回答一覧 - 妊娠するには・妊娠のしくみ No.49 -
年齢:41 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回
 1年前から体外受精(IVF)を4回行なっています。
 ・1回目はショート法で10個採卵し、1個しか受精せず分割も止まり移植できませんでした。
 ・2回目はショート法で5個採卵できましたが、精子を調べたところ正常形態率2%ということで顕微授精(ICSI)をしました。結果、すべて受精し、2個を3日目胚で移植しましたが陰性で、残る3個は胚盤胞まで育たず凍結できませんでした。
 ・3回目は転院し、ロング法で5個採卵し、2日目胚を移植し妊娠しましたが10週で繋留流産しました。その後、凍結胚を2個移植しましたが陰性でした。
 ・4回目は再度ロング法で5個採卵、2日目胚を移植し、陰性と判定されました。その後微量出血が続いたので、受診したところ、どうやら遅れて着床していたが流産してしまったようだとのことでした。採卵周期でしたが、陰性ということで、最終判定の数日前から黄体ホルモン補充をストップしていました。
 現在通っている病院は、私が高齢なため、妊娠は難しいと判断されていて、誘発方法などについては私から色々調べてお願いするようなスタイルです。どうか、自分にあった誘発方法を教えていただけないでしょうか。
 念のため今月、不育症の検査も受ける予定です。

 ショート及びロング法で結果が出ていませんので、クロミッド+HMG/FSH療法やクロミッド単剤あるいはアンタゴニスト法が選択肢になります。D3のホルモン値や胞状卵胞の状態に応じた排卵誘発方法を考慮されると良いと思います。
 41歳という年齢にしては、卵巣の反応は良さそうですので、排卵誘発法を変えればチャンスがあるのではないでしょうか?根気強く頑張っていきましょう![2011年9月3日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:回 体外受精:回
 38歳にして、AMH検査の結果が0.10でした。この数値はほとんどゼロに近く、50歳手前くらいの結果とのことですが、今からでも体外受精(IVF)の治療は始められるのでしょうか?

 AMHの値だけでは全ての判断をすることは難しいと思います。実際に超音波検査をして、現在の卵胞の状態がどうか、また排卵誘発によって卵が発育するかどうかが問題になります。年齢的にも、体外受精(IVF)を諦めなくてもいいと思います。[2011年9月3日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:3回
 過去に3回顕微授精(ICSI)を行い、結果は次の通りです。ちなみに左側の卵巣は見えないらしく、3度とも右の卵巣のみでの採卵です。
 ・1回目はロング法で採卵8個、受精3個、グレード3の8分割を1個移植し、妊娠しませんでした。残り2個は胚盤胞まで育ちませんでした。
 ・2回目はアンタゴニスト法で採卵3個、受精3個、グレード1の8分割とグレード3の6分割を2個移植し、HCG66で化学流産でした。残り1個は受精後分割しませんでした。
 ・3回目は前回着床したということで、もう一度アンタゴニスト法で採卵3個、受精3個、グレード3の10分割を1個移植し、妊娠に至りませんでした。残り2個は11分割、6分割でしたが胚盤胞まで育ちませんでした。
 ロング法でもアンタゴニスト法でも胚盤胞まで育つ胚ができない場合は、自然周期の体外受精(IVF)・ICSIを目指した方がいいのでしょうか。それとも2度目のように着床した事実のあるアンタゴニスト法をやり続けた方がいいのでしょうか?採れる数が少ないせいもあり余剰胚ができずに採卵ばかりしています。次は4度目なので誘発方を変えた方がいいのでしょうか?

