回答一覧 - 最新医療(着床前診断・産み分け 他) No.1 -
年齢:45 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:100回 人工授精:7回 体外受精:4回
 海外在住です。加齢のため、受精卵提供を4回試しましたが、なかなか妊娠しません。受精卵は20代の男女で、グレードの良い胚盤胞です。私には血液検査も問題なく、子宮鏡検査でも、問題なしと言われています。また、5年前に自然妊娠で、帝王切開をしております。
 担当医からは、すべて問題なく、どうして妊娠しないのか不思議だと言われています。日本の先生方なら、どのような治療をされるのか、教えてください。
 現在は、子供用アスピリン、プレドニゾロン10mgを服用しています。また、腰や背中が痛いので痛み止めの貼り薬やDHEA50mgを使っています。やめた方がいいでしょうか。また、移植後に、何かが出てくる感覚がありますが、問題はありませんか。着床しない理由は、人種の違い(私が日本人、受精卵は白人)が関係あるのでしょうか。

 受精卵提供ではなくて、卵子提供なのでしょうか?日本では胚の提供は認められておりません。世界でも少ないと思います。
 本当に、精子も卵子もまるっきり他人で作られた胚の凍結ならば、あなたの内膜をチェックしながら、一番良い時に融解して、戻しを行えば、それほど着床は難しくないと思いますよ。戻しまでは、自然周期でされているのでしょうか。内膜の状態をよくする(厚くする)ために、ホルモン剤(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)を使うこともありますよ。[2008年7月15日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 パートナー(男性39歳)がロバートソン転座(13、14番異常)、精子の数が300万/日です。
 ダウン症や同じロバートソン転座を持つ子供が生まれる割合、正常な子供が生まれる割合、流産の割合等を教えてください。また、父親のロバートソン転座がどのように遺伝するのかを知りたいです。
 体外受精(IVF)で妊娠した時に、受精卵で染色体の異常などを検査することはできないのでしょうか。どのような治療を行っていけば、正常児の確率が高くなるのか、教えてください。

 男性の13、14番のロバートソン転座で、奥様の染色体が正常な場合、生まれてくる子供は2通りあります。それは、正常均衡型ロバートソン転座と不均衡型です。不均衡型とは13番、14番の染色体が1本多いか少ないかの場合です。
 はっきりした数字はまだ報告されていませんが、ロバートソン転座の場合には、正常なお子さんが産まれる確率は50〜70%で、不均衡の場合は20〜30%と考えられます。これまでに、流産を2回以上繰り返し、染色体以外のスクリーニング検査で異常が無い場合(流産の原因が染色体によるものであることがいえる場合)には、着床前診断が可能となります。着床前診断を行えば、不均衡型の胚を移植せず、正常型に戻す事が可能となります。[2008年5月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 今話題になっているiPS細胞(人工多能性幹細胞)では、精子や卵子を理論的に作り出すことができるとのこと。将来、無精子症への治療へ応用されるとしたら、どのような治療方法になるのでしょうか?iPS細胞から精子を作成して体外受精(IVF)ということになるのか、それとも、iPS細胞から精巣を再生して精子を作れるような環境を整えるのか・・・教えて下さい。
 iPS細胞の不妊治療への応用について、セントマザーでのお考えをお聞かせ下さい。

 iPS細胞は注目されていますが、臨床応用はまだまだ先の話です。特に、精子や卵子という配偶子、将来生命の源となる細胞に関しては、今までも確実な成功は認められておらず、実際に臨床に使えるかどうかなどの詳しい事は、現段階では確認できておりません。私個人としては、あまり期待できないのではないかと思います。[2008年2月1日]
(院長:田中温)
年齢:40 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:3回 体外受精:6回
 14年不妊治療をうけておりますが、最近は内膜が厚くならず、凍結卵を戻すこともできません。
そこで代理母という制度があればと思っていますが、日本でそういった制度は認められないのでしょうか?もしもできるのであれば、費用や治療手順を教えてください。また、日本で無理な場合は、どの国で行っているのか教えてください。

