回答一覧 - 男性が原因の不妊について No.11 - |
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
3回の精液検査の結果、不動精子が数匹(6〜14匹)しか見つからず、他は奇形精子のみでした。
不動精子で5個の卵に顕微授精を行ったところ、ひとつも活性化せず、失敗に終わりました。まったく動いていない精子でも妊娠にいたることは可能なのでしょうか。 死滅している精子と、生きているけれど動いていない精子は、顕微授精(ICSI)の前に調べることが可能なのでしょうか。
不動精子の中にも、生存しているが運動していない精子と、死滅している精子がいます。しかし、ごくわずかしか見つからない精子の全てが不動精子ということであれば、すでに死滅している場合が大半だろうと思います。
実際、顕微授精(ICSI)を行ったあと、活性化せず胚発育に至っていませんから、その可能性は高いと思います。 睾丸(精巣)を切り取って、精子を採取して顕微授精(ICSI)を行う方がよいかもしれません。 閉塞性無精子症の場合にも、睾丸(精巣)を切開して、その中にある、精細管内部から精子を探しますが、その場合でも、ごくわずかの不動精子しか見つからないことがしばしばあります。精子が全く見つからないことの方がかなり多いのですが、たとえ見つかっても、そのような精子ではほとんど妊娠できません。運動精子(あるいは生存精子)が必要です。 もし、精巣内から死滅精子しか得られない場合には、当院では精子の前の成長段階の精子細胞を用いた顕微授精(ICSI)をすべきと考えています。この技術は世界でも当院のみ(当然日本国内でも)の技術で、今までの出産数は数百人に上ります。元気のいい正常精子を使う場合に比べるとかなりのハンディはありますが、わが子を熱望する無精子症のカップルにとってはトライするだけの価値はあると思います。 [2010年4月16日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:37 基礎体温: 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
先日の検査で、以下のような結果でした。
【病理組織検査でMaturation arrest of spermatogonia johnsen 分類 3美川分類、今回 提出された標本内で観察される限り精子細胞、精子は確認されません。また、染色体検査の結果 検査項目 Y染色体DAZ FISH、検査結果、核型45、X(10)/46、X、?Y(10)、ish idic (Y)(q11.2)(DYZ3++、DAZ−) G−bandの検査で認めたY上にDYZ3(緑)のシグナルを2個検出し、DAZ領域(赤)のシグナルを検出しませんでした。これについては、G−band Yとあわせ Y染色体の同腕二動原体染色体と判断しました。】
この内容がよく理解できず、子供をあきらめるかどうかもわかりません。私たちに可能性はあるのでしょうか?もし、あるなら、セントマザーでの治療も考えているので、手順や手続きを教えて下さい。遠隔治療となりますので、特に主人は通院が安易ではありませんが・・・。宜しくお願いします。
あなたの所見は、X染色体の1本少ない、45XとY染色体構造異常のモザイクです。性腺形成不全症と呼ばれています。恐らく、陰茎も陰嚢もかなり小さく、身長も少し低いのではないでしょうか。
場合によっては尿道下裂なども合併する可能性があります。また、男性ホルモン値も少し低いかもしれませんので詳しく調べる必要があります。妊娠は少々厳しいかと思いますが、最も大事な点は、悪性腫瘍が高率で発見されることです。陰嚢がお腹の中に認められる場合もありますので、十分な検査が必要です。[2010年4月16日] (院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:無関係 生理周期: タイミング法:5回 人工授精:回 体外受精:回
主人の精液検査をしたところ、精液量が0.6mlしかありませんでした。
主人に尋ねると、今回たまたま少なかったわけではなく、毎回この程度の量しか出てないそうです。 精液濃度は、1億2千と高く、運動率も60%ほどあり、精子の質には問題なさそうです。 1週間くらい禁欲しても、量はほとんど変わりません。何か精巣等に問題があるのでしょうか?また、精液量は少なくても、精子の状態がよければ 自然妊娠は可能でしょうか?
