回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.64 -
年齢:40 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:5回 人工授精:8回 体外受精:30回
 自己卵でどうしても妊娠できず、卵子提供を考えるのはいけないことでしょうか?
 ある産婦人科医が自身のブログで「卵子提供は大麻と同じだ」と発言しているのを見て、非常にショックを受けました。卵子提供に否定的な意見を持つのは個人の自由ですが、犯罪である大麻と卵子提供は同列なのでしょうか?
 日本で卵子提供が出来ないのは法整備が遅れているだけだと思っていましたが、大麻のようにしてはいけないことなのでしょうか?
 その医師は「最近の流行だからと台湾に行くのもどうなのか?」といった発言もしていますが、台湾が人気なのは国が運営管理して安心感があるのが大きな理由だと思います。この医師は産婦人科医なのにそんなことも知らない不勉強なのでしょう。
 しかしブログで堂々と産婦人科医にこんな発信をされると、卵子提供に無縁の一般の方達に誤解されて、悪いことをしていると色眼鏡で見られるようにならないでしょうか?なぜ日本はこんなにも遅れているのでしょうか?子供を持てないことで、なぜこんなにも苦しめらなければならないのでしょうか?

 大麻と同じように扱っているのは、真剣に卵子提供を考えている方にとって心無い発言だと思います。産婦人科医の中でも、多くの医者が卵子提供に否定的な意見を持っているのは事実です。しかし、ブログで公開する以上は自分で言ったことに責任を取らないとなりませんので、やはりこの発言は不適当だと思います。ただ私も卵子提供を日本で行っておりますが、日本と台湾との違いは、台湾では出自を知る権利を認めていないということです。これは将来台湾で誰の卵かわからない卵子で子どもができた場合、子どもにどのように説明するかと言う点で、重大な問題になるかもしれません。私は、当院から台湾に行かれる方には、その点については充分カウンセリングを行っています。[2017年11月27日]
(院長:田中 温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:6回
 1年前に自然周期の凍結胚移植で妊娠をしましたが、遺伝子異常が見つかり手術を受けました。
 以来、生理周期がここ半年間は24日で、生理が始まる3日前ぐらいから茶色のおりものが出ます。以前の生理周期は27日周期でした。生理も鮮血が出始めてから1週間〜9日くらいダラダラとあります。近いうちにまた凍結胚移植を希望していますが、このような状態で妊娠する可能性はありますか?一度、受診した方が良いのでしょうか?また治療を受ける場合、どのような治療方法になりますか?

 妊娠をきっかけに月経周期が変わることは珍しくありません。一度診察を受けていただいて、原因となるような器質的な異常がなければ治療を開始して構わないかと思います。高温期が短いなど黄体機能不全を疑う場合は、ホルモン補充周期での融解胚移植を検討してもよいかも知れません。[2017年11月27日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 今回、低刺激の誘発法で、フェマーラを1日2錠で5日間、HMG注射を2回打ちました。卵の数は増えましたが成長が遅かったので、さらにHMG注射を1回追加しました。結果的に21個採卵でき、その内10個に体外授精を行い6個受精し、グレード4bcの胚盤胞が2個できました。低刺激の誘発なので2〜3個しか育たないと思っていたので、数多く採卵できたことに驚きました。
 個人的には、数より質と思っているので、先生に「なぜ多くの卵が育ったんですか?」と質問したら、「フェマーラを2錠ずつ飲んでいたので1錠で良かったかもしれませんね」と言われました。「HMG注射を打つと数が増えますか?」と質問したら、「HMG注射はちょっと押してくれるぐらいの効果しかないので、注射よりフェマーラの影響で数が増えた」と言われました。しかし、第一子のときは、クロミッドを1日1錠で5日間の誘発法で2〜3個しか採れていなかったので納得いきません。私は、注射を打ったから数が増えたと思っていますがどうでしょうか?
 他の先生に「次回の誘発方法は、飲み薬の数を減らしてほしい」と相談したら、「注射無しにはできるけど飲み薬の数を減らすことはできません」と言われ刺激を勧められました。抗ミュラー管ホルモン値(AMH):3.31なので、また卵が多く出来てしまわないか心配です。次回は、注射なしでクロミッドだけの誘発でお願いしようかと考えていますが、クロミッドを1日2錠で5日間の誘発法で卵は平均何個ぐらいできるのでしょうか?