 代理母制度は日本では、認められておりません。現在、日本学術会議が検討しているようで、来年1月末までには正確な国レベルでの方針が出ると思います。現在のところは、認められておりません。[2007年12月16日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:6回
 結婚が遅く、子宮内膜症もあったため、自然妊娠を試みずに41歳から不妊治療を始めました。卵管造影検査の結果、片方の卵管が閉塞していたため、年齢も考慮し、最初から体外受精(IVF)を受けることになりました。
 治療の期間中、冷え性などの体質改善などを行い、採卵数も増え、最近では10個まで卵が採れるようになりました。妊娠はするものの、流産が3回続きましたので、着床前診断を受けることにしました。その結果、4回続けて(3ヶ月おき)、全ての受精卵に染色体異常が見つかりました。主治医からは、これ以上続けても同じ結果だろうから、卵子提供を考えてはどうかといわれています。提供者は若いほど良いとのことですが、身内や友人は高齢の者ばかりで、提供者に適した者が見つかりません。私たち夫婦は、血のつながりを第一と考えているわけではありません。もっとも適切な方法を教えてください。お伺いしたいのは、次の4点です。
 1. 治療を続けても、やはりすべてが染色体異常という結果になるのでしょうか。
 2. GIFT法やZIFT法は、私のような状況の者でも、受けることが出来るのでしょうか。
 3. 卵子提供を国内で受けられるでしょうか。受けられる場合、卵子提供者を紹介していただけるのでしょうか。
 4. 海外で卵子提供を受ける場合、コーディネーターや病院の紹介はしていただけるのでしょうか。
 診断が必要ということでしたら、必要な資料(カルテなど)を教えて下さい。すべてを準備してセントマザーに転院したいと思います。お願いします。

 あなたがお受けになられたのは、着床前診断ではなく染色体スクリーニング(PGS)のことでしょうか。日本では、着床前診断の適応としては、体外受精(IVF)のスクリーニングは含まれておりません。海外では、体外受精の胚の染色体の一部分(すべてではありません)を調べて、スクリーニングする方法が行われています。染色体スクリーニングの異常に関しては、トリソミーという数の異常とモザイクという状態の2通りあり、モザイクの場合には異常という結果が出ますが、ほとんどの場合は問題がないという報告もあります。あなたの結果は、すべてが数的異常(トリソミー)ということでしょうか。GIFT・ZIFTは、高齢の方にとっては有利な方法であると思います。卵子提供は、まだ日本では認められておりません。当院では、紹介は行っておりません。[2007年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:44 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:12回
 高齢で、なかなかよい卵が採れずにうまくいかず、悩んでいます。日本では卵子の若返りは安全性の問題で認可されていないということですが、本人の卵丘細胞からミトコンドリアを集めて、卵子に注入することで卵子が若返り、20名近くが妊娠・出産という情報を見つけました。これまでの若返り法とは違って、第3者のミトコンドリアではなく、本人のものを使用するので、倫理的な問題はないのではないかということですが・・・台湾では認可されている方法なのでしょうか?もしも認可されていて、台湾にて治療ができるのであれば、この治療をしてみたいのですが、無理なのでしょうか?

 台湾の産婦人科医が、卵球内のミトコンドリアを分離し、これを老化卵子の中に入れて、若返りさせるという方法は、3年程前に小さな論文が出ました。自分の細胞のミトコンドリアを使うので、倫理的な問題が発生せず、非常によい方法だと思いましたが、私たちが調べた限りでは、この方法はほとんど効果はありませんでした。詳しい論文を見ていませんで、なんとも言えませんが、採卵時の卵球細胞が老化していれば、この時点でのミトコンドリア自体も古いものと思いますし、ミトコンドリアという細胞内器官は、卵細胞質内に入れて、すぐにその効果を生じるものではなさそうです。はっきりしたことはわかりません。もう少し、論文を見て検討しなければなりませんが、今のところは、あまり期待できないものと考えています。[2007年7月15日]
(院長:田中温)
年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 核置換法に関するトピックを拝見しました。田中先生の研究熱心さに脱帽です。この置換法は、将来的に、いつごろ実施していただけるようになるとみておられますか?
 私は卵巣機能不全で成熟卵が取れません。最終的には、海外での卵子提供で治療を考えていますが、この治療が日本で受けられるならば、今すぐにでもしていただきたいです。
 現在、39歳で、生理はまだ自然にありますが、FSHが20〜40の値なので、閉経しかけていて、残された時間が少ないと思っています。現在では、たとえ未成熟であっても卵が取れていますが、核すら取れなくなれば、もう希望がなくなります。例えば、将来のために、核(卵)の保存などができるのであれば、教えて欲しいです。 卵子提供のどこがいけないのでしょうか・・・この少子化に、子供が欲しくてたまらなくて、辛い不妊治療を頑張っている私達のために・・田中先生に頑張っていただきたいです。
 卵はできるけれども質が悪くて、何度も体外受精を繰り返している方にとっては、核置換法は非常に有用な治療法だと世界中で期待されていますが、実際の臨床には至っておりません。クリアしなければならない問題が、何点かあります。それと同時に、卵子の提供が前提となります。ですから、日本で臨床に至るまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。おそらく、欧米では近いうちに成功例がでると思います。[2007年4月15日]
(院長:田中温)
 不妊治療を始めて5年になります。今まで色々な方法を試してきたのですが妊娠には至っていません。排卵誘発法も色々と試してきましたが、良い卵が採れたことはありません。卵子提供という道があることを知り、色々と調べてみたのですが、日本ではまだ可能ではないということで、とてもがっかりしています。言葉の壁がありますし、経済的な問題もあり、海外まで行って受けることは不可能に近いと思っています。卵子提供は日本でできるようにならないのでしょうか?私も主人もそろそろ「高齢」といわれる年齢になってきたので、このまま妊娠できないのでは...と焦っています。