精子の数、運動量が多く良好ですので、妊娠には支障はないように思われます。ただし、これまで妊娠に至っていないとすると、通常の精液量の方々と比べて妊娠率はやや落ちるかと思います。
今までに泌尿器科等を受診していないのであれば、精巣等に問題がないか、一度診察を受けてみられてはどうでしょうか。また、今後の方針として、人工授精(AIH)へのにステップアップすることもお考えください。[2010年4月1日] (産婦人科医:永吉基)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:2回 体外受精:回
主人の精液検査の結果ですが、いつも高速運動率がよくありません。いい時で10%、悪い時で2%以下です。
精子濃度は6000〜9000万/mlと問題なく、運動率も65%くらいはあり、その他の項目も特に問題ありません。現在、人工授精(AIH)をおこなっていますが、やはり高速運動率が低いと妊娠の可能性が低くなるのでしょうか?上記のような数値だと自然妊娠や人工授精での妊娠は難しいでしょうか?貴院では自然妊娠、人工授精の場合、どれくらいを標準と考えているかを教えてください。
膣内に射精された精子が子宮内に入り、卵管を通って卵子と出会った後、1匹のみが卵子の透明帯を貫いて卵子と受精することによって、妊娠に至ります。
そのためには活動性の強い精子が必要です。その割合も、多いにこしたことはありません。 いつも弱い精子のみしか認めないのであれば別ですが、あなたのような精子所見であれば妊娠する可能性は充分ありうるでしょう。ただ、不妊の原因は精子の側にあるとは断定できません。検査上、全く異常が見つからないカップルでも不妊治療でなかなか妊娠できないケースは多くあります。一般的に行われている検査では見つけきれない不妊の原因によるものも多くあります。 タイミングや人工授精(AIH)でなかなか妊娠しないようであれば、腹腔鏡検査や体外受精(IVF)などの治療も考えてみる必要があるかもしれません。女性の年齢が、最終的には治療をあきらめざる終えないネックになってくる可能性があります。[2010年3月15日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
先週、MD-TESEを行ないましたが、精子がおらず、回収できませんでした。細胞もだめといわれました。
この手術の1日前に射精をしてしまったのですが、そのことが原因で今回は精子の回収が出来なかったということは考えられますか?その可能性があるのであれば、TESEを再挑戦したいと考えています。2回目はどのくらいの期間をあけて手術をおこなったらいいでしょうか?
前日に射精したとしてもTESEの結果に影響を与えることは全くありません。ただし、精巣内に精子は見つからなくても精子細胞が存在すれば、顕微授精(ICSI)で妊娠することは可能です。(特殊な技術が必要であり、ほとんどの不妊専門施設ではそのような治療は行われていません。)[2010年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:39 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:回 体外受精:回
病理組織検査では「3.美川分類」との結果でした。
これは、精子細胞がないという事ですか?後期精子細胞も取れないという事ですか? 例えば、漢方を飲んだり、生活改善等で精子が発生したり、もう一度、検査をして精子が見つかる可能性はありますか?
美川分類がどのようなものなのかは分かりません。一般的に、精巣生検時の精細管内における精子形成能を評価する時には、「Johnsen Score」を用いるのが主流だと思います。
その場合、50個〜100個の精細管の所見を点数化(スコアが1〜10まである)して、その平均値を求めます。[2010年3月1日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
7年ほど前に、TESEを受けた結果、精子は見つからなかったのですが、「精子になる核はある」と言われました。
精子の核とは何かがわかりませんが、現在の医療技術で妊娠可能なのでしょうか?