 アンタゴニスト法で一度着床はしたものの化学流産したとの事から、アンタゴニスト法を再度行ってみたが、結果が出なかったとのことですね。排卵誘発の方法はいくつかあり、どれを選ぶかは難しいところです。前回の妊娠の実績を重視する事も大事です。ロング法で8個とれている点から発育卵胞数は十分期待できますので、次回はショート法をお勧めします。その結果、不成功の場合は低刺激周期を試みて下さい。[2011年9月3日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:1回 体外受精:0回
 他院にて治療中です。今まで採卵のみをしていて、まだ胚移植をした事がありません。現在は胚盤胞を5個凍結保存していますが、注射をたくさん打っても卵があまりできないため、ここまでくるのに1年ちょっとかかってしまいました。仕事の都合もあり、秋以降に移植をしようと思っているのですが、10月までに少しでも採卵して凍結胚を増やすことが出来たらと思っています。
 これまでショート法などを試しても、良くても卵が3個くらいしか出来ず苦労してきたため、もし採卵するとなれば、クロミッドだけを服用して採卵しようと思います。もしホルモン値などに問題がなければ10月に移植したいのですが、それまでに7、8、9月と3ヶ月連続で採卵をするのはやめた方がいいでしょうか?
 5個の胚盤胞を作るのにとても時間がかかったので、少しも時間を無駄にしたくないという思いがあります。
 しかし、せっかく移植をするのであれば万全を期したいという思いもあります。クロミッドは内膜の厚さを薄くしてしまうと聞いたことがあるのですが、移植するつもりの周期の前はお休みした方がいいでしょうか?もしお休みが必要であるなら、いつ頃からお休みした方がいいでしょうか?また、クロミッド法以外に私に良さそうな誘発法があれば、教えていただけますでしょうか?

 もちろん採卵周期で戻すのが一般的ですが、採卵時は卵巣をある程度刺激しているため、移植の1カ月前は採卵をお休みして頂ければと考えます。
 クロミッドの服用により、内膜の厚さが薄くなる例は確かにあります。採卵の過程に要する時間と年齢との兼ね合いもありまが、自然周期またはホルモン補充周期で移植することを考えて、移植周期はクロミッドをお休みするのもいいと思います。
 誘発法については、月経3日目までの胞状卵胞の数と大きさ、E2,LH,FSH,AMHなどのホルモンの値により決められます。体外受精、顕微授精の成績はいかに良好な卵子が採れるかであり、それは排卵誘発法が左右します。Short法のみしか経験されていないようですが、胞状卵胞の数が3〜4個あるならば、ぜひLong法またはアンタゴニスト法を試されてみてください。あなたは月経周期が規則正しいようですので、凍結胚を戻す際には、自然周期をお勧めいたします。妊娠率はホルモン補充周期よりも高くなります。もし、排卵周期がはっきりしない場合には、ホルモン補充周期の方が有利になります。 [2011年8月5日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:36 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:4回 体外受精:0回
 昔からものすごく生理不順で、基礎体温も二相性とはほど遠い状態でした。昨年の秋から治療を始めて、卵巣刺激は、クロミフェンとhMGフジ150IUを2アンプル併用するところからスタートしました。発育が遅かったため、さらにhMGフジ150IUを1アンプルとhMGフェリング75IUを3アンプル打ち、ブセレキュアを採卵2日前の夜に2回スプレーしました。
 卵胞数は右が11個、左が7個確認できたようですが、全ての卵胞が空胞でした。今回初めての体外受精(IVF)&顕微授精(ICSI)へステップアップする予定でしたが、採卵数が0個のため断念しました。
 刺激期間のホルモン値も正常だったのに、まさか全て空砲とは先生も思っていなかったようです。通院している不妊専門のクリニックでの前例は4例とおっしゃっていました。
 タイミング及びAIH周期の排卵後の採血で、毎回プロゲステロンの値が0.3ほどだったのですが、これが全ての卵子が空胞だったことの原因として考えられるのでしょうか?今後、採卵に向けて再スタートするとして、採卵できる確率はどのくらいでしょうか?

 比較的低刺激の排卵誘発法で20個近い卵胞が確認できたこと、月経不順なことも考えますと多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が心配なのですが、超音波の検査やホルモン負荷試験あるいはプロラクチンの値などはいかがでしょうか?ブセレキュアを点鼻した際の卵胞の大きさやE2などのホルモンの値が分かるとさらに詳しくアドバイスができそうです。
 次回の排卵誘発方法はアンタゴニスト法やFSH製剤の使用を考えてみても良いかもしれません。
 プロゲステロンの値は排卵直前〜直後と、排卵後数日経過した時期とで大きく違いがあるのですが、確実に排卵が確認された状態でプロゲステロンが0.3という値ならばかなり低いと思います。無排卵や黄体機能不全の可能性がありますが、今一度採血した時期を主治医の先生に確認なさるのが良いでしょう。 [2011年8月5日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:1回 体外受精:3回
 1年前から体外受精(IVF)を始めて、現在31歳です。専門用語はよく分かっていませんが、治療を開始したときは卵巣予備能検査の値が2.7で、閉経しかけている値も出ていました。
 病院では毎回、ほぼMAX量の注射をしてきましたが、薬の反応は悪いです。1回目の採卵時に見えた卵は4個で、受精卵は2個できました。胚にまで発達したのが1個あったので移植しましたが、結果は流産でした。2回目と3回目は卵胞が2〜3個見えていましたが、採卵は2回とも0個でした。卵胞の数が少ないこのような状態でも、今後、採卵できる可能性はまだあるのでしょうか?

