巣は問題なしと言われています。その期間は内膜症専門医にかかっておりましたが、妊娠希望にあたり医師より、不妊治療医にて体外受精(IVF)まで行っても妊娠にいたらない場合は腹腔鏡をしましょうと話がありました。その後の経過は下記の通りです。
 <不妊治療医を受診 ホルモン値(D60):E2=66、LH=11.0、PROG=0.2、FSH=10.4、PRL=3.7>
 オーソMの服用を停止し消退出血後60日経過後も、生理が来る気配がなく不妊治療専門医を受診。
 左卵巣に小さな卵胞が見えるが、まだ排卵にいたらないため、今周期はソフィアAを12日間服用してリセット。その後、フェマーラで誘発しながらタイミングを2回行ないましょうとのこと。
 <ソフィアAによるリセット後、月経3日目 ホルモン値(D3):E2=29 、LH=0.2以下、FSH=0.6>
 左右卵巣に卵胞は全く見えず。LFとFSHの値が低いため、排卵はかなり遅れるとのこと。この日より5日間フェマーラで誘発を開始。
 <月経15日目(D15) ホルモン値(D15):E2=104、LH=5.7、PROG=0.2、FSH:9.7>
 排卵しそうな卵はない。低容量ピルを服用する7年前より排卵障害だったのでは?という見解も。
 <月経25日目(D25) ホルモン値(D25):E2=90、LH=12.7、PROG=0.2、FSH=10.0>
 E2も下がっており超音波でも卵胞の成長はみられない。ソフィアAでリセットし、次周期からフェマーラを増やし、今後それでも排卵しないようであれば誘発剤をさらに強いものへと代えていくとのこと。
 チョコレート嚢胞も大きいため、体外受精や腹腔鏡も必要だと理解していますが、それ以前に排卵が起きないという事態に非常に困惑しております。精液検査、卵管造影検査は問題なし、ヒューナーテストは頚管粘液が少なすぎるために実施できていません。排卵障害の原因は不明とのことでした。そこでお聞きしたいのは、下記の2点です。
 【質問1】低容量ピル服用前は、月経周期は規則的(28日)でした。長期のピル服用後、卵巣機能が回復する前に、ソフィアAでリセットしてしまったために、さらに卵巣機能が低下してしまうということはあり得るのでしょうか?
 【質問2】今後の方針について。ピル服用に対する恐怖心ができてしまい、お薬での誘発も躊躇してしまいます。このまま何も服用せずにしばらく様子をみて自然に生理がくるのをまった方がよいのではないかとも思いますが、いかがでしょうか?それとも主治医の提案どおり、ソフィアAでリセットし誘発剤を増やす方が良いのでしょうか?

 低用量ピルもソフィアAも内容は一緒です。長期服用により、卵巣機能はかなり低下しますのでご注意下さい。現在はチョコレートのう胞に対しては黄体ホルモンだけの薬の方が効果があると言われています。
 子宮内膜症は進行性の病変でどんどん大きくなります。その分、正常な卵巣の部分が減っていきますので、一日も早く体外受精(IVF)で妊娠することが必要です。内膜症で卵の数がかなり減るのは仕方ありませんが、卵子の質が低下することはありませんから、十分チャンスはあります。
 大事な点は排卵誘発法の選定です。それには、3日目までの胞状卵胞の数、E2、LH、FSH、場合によってはAMHなどのホルモンを調べ、最も適した誘発法を選び良い卵を見つけることが重要です。[2010年10月5日]
(院長:田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 過去2回の採卵で、空胞、変性卵が多く、採れた成熟卵も受精しませんでした。そこでカウフマン療法を勧められました。
 カウフマン療法とは周期の前半にプレマリンなどを服用し、後半にプラノバールなどのピルを服用するものだと思っていました。しかし、実際に処方されたのはプラノバール21日分でした。これもカウフマン療法のひとつと言われたのですが、先に書いたものとはどう違うのでしょうか。
 2種類の薬を服用する方法と効果が違うのであれば、ご教示いただけますと幸いです。

