回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.1 - |
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22歳の時に性交痛を感じ、受診をしたところ、子宮内膜症と診断されました。軽度だったので、薬で治療することになり、10ヶ月間服薬を続け、治療が終わりました。治療終了から1年後の検査では、完治はしていないものの特に治療の必要はないと言われました。現在でも特に治療をしていません。
ただ、完治はしていないということなので、悪くならないかと不安になります。妊娠したらよくなると聞きますが、まだ妊娠は望んでいません。できるだけ定期的に検査に行くようにしていますが、薬などで内膜症を進行させないことはできないのでしょうか?
内膜症の真の原因はいまだ不明です。しかし、女性ホルモンの影響を受けて月経を繰り返す毎に悪化してゆくことは多く、不妊症の重要な原因の1つです。妊娠や出産によって症状が改善することは経験的に知られています。あなたの場合、現在は妊娠を望まれていないようですので、定期的に検査を受けて悪化しないよう気をつける必要があります。また、多くの内膜症に対する薬物療法がありますので、主治医と相談されて自分に合った薬物療法を選択することも大切です。一般的にはGnRHアンタゴニストのスプレーや月1回の注射、グチゾールの内服を行います。しかし、最良の治療は結婚し、妊娠され、子どもを持つことと思います。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
妊娠反応が陽性になって喜んでいたのもつかの間、子宮外妊娠という結果で、左側の卵管を手術でとりました。右側の卵管はまだ残っていますが自然妊娠は可能ですか?もう2度と同じ経験をしたくないのですが、子宮外妊娠をしないための予防は何かありますか?
手術で子宮外妊娠の処置を行う場合、90%以上は卵管に問題がありますので、多くは卵管切除を行います。すると片方の卵管が残存するのみとなりますが、片方でも完全に正常であれば率は下がるものの自然妊娠は可能です。しかし子宮外妊娠の再発の危険もありますので、十分注意せねばなりません。また、予防という面では、クラミジア感染症や子宮内膜症が存在する事が多いので、治療が必要であれば薬物治療なども行っておくことも予防に繋がると思います。
(産婦人科医・麻酔医:姫野憲雄)
現在37歳で、体外受精などの治療をしています。最近、以前よりも生理の量が減ったように思います。また、以前は生理痛がひどく、痛み止めの薬がなくては過ごせない状態でしたが、最近ではそれもあまり感じなくなりました。現在でも、2日目だけは量は多いのですが・・。内膜の厚さが薄くなりつつあるのでしょうか?それとも閉経がちかいのでしょうか?
体外受精においては、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの周期的投与(カウフマン治療)を行ったり、セロフェンやHMGで排卵刺激を行って人工的に卵を作ってゆきます。その結果、以前の自然周期の内分泌環境とかなり異なった状態となります。その為、月経血の量が減ったり(逆に増えたり)、痛みがなくなったりします。これらの変化は、治療に伴うものですので、内膜の厚さが薄くなるとか、閉経が近いとかというものとは違いますので、ご心配はいりません。治療を止めれば、元に戻ります。
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
結婚して2年が経ちますが、自然に妊娠せず、先日病院で検査を受けたところ、子宮奇形と診断されました。手術をしなければ妊娠できないのでしょうか?できれば、手術は避けたいのですが何かよい方法はありませんか?
子宮奇形にもいろいろなタイプがありますが、その中で流産が最も多いタイプは中隔形成です。これは、子宮の中央に中隔ができている状態ですが、この手術の成功率は高いことが知られています。
しかしながら、現在は、体外受精の着床率が非常に高くなっておりますので、体外受精を先に受けられても十分ではないでしょうか?もしも、2回以上流産を繰り返した場合は、手術も考えるべきだと思います。しかし、これまでに流産をされていない場合には、まずは、通常の不妊治療を受けられた方がいいと思います。 (院長:田中温)
こんにちは。なかなか妊娠せず、不妊治療を1年になります。これまでの治療で周期の6割が黄体化非破裂卵胞症候群(LUF)だといわれました。この症状がよくわからないのですが、LUFの原因は何なのでしょうか?
黄体化非破裂排卵症候群(LUF)とは、排卵すべき時期なのに排卵できず、卵胞の中に黄体ができて黄体ホルモンが分泌される状態で、この原因はほとんどが不明です。
クロミッドを使う場合によく起こりますが、繰り返すことはあまりありませんので、心配はありません。しかし、何度もLUFを繰り返す場合には、子宮内膜症や子宮筋腫による卵巣周りの癒着や、慢性虫垂炎後の腹膜炎などの感染症の影響が考えられますので、腹腔鏡検査を受けることをお勧めします。 (院長:田中温)
治療をして、3年が経とうとしています。最近、生理の量が極端に少なくなったように思い、不安になっています。生理の量と内膜の厚さ関係しているのでしょうか?生理が少ないと内膜も薄いのでしょうか?