精子の核とは精子細胞のことだと思います。精子細胞は精子と同様の活性能力を有しており、妊娠出産は可能です。当院では1300人以上の正常児が出生しております。
妊娠率は正常精子を用いた場合の半分、流産率は2倍と高くなりますが、自然淘汰だと考えております。この障害を乗り越えて出産した児における異常児の発生率は、自然妊娠と体外受精(IVF)とでは差異は認めておりません。[2010年2月15日] (院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:4回 体外受精:0回
夫41歳、妻38歳、遅い結婚だったため、数ヶ月自身でタイミングを試した後、病院へ。妻は、ホルモン検査・造影検査等全て問題なし、夫は有効精子数70万/mlで、男性不妊という診断となりました。すぐに人工授精(AIH)の適用となりました。
1回目は700万/ml、2回目740万/ml、3回目180万/mlで×、3回ともすべて結果は×でした。今回4回目で、主人の都合が合わずに初の凍結精子を使った治療となりました。凍結前には、有効精子数1000万/mlとこれまでの最高で、運動率も75%でしたが、AIH当日に、融解してみるとほぼ全部死滅で、AIHできませんでした。 主治医からは、「これではAIHを続けても難しい、体外受精(IVF)も厳しいので、顕微授精(ICSI)を考えるしかない程精子が弱い。採精直後の精検ではわからないが、とても弱い精子で、これまでのAIHでも体内で数時間ももたず死滅していたのではないか」と言われました。 このようなことはあるのでしょうか...先生のご意見をお聞かせください。年齢のこともあり悩んでいますが、ICSIなら可能性はあるのでしょうか?また一度このように解凍で死滅した場合は、AIHでの可能性は低いでしょうか?
確かに各施設によって凍結の技術に差があると思います。75%あった運動精子全てが死滅してしまうということは、当院では経験したことがありませんが、特殊な精子だったのかもしれません。実際にご主人の精子を観察し取り扱っていないので、独断的なことは言えません。
ただ解凍しても死滅した精子では人工授精(AIH)は不可能ですし、たとえ顕微授精(ICSI)でも妊娠させることは困難です。生存している精子でなければ顕微授精を行った卵も死んでしまいます。もしかしたら技術的な改善によって顕微授精に用いるための精子凍結は可能ではないかと思います。 精子の凍結方法も、様々なレベルでの凍結保存できる技術もあります。ご主人の精液所見からみると、施設もよく検討したうえで、早く顕微授精法へ移行することをお勧めします。[2010年2月3日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
アメリカで検査をし、無精子症と診断されました
静脈瘤の手術を受け、その後、主治医より精巣の中に精子はいなかったと言われました。しかし、手術の跡を見ると太ももの付け根に傷跡があるだけで、精巣を切った跡はありません。 精巣内に精子があるのかどうかは、睾丸を切らずにわかるのでしょうか?何をすればよいのかがよくわかっていません。次回行うとしたら、どのような手術をすればよいのでしょうか?
今回の手術時にそこに傷ができたのであれば、「停留精巣」だったのかもしれません。通常は、胎児の時に、腹腔内にあった両側の精巣が陰のう内へ下降します。それが、陰のうの中に精巣(睾丸)が下降できずに、途中で止まっている状態が停留精巣です。
停留精巣になると、体温の影響などもあり、精巣内での精子を産出する能力が障害される場合がかなり多く、無精子症の原因としても重要です。中にはごくわずかの精子が存在するケースもありますが、症例としては少数だと思います。 ただ、精子そのものは見つからなくとも、その前段階の「精子細胞」までは存在する場合が時々あります。その細胞を用いた顕微授精(ICSI)は、世界的にも当院独自の治療方法でありますが、出産例も多くなっております。 もちろん成熟運動精子を用いた治療に比べると、その妊娠率にはかなりハンディがありますが、動いていない精子(不動精子や死滅精子)を用いるよりはずっと良いと思います。そのような精子を用いて妊娠することはかなり困難です。 もし幼少時にその場所にできた手術痕であれば、ソケイヘルニア(いわゆる脱腸)の傷跡と思われます。[2009年12月16日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
結婚して4年目になります。なかなか子供に恵まれず、結婚2年目に不妊専門病院を受診し、主人の無精子症がわかりました。これまでに1回だけ精液検査を行ったのですが、精子がまったくいないと言われています。医師からすぐに顕微授精(ICSI)をすすめられたのですが、その日の体調などで精子の数も違う結果になると聞いたことがあったので、たった1回の検査で顕微授精まで考えなければならないのかと考え込んでしまって、それ以降病院に2年ほど行っていません。少しでも精子がいるならば、人工授精(AIH)や体外受精(IVF)では無理でしょうか。
また、今後はセントマザーへの通院を考えていますが、遠方からでも大丈夫でしょうか?