 採卵前のホルモン処理は両刃の剣です。質が良くなる場合と、かえって発育する卵胞数が少なくなることがあります。特に年齢の高い方、子宮内膜症の手術などで卵胞数が少なくなっている方には不利です。最も効果があるのは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のようにたくさんの卵胞が発育する方には、ピルは有効です。また残存卵胞の多い方やE2の値が高い方には効果があります。
 カウフマン療法とプラノバール×3日間は内容が全く違います。ホルモンを下げるのであればプラノバールの方がずっと効果的です。しかしカウフマンもマイルドな効果があります。その時の胞状卵胞の数、大きさ、E2、LH、 FSHの値などを参考にして、ピルまたはカウフマンを使うことが必要です。これが臨床医の腕の見せ所です。[2010年10月5日]
(院長:田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:7回 体外受精:1回
 先日初めての体外受精(ICSI)を行って判定待ちです。
 採卵時の所見では、グレードの高いものから3個、4個、3個と合計10個とれたようです。その後、戻しの時にはグレードの高いものから1個、3個で、あとの6個はダメだったようです。
 色々調べると培養液によっても違うようですが、セントマザーでは同じ日に採れた卵をすべて同じ培養液で培養されているのでしょうか?それとも、高いグレードのものがたくさん採れた時は、何個かずつ違う培養液で培養しているのでしょうか?

 培養液は卵にとって最も大事なものです。当院では培養液のコントロールは充分に行っておりますが、卵の数に限らず、培養液を変えるのは良くないと思います。卵の質は人によって違いますから、その結果も違ってくるのは当然のことです。結果に培養液が影響するということはあまり考えなくてよいと思います。もしも培養液の影響を受けるのであれば、グレードの高いものも、中位のものも、低いものも、そのグレードに関わらず発育スピードが下がることで判断できますよ。[2010年10月5日]
(院長:田中 温)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:4回
 体外受精(IVF)1回、顕微授精(ICSI)3回で、ホルモン補充の凍結胚移植は、すでに十数回行っています。
 毎回グレードもとても良いですし、胚盤胞までしっかり育ちますが、一度も着床した事がありません。再来月にまた凍結胚盤胞移植をする予定です。
 卵の質も分割のグレード、内膜もホルモン数値も、どれもまったく問題はないのに、どうして着床しないのでしょうか。次回は自然周期での移植を希望する予定ですが、他に何かできることはないでしょうか。

 胚の凍結は8細胞、桑実期胚、胚盤胞と3つの時期がありますが、理論的に考えるならば、最も凍結率が高いのは8細胞です。胚盤胞が最も低くなりますので、胚盤胞凍結で上手くいかないのであれば、もっと早い時期に凍結されることをお勧めします。胚盤胞などしっかり発育している卵子であれば必ず上手くいくはずです。[2010年10月5日]
(院長:田中 温)
年齢:45 基礎体温:不明 生理周期:不明 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 年齢は高いのですが、やはり自分の子供がほしいです。
男性不妊で治療を始め、現在まで顕微授精(ICSI)を4回しています。採卵数も1個くらいに減り、焦りと不安の毎日です。年齢が高い場合、卵管に胚移植をする方法をおすすめするとの回答がありましたが、卵を凍結・培養してもできるのでしょうか。