月経の血量は、年齢と共に低下し、内膜の厚さと関係します。月経は剥奪してきた内膜組織と血液とが混じったものですので、内膜が薄い場合には、月経血の量は少なくなる可能性が高いと考えられます。しかしながら、いつも月経量が少なくても子宮内膜が厚くなる方や、子宮内膜が薄くても突然出血量が増える方もおられますので、必ずしも月経の出血量が少ない方は子宮内膜が薄いというわけではありません。自然の場合、量が急激に極端に減ることはまずないと思いますが、排卵誘発後や流産後などは減ることがあります。このような場合、時間が経てば元に戻りますので心配はいりません。
(院長:田中温)
こんにちは。26歳女性です。なかなか妊娠せず、病院に行ったところ、基礎体温を測るようにといわれました。まだ慣れていないので、うまく測れていないのかもしれませんが、基礎体温がガタガタになっています。わたしは、平熱が35度台と低いのですが、基礎体温と関係があるのでしょうか?妊娠できるのか心配です。
平熱は、人によって基礎温度が違いますので、35度が低いから妊娠しないとお考えにならないでください。低温層が35度でも、ちゃんと高温層があれば、妊娠の可能性は十分あると思います。大事なことは、低温期と高温期の温度差が0.3〜0.5℃以上あれば、卵巣の機能が正常ですので、ご安心ください。
(院長:田中温)
こんにちは。治療を始めてから3年になりますが、気になることがあって質問しました。毎日、血圧を計っているのですが、ホルモン剤を使用すると、血圧が高くなるように思います。これは副作用でしょうか?問題ないのでしょうか?
エストロゲン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンには、血圧上昇作用に影響を与えることがありますので、高血圧症の方は十分注意されることが必要でしょう。内科的治療が必要な方は、前もって十分にコントロールされる方がよいと思います。また、これらのホルモンは、血管内の血栓を形成しやすくする作用も報告されています。このような点からも、血圧に影響を与えることは十分考えられますので、その点で要注意です。しかし、短期間内の使用であるならば、まず問題ないと思いますよ。
(院長:田中温)
周期3日目のFSHの値が、標準よりも高かったのですが、どのくらいの値だと妊娠が難しくなりますか?
FSHの値は、15mIU/ml以下がふさわしいと言われておりますが、これは、全ての女性に当てはまるというわけではありません。正常な卵巣機能を持つ女性では、FSH値が20を多少超えても、妊娠結果に影響がない場合もありますので、FSHの値だけで、周期をキャンセルする必要はないと思います。ただし、月経周期不順の方や高齢の方の場合には、このFSHの値は参考となります。
(院長:田中温)
先日、検査を行ったところ、卵管が片方閉塞しているといわれました。とてもショックを受けています。片方の卵管は異常なしとのことですが、妊娠は可能でしょうか?やはり妊娠できる確率は半分になってしまうのでしょうか?
妊娠は可能だと思います。卵管が閉塞している場合の確率は、両方開通している場合の半分といわれますが、実際にはそれよりも下がります。正確な妊娠率は腹腔鏡検査をしてみなければわかりません。たとえ残った卵管が通っていても、卵管周囲に癒着がある場合には、自然妊娠はほぼ不可能となります。ですから、腹腔鏡検査で、卵管の周囲の癒着があるかどうかを確認することが、妊娠できるかどうかを判断する上で重要になります。癒着がひどい場合には、体外受精をお勧めしております。
(院長:田中温)
抗精子抗体の疑いがあると診断されました。今後、どのような検査があるのでしょうか?また、どのような治療方法がありますか?具体的に教えて下さい。
不妊の原因となる抗精子抗体には、抗原の違いにより何種類かの抗体があります。そのうち、不妊症患者に特異的に検出され、受精を障害するなど不妊症の発生機序が明らかとなっているものは、精子不動化抗体です。この検査は、妻の血液と(比較対象として)抗体陰性の女性の血液に補体を加えた上で、精子運動率がどのくらい低下するかを調べる検査です。抗体価が高い場合には体外受精もしくは顕微授精(ICSI)が必要となります。
(院長:田中温)
基礎体温は、二相性になっているし、高温期も2週間あるので、何も問題がないと思っていましたが、黄体機能不全と診断されました。詳しい話によると、高温期と低温期の温度差が小さいからのようですが、どれくらいの差があれば、正常なのでしょうか?