精液検査は比較的簡単にできる検査ですから、ご自身が納得できるように再検査をする事をお勧めします。
例え精液中に精子がいたとしても精子に「受精」させる力がない場合も多く、その場合には顕微授精(ICSI)になります。顕微授精(ICSI)と体外受精(IVF)の違いは、精子と卵子の「受精」を人工的に行うか否かです。IVFなら良いけれども、ICSIはしたくないということですが、どのような理由からでしょうか。 もし再検査でもご主人の精液検査に精子を認めないのであれば、ホルモン検査や染色体検査、精巣の触診(大きさなど)を調べる必要があります。また手術によって精子を採取する事が必要になります。(精巣上体精子・精巣精子)。もし精巣内にも精子が見つからない場合には精巣内から精子細胞を探して、それらを用いた顕微授精が必要です。[2009年12月2日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
最も未熟な後期精子細胞で治療しています。
体外受精(IVF)は、全胚凍結して自然周期に戻す方が妊娠率は上がるようですが、後期精子細胞の場合はどうでしょうか?採卵周期のお薬の影響を考えると、未受精卵を凍結保存しておき、内膜の状態がよい時に移植するという方法がよいですか? 長期培養を希望しているのですが、だいたい2日目か3日目に戻しになります。それはどのような理由があるからでしょうか。また、2日目戻しと3日目戻しでは妊娠率に差はあるのでしょうか?
精子であろうが、後期精子細胞であろうが、全胚凍結−自然周期戻しが最も妊娠率が高くなります。
但し、後期精子細胞の場合は精子に比べて、胚凍結できない場合が少し高くなるだけです。いい胚であればもちろん凍結し、自然周期に戻すことが可能です。 胚の発育が少し遅れ気味の時は、無理に長期培養をせず早期に戻した方が有利です。3日目戻しの方が2日目戻しより、妊娠率は数%高くなります。[2009年12月2日] (院長:田中 温)
年齢:35 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
重度の男性不妊で顕微授精(ICSI)をしています。1回の射精で採取できる精子は1〜3個程度で、採卵当日は3回射精して何とか顕微授精をさせている状態です。
1回目の顕微授精で妊娠はしましたが、9週目に染色体異常にて稽留流産となりました。来月に凍結胚を移植する予定ですが、結果によっては、その後採卵となります。 1週間前に風邪をこじらせて腎炎になり、IgA腎症の疑いがあると言われています。来週に腎生検をする予定ですが、もしIgA腎症と診断が出たら、ステロイド投与を1年間行う治療になるそうです。ステロイド投与は精子に影響するのでしょうか?1回の射精量がごく少量であるので、腎炎治療のステロイドを使用する事によって無精子になるのではと不安でなりません。
テストステロンなどの蛋白同化ステロイドでは長期服用により、睾丸の縮小、精子減少が認められるケースがあります。しかし、IgA腎症で用いられるホルモンは副腎皮質ステロイドなので、そこまでの副作用は無いと考えられます。ひとまず腎生検の結果を待ってみてはいかがでしょうか。[2009年11月18日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:35 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:2回 人工授精:回 体外受精:回
勃起障害の治療のため、バイアグラなどを使用していますが、精子の数や運動に影響を与えるものなのでょうか?