 フェマーラ、HMG注射共に排卵誘発剤であり、相互作用で数が増えた可能性があります。卵の数を増やさないようにするのであれば、飲み薬のみでの治療が良いと考えます。
 クロミッド内服での採卵数は個人差がありますので一概にはお答えできませんが、平均2〜3個かと思います。[2017年11月27日]
(産婦人科医:大野 基晴)
年齢:43 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 転院してから受精率が極端に下がりました。しかし、採卵数は増えました。原因としてはどんなことが考えられますか?培養液があう、あわないというのはあるのでしょうか?
 また、腹腔鏡手術で卵管の癒着を剥離しましたが、性病等がない場合でも再度癒着が起こる可能性はありますか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 採卵数が増えた理由として考えられるのは
 ・卵巣刺激法が異なる
 ・施設間で穿刺する対象となる卵胞の大きさが異なる
 ・技術の差
が挙げられます。
 受精率が下がった理由として考えられるのは
 ・加齢による卵の質の低下
 ・卵巣刺激法の違いによる卵の質の変化
 ・受精方法
 ・培養液も含めた環境の違い
などでしょうか。
 クラミジアを含めた性病は癒着を起こす原因の一つにすぎません。癒着というのは主に感染、炎症によって起こりますので再癒着する可能性はあります。[2017年10月31日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:32 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 夫29歳、妻34歳の時に1回目の顕微授精を行った際、妊娠はしましたが初期流産となりました。子宮内膜の厚さは11mmで、受精卵の状態もよかったそうです。流産した後も卵は採れて受精卵はできるのですが、妊娠まで至りません。移植2回目以降は子宮内膜が7〜8mmとうすくなり、その後4年間で6回以上グレードが良い胚を移植しましたが妊娠しません。流産した影響があるのでしょうか?内膜を厚くするために運動・食事などに気を使ってはいるのですが、効果が出ません。(2017年7月 第18回セミナーより)

 一般的に着床に適した子宮内膜は8〜10mmと言われています。子宮内膜は女性ホルモン(エストロゲン及びフ?ロケ?ステロン)の標的組織て?あり、適切なホルモンの補充か?着床率の向上に重要て?す。移植方法はどのような方法でしょうか。なかなか内膜が厚くならない場合はホルモン補充周期での胚移植をおすすめしています。また、近年エンブリオグルーといった培養液を使用すると着床率が有意に上がるという報告も多くされています。使用しても良いかもしれません。
 運動や食事についてですが、適度な運動や規則正しいバランスのとれた食生活を心がけていただくことはとても大切です。是非継続なさって下さい。加えて漢方薬は古くから伝統的に不妊症や不育症に使用されていますので、着床の手助けとして内服を検討されてもよいでしょう。また流産が身体に与える影響についてですが、ほとんどの場合一過性であるため、現時点での内膜を薄くしている原因とは考えにくいかと思います。良好胚移植が6回以上着床しないとなりますと着床障害の精密検査をすすめてもよろしいかと思います。[2017年10月31日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:39 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 採卵の間隔については「2ヶ月が理想」ということでしたが、私は1月〜5月の間に4回の採卵を行い、うち1回は、卵胞の中に卵子がありませんでした。受精したのは1回だけです。採卵の間隔をもっとあけるべきでしょうか?また、卵子の質を向上させる方法を詳しく教えて下さい。(2017年7月 第18回セミナーより)

 採卵と採卵の間隔は必ず空けましょうというわけではありません。大切なことは、月経開始時の胞状卵胞数の状態、ホルモン値をみて、その周期に合った排卵誘発法を考えることだと思います。
 あとは、御自身の身体のコンディション(運動・食事・睡眠など)を整えておくことです。[2017年9月8日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:44 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 凍結胚で自然周期移植が良いとのことでしたが、採卵し受精できた胚が1個でも凍結した方が良いのでしょうか?
 また、不妊の原因となる卵の質を考えると早い時期に採卵のみを続けて、受精卵をある程度確保してから移植のみを行う方がよいのでしょうか?その場合、移植が45歳になっても、採卵した年齢が42〜43歳であれば、42〜43歳と同じくらいの妊娠率になるのでしょうか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 年齢ごとの凍結胚数における累積正児獲得率(出生率)は、44歳で1回の凍結胚移植あたり、3.4%です。
 胚の状態にもよりますが、凍結が可能な状態でしたら多い方がよいと考えますが、凍結まで至らない状態でしたら、低刺激法で採卵し、新鮮胚移植がよりよいと考えます。[2017年9月8日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:49 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:4回 
 体外受精を4回行いました。
 精液検査の結果も良く、卵は採れるのですが分割しません。どうすれば分割がすすむのか、こうしたら分割したなど、過去の成功方法があれば教えて下さい。(2017年7月 第18回セミナーより)

