回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.46 -
年齢:40 基礎体温:不明 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 治療施設:
 海外にて通院しております。前回、卵巣刺激+タイミングで妊娠しましたが、9週で繋留流産となりました。検査の結果、胎児の染色体異常でした。その流産2周期目に、自然妊娠し現在に至ります。前回の妊娠時もそうでしたが、黄体ホルモン値は正常範囲ですが、数値が前回の採血時よりも下がっていたため、ホルモン補充の飲み薬10mgを3回/日服用しておりました。今回の妊娠でもホルモン値は正常値ですが数値が下がっています。(日本と使用ユニットが違うと思いますが、今回の妊娠(3w4d)で132.9nmol/L、(3w6d)で128nmol/L、(4w4d)で97.44nmol/Lです。私が変換した計算では30.64ng/ml だと思いますが、正常値範囲内だと思います。)
 ドクターからもホルモン値は範囲内だと言われていますが、補充の飲み薬を処方されています。さらに、3回目の採血結果後、2回/日から3回/日に増えました。超音波検査で胎嚢も確認、HCGgもE2も問題ありません。
 数値が下がっているとはいえ、正常値範囲内なのに、プロゲステロン薬を服用する必要性がわかりません。私としては、胎児の染色体異常が原因の流産は回避できないわけですから、このようなサポートは必要ない気がするのです。数値が更に下がり続けて、正常値未満になりそうな時に補充するのでは駄目なのでしょうか?それともこの場合の黄体ホルモンの補充は、胎児発育ために葉酸やカルシウムなどを摂取するのと同じ意味なのでしょうか?

 胎児の染色体異常が原因の流産の場合は、黄体ホルモンの補充とは直接関係ありません。ほとんどがトリソミーという状態だと思われます。これは加齢が原因だと考えられます。もし染色体について知りたいのであれば、体外受精(IVF)をして、胚移植する際に染色体を調べて正常なものを戻すという、着床前スクリーニング(PGS)が一番有効的ではないでしょうか。PGSは日本ではまだ容認されていませんが、海外では行われています。
 黄体補充は、胎児の着床を受け入れるための内膜調整のために行うもので、胎児の成長とは直接関係ないと思います。プロゲステロンを黄体機能補助として投与する理由は、子宮内膜が着床を受け入れる、より良い状態にするためです。ですから、直接胎児の発育の状態とは関係ないと考えます。当院では、プロゲステロン膣錠(1錠200mg)1〜2ヶおよび、少量のエストロゲン(中容量ピル又はプレマリン2tab)を投与しております。[2010年12月2日]
(院長:田中 温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 初めての顕微授精(ICSI)を受けました。夫は乏精子症、私は子宮内膜症・左の卵巣はチョコレートのう腫(レベル2)と診断されています。 胚移植を終えて3週間、基礎体温の高温期が続いています。その間に行った妊娠検査では陰性、いつもよりも多い量の出血の生理もきましたが、まだ高温相が続いています。これは移植後の黄体ホルモンの注射の影響でしょうか? また今回はLong法で、卵胞が左右2個ずつしか育ちませんでした。医師からは、あなたの年齢では意外でしたねと言われてしまいました。卵巣機能が低下しているということでしょうか?

 黄体ホルモンをいつ、どれくらい使用したのかわかりませんが、おそらく注射の影響だと思われます。この点は主治医に確認してください。
 子宮内膜症があるのでどうしても採卵数は少なくなりますが、年齢が若いので、少ないですね。ロング方で合計4個ということですから、次回は刺激方法を変えてみましょう。アンタゴニストを使用することも考慮に入れられてはどうでしょうか。[2010年12月2日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 これまでに行った体外受精(IVF)は2回です。
 私が成人スティル病の持病をもっており、ステロイド治療を始めて2年、30mgから始めたステロイドも、現在では9mgまで減りました。投与量が15mgの頃から不妊治療をはじめました。免疫系の病気なのでなるべく刺激をしない方法でという医師の配慮で、1回目の体外受精はクロミッドで誘発しました。3個しか成長せず、医師の判断で人工授精(AIH)に切り替えました。再度クロミッドでトライし6個あった卵が、排卵しかけてしまい、採卵当日に4個確認、結果は採卵数2個で1個は未熟卵でした。顕微授精(ICSI)にて、1日遅れで授精し、分割も止まってしまいました。さらに2回目のクロミッドの投与でスティーブンスジョンソン症候群になりクロミッドは使えなくなりました。
 次は、フォリルモンPで19個中17個採卵し、8個を顕微授精しましたが全て分割しませんでした。分割しないのは今までにない例だと言われてしまいました。 先生もエンブリオロジストも熱心に原因追求をしてくださるので頑張ろうと思いますが、免疫系の病のせいで分割しないのかもしれないと言われています。今後は、ステロイドを少し増やして経過をみてから治療する方法もあるとのことでした。ステロイドもようやく9mgまで減って悪魔の副作用からもだいぶ開放されたので、今後も子作りのために減らしていけたらという思いで頑張ってきたものですから、増やすなんて私には耐えられません。
 分割できないのは、成人スティル病の免疫系の病だからでしょうか。