低温層と高温層の差が、0.3-0.5℃あれば二相性と判断します。高温層が2週間近くあるならば、まず問題ないと思います。
もっと詳しく調べたいならば、血中の黄体ホルモンの値を黄体中期に測定してみてください。約20ng/ml以上であれば、黄体は正常に機能していると判断できます。また、超音波検査で子宮内膜の厚さが10-12mmあれば、同様に正常な黄体であると考えられます。 (院長:田中温)
子供が欲しくて、治療をしようと思っていますが、治療の前に少しでも自分で勉強しようと本を買いました。以前、子宮腺筋症と診断をされたことがあるのですが、購入した本には、子宮腺筋症だと着床が難しいと書いてあり、とてもショックを受けました。妊娠はもう無理なのでしょうか?
子宮腺筋症の程度が強くなりますと、子宮内腔を圧迫していきますので、子宮内膜が薄くなってしまします。その結果、着床率が低下してしまうことが多くなります。妊娠自体は不可能ではありませんが、着床率は下がってしまいます。早い段階で適切な治療(GnRHアゴニスト、ダナゾール、体外受精)を受けることが大切です。また、重症化する前に、早く妊娠出産することをお勧めします。
(院長:田中温)
プロラクチンの値が高いといわれ、テルロンを処方されましたが、一向にプロラクチンの値は下がりません。このまま、テルロンを飲み続けるしかないのでしょうか?他になにか方法はありませんか?
テルロンを飲むと、プロラクチンは必ず下がるはずです。もし、下がらないのであれば、脳下垂体の腫瘍が考えられます。脳の精密検査をされてください。または、なにか、精神安定剤や胃潰瘍の薬など飲んでいないでしょうか?そのような薬の副作用で、プロラクチンの値が下がりにくくなることもあります。
(院長:田中温)
だんだんと生理の量が少なくなり、すぐ終わってしまいます。これは、内膜が薄くなってきてしまったということなのでしょうか?
月経の量と内膜の厚さは、ある程度相関します。また、加齢に伴い、月経血量が減少することは、内膜の厚さだけでなく、ホルモンの分泌機能が低下していることも影響しているのかもしれません。しかし、ご本人が自覚しているほど、出血の量が内膜の厚さを反映していない場合もありますので、それほど気になさらなくてもいいと思います。
(院長:田中温)
卵管造影検査で、両卵管閉塞といわれました。卵管形成手術というのがあるとききましたが、手術をすれば、普通の人と変わらない妊娠率で、自然妊娠が可能なのでしょうか?
卵管形成術の適用は、卵管閉塞の部位によって、異なります。卵管形成術でもっとも成功率が高いのは、卵管結紮手術後の再建術です。この場合は、卵管が膨大部で結紮してあり、一番太くて余裕のある場所ですから、吻合術がうまくいく確率が高くなります。一方、子宮に近い、狭部もしくは間質部での閉塞では、内腔が狭いため、手術がおこないにくく、卵管形成術の成功率は非常に低くなっております。全体的に、卵管再建術後の自然妊娠率は、低くなるために、現在ではあまり行われていないのが現状です。
(院長:田中温)
血液検査で、FSH値が、かなり高くなっていると指摘されました。このままの状態で、妊娠できるのでしょうか?
体外受精の成功予測のひとつの指標がFSHの値であるということはよく聞かれます。しかし、患者さんの年齢が40歳未満で、周期的な基礎体温(二相性)で、高温層が10日以上ある場合では、FSHが高くても体外受精の妊娠率に差はありません。
40歳以上と高齢になった場合は、卵胞の発育を予知する上でFSHの値が重要となります。15mIU/ml以上では卵胞の発育が障害されますので、治療に入る前にホルモン剤を用いて、FSHを下げることが卵胞の発育に好影響を与えます。 (院長:田中温)
結婚が遅く、病院に行くのをためらっているうちに、40歳を越えてしまいました。でも、まだ子供があきらめきれません。これから治療を始めて、子供を持てるでしょうか?また、妊娠、出産、その後の子育てなどに、この高齢で大丈夫なのかと不安です。
40歳以上の妊娠率はあきらかに低下し、妊娠しても流産率が高くなりますので、現実問題として、出産率は非常に低くなると思ってください。しかし、現在、女性の体力は、昔とくらべ、5,6才若くなっていると思われますので、一概に年齢だけでは決められません。卵巣の反応によって、40歳でも健康な出産をされる方も多くおられます。大切なことは、戸籍上の年齢ではなくて、卵巣の年齢です。基礎体温が規則