 日本産婦人科学科および当時の厚生省は卵子提供を条件付で容認しておりますが、まだ議会を通過しておらず、制度化しておりません。国が不妊治療に対し、卵子提供がなければ子供ができない女性のことを真剣に考えて、是非、制度化促進をしていただければと思っております。私たちも微力ながら、卵子提供実現のため、患者様の運動を手助けしていきたいと考えております。[1周年特別企画 2006年12月20日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:0回
 現在、男の子がいて2人目は女の子を希望しています。タイミング法を3回試みましたが、妊娠していません。
 女の子を希望する場合は、時間がかかると聞きましたが、気ばかり焦ってしまい、2人目不妊ではないかと不安です。排卵前には、病院で診ていただいていますが、卵子は作られていても、排卵していない可能性もあるといわれ、次回は、排卵誘発剤を使用しましょうと言われました。
 このような状態で、産み分けにこだわるのもどうかと思いますが、排卵誘発剤などで産み分けは可能なのでしょうか?

 男女産み分け法には色々な方法が報告されていますが、フロサイトメトリーを用いた方法以外は、根拠はないと言われております。要するに、膣内のPHや体位などで産み分けができるということを科学的に証明した報告はされておりません。性別にこだわらず、元気な2人目を作ることを思われてください。[2007年2月14日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:8回 人工授精:0回 体外受精:0回
 これまでに5回の流産をして、検査した結果、染色体異常(ロバートソン転座保因者)とわかりました。その頃は着床前診断が認められていなかったため、タイミング法を試して1年がたちますが、妊娠もしなくなってしまいました。着床前診断の認可がおりたことを知り、病院を探しています。関東在住なのですが、セントマザーは遠くて行くことができません。どのようにして探したらよいでしょうか?

 着床前診断は、日本産婦人科学会に患者様の症例を申請し、許可が出た時点で治療が可能となります。現在のところ、着床前診断で申請しているのは、当院と名古屋市立大学しかありません。この治療を御希望であれば、申請後、臨床開始の許可がおりた施設でしかできません。[2006年6月1日]
(院長:田中温)
年齢:不明 基礎体温:二相性生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先日、主人が無精子症と診断されました。精巣正検をしようと思っているのですが、主人は軽度の筋ジストロフィーの家系です。(デュシェンヌ型ではありません。)
 まだ20代で、顕著な症状は表れていませんが60歳までには車椅子の生活になることが予想されます。もし、子供に恵まれたとしても、女の子であれば保因者となり、その子に男の子が生まれれば、悲しみが繰り返されてしまいます。ですが、男の子であれば遺伝しないと聞いています。
 病気が遺伝すると知っていながら子供が欲しいと思うのは親のエゴだとわかってはおりますが、できるなら子供が欲しいのです。もし精子が見つかり、無事に顕微授精が成功したとした場合、着床前診断をしていただけるのでしょうか?デュシェンヌ型でないと無理なのでしょうか?

 無精子症の場合、睾丸内精子が見つかれば顕微授精(ICSI)で妊娠は十分にありますし、精子がなくても後期精子細胞で妊娠は可能です。
 受精後8分割胚から割球を1〜2個取り出す着床前診断は、技術的には可能ですが、申請をして認可されなければなりません。そのためには、具体的な病名や原因のある遺伝子がわかっている必要があります。筋ジストロフィーにはいろいろなタイプがあり、遺伝様式もいろいろありますから、この点を詳しくお聞きになられてください。
 以上より、まずは御主人の病名を調べ、どの染色体のどの部分の遺伝子に原因があり、その診断はできるのか、又どの施設で可能であるのかなどをご確認されて下さい。以上の点がクリアできれば着床前診断の申請をし、認可されれば治療可能になります。[2006年5月4日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。今月、パーコール法による男女の産み分けができるようになったとの記事を読みました。現在、男の子が1人います。子供は2人と決めていますので、ぜひ女の子がほしいと思い、SS(Sex Selection)研究会の産婦人科に通っています。
 しかし、いつも卵胞チェックのみの診察で、7〜8ピンクゼリー使用のタイミングをもっていますが、なかなか妊娠しません。(1度、初期流産をしたようですが…)もしも、セントマザーでパーコール法による産み分けを施行してくださるとしたら、費用はいくらかかりますか?およその金額でかまいませんので、教えてください。