 分割がうまくいかないことが、成人スティル病によるものかどうか断定するのは、難しいかもしれません。
 スティル病の現在の状況は、病状的に安定しているのですか。病状が不安定のときはいい卵もとれにくいと思います。病状が不安定でステロイドの増量が必要なら、体外受精(IVF)にのぞむ前に内科ドクターの下で、ステロイドの量を増やすなどをして病状を安定させることが大切です。現在、病状が安定していても、上記のように内科ドクターの管理の下でステロイドを増量して治療に入った方が良好な卵が得られるかもしれません。ただ、もともと病気に関係なく卵の質が悪い方もいらっしゃいますから、そのような場合にはステロイドを増量しても変わらないことはあります。
 あなた自身が増量をのぞまないのなら、ステロイドはそのままで、排卵誘発法を変えてチャレンジしてみてはどうでしょうか。[2010年12月2日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:3回
 現在42歳です。昨年8週で繋留流産し、その後1年間、D3時のFSHを何度か測定しましたが、ピル調整後/未調整にかかわらず、毎月30〜40台と流産前では考えられなかった数値が続きました。仕事の都合で渡米することになり治療を中止したところ、基礎体温が二相性に戻りました。規則的な周期が3ヶ月続いたので治療を再開しようと思い、現地のクリニックを受診しました。まずはSeasoniqueというピルを18日分処方され、血液検査をすることなく注射での刺激を開始すると言われて怖くなり転院しました。
 次の病院でD3の血液検査を測定するとFSH=35.2、E2=49、LH=19.7、P4=0.3、AMH=0.1で、卵胞も見えないと言われました。日本のクリニックでは、私の場合、ピル服用後は特にFSHが高くなる傾向があると言われましたが、AMHもピル服用後と服用していない場合とでは変動することもあるのでしょうか?また、自力で月経が規則的になるのを待つべきか、これが私の本当の卵巣状態だと判断し、卵子提供へと進むか決めかねております。アドバイスをお願いします。

 お薬、ピルなどのホルモン剤を使うと、FSHやAMHの値は変動します。ですので、そのままの今の値で判断するのは、慎重にされた方がいいと思います。まず、昨年8月に流産したということは重要な所見です。ピルを飲むことによりホルモン値を変動させることは可能ですが、卵巣機能が同様に回復するとは限りません。なかなか難しいところです。
 最終的には、胞状卵胞の数、大きさなどが必要となるでしょう。日本では、加齢による卵子提供は認められておりません。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:6回
 現在は、精神的に大変辛く一人での外出もままならなくなっている状態です。
 年齢は40歳、AMH=9、D3時のFSH=10です。先月連日300単位×8日 アンタゴニストで採卵しましたが、すべて未熟卵でした。その後、不妊の本で、連日300単位以上の誘発剤を使用したら、その後の治療で良好卵が採れなくなると書かれているものを見つけました。
 1.私はもう妊娠できないのでしょうか?
 2.誘発によりAMHは激減するものなのでしょうか?
 3.採卵後 カウフマンを勧められましたが 何もかもが怖くなり飲めません 飲んだほうがよいのでしょうか?
 4.2ヶ月お休みするようにと言われていますが、お休みなしで完全自然で採卵は可能なのでしょうか?(その場合 誘発剤の影響はなく 良好卵子は取れる可能性はあるのでしょうか?)