 49歳の場合には卵が採れても、ほとんどが染色体異常を起こしてしまいます。これは誰もが閉経するために卵子が消失し、質が低下することに起因します。49歳という年齢での卵子の質は、かなり低下していることはご理解されて下さい。女性は閉経することにより妊娠のリスクから解放され、40年・50年長寿を全うすることが可能となります。閉経は女性にとっては最高の贈り物であると思って下さい。どうしても子供が欲しいということであれば、卵子提供を考えたらいかがですか。もちろんご自分の遺伝子は入りませんので、自己卵子以外の治療を考えていない方にはお勧め致しません。ただし、採卵が可能な状態ですので、例えば、細胞質置換という第3者の卵子にご自身の核を注入する卵子の若返り方法もあります。方針をたてるにあたっては十分なカウンセリングが必要ですので、慎重に検討しましょう。[2017年8月26日]
(院長:田中 温)
年齢:36 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 体外受精や顕微授精と人工授精を併用する(体外受精・顕微授精を行わない周期に人工授精を行う)ことは、やめた方がよいでしょうか?(2017年7月 第18回セミナーより)

 体外受精や顕微授精のサイクルと別のサイクルに人工授精を併用することは可能です。ステップアップorステップダウンを合わせて治療して頂いてよろしいと考えます。[2017年8月26日]
(産婦人科医:山口 貴史)

年齢:37 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 採卵時の卵の数が少なく初回は4個、2回目は1個でした。卵の数が多い方が良い(10〜15個)と話されていましたが、少ない場合に体外受精をしても良いのか、判断に悩みました。また、内膜症があります。(2017年7月 第18回セミナーより)

 卵巣子宮内膜症は不妊症治療において最も成績が低くなる疾患です。それは内膜症が正常な卵巣組織を侵食していくからです。この子宮内膜症に対し、どの時期に外科的治療を行うか、内科的治療を行うか、体外受精を行うかは難しいところですが、1つの目安としては5cm未満は体外受精、5cm以上の場合には外科的に手術をされるのが一般的な方針です。子宮内膜症の場合には、どうしても採卵できる数が減りますが、質に関しては影響ありませんので、たとえ少なくても、体外受精・顕微授精することをお勧め致します。[2017年8月26日]
(院長:田中 温)
年齢:42 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 昨年末から今年にかけて不妊治療を2回しております。先月は顕微授精を行いましたが、残念な結果になりました。その際に、子宮腺筋症があるので卵子を凍結し、まずは子宮腺筋症の治療をしながら、症状が軽くなった時に移植することをアドバイスされました。
 具体的にはどのような治療と期間になるのでしょうか。(2017年7月 第18回セミナーより)

 子宮腺筋症の治療は、月経を一時的に止めるホルモン療法と外科的手術がメインです。
 不妊治療との併用は大変難しいことが現状であり、妊娠を先行させ、妊娠成立が子宮腺筋症の治療にもなります。これを合わせた方法として、採卵をして全胚凍結後、次周期の月経開始後より注射で月経を止め、4週間おきに計2〜3回後、ホルモン補充周期で凍結胚移植をします。ですので、採卵〜胚移植はスムーズに進んだ場合、約4ヶ月はかかります。[2017年8月26日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:6回 体外受精:1回
 12月に体外受精にトライしましたが、採卵時に5個の卵子全てに透明帯がなく、移植中止になりました。2月に顕微受精を行う予定です。現在、通院している病院で医師からは初めてのケースだと言われました。ネットで調べても昨年、米国で顕微授精で双子を妊娠した事例がありましたが、かなり珍しいとのことで、妊娠可能なのか不安です。今回たまたま透明体が無かった可能性もあると言われましたが、セントマザーでは完全透明帯欠損症の方に対応されたことはありますか?