 複数の同じ性のお子さんを持った方が、違った性のお子さんを持たれたいというお気持ちは良く理解できます。しかし問題点は、この産み分けのために行われている技術が果たして科学的に効果があるものかどうかという検証は全くなされていないということです。民間療法などが広く伝わっておりますが、その実態に関して証明されたものはございません。パーコール法を用いたX・Y精子の分離は、動物の世界では不可能であるということが証明されております。またピンクゼリーは、膣内のpHを利用したものだと言われておりますが、これも膣内のpHとX・Y精子の分離に関した化学的な論文は報告されておりません。[2006年5月15日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 はじめまして。これまでは仕事や主人の協力の問題があり、この年齢になってしまい、とても焦っています。基礎体温や、子宮、卵巣の状態は良好ですが、通水検査の結果、狭窄だといわれました。卵管造影検査はまだしていません。周囲の同年齢の人たちは、流産や子宮外妊娠などが本当に多く、また、年齢リスクによる異常を考えるととても不安です。着床前診断の存在を知ったのですが、希望すればセントマザーにて行えますでしょうか?また、遠方に住んでいるのですが、それまでの処置については、地元の病院と連携を行っていただけますでしょうか?
 「まず妊娠することが目的だから!」とよくいわれますが、私は「健康な赤ちゃんを産むことが目的」なのです。流産や、年齢リスクを気にすることなく、安心な妊婦生活を送りたいです。

 これまでの御苦労、心より御察し申し上げます。
 2006年2月現在、着床前診断は、重篤な遺伝性疾患(遺伝子や染色体に原因があることがはっきりとしている方)に限られています。現在では、高齢(加齢)による異常胚を着床前に診断する方法は、欧米では行われておりますが、日本では認められていませんので、残念ながら、あなたのお申し出はお受けすることはできません。
 着床前に診断することは不可能ですが、妊娠後、出生前の胎児の染色体を調べる代表的な検査として、羊水検査があります。当院でも、高齢出産の方には羊水検査ができることをご説明しており、1〜2割の方が検査を受けられております。しかし、検査によるリスクもありますので、検査をご希望の際は、必ず担当医に相談をして、しっかりとご説明をお受けになられてください。[2006年2月1日]
(院長:田中温)
 今年43歳になりましたが、年齢が高くなるとダウン症の子供が産まれる確率が高くなると聞いたので、不安に思っています。着床前に染色体異常検査は受けられるのでしょうか?もしも、多胎妊娠の場合には羊水検査で1人ずつを判定できるのでしょうか?

 ダウン症(21トリソミー)の発生率は20歳代では0.1%、30歳代では0.2-0.8%、40歳代では1-3%となり、母体の年齢が高くなるに従って明らかに高くなります。発生率は若年者に比べて10倍ほど高くなりますが、全体から見れば1-3%です。逆に言えば、99-97%は正常ということですので、それ程高い値ではないとも理解できます。
 40歳以上の場合には、絨毛検査(妊娠10-11週の頃)、または羊水検査(18週前後)を行なうことをお勧めしております。
 多胎妊娠の場合には、羊水検査は一人ずつの判定が可能です。絨毛検査では、胎児の胎盤の位置の区別がつけにくくなり、正確な判定が難しくなる頻度が高くなります。
(院長:田中温)
 不妊治療を始めてから、質の良い卵がなかなか出来ません。昨今、新しい不妊治療法として、卵子若返り法がマスコミでも取り上げられているようですが、どのような治療法なのでしょうか?セントマザーでは、卵の若返りができるのでしょうか?