 生命の発生は、卵管の中で精子と卵子が受精するとことにより始まります。卵管の中で分割を繰り返しながら胚盤胞となり子宮に着床します。つまり、生命の第1段階は全て卵管の中で行われるわけですから、卵管の中に、初期の精子と卵子、または胚を移植することにより、妊娠率が高くなることは理論的にも充分理解できるところです。
 この卵管に移植する方法としては、採卵当日に移植するGIFT法(当院ではGIFTの場合は受精率を高めるために殆ど顕微授精を行っています)、翌日受精を確認して移植するZIFT法、4細胞を移植するEIFT法がありますが、現在は4細胞、8細胞で凍結した胚を移植するといった方法も行っております。8細胞までは卵管内移植が子宮内移植よりも着床率が高くなるという考えからです。充分にチャンスはあると考えられます。[2010年9月24日]
(院長:田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:8回 体外受精:1回
 不妊治療を初めて6年です。3年前に初めての人工授精(AIH)で妊娠、8週で稽留流産となりました。その後、人工授精を続けるも妊娠せず、しばらく治療を休んでいましたが、今年から体外受精(IVF)に挑戦することにしました。
 低刺激周期にて4個採卵でき、そのうち2個が胚盤胞まで分割して2個とも凍結完了したとの結果を聞きました。今周期に胚移植を予定しています。
 そこで、気になることがあります。インターネットでは多くの場合、胚盤胞のグレードについての記載があります。しかし私の医師および培養士からは、上記の情報だけでグレードについてのお話はありませんでした。説明するかしないかは病院(医師)の方針によって違うのか、またはグレードが悪かったのであえて触れなかったのか・・・などと不安になっています。自分としては知りたいと思うのですが先生があえて説明しないので聞くに聞けずにいます。一般的にはグレードについての説明があるものなのでしょうか?

 当院では一般的に、グレードの説明は移植の説明の際にお話ししております。治療によって説明の方法や詳細は異なります。詳しく話すこともあれば、簡単に話す場合もあります。当院では患者さまの疑問に対してもきちんとお話をしています。主治医にもう一度お尋ねされて下さい。気を遣うことはないと思いますよ。[2010年9月24日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
 重度の精子無力症で顕微授精(ICSI)を勧められました。運動率はほぼ0%で、精子に白血球も発見され、抗生剤を飲んで少しずつ精子を綺麗にしている状態ですが、下痢が続くため、抗生剤は中断しています。
 主人の担当医(泌尿器科)からは、もう少し精子が綺麗になってから(半年ぐらいはかかるとの事)顕微授精とお話がありますが、私の担当医(婦人科)からは、いつでも顕微授精ができると説明がありました。(もちろん婦人科の方でも精子検査済みです。)どちらの先生の話を優先的に進めていけば良いでしょうか?
 私の方はポリープがあり、こちらを除去する予定になっていますが、年齢的に、早く顕微授精を行う方がよいのではと思います。しかし、精子の状態をもう少し良くなるまで待つべきか、現在の状態で妊娠できても、(主人が服用しているしよくない精子なので)異常などがでないのかと色々と考えています。アドバイスをください。

 理想的には泌尿器科のドクターが言われているように、抗生剤を内服し、白血球を抑え、状態を良くしてからの治療が望ましいのですが、完全に白血球を抑え、精子の運動率を画期的に上げることは難しいと思われます。
 あなたの方の卵胞の状態はどうでしょうか。毎月卵胞は成長し、排卵していますか。あなたに特に大きな問題がなく、少しでも良い精子の状態にしてから顕微授精(ICSI)の治療へ入ろうと思っていれば、もう少しご主人の治療をしてから治療に入るのは1つの案ですし、できるだけ早く妊娠を考えるなら産婦人科のドクターがおっしゃったように、次の生理から治療に入ってもいいと思います。
 もし、このまま治療に入り、妊娠されたとしても、抗生剤の影響は問題ありませんし、妊娠できる精子であれば問題はありませんので心配はされなくて大丈夫です。
 中間的な立場かもしれませんが、1〜2カ月間、ご主人の治療をして、体調を整えて顕微授精に入られてみてはいかがでしょうか。 [2010年9月24日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:8回 体外受精:1回
 先日、初めて体外受精(IVF)を行いましたが、残念ながら受精はしませんでした。
医師の話によると、精子が卵子の中に入ってきてはいるようだが分割しないので、卵子の異常ということでした。したがって、顕微授精(ICSI)をしても同じ結果であろうという事でした。
卵子の質が悪いということではなく、染色体異常なのか先天的なのか後天的なのか分かりませんが、卵子に異常があるならば、体外受精を続けても無駄なのではと思っています。次回は、3日目からクロミフェンを飲んでもう一度行う予定ですが、染色体異常検査などを行うほうが良いのでしょうか?