 年齢の高い方では胞状卵胞の数が少なくなり、採取、発育する卵胞数が少なくなるというのは自然なことであり異常ではありません。このような場合、HMGやFSHの大量投与という治療法もありますが、我々の経験では胞状卵胞数が1〜2個と少なく、また、FSHが高くAMHが低い場合には、あまり効果がないと思います。かえって卵巣の働きが低下するということもありますので十分注意されてください。
 AMHの値は正常周期ではほとんど変動しませんが、排卵誘発剤を使いますと卵胞数が増えるに従い、徐々に低下してきます。カウフマン療法は、効果があると思います。
 排卵誘発剤使用後の周期は月経がかなり乱れますのでお休みされた方が良いと思います。ただ、完全自然周期の採卵は、キャンセル率が高くなりますので、その点は十分ご理解ください。
 現在では、クロミフェンを主体とした飲み薬と少量のFSHで排卵誘発し、自然排卵を抑えるためにアンタゴニストを投与してHCGで採卵を促すという採卵法が注目されています。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:5回 体外受精:3回
 一卵性双子のバニシングツインについて教えてください。
 先日、2つの凍結胚盤胞を移植して陽性判定となりましたが、5週で胎嚢が3つ見え3つ子であることが判明しました。胚盤胞移植(受精から100時間経過)にもかかわらず、二絨毛膜二羊膜の一卵性と、もう1つの受精卵の3つ子のようでした。7週までは3人とも別の胎嚢にそれぞれ心拍が確認できていたのですが、9週の検診で1人が心拍停止していることがわかりました。一卵性の2人が残り、もともと1人だった子が無くなったのだろうと思われていました。バニシングツインの一種ということで処置はありませんでした。ところが、22週の時に、超音波で念入りにみてもらったところ、お腹の2人の性別が男女であることがわかりました。要するに二卵性ということですが、そうなると以前亡くなったのは一卵性の1人だったということになります。
 このような場合、生き残った一卵性の1人にもやはり何か染色体の問題等があるのではないかと思い始め、不安な毎日を送っています。今のところお腹の2人に成長差は特になく、母体も順調に来ていますが不安でたまりません。障害を覚悟して出産に挑むしか道がないのはわかっているのですが、何かご意見を伺えればと思いメールいたしました。

 一卵性か二卵性かの判別は意外と難しいものです。胎盤が3つ見えても一卵性ということもあり得ます。
 現在、男児と女児ということは、二卵性ですね。ですから、可能性としては、消失した胚は一卵性双胎の一方かもう一つの可能性としては、もし胚移植前後で夫婦生活があれば自然妊娠した分ということも考えられます。
 障害の有無に関しては、あまり心配なさらなくても大丈夫ではないかと思います。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:4回 体外受精:1回
 体外受精(IVF)を行いましたが、正常な受精卵が2つしか得られず、1つは移植、1つは凍結保存しました。
 今回妊娠しなかった場合は、採卵を行って卵子を確保しておこうと思っているのですが、次回の採卵に向けての準備は、すぐにできるのでしょうか?1〜2周期は卵巣や子宮を休ませる方がよいでしょうか?

 当院では通常、体外受精(IVF)後1〜2周期休んで次の治療に入ります。排卵誘発剤を使用前にご本人の体調、子宮、卵巣の状態を診て、問題ないと判断した場合にスタートします。
 体調が悪い時や卵巣が腫れている時には、その周期は休んで次周期以降に開始するようにお勧めします。
 排卵誘発法が、自然もしくはクロミッドのみでの排卵の場合には、体調、子宮、卵巣の状態が問題なければ翌月に行うこともあります。[2010年11月17日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:3回 人工授精:3回 体外受精:1回
 1人目は自然妊娠、その後も自然妊娠しましたが流産となりました。現在は2人目不妊で、先日体外受精(IVF)を受けました。
 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)気味になったこととクロミッド使用の誘発だったため、受精卵3つは全て凍結しました。凍結時のそれぞれの胚は、以下の通りです。
 ・3日目桑実胚 グレード良好
 ・4日目桑実胚 グレード良好
 ・5日目胚盤胞 グレード中度(顕微授精)
 融解桑実胚をそのまま移植するのと、融解桑実胚を長期培養して胚盤胞まで育ててから移植するのとではどちらの方が妊娠率はよいでしょうか?先生であれば、上記の、どれを融解移植しますか?