バイアグラの作用は、陰茎内の血管に作用して、陰茎海綿体の中の血管の貯留を促すことです。ホルモン的な影響や、精液所見への影響はほとんど考えなくても良いと思います。[2009年11月18日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:29 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
重度の精子欠乏症(1mlあたり3匹くらい)と精子奇形症(見つかった3匹ほとんどが奇形)です。精子の数がこんなにも少ない上に、奇形ばかりです。
顕微授精(ICSI)しかないと言われましたが、正常精子がほぼないため、形がよさそうな奇形精子を使って顕微授精を行うと説明を受けました。奇形精子でも受精するのでしょうか?また、受精したとしても妊娠に至るのか、生まれてくる子供に影響はないのかなど不安ばかりです。
奇形が精子の頭部なのか尾部なのかわかりませんが、頭部が大きい、小さい、変形があるなどの場合には、染色体にも異常が起こっている可能性が高いので、妊娠率はかなり低下すると思われますし、たとえ妊娠できたとしても流産する可能性が高いと思います。
尾部のみの異常であれば正常妊娠も期待できますが、不動精子の場合には既に死滅していることもあり、その精子を用いて顕微授精(ICSI)をすると卵子も死んでしまいます。 射出精子の中から適切な精子が得られない場合には、最終手段として、副睾丸(精巣上体)や睾丸(精巣)から精子を採取する方法がありますが、外科的侵襲が必要であり、容易ではありません。 当院に限って言えば、精巣内で造られた精子自体が全て異常の場合や死滅している場合には、その1段階前の状態である(後期)精子細胞を用いることも多くあります。[2009年10月16日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
無精子症で、最も未熟な精子細胞で治療をしていますが、1度も陽性反応がでたことがありません。
セントマザーで細胞を使って治療されている方のブログを拝見すると、院長から「細胞を15本使い切るまでには妊娠しますよ」「あなたは必ず妊娠します」と言われている方は妊娠して無事出産されています。このような方は、細胞といっても、精子に近いステージなのでしょうか?妊娠率は細胞のステージによってどのように異なるのでしょうか。教えて下さい。
精子細胞は、sa、sb、sc、sdとステージがあり、saが最も未熟でsdが精子の直前の状態です。ですから、sdに近くなるほど、妊娠率は高くなります。ステージによって、患者様にお話する内容が多少変わってくるのは、そのためということになります。[2009年10月16日]
(院長:田中温)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
これまでに1回妊娠をしましたが流産となり、そのあと3年間子供ができませんでした。早く子供がほしいのもあり、体外受精(IVF)を希望して、無事に妊娠に至りました。
体外受精をする時にクルーガーテストをしましたが、正常が3.1%しかありませんでした。二人目がほしいと思っていますが、自然妊娠はできるのでしょうか?
クルーガーテストとは、精子の形態について調べる検査です。精子をDiff-Quikという液で染色し、顕微鏡で観察します。14%が基準値となりますので、体外受精(IVF)になったと思われます。しかし、検査をしてから時間が経っているようですので、再度一般的な精子の検査を受けた後に方針を決定してみてはどうでしょうか。[2009年10月16日]
(産婦人科医:佐々木雅弘)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:7回
男性不妊で顕微授精(ICSI)をし、現在、結果待ちです。培養士さんから、今回精子の状態が良くなかったとの説明を受けました。精子無力症が原因で、治療を行っていますが、今回は、精子の数も少なかったということでした。極度に少なかったので、液を入れて強い精子が浮いてくる処理(スイムアップという処理でしょうか)ができず、適当に選んで顕微授精したそうです。精子の処理もせず、顕微授精をするなんて、こんなことってあるのでしょうか...