 卵巣予備能検査とはAMH(アンチミュラー管ホルモン)の事と判断いたしますが、年齢に比べて値は悪い様ですね。
 ただし月経2〜3日目のLH、FSH、E2などのホルモン値や胞状卵胞数が正常ならば排卵誘発に反応する可能性があります。今まで行なってきた排卵誘発方法(ショート法、アンタゴニスト法、クロミッド+HMG/FSHなど)の詳細が分かると、さらに詳しくアドバイスができると思います。
 いずれにしても、あきらめず粘り強く治療に取り組んで頂ければと思います。 [2011年8月5日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 前回は胚盤胞まで培養凍結し、ホルモン周期にて移植しましたが、妊娠には至りませんでした。
 この1個の胚盤胞を得る為に多数の胚を無駄にしたことを思うと、胚盤胞まで育てることに意味があるのかと思い、胚盤胞まで育てるために、廃棄となる胚が多数発生することに困惑しています。
 「胚盤胞まで育たない胚=初期胚」の時点で移植しても、妊娠はしないということなのでしょうか?
 それとも、培養では胚盤胞にはならなくても、子宮内ではちゃんと分裂し妊娠にいたることはあるのでしょうか?

 体外受精(IVF)が始まった当時は受精卵の培養技術がなく、初期胚でしか戻せませんでしたが、それでも妊娠に至った例があることが注目されました。当時の妊娠率は確かに低かったものの、初期胚でも妊娠する可能性は十分にあります。
 あなたのお考えの通り、胚盤胞まで育たなくて無駄になる卵も多いことを考えると、培養の本当の意味は何だろうと思うこともあります。妊娠には胚が分割し発達していく必要があるので、培養では胚盤胞まで至らなかった胚を移植して妊娠したとなれば、移植後に分割が進んだと言えます。妊娠率の高さにだけこだわるのではなくて、生命としての受精卵を考える医療も必要だと思います。
 また全ての胚が胚盤胞に成長する訳ではないですし、胚盤胞に至らない胚は着床しない訳ではありません。5日後の胚盤胞移植のみを考えるのではなく、胚の状態を見て、8細胞期や桑実期で戻すことも検討すべきだと思います。 [2011年8月5日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:15回
 後期精子細胞で顕微授精(ICSI)をしていますが、一度も結果が出ていません。受精できる卵は半分以下で、最近では2〜3日目でほとんど分割が止まり、移植キャンセルばかりです。こういう場合でも、細胞でなくて精子なら、胚盤胞までいく可能性はありますか?また、排卵誘発を何度も繰り返すと、卵の質は落ちるのでしょうか?

 精子と後期精子細胞とでは、顕微授精による胚の発生率はかなりの差が出ます。卵子の質にもよりますが、精子であれば恐らく胚盤胞まで到達すると思われます。これは、後期精子細胞を用いた治療の限界とお考えください。
 誘発剤の使用を繰り返すことにより、卵の質が低下していく場合はありますが、この傾向はごく稀な場合です。十分な管理下の排卵誘発であれば、ご心配はいらないと思います。[2011年8月5日]
(院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:回
 私は掻爬(そうは)手術の経験があります。その影響からか手術後は生理の出血量も少なく、病院でも毎回内膜が薄い(排卵直前で6mm)と言われ、なかなか着床できす妊娠にいたりません。
 私のように内膜の薄い人が体外受精(IVF)をしたら、妊娠する可能性は高くなるのでしょうか?それともあまり良い結果は期待できないのでしょうか?