 全ての卵子の透明帯が欠損しているケースは非常に稀だと思います。私も経験がありません。
 排卵誘発法を変えることによって卵子の発育が正常になった場合には、この問題は解決できるのではないかと思います。[2017年6月1日]
(院長:田中 温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:3回 体外受精:7回
 体外受精は採卵7回、移植は5日目の凍結胚盤胞(一度だけ5日目の新鮮胚)で10回ぐらい戻していますが、一度も着床すらしたことがありません。胚のグレードもそこまで悪くないようでした。結局原因がわからず転院を勧められ、現在はセントマザーに通院しています。
 染色体や着床障害、子宮鏡等、様々な検査をしましたがどれも異常がありませんでした。唯一、両側卵管閉塞とのことで、先月腹腔鏡下での両側卵管形成術をしました。その際、癒着もないと言われました。この卵管閉塞は今まで一度も着床すらしていない原因として関係があったのでしょうか?術後先生とは、「年齢等も考慮し、せっかく卵管を通したのだから人工授精から始めてみようか」という話になりましたが、これまでの経過をみて結局原因がわからないままなので、本当にこのままで良いのか不安になっています。

 卵管閉塞による着床障害は考えにくいです。ただし、卵管閉塞により、卵管内腔に炎症が起こり、水腫や血腫が存在している場合は関係します。卵管周囲癒着がなく、子宮卵管造影検査で両側通過であれば着床には影響ないと思います。
 一番はやはり受精卵の状態が関係すると考えます。[2017年6月1日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 ドイツで治療中です。AMHは2.5です。アンタゴニスト法(PuregonによるFSHのみの投与)で採卵を2回行い、1回目は採卵数19個、受精卵数5個で、2回目は採卵数13個、受精卵数1個、でした。どちらも胚盤胞に至ったのは1つでした。誘発の際にLHも投与しないと卵子の質が低下すると読んだことがあったので、他院にセカンドオピニオンを聞きました。そこでは投与が一度のみの利点があるElonva(FSHのみ)を投与するとの事でした。
 「卵子の質を上げたい」と話しても、「Elonvaで良い結果が出ているから」の一点張りで高額の治療費を払う決め手に欠けます。構成成分が同じ誘発剤を用いて、受精率を上げる事は出来るのでしょうか。

 顕微授精の成績は排卵誘発剤によって大きく変わります。すなわち採卵された卵の質によって結果が変わるということです。
 AMH:2.5、採卵数:19ということは、あなたの卵巣の反応は非常に良好です。アンタゴニストの場合にはFSHのみよりも、LHを入れたHMGを交互に加える方法が有利だと思います。ただし、これで結果が良くなるという保証はできませんが、試してみる価値はあると思います。大切なのは画一的な治療法を好むのではなく、治療ごとの結果を参考にしながら一歩でも前進しゴールに近づくということです。[2017年6月1日]
(院長:田中 温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:1回
 私には特に問題はなく、旦那の精子の運動率が非常に悪いため、ショート法にて採卵後顕微授精を行いました。
 ホルモン補充周期での移植が決定しましたが、ホルモン補充でのテープや膣座薬の説明にまた薬か、と嫌気がさし、なかなか移植に踏み切れませんでした。
 何か他に方法はないのかと、ネットで検索していたら自然周期を知りました。私は生理もだいたい規則的で、これまでのタイミング治療でも排卵していないということはなかったので、「私は自然周期移植では難しい体でしょうか?」と医師にお尋ねし、「大丈夫」ということなので自然周期移植にして頂きました。
 移植当日、チューブもすんなり入り、5分もかからずして器具を抜かれましたが、その後の培養士さんのチェックにて、チューブに胚が残っているとのことで改めて超音波、チューブ等を再度入れ再移植しました。
 5分程度で再移植が終わり全ての器具を取り外し、再度培養士さんが確認→残っているという事を4回程繰り返し、結局移植に1時間程かかりました。
 受精卵の質も良く、融解後も分割が進んでおり、私自身の内膜の厚さも14.5?mmで期待をしているのですが、やはりその移植時のことが気になります。培養士さんからは、今回自然周期移植だった為おりものが多く、チューブからなかなかとれなかったと説明されました。自然周期移植の方は多くいるのに、チューブに胚が残ってしまい、何度も移植を繰り返すというのはあまり聞きません。
 担当医には怖くて聞けません。なぜ、こんなにも私は移植のやり直しをしなければいけなかったのでしょうか?自然周期によるものですか?
 私としては、移植が完全に終わるまで、器具をさされたまま待っていてもよかったです。そんなことより、培養液にも浸かっていない、裸の胚が何分も外にいて大丈夫だったのか不安です。
 また、ET13日目に判定なのですが、それまではルトラールと膣座薬を続けるように言われています。もともと薬は遠慮したかったので、もし着床すらしていないなら、すぐにでも薬の服用はやめたいのですが、ET13日目まで薬を続ける理由は何かあるのでしょうか?