結果としては、採卵数4個のうち、2個は受精しませんでした。年齢のこともあり毎回採卵数も、多くて6〜8個程です。きちんと良い精子を選んでいれば、もっと受精したのでは・・・と思ってしまいます。極端に精子濃度が低いと、処理はできないのでしょうか。
精子数が極端に少ない場合は、スイムアップしても精子が上がってきませんので、培養液で全ての細胞を沈下させ、その中から動いている精子を選んで顕微授精(ICSI)することは一般的なことです。顕微授精の受精率はだいたい80% ですので、受精率が悪いのであれば、それは、精子ではなくて卵子のほうに問題があるのではないでしょうか。
良好な卵子を得られることが顕微授精、体外受精の成功率のほとんどを決めるといっても過言ではありません。すなわち、いかにあなたにあった排卵誘発法を決めるかということがポイントです。そのためには、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数・大きさ、および、E2・LH・FSHの値などより、あなたにあった排卵誘発法を見つけ、いい卵子を作ることが重要です。 あなたのおっしゃっている処理というのは、精子の良好な方が行うスイムアップのことだと思います。精子の状態が極端に悪い場合は、直接培養液で洗ったのち、沈殿の中から精子をピックアップするということは、私たちもよく行いますが、胎児に影響はありませんよ。[2009年10月1日] (院長:田中温)
年齢:36準 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
主人は幼い頃(6歳の頃)、停留睾丸の手術をしており、睾丸が片方しかありません。なかなか子供にも恵まれず、先日、精液検査をしたところ、無精子症と診断されました。まだ検査結果を主人に伝えることができずにいます。
停留睾丸が原因で不妊になってしまった場合、どのように治療を進めていくべきなのでしょうか。非閉塞性無精子症ということなのでしょうか。睾丸を切開して精子または細胞が見つかる可能性はあるのでしょうか。
睾丸(精巣)の大きさが正常なのか、小さいのかは重要な所見です。停留精巣でも、手術で精巣内に精子やその前の段階の精子細胞が見つかることもありますが、見つからない場合もしばしばあります。
採血をしてLH、FSH、テストステロンの値を調べてください。FSHが正常値よりも高い場合には「非閉塞性無精子症」の可能性がかなり高いと思います。まずは手術をしてみないと、精子細胞が見つかるかどうかは判断が難しいのが現状です。[2009年9月17日] (産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
精子細胞を見つけていただき、顕微授精(ICSI)にチャレンジ中です。ふと気になったので質問ですが、精子細胞を使って、双子を出産された方はいらっしゃいますか?
使用した配偶子が精子でも精子細胞でも、妊娠し、胎嚢が確認できたのであれば、産科の経過は自然妊娠と同様と考えていただいて結構です。当院ではもちろん、精子細胞で双子を出産された方はいらっしゃいますよ。[2009年9月17日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:2回 人工授精:回 体外受精:回
主人が無精子症で、他院でMD-TESEの手術を受けました。
結果は、精子はゼロ、精子細胞も10段階でいうと1〜2の状態のものしかないということでした。 どうしても諦めきれないのですが、やはり主人の子供を授かるのは難しいのでしょうか?気持ちの整理がつかず、相談をしました。
MD-TESEの評価は、まだ一定しておりません。60%以上採れるという施設もあれば、10〜20%という施設もあります。このようなばらつきがある原因としては、精子だと思った細胞が、実は精子ではないということが多くあるからです。細胞には、尻尾のように鞭毛が生える細胞がたくさんあります。このあたりの判断が十分でなければ、精子の回収率が非常に高くても実際は精子ではなく、顕微授精(ICSI)では妊娠しないという結果となってしまいます。このような方の場合、精子はたくさん見つかるが、なかなか妊娠しないというのが現状のようです。
また、TESEの時に重要なポイントとして、採取のテクニックのみならず、採取後の細胞の処理もあげられます。採取した細胞すべてを遊離状態にして、ひとつひとつ正確にその細胞を判定していくことが重要ですが、意外とこの技術がまだ浸透していのが現状のように思われます。 精子細胞もいろいろな段階のものがありますし、DNAの鑑定をしないと分からないようなものもあります。このような精子細胞のことに関しては、経験と診断能力によって多少差が出ると思います。現実的には、精子細胞を用いた妊娠率は精子に比べると半分以下となり、流産率は2倍以上となりますので、実際にお子さんがうまれる率は10%ほどになると思います。しかし、チャンスはあると思います。 この分野は施設によって評価が異なりますし、成績も異なるようですので、よく主治医と相談し方針を決められてください。[2009年9月17日] (院長:田中温)
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