 もともと子宮内膜の厚さには個人差があります。掻爬(そうは)手術が原因で薄くなったとは考えられません。逆になかなか妊娠しない人に内膜掻爬手術をすることで妊娠しやすくなるという治療法もあったぐらいです。
 あなたのように内膜が薄い人でも、体外受精(IVF)により妊娠した人はたくさんいます。それでも結果が出なければ、IVFをした周期は受精卵を移植せず凍結し、自然周期またはホルモン周期で治療をして移植するという方法もありますので、前向きに取り組んでいくことを考えましょう。 [2011年8月5日]
(産婦人科医:山本 正孝)
年齢:40 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:回 体外受精:1回
 30歳の時に両側の卵巣に皮様嚢腫が見つかり、左卵巣を全て切除、右卵巣を一部切除しました。その後、ほとんど交渉を持つことなく今まで過ごしてしまいましたが、40歳になり子供が欲しいと強く思い不妊治療を開始しました。現在、右卵巣にまた4cmほどの皮様嚢腫が見つかり経過観察ですが、右卵管は造影検査で問題なく、毎月自力で排卵できており、AMHは年齢相応と聞いています。
 6月に初めての体外受精(IVF)をアンタゴニスト法にて行いました。胞状卵胞はD2で5〜6個、D8(採卵2日前)で7〜8個確認できましたが、実際の採卵数は4個でした。その4個全て正常受精しましたが、2日目に全て分割が止まり、移植には至りませんでした。
 年齢的にも卵子の質が下がっていると思いますが、手術歴のあることや現在4cmの皮様嚢腫があることが卵子の質や妊娠の可能性にどのくらい影響があるのでしょうか?

 胞状卵胞が5〜6個で採卵数が4個であれば、年齢のことを考えると反応としてはいいのではないでしょうか?手術歴と皮様嚢腫が問題であれば、卵が成長しなかったり、出来ても1〜2個の人が多いと思います。卵の質および妊娠に関しては、年齢とともに低下していきますから、次回はShort法やクロミッド+HMG法などの排卵誘発法でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。[2011年8月5日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:回 体外受精:1回
 2回目の刺激周期のタイミングでFSH値が10.5でした。
 悩んだ結果、カウフマン療法でもう1周期様子を見ることにしましたが、他のホームページで「カウフマン療法で逆にFSH値が上がる場合もある」と書かれていたのを見てしまい、非常に心配しています。
 薬を22日間服用していくのですが、途中でFSH値を測定して、カウフマン療法が効果的かどうかを確認することは可能なのでしょうか?もし逆効果であるならば中止したいですし、他の治療方針に切り替えていきたいと考えています。

 他のホームページにあった「カウフマン療法でFSHが上がる」という記載について、どういう説明がされていましたか?またどういう場合に上がるようになっていたのでしょうか。ホルモン治療をしていてもFSHが思いのほか下がらなかったり、逆に下がり過ぎることもあります。
 途中でFSHを測定してもいいのですが、治療が終了するまで値が変わることはありますので、カウフマンが有効か無効かを途中のFSHで判断することには疑問があります。治療が逆効果かどうかはカウフマンが終わってから分かることですので、カウフマンの代わりに他のピルを使ったとしても、治療途中での判断はお勧めできません。[2011年8月5日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:1回 体外受精:2回
 原因不明の不妊で2年程(休みも含め)、通院しています。
 1回目の治療は2月で、D3からクロミフェンを1錠服用する方法で排卵誘発し、9個採卵できました。精子スイムアップ法で精子の状態が悪かったため全て顕微授精となり、結果、G4が4個、G5が3個、そして残りの2個は変性卵で移植できませんでした。G4とG5の7個の卵は、胚盤胞まで育ちましたが核が見えないとのことでした。
 2回目は5月で、D3からクロミフェンを5日間、朝晩2錠服用する方法で排卵誘発し2個採卵できましたが、2個とも変性卵でした。担当医師からは、『30歳と若いのにこんなことは珍しい。排卵誘発法(クロミフェン)が合っていないのか、自己免疫疾患があるのか…』と言われました。卵の質をあげるために、4月から当帰芍薬・ビタミンC・Eを服用し始めました。主人も漢方を服用しています。また、自己免疫疾患の検査も行い、今は結果待ち状態です。
 今回はロング法(HMG注射)で挑戦することになり、7月に採卵するためにプラノバールを服用中ですが、次も卵の状態が悪かったらどうしよう・・・とか、自分は妊娠できない身体なのかな・・・と考えてしまい、とても不安です。
 クロミフェン以外の方法だと、卵の質は良くなるのでしょうか?このような状態でも、妊娠は可能でしょうか?