 当院では、桑実胚を1日培養し、胚盤胞まで育てて移植するほうが、やや成功率が高くなりますが、桑実期胚を融解後、当日、同日に戻すのは十分チャンスがあると思います。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 凍結胚移植の方法で、ホルモン周期よりも自然周期の方が妊娠率は高いとのことですが、大きく変わるのでしょうか。あまり変わらないという方もいるようですが、流産率に違いがあることが大きいのでしょうか?
 できれば、自然周期で戻したいのですが、月経周期に多少バラつきがあるので ホルモン周期で戻した方が正確だといわれました。ずいぶん妊娠率が変わるのであれば、自然周期で戻したいのですが。

 施設により結果が多少異なるかもしれませんが、当院においては自然周期の方が妊娠率は高く、流産率は低くなる傾向があります。基本的には、月経が規則正しく排卵しているのであれば、自然周期が有利だと思います。ただし、多嚢胞性卵巣性症候群(PCOS)のように、無排卵の状態、または排卵日がなかなか見つけにくい方の場合にはホルモン周期の方が有利となります。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:5回 体外受精:2回
 現在通院しているクリニックでは、生理初日からプレマリンを飲み、その周期の20日前後に胚移植となります。
 移植後はプラノバールを飲み判定を待ちます。その他、黄体補充はありません。 黄体補充があまりにも少ないのでは...と疑問に思っていますが、大丈夫なものでしょうか。

 凍結胚移植のことでしょうか。採卵周期は、普通はプレマリンを月経周期初日からは使用しません。もし、凍結胚のホルモン周期移植であるのならば、プレマリンとプラノバールでは、黄体ホルモンが少ないように思います。 もちろん、施設により、移植に関する黄体補充に関してはさまざまなやり方がありますので一概には言えませんが、少し黄体ホルモンの量が少ないかもしれません。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:12回 人工授精:6回 体外受精:3回
 クローン病で、小腸ストーマがあります。37歳から体外受精(IVF)を始めて、今まで3回採卵しました。全てロング法です。
 1回目・・・7個採卵、受精1個→2日目新鮮胚移植(陰性)
 2回目・・・15個採卵、受精6個(2個は途中で分割が止まる)、胚盤胞4個(全て陰性)
 3回目・・・12個採卵、受精4個、1個は8〜9分割、胚盤胞2個→陰性、凍結1個
 現在は、凍結胚が1個残っていて、移植予定です。毎回、胚盤胞まで育つ卵がいくつかありますが、一度も着床しません。毎回、判定日3〜4日前から生理が始まります。子宮鏡検査もしましたが、問題ありませんでした。
 通院中のクリニックは、血液検査は採卵直前にしか行わず、妊娠判定も尿検査のみです。月経3日目の内診が大事だと聞きましたが、それもありません。ドクターからは他に原因が見当たらないので、妊娠しないのは卵の質がよくないからだとしか言えないと説明を受けました。ロング法以外の誘発方法を試してみる気もないようで、このまま同じクリニックに通い続けることも不安に思っています。私のような場合でも、誘発方法を変えてみる価値はありますか?

 体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の成功率は、いかに質の高い卵子が多数とれるかによって影響されます。すなわち、いかにあなたに合った排卵誘発法を行うかが重要となります。個数はかなりとれていますので、卵巣自体の機能は十分だと思います。ロング法でいい結果がでないのであれば、アンタゴニストを使った方法がいいのではないでしょうか。排卵誘発法を変えてみる価値は十分あると思いますよ。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 先日、初めての体外受精(IVF)を終えました。私は卵管閉塞・狭窄で体外受精にステップアップしましたが、移植時の説明によると卵子の質もあまり良くないようでした。
 採卵では13個採れましたが、結局移植できる胚は1つ(4日目の14細胞期胚)でした。
 卵管障害と卵子の質の低下を考えた時、体外受精で良い卵子が出来るのを待つのが最良でしょうか。
 FT形成手術を受けて自然妊娠を待つ方法は考えられないでしょうか。