 胚移植時にチューブの中に胚が残ることは当院でも時々ありますが、複数回残るということはまずないと思います。思い切って施設を変えてみてはどうでしょうか。月経が規則正しいのであれば、自然周期では妊娠率は必ず高くなります。薬剤投与に関しては、各施設、各施設長の考えがありますので、一概には何とも言えません。直接ご質問されてお答えをお聞きになられて下さい。[2017年1月28日]
(院長:田中 温)
年齢:39 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:10回 体外受精:5回
 現在、アンタゴニスト法にて採卵した3日目の6細胞(グレード2)を3つと8細胞(グレード2)を3つ、2本で凍結しています。
 ショート法で採卵した過去5回のIVFでは、一回だけ凍結胚で胚盤胞移植にてうっすら妊娠陽性になりましたが、直ぐに生理がきてしまいました。移植は全て自然周期です。主治医にはどちらでも可能といわれましたが、「ホルモン周期で妊娠して出産に至った女児に、膣ガンの発生する確率が高いといわれている」と説明をうけました。自然周期で続けて失敗しているのでホルモン周期での移植にチャレンジしたいですが、膣ガンの発生率について気になっています。本当のところどうなのでしょうか?

 まず腟癌というのは婦人科癌の中でも1〜2%と非常に珍しい病気で、主にヒトパピローマウイルスが発癌に関連していると言われています。ホルモン補充周期での胚移植と出生した女児に発生する腟癌についての関連については、明確なエビデンスがあるとは言い難いです。かなり古いもので1998年に発表された論文になりますが、妊娠中のホルモン剤使用と腟癌の関連について1940年代から1970年代頃までdiethylstilbestrol(DES)を流産予防目的に妊娠中に投与された女性から産まれた若年女性に、腟癌(明細胞癌)が発生したという報告があります。しかし近年そのような報告は認められていません。しかし医療行為には当然リスクがつきものですし、我々はいつも患者様の利益と損益を天秤にかけながら治療を行っております。担当医の先生にももちろんお考えがあるでしょうし、十分相談されることをおすすめ致します。[2017年1月28日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:45 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:7回
 4年前、自然周期にて胚盤胞移植し、1人子供がいます。出産後、何度か胚盤胞移植をしてきました。前回、ホルモン補充周期にて胚盤胞移植をしましたが、残念ながら陰性でした。
 次回の胚盤胞で最後の治療となるので、担当医の先生と話し合った結果、「なかなか厚くならない子宮内膜を一度掻爬し(エコー検査ではいつも内膜がモヤモヤしていると言われていました)、排卵誘発剤とHCGを使い、排卵させてから、もう一度自然周期で移植をしましょう」ということになりました。子宮内膜掻爬を行い、治療に入りましたが、排卵せず次周期に繰り越しになりました。子宮内膜も厚くならなくなり、時間ばかりが過ぎていき、諦めるしかないのかと、途方に暮れています。基礎体温も測ってはいますが、二相性になっていないようです。
 現在は血流を良くし、子宮内膜を厚くする目的で、前周期から処方された柴令湯とエパデールS600を1日2回飲んでいますが、効果はありますでしょうか?
 最後の治療になるのですが、年齢もあるので先延ばしせず、ダメ元で早めに移植をするしかないのでしょうか。なるべく後悔ないような形で治療を終わりたいと思っておりますが、気持ちが追いつきません。