 排卵誘発方法を変えることにより卵の質が変わることは臨床上よく経験するものだと思います。
 30歳と若年ですのでロング法は妥当な選択です。昔からよく用いられる排卵誘発方法で治療効果や経験も蓄積されており安定して卵が採れる誘発法です。うまくいくと良いですね、頑張ってください。[2011年7月15日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 体外受精(IVF)を行って2回目です。1回目は綺麗な卵で、受精もうまくいったのですが稽留流産という結果に終わりました。その4カ月後に診察し採卵をしたところ、変性卵と診断されました。何が原因で変性卵になってしまったのでしょうか。良い卵を作るためには何を心がければいいですか?また、もし次回も変性卵と診断された場合、私が妊娠することは難しいのでしょうか?

 変性卵あるいは退行卵は、排卵誘発法が適していなかった場合、またはHCGの切り替えの時期がずれている場合に起こりやすく、また高齢の方にも変性、退行卵が多くなると思われます。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のように30個以上のような多数の卵胞が発生した場合にも、変性、退行卵の発生率は高くなる傾向があります。
 年齢的にも若いのでチャンスは十分あると思います。次回の排卵誘発方法について、じっくり主治医の先生とご相談なさると良いでしょう。[2011年7月15日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:10回 体外受精:回
 今までに非配偶者間人工授精(AID)を9回行いました。卵胞の大きさを経膣エコーで測り、AID実施日を決めていますが、妊娠に至りません。ネットなどで情報をみていると、エコー以外にも尿検査や採血などのデータもチェックしている病院も多くあることが分かりました。
 しかし、私の通っている病院では、AIDを始めて最初の1〜2回は採血を行いましたが、最近はほとんど行いません。主治医を信じて、エコーの結果だけでよいのでしょうか。それとも採血や尿検査のデータもとってもらった方がいいのでしょうか。

 非配偶者間人工授精(AID)も人工授精(AIH)と一緒で、いかに正確な排卵時間を見つけるかが勝負です。正確な排卵時間を見つけるためには、まず排卵2,3日前より経膣超音波で一番大きな卵胞のサイズを測って下さい。自然周期なら16mm、クロミフェン投与周期なら18mmの大きさになったら、2〜3本採血して血中LH濃度を測って下さい。95%の確率でLHのピークが見つかり、そのピークの24時間後に排卵するとお考えください。
 なお、このピークが見つかった症例の約2割で排卵しないという黄体化未破裂卵胞がありますので、AIDまたはAIHを行なった翌日には必ず排卵を確認してください。[2011年7月15日]
(院長:田中 温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:1回 体外受精:10回
 半年前に妊娠したものの、6週目で流産となりました。以前はD3で3〜4個の卵胞がありましたが、ここ3カ月はD3に複数の卵胞ができなくなりました。E2値の伸びも遅くなってきており、D3では40〜60ですが、D12では卵胞1つに対して120ほどです。
 ただ、D3のFSH値は15〜20と高い数値のため、完全自然周期での体外受精を勧められ続けています。E2値や卵胞数の減少も気がかりですが、高FSHならば刺激周期より完全自然周期で採卵した方がよいのでしょうか?

 D3で3〜4個の卵胞というのは、胞状卵胞のことでしょうか?妊娠したときやそれまでの排卵誘発法はどのような方法でしたか。最近のFSH値が15〜20と高くなり、以前の排卵誘発法をやってみたけど卵が育ちにくくなったのでしょうか。
 今までの誘発方法(GnRHアゴニストやアンタゴニスト、HMG(FSH)などの排卵誘発剤の注射を使用)とは異なる方法で卵が出来ない場合には、自然周期やクロミッドのみの排卵誘発法になっていくと思われます。高FSHでも、治療周期前に軽めのピルを内服してFSHを少し下げることで、刺激周期での治療を行うことも可能かと思います。[2011年7月15日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:5回 体外受精:回
 2人目不妊で悩んでいます。1人目の時は、幸いなことに1度目の人工授精(AIH)で妊娠しました。
 今回2人目の治療で、人工授精を5回しましたが、妊娠にいたりません。1人目妊娠の時、低置胎盤だったので、着床に問題があるのか、人工授精では可能性が低いのではと悩んでいます。体外受精にチャレンジすれば、原因もはっきりするかもしれないとわかっていますが、夫の同意がなく、ステップアップに踏み切ることがなかなかできません。このまま人工授精を続けた場合、どれくらい可能性があるのでしょうか。