 FTカテーテルは、卵管通過性が有効ですが、クラミジアの感染の有無、また、間質部(卵管の入り口)の閉塞なのか、それとも間質部以降の閉塞なのか、卵管峡部・膨大部の狭窄なのかといった部位によって効果が異なってきます。
 FTカテーテルで卵管が開通すれば自然妊娠の可能性は期待できるようになります。[2010年11月17日]
(院長:田中 温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:5回
 体外受精(IVF)にステップアップして1年ほど経ちますが、いまだに良い結果が出ません。1回目の誘発法はロング法で4個採卵、2個受精しましたが、フラグメント50%でした。培養したところ、1つが胚盤胞(3CB)になり、採卵周期に移植しましたが陰性でした。2回目はクロミッドで誘発し、3個採卵するも受精したのは1つでした。8cell(フラグメント10%)で凍結し、アシステッドハッチングをして移植しましたが陰性でした。3〜4回目は排卵済みで、残っていた卵を採卵しましたが変性卵でした。5回目はクロミッド+HMGで9個採卵4個受精しましたが、胚盤胞になったのは1つ(3BB)だけでした。凍結してホルモン補充周期で移植しましたが陰性でした。
 今度はピル+アンタゴニスト法で挑戦しようと考えていますが、AMHの 検査をしたところ5.1で40代後半といわれました。3ヶ月前は胞状卵胞が10個ほど見えましたが、今周期はD2で胞状卵胞が4つしか見えませんでした。D2からマーベロン×14日間服用で、飲み終えた時の状態で誘発法を決定すると言われています。AMHの値がショックで、このまま治療してよい結果が出るのか不安です。アドバイスをお願いします。

 AMHは月経周期に関わらず一定と言われていますが、月経初期の場合には、低い方がかえって結果が良いという報告もあります。
 決してあきらめずに治療を続けられて結構だと思います。あなたの場合にはGnRHアゴニストのShort法、またはGnRHアンタゴニストの排卵誘発法があっているのではないでしょうか。[2010年11月4日]
(院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:回 体外受精:3回
 顕微授精(ICSI)で授かった2歳の子どもがおります。4年前に左の卵巣の核出術をうけて、ほとんど機能していません。1人目を出産した時は、ロング法で片方の卵巣から6個採卵して桑実胚と8分割を移植しました。G2〜G3の胚がありましたが凍結保存しました。1年前から治療を再開し、凍結していた胚を移植しましたが、G2は化学流産、他は妊娠しませんでした。凍結胚移植時はスプレキュアとソフィアかノアルテンDを処方されていました。
 その後、AMH値が低いことから、ウルトラショートで7個採卵、3日目の桑実胚を2個移植しましたが、左卵管の子宮外妊娠となり、腹腔鏡下で摘出しました。残りの卵は分割が進まず廃棄となりました。
 その後の採卵では卵の育ちが遅くゴナールの大量投与で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりました。15個採卵して9個が受精し、2個の胚盤胞を凍結保存しました。そのうちの1つを今周期に移植して、妊娠しましたが、5週で血中HCGが低く、胎嚢がはっきりと確認できないため心配しています。
 次回のことですが、先生によって見解が異なり、誘発法を迷いそうです。AMH値が低く卵巣機能が低いので、自然がよいのか、ウルトラショートがいいのか・・・アンタゴニスト法は合わない人もいると聞いているので、断ったのですが、試してみる価値はあるでしょうか。また、不育症の検査をすすめる先生もいますが、流産は1回なので必要ないと思っています。それでも検査をした方がいいのでしょうか。