 女性は年齢が高くなるに従い、卵子の質が低下するのは自然の現象です。ある程度仕方ありません。40歳以上の場合は顕微授精(ICSI)の方が有利だと思います。しかし、卵子の形態的に良好であっても、染色体異常ということが、年齢が高い場合には高頻度で起こりますので、理解されて下さい。
 卵子の異常は排卵誘発法に問題があると思います。月経3日目までの胞状卵胞の数と大きさ、E2、LH、FSH、またはAMHなどのホルモンの値を参考にして排卵誘発法を検討していけば、質の高い卵子を採ることは充分可能だと思います。[2010年9月24日]
(院長:田中 温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 右に20mm、左に50mmのチョコレートのう腫があります。前回、ロング法で卵が7個採卵でき、8分割の胚を移植しましたが陰性でした。残りの胚は長期培養しましたが分割がとまってしまい、凍結胚もなくなってしまいました。
 今回はクロミッドだけの自然周期での採卵を予定していましたが、生理8日目のE2=69.5、LH=18.3で、超音波で大きな卵は見えませんでした。生理12日目のE2=982.8、LH=22、P4=0.4で、卵が2個くらいはある数値だとのことでしたが、超音波は確認できませんでした。排卵した直後かもしれないということで、翌日にも受診したところ、E2=835.5、LH=21、P4=0.4でした。E2値は高いものの、超音波では卵が見えず、これから卵が育つことは考えにくいということで採卵は中止になりました。
 そこで質問です。チョコレートのう腫がある場合、卵は育ちにくいのでしょうか。チョコレートのう腫を取り除く手術をすると、卵巣の機能が低下する恐れがあるということで、年齢のことを考えても不妊治療を優先した方がいいと説明をうけたのですが、自信がなくなってきました。何を優先すべきでしょうか。

 Long法で7個採卵できたということは正常な卵巣の組織が充分残っているということを示しています。
 クロミッドだけの自然周期の採卵よりも、GnRHアゴニスト、またはアンタゴニストを使った方が妊娠率は高くなります。それは良好な卵子が採れる率が高くなるからです。
 チョコレートのう腫がある場合には、正常な卵を作る卵巣の部分が減ってきますので、卵の数が減るという欠点があります。しかし、卵の質を低下させることはありませんので、体外受精(IVF)を優先された方がいいと思います。
 一般的に子宮内膜症、チョコレートのう腫の手術をした場合としない場合では、妊娠率に差がないという結果が出ておりますので、悪性化の疑いがない限りはこのままでいいと思います。卵巣子宮内膜症には、clear cell carcinomaという特殊な癌との相関が最近注目されておりますので、その点だけは充分注意して診てもらってください。[2010年9月24日]
(院長:田中 温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:8回
 ヨーロッパ在住の37歳女性です。
これまで8回程、自分の卵子で治療を受けてきましたが今回医師に卵子提供を言い渡され、治療を始めました。ドナーとピル(ヤスミン)で周期を合わせ、12日間Progynovaを摂取してから胚移植(ET)となります。
 しかし、途中で生理様出血があって乱れ、他のピルを補充するなどの対処を行いました。それにも関わらず、当初のETスケジュールに変更がないことに少し不安を持っています。担当医には直接聞いたのですが、問題なしで済まされてしまいました。
 ドナーの採卵が順調に行って、ETになった際に、移植をする私の最適なホルモン値(FSH、E2、P、T等)という基準があれば教えて頂けますか?おかしいようであれば延期を申し出ようかと思います。ホルモン値だけでなく、移植を見送る方がよいケースがあれば、併せておしえてください。