 人工授精(AIH)の場合、精子と卵子がきちんと出会って受精しているかは分からないため、着床に問題があるかどうかは今の段階でははっきりしないと思われます。二人目の治療開始時に、卵管造影検査は行っていますか?卵管が狭くなっていると精子と卵子が通りにくくなる可能性がありますので、一度検査されることをお勧めします。
 検査の結果に関わらず、既にAIHを5回されているのなら、今すぐかAIHを2、3回試した後など早めにステップアップした方がいいと思います。体外受精(IVF)での治療も視野に入れて、一度ご夫婦や主治医と相談するのがいいと思います。[2011年7月15日]
(産婦人科医:鈴木 敏史)
年齢:39 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:7回
 この一年間で6回の採卵、4回の移植(新鮮胚2回、孵化胚盤胞、ハッチング有)をしましたが全て陰性でした。誘発法は、クロミッドとフォリスチムのみで4度目は空砲、5度目は桑実期胚まで分割して、受精しませんでした。6度目も受精せず、7度目は初めて顕微授精をしましたが、異常受精でした。
 年齢を考慮すれば仕方のないことなのかもしれませんが、違う誘発方法をしてみたいと思っています。先述した低刺激法を行う際と、GnRHアゴニスト、またはGnRHアンタゴニストに進む際のD3のE2、LH、FSHのホルモン値の目安を教えていただけませんか?

 D3のE2,LH,FSHはこれまでも測っていたのでしょうか。今までの方法で卵胞は多い時でいくつ成長していたのでしょうか。D3の時に胞状卵胞は左右それぞれいくつみえていますか?
 D3のE2は50pg/ml未満(高くても100pg/ml)、LHは5IU/ml未満(高くても10IU/ml)、FSHは10IU/ml未満(高くても15IU/ml)と、これらが一つの目安になります。またD3の胞状卵胞も大切で、10mm未満のものがいくつあるかでGnRHアゴニストを使うか、GnRHアンタゴニストを使うかは変わります。D3ホルモンと胞状卵胞の数、大きさで治療方針を決められるのがいいかと思います。[2011年7月15日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:6回 体外受精:4回
 3年前に凍結胚盤胞を移植して妊娠し、男の子を出産しました。今回、2人目の治療のため、同じ病院で前回と同様に、凍結胚盤胞を移植しようと思っています。
 まず、胚移植がスムーズに行えるようにと、前回生理から22日目の本日、胚移植トライアルというのをしてきました。ですが、子宮口がはっきり見当たらない。これかと思うのはあるが、いっこうにカテーテルが入っていかず、尿をためてみても排尿した後でもダメとのことで、今日のトライアルは中止になりました。一人目治療のときは、スムーズだったのにどうしてなのか先生にも原因がわからないそうです。
 また、一人目治療のときは排卵期の内膜の厚さが8mm位でしたが、今回は、排卵はしているが、内膜は6.5mmと「薄いね」と言われました。確かに生理は2〜3日しかありませんでした。
 子宮口が見つからないことと子宮内膜が薄いことで、とても不安になっています。子宮口が見つからないのはなぜでしょうか。また、何が原因で内膜が薄くなってしまったのでしょうか?凍結胚盤胞は「まぁまぁ充分妊娠できる位のグレードですよ」と言われていますが、このような状態で妊娠できる可能性はあるのでしょうか。現状で何かできることがあれば教えてください。