 AMHが低いということですが、あなたの数値はどのくらいで、35才の年齢での平均はいくらくらいと説明を受けていますか。
 通常は、AMHが低くて卵巣機能が低下しているのであれば、卵ができなかったり、卵ができても数個で質の良いものがとれません。しかし、過去から現在までの採卵の状態からすれば、卵もよく採れていますし、分割も進んでいますので、卵の質は良いのではと思われます。
 今後の誘発法ですが、ウルトラショート法、ロング法、またアンタゴニスト法を試してもいいと思います。もしも、2回以上の流産をした場合は、不育症の検査を行って、その結果によっては、アスピリン療法、ヘパリン療法なども考えた方がいいかもしれません。[2010年11月4日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:6回
 今回が6回目の採卵で 1個しか採卵できませんでした。
 誘発法はクロミッド(D3開始1日1錠×5日間)とフォリスチム75をD5から隔日で3回です。AMH値は9で、先生からはこれが最適だと説明を受けています。D3のホルモン値はFSHが6.5くらいで他も問題はないということです。
 しかし、1個しか採卵できない時は移植までいきません。2個以上採れたときは 胚盤胞まで分割することもあります。毎月採卵していますが周期はとても安定していて、毎月同じ日程で治療がすすんでいるので、卵巣の働きはいいのではと思うのですが・・・。
 1個しか採卵できないのは年齢的に仕方のないことなのでしょうか?それとも誘発方法を変えれば、まだ望みはでてくるでしょうか?あと気になる点ですが、生理周期は安定していますが、量が随分減ってきています。これはしかたのないことでしょうか。

 年齢が40歳以上でAMH値が9ですから採卵数はそれほど期待できないかもしれません。クロミッドと隔日の注射で卵巣刺激をしているようですが、これは妥当な選択とおもわれます。
 しかし月経初期に超音波で卵胞数が多いようであれば、ショート法を選択しても良いでしょう。主治医の先生にお聞きになられては如何でしょうか。
 月経量が減っているのは年齢もありますが、体外受精(IVF)に用いている薬の影響もあるかもしれません。しかし妊娠にはそれほど影響は無いと思われます。[2010年11月4日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:2回 体外受精:6回
 自然周期での胚移植を5回繰り返していますが、陽性反応が出たことはありません。D3のFSHが9〜12、E2が80〜100と高めですが、採卵までは順調に進みます。
誘発法は、セロフェン+HMGスプレーを使用、これまで合計10個採卵し、2個が異常受精、1個は新鮮胚移植、残り7個はすべて胚盤胞凍結です。
1回目は採卵周期に7分割胚を移植、2〜5回目は凍結胚盤胞移植(うち2回はアシスティッドハッチング)です。内膜は10mm程度あり、卵の質も極めて良好、移植後はデュファストン服用で、移植時のホルモン値は問題ありません。凍結胚盤胞があと3個残っているのですが、同じように移植を繰り返しても結果が出ないのかと思うと先に踏み出せません。毎回毎回、卵の質が問題ということで片付けられてしまいます。何か有効な治療法はあるのでしょうか。また、必要な検査などがあれば教えてください。

 体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の成功率は採取した卵の質で決まります。そのためには最も適した排卵誘発法を見つけることが大切です。今までの方法も排卵誘発法のひとつですが、結果的にはベストではなかったということでしょう。
 排卵誘発法を決めるためには、月経初日から3日目までの胞状卵胞の数と大きさ、E2、LH、FSHのホルモン測定により排卵誘発を決めることが重要です。
 同じ方法を何度も繰り返すのではなく、その時の状況に応じて排卵誘発を決めるべきだと考えます。
 今の方法よりいい結果が出ない時には、GnRHアゴニスト、またはアンタゴニストを用いた方法を試すべきでしょう。
 卵の質はその時その時の排卵誘発法を検討することによって、良好なものが採れる可能性は十分にあります。[2010年11月4日]
(院長:田中 温)
年齢:47 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:10回 体外受精:3回
 2ヶ月前に顕微授精(ICSI)をした後、1ヶ月お休みし、今月はプレマリン14日、ソフィア14日を服用しました。
その後、月経3日目(D3)のホルモン値をはかったところ、FSH=0.44、LH<0.1、E2=7.95で、FSHが下がりすぎではと思いました。D7の卵胞計測では、卵胞径が2mmほどしか育っておらず、また1ヶ月お休みとなり、同じ量のホルモン薬を渡されました。また同じ方法で、下がりすぎることはないのでしょうか?このような状態で服用を続けても大丈夫なのでしょうか。