 卵子提供をする際にドナーとレシピエントとのサイクルを合わせるのは意外と難しいものです。一般的にはプラギノーバを用い、ストラジオールで徐々に内膜を厚くし、内膜が10mm以上になった時点でドナーの採卵日となれば理想的です。しかし、プラギノーバを2週間以上続けていきますと、破綻出血を起こしてきます。大事な点は、プラギノーバを飲み始める時期を調整することです。胚移植の方は、大体、月経が始まって12〜3日目辺りになりますので、それに合わせて薬を飲み始めるのはそれほど難しいことではないと思います。
 ホルモン値は測らなくても内膜の厚さで充分ですよ。要は担当医にどれだけ一生懸命綿密な計算を立ててやってもらえるかにかかっていると思います。[2010年9月24日]
(院長:田中 温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 二人目の治療を再開したばかりです。
 月経3日目(D3)のFSH=7.4、LH=3で、月経5日目よりセロフェンを5日間服用してタイミングを取りました。
 翌周期のD3のFSHが29.5と高くなってしまい、前月排卵していない卵巣が腫れていました。
 卵巣機能が低下しているのではないかと推測します。今後は、体外受精(IVF)をする予定ですが、どのような誘発をすればいいのでしょうか?または、薬を一切使わない自然採卵がいいのでしょうか?

 FSHの値はその生理周期ごとに違います。卵巣の腫れによって値が高くなっていたようです。いちどプラノバールなどのピルを3週間服用したのち、また超音波検査、ホルモン検査をしてみましょう。誘発方法はその後、決定したほうが良いと思いますよ。[2010年9月24日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 今まで3回初期流産をしています。
 夫リンパ球移植をして、妊娠した場合は、5本目の注射をするという事を聞いています。ただ、なかなか妊娠しなかった場合、4本目を移植した時点から期間が空いてしまうと、効果がなくならないのでしょうか。移植してもなかなか妊娠しなかった時、半年で効果がなくなるので、もう一度初めから注射をする必要があると読んだ事があって不安になりました。4本目を注射した後、効果はどのくらい続くのでしょうか。

 リンパ球の移植の効果は、半永久的に続きます。妊娠するたびに追加の1本だけを打っていただければ大丈夫です。[2010年9月24日]
(院長:田中 温)
年齢:40 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 セントマザーに通い始めた当初は卵子ができず、漢方やサプリメントを飲みながらセロフェンを服用し、やっと念願の「卵がある」という診断をもらえた時は本当にうれしかったです。
 先日採卵をしましたが、卵が成熟するスピードがかなり遅いため、今回は諦めることになりました。今後どうすればよいかアドバイスがほしいです。
 また、セントマザーで妊娠、出産を迎えたかったのですが、主人の転勤で近畿に引っ越すことになりました。今までの経過、今後の治療など紹介状は書いていただきたいのですが、どのような流れになるのか教えてください。また、引っ越し先の不妊治療施設などは紹介していただけますか?

 年齢・卵巣反応性低下のための治療であるかどうかの判断が難しいところですが、以前には注射をたくさんされたとのでしょうか。注射を打ってよい結果にならず、セロフェンの内服となったのであれば同様の方法をとっていく方がよいように思います。ただ、注射での誘発法をまだされていないのであれば、注射での方法を行うという選択もあります。その他は、規則正しい生活、適度な運動(ウォーキングやスイミング)、栄養バランスのとれた食事療法を心がけることがいいでしょう。
 当院での治療経過は事前に言っていただければ、紹介状をお書きすることは可能です。外来にておっしゃってください。注射を依頼している病院のリストはありますが、そちらの病院が当院と同じような方法を行っているかどうかはわかりません。引越し先での他人の評判ややインターネットを使って調べてから、病院に行かれた方がいいかと思います。[2010年9月24日]
(産婦人科医:永吉 基)
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