 胚移植が困難な症例は一定の確率であります。第一子の体外受精時は特に問題なく胚移植できたとのことですが出産は経膣分娩でしょうか?帝王切開でしょうか?分娩時に頸管裂傷などがあると頸管が確認しにくくなることがあります。また肥満症例や子宮筋腫、子宮腺筋症、円錐切除術を受けたりすると頸管が確認しにくくなります。
 移植困難な症例では、胚移植前にラミナリア等を用いて頸管開大を行なったり、経子宮筋層的に胚移植するなどの対処方法があります。
 子宮内膜が薄い原因はホルモン分泌の低下やクロミフェンなどの長期内服、子宮筋腫や子宮腺筋症などの合併など多岐にわたります。内膜が薄い症例の体外受精では全胚凍結の上、自然周期で胚移植をすることが一番妊娠率が良く、流産率も低いでしょう。あせらずに、内膜が十分な厚さになる周期を待ってみるか、ホルモン補充周期で胚移植をすることも良いと思います。[2011年7月2日]
(産婦人科医:岡田 潤幸)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 夫がロバートソン転座もちの重度乏精子症(精子が10匹程度)です。最初の治療では、クロミフェンのみの服用で2個採卵できました。顕微授精(ICSI)を行い、1回目はグレード1の4分割胚を移植し、2回目は胚盤胞を移植しましたが、どちらも化学流産という結果でした。
 その後すぐに夫の都合でアメリカへ。再びチャレンジしようとするも、夫が無精子になってしまったため、ドナー精子でのICSIを決心しました。今回は低刺激で7個採卵でき、胚盤胞が5個できました。スプレキュアをし、6日後に移植だと思っていたのですが、病院がお休みのため前倒しで4日目に移植となり、血中HCG値:0という結果に終わってしまいました。使った精子は別であるものの、胚盤胞まで進む確率は高いのに妊娠にいたりません。移植時の子宮内膜は、常に15m前後まで厚くなりますし、筋腫も内膜症もなく、先生からはきれいな子宮だといわれており、現状では私には不妊となる原因が何もありません。
 これは着床障害なのでしょうか?次回の移植が怖いです。次の移植では2個戻そうかとも悩んでいます。

 良好胚が着床しない原因は主に二つあります。一つ目は、胚自体の能力が見た目では良好に見えても、実際には生命力が足らずに妊娠しない場合です。二つ目は、内膜の厚さなどの状態が不良の場合です。前者の場合は排卵誘発の方法を変えるか、体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)を何度か繰り返せば、いつかいい結果になると思います。
 着床障害をクリアする最もいい方法は、採卵周期には移植せず、全ての胚を凍結して薬や注射をしない周期に戻す方法です。これにより着床障害率はかなり低下します。すなわち、全胚凍結の自然周期胚移植がベストだと思われます。ただし、これは施設の凍結の技術が完成されているということが条件です。施設によって凍結の技術の差はかなりのものがあります。凍結技術が不十分だと、かえって胚へのダメージは大きくなりますのであまりお勧めできません。ですから、その施設の得意、不得意によって治療内容が変わってきますので、その施設の方針に従わざるを得ないかもしれません。もし内容的に不十分とお考えであれば、転院などを考えてみてはいかがでしょうか?[2011年7月2日]
(院長:田中 温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:2回
 5/22に、厚労省より『不妊治療の体外受精で使われる培養液に、母親の血液の10〜100倍の有害な化学物質が含まれることが分かった』と発表がありましたが、実際のところどうなのでしょうか?
 私は現在受精卵を凍結しており、今周期に凍結胚移植を行う予定です。顕微授精でないと妊娠できないのですが、子供に影響があるのではと思うと不安です。
 培養液は病院によって違うのですか?また、凍結胚の場合、凍結している期間などにより、受精卵が損傷を受ける度合いが変わってくるのでしょうか?現在分かっている範囲でお答えいただければ幸いです。

 培養液は人工的に作られたものです。それゆえ、人工産物が含まれる可能性は十分にあります。
 このような物質が見つかったことと誕生する子どもに異常が出ることとの因果関係は、現在認められておりません。日本で使われている培養液のほとんどは世界でも使われているので、もし異常があれば世界レベルでの検討がおこなわれます。体外受精が誕生してから30年以上が経ちますが、培養液が原因と思われる異常児が多発しているといった報告は認められておりませんので、心配されなくてもいいと思います。
 凍結受精卵の損傷が胎児への異常につながることは、まずないとお考えください。もし、凍結により胚へ相当のダメージを与えれば、胎児になることはないと考えます。[2011年7月2日]
(院長:田中 温)
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