 移植にあたって一番大切な要因は受精卵の状態であると思います。子宮内膜の厚さは薄くても、受精卵の状態が良好であれば着床することが多いです。
 もちろん、厚くするために子宮血流をよくするため漢方やサプリメントも試すことはよいと思います。ホルモン補充周期で子宮内膜厚を厚くすることも大切ですが、現在できる限りのことはして頂いているように思います。移植頑張って下さい。いつでも御相談下さい。[2017年1月28日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:9回 人工授精:5回 体外受精:1回
 他院にて、はじめての体外受精・顕微授精を行いましたが陰性に終わりました。アンタゴニスト法にて10個採卵、うち1つは未熟卵、残りをスプリットしました。体外受精は5つ行い、そのうち3つが受精せず、1つは途中で分割が止まり、1つが初期胚盤胞になりました。顕微授精は4つ行い、そのうち1つが受精せず、2つは途中で分割が止まり、こちらも1つが初期胚盤胞になり、凍結しました。
 内膜が5〜7mmと薄いことが多いので、ホルモン補充周期で凍結胚を2回移植しました(どちらも移植時点では3BB)が、1回目はかすりもせず、2回目はHCGの数値が0.011で化学流産になりました。体外受精・顕微授精にトライする前に行った、タイミング(精索静脈瘤の手術後)、人工受精でも、陽性が見られたことはありません。
 AMHは3.42です。その他ホルモン値等、卵管造影などには指摘事項はありません。夫は1年半前に精索静脈瘤の手術をしています。現在の数値は問題ありませんが、フーナーテストをすると毎回不良で、元気な精子は見られません。今後、体外受精・顕微授精にトライしていくことに意味はあるのでしょうか?どうしていったらよいか、わからないです。

 まず自然妊娠に関しまして、タイミング療法、AIHを1年以上されており、治療期間としてはステップアップの時期と考えてよいでしょう。しかし、奥様の年齢・卵管通過性・AMHを考慮するとその他に原因がある可能性があります。
 @卵管周囲癒着によるピックアップ障害
 A精液所見
 @のみであれば腹腔鏡検査をして癒着の有無をチェックすることもよいでしょう。Aフーナテストは精度が高くありませんが、精液所見が自然妊娠を考えにくい所見であれば体外受精へ進んだ方がよいです。
 アンタゴニスト法で10個採卵、胚盤胞2個凍結は決して悪い結果ではありません。検討項目としては、排卵誘発法であり、卵の質の向上に大きくかかわりますので検討してもよいと思います。ただし、詳細がわからないこともありますので、主治医の先生とも御相談されて下さい。[2016年11月10日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:41 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 体外受精で凍結胚を移植する周期にタイミング法はしない方が良いでしょうか。もしくは妊娠率が上がって良いのでしょうか。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 凍結胚移植の周期にはホルモン補充周期と自然周期とがあります。ホルモン補充周期の場合にはホルモン剤投与により排卵を抑えますので、タイミングをとってもまず妊娠の可能性はないと考えますので、問題はないと思いますが、自然周期の場合には排卵前に夫婦生活することにより、移植した胚と同時に妊娠する可能性があります。すなわち胚移植は1個なのに双胎になったというケースが時々報告されておりますので、原則的には自然周期の凍結胚移植の場合にはタイミングはされない事をおすすめいたします。[2016年9月20日]
(院長:田中 温)
年齢:39 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 体外受精で受精卵ができた場合、それを凍結したほうが良いのか、移植したほうが良いのか、どのような基準で判断されているのでしょうか。
 また、子宮内膜が10mm以上あり胚盤胞移植を行っても妊娠しない場合、次の治療としてどのような方法が考えられますか。二段階移植は、有効でしょうか。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 採卵周期は排卵誘発によって卵巣が刺激を受けているため、正常なホルモン動態に戻った後の凍結胚移植の方が妊娠率は高いです。そのため受精卵が凍結可能な場合は凍結をおすすめしています。しかし受精卵が凍結に耐えられない場合や、排卵誘発後であっても卵巣の腫脹が軽度の場合は採卵周期の新鮮胚移植を選択することもあります。
 内膜厚も十分な状態での胚盤胞移植で妊娠に至らないとのことですが、胚の形態的な正しさが必ず遺伝的正しさと一致するわけではありません。そのためいくら良好な形態の胚盤胞を移植しても100%妊娠に至るとは言い切れないのです。また胚盤胞まで到達する精子と卵子の質をお持ちであるとお見受けしますので、二段階移植よりもまず着床障害の検査を検討されてはいかがでしょうか。[2016年9月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
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