 体外受精で最終的に妊娠に至らない方の大半は、高齢による卵子の老化だと思います。女性の卵巣は、出世後、閉経期に向けて卵子の細胞は確実に減少していきます。これは自然の現象ですので、この流れを止めることはできません。
 40歳で排卵する卵子は排卵が始まった時にできた卵子です。すなわち40歳で排卵した卵子は、20年以上もそのままの状態で排卵を待っているわけです。ですから、染色体異常の発生率が高くなるのは当然のことです。
 メディアでは「卵子の若返り法」という分かりやすい言葉を使っていますが、この方法の実際は、ご自身の遺伝子が98%含まれている核を用いて、染色体の分裂に必要な細胞質を若い人からもらうという方法です。ですから、卵子の提供が認められなければ治療できません。日本では、まだ卵子提供は認められておりませんので、臨床応用は不可能です。また、卵子提供があり、認められたとしても、核を操作する技術に関しては、まだ世界的にも容認されておりませんので、今すぐに治療を受けることは難しいかもしれません。しかし、将来的には必要になる治療法ではないと思っております。
(院長:田中温)
 はじめまして。現在、3人の男の子を持っておりますが、女の子が欲しくて4人目を考えています。
 セントマザーは、SS研究会(Sex Selection研究会)に属しているとお聞きしておりますが、遺伝等の病気に対するものでなく、希望する性で、産み分けの指導をして頂けるのでしょうか?
 ご指導いただける場合は、詳細内容や費用について教えてください。

 男女の産み分けに関しては、多くの書籍が店頭で売られておりますが、その内容はほとんど医学的に証明されていないものばかりだと言われております。
 唯一可能性のあるものが、フローサイトメトリーによるX,Y精子の分離です。この方法は家畜では行われているようですが、特殊な色素やレーザー光線を使うことによって、精子のDNAに障害を及ぼす恐れがあるということで、ヒトへの応用は危惧されております。しかし、アメリカではすでに臨床応用がスタートしているようです。特殊な遺伝病などの以外での産み分けの指導はパーコール法によるものが行われていますが、このパーコール法で女児となるX精子の分離はやや平均値よりも高まる程度であり、決して非常に高くなるとは思わないで下さい。この様な内容でよろしければ、一度来院されてみて下さい。
(院長:田中温)
 現在34歳、3人の子供に恵まれましたが全員男の子です。
 不妊症に悩んでいらっしゃる方のことを思うと贅沢な悩みなのでしょうが、どうしても女の子が欲しいのです。経済的なことなど考えると無理しても4人が精一杯、次回がラストチャンスです。
 病気などではなく、ただ女の子が欲しいというだけでは産み分けをしてもらうことはできないのでしょうか?産み分けの有効的な方法を教えていただけないでしょうか。有効的方法をご指導いただける場合には、費用はどのくらいかかるのでしょうか。

 残念ながら高率な産み分けの方法はございません。X連鎖性劣性遺伝などの病気回避の為の、産み分けは認められておりますが、一般的な男女の産み分けは、日本ではガイドラインとして認められておりません。
(院長:田中温)
 現在、私は32歳、夫は41歳で、2人の子供(長男3歳、次男2ヶ月)がいます。夫婦で3人目を望んでいますが、2人が男の子なので、次はぜひ女の子を、と思っています。セントマザーでは産み分けをできると聞きましたが本当でしょうか?本当ならば、どのようにして産み分けをするのか、その費用、通院回数などを詳しく教えてください。

 当院では男女の産み分けはしておりません。
 男女の産みわけは、よく目にしたり、耳にしたりしますが、実際にはなかなかうまくいかないのが現実です。色々な食事やタイミング、ゼリーなどがありますが、ほとんどが産みわけできないというのが一般的な考え方のようです。
 医学的に唯一産みわけを認められているケースは、X連鎖性の遺伝(デュシェンヌ型筋ジストロフィー・血友病など)の様に、男児には発症し、女児には発症しないという遺伝病に際してのみ精子の分離が容認されておりますが、このパーコールでの分離も実際には、それ程高い物ではないといわれておりますよ。
(院長:田中温)
 これまでに色々と治療をしてきて、私達の選択は卵子の提供しかないと言われています。日本では卵子提供はできないので、海外に行くことになりますが、戻し前や戻し後のフォローを日本国内の不妊治療病院に依頼することはできるのでしょうか?

 日本産婦人科学会のガイドラインには、卵子提供は、積極的には関与しないことが決められております。しかし、私自身は、患者さんの希望によっては、必要な準備などはしてはいいのではないかと思っております。積極的に提供を援助する立場ではなく、準備のお手伝いという意味では、私は可能ではないかと思います。
(院長:田中温)
 妊娠しやすい時期に、男性がお酒を飲んで夫婦生活をすると、男の子が生まれやすくなると聞きました。本当でしょうか?

 男女の産み分けとして、民間療法でいろいろな方法が報告されていますが、現在のところ、アルコールと男児出産率に関する因果関係は報告されておりません。
(院長:田中温)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る