 1周期のプレマリン、ソフィア後のFSH、LH、E2、どれも下がっていると思います。D7の周期は自然周期ですか?それともクロミッドなどの排卵誘発剤の内服や注射などの7日目でしょうか。同じ量のホルモン薬を飲まれるとすると、あなたの心配するように、ホルモンは恐らく低い状態になるのではないかと思います。
 ドクターからはホルモン値が下がったこと、また同量のホルモン剤が処方されたことについての説明は聞かれましたか?その点をよく説明を受けて、飲んだ方がいいか判断された方がいいと思います。
 今の状態で生理周期が30日で順調なら、ホルモン剤を飲まないで、次の生理で再度ホルモン値(FSH、LH、E2)を測定して、その数値を参考に今後の予定を立てるとよいでしょう。[2010年11月4日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 日本で治療していますが加齢のため卵がほとんど採れないため、韓国での卵子提供の治療をしようと思っています。ドナーは私が連れていく予定です。
 韓国では未婚、出産経験なしでもOKだということなので挑戦しようと思っていますが、韓国で使用する薬はかなり強いと聞いたことがあります。日本の薬とどのように違うのでしょうか?

 卵子提供を受けるためには、提供者の採卵日と合わせてあなたの内膜をつくらなければなりません。そのためにホルモン剤を使わなければなりませんが、ホルモン剤の効果の程度を言っているのであり、妊娠率には影響しないと思います。
 但し、ホルモン剤に対し、副作用などの症状が強く出るようであれば、貼り薬等の代用薬を考える必要があると思います。[2010年11月4日]
(院長:田中 温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:7回 体外受精:6回
 採卵後1週間あたりから生理痛のような軽い痛みが続きます。温めると痛みは和らぐのですが、そのまま放っていてもいいものでしょうか?このような症状が出た時には診察を・・・といったことがありましたら教えて下さい。

 採卵後すぐに痛みはなかったのでしょうか。できた卵は多かったのでしょうか。
 通常、採卵後に多少の痛みはあります。1週間以上痛みが続いて、熱が37.5〜38℃以上あったり、痛みの程度が増してくるようなら腹膣内の炎症が考えられますから、早目に治療を受け、状態に応じて抗生剤などの投与を受けて下さい。自宅が遠方などで、採卵施設への受診ができない場合は、近医を受診してください。
 卵が多かったり、腹水がたまってきたりしているとすると、1週間あたりから痛みが出てくることがあります。このようなときも、やはり診察を受け、その状態に応じて、治療を受けて下さい。[2010年11月4日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:36回 人工授精:15回 体外受精:14回
 治療の末、4年前に第1子を出産しました。自宅から遠い病院だったので、育児と治療の両立のため転院して治療を再開しましたが、うまくいかず、現在も治療中です。排卵誘発法はロング法、ショート法、アンタゴニスト法、クロミッド+注射と色々と試していますが、毎回胚盤胞までは分割しません。半年くらい前からHMGへの反応が悪くなってきています。採卵後にプラノバールを14日間服用、飲み終えてからスタートがいつものパターンです。
 質問は以下の2点です。
 1. HMG注射を打ちはじめるタイミングが2〜4日目とまちまちなのですが、それはなぜでしょうか。
 2.第1子の時は、反応をみながら3種類のHMG注射をうちわけていましたが、現在は毎回同じ種類のHMGです。HMG注射の種類と特徴を教えて下さい。
 3.第1子の時は、胚盤胞まで分割させず、初期胚を移植しましたが、そちらの方がよいのでしょうか。

 HMGの注射を打つタイミングは大体3日目が一般的ですが、2日目、4日目でもあまり差はないと思います。まちまちなのはあまり意味がないと思います。
 HMGの種類もあまり問題はなく、成分的にはほぼ同じだと思います。
 胚移植のタイミングは、数年前までは、培養液の関係上2日目、3日目が一般的でした。
 現在では長期培養が可能になり、4日目、5日目が主流になっておりますが、人によっては2日目、3日目の方が良好な結果が出る場合があります。その時の胚の状態によって決まりますので、必ずしも長期培養がいいとは限りません。
 また基本的には全ての胚を凍結し、自然周期に戻す方法の方が妊娠率は高くなります。しかしこの方法は、胚凍結が完ぺきであるというのが前提ですので、施設によってはかなりやり方が異なります。[2010年11月4日]
(院長:田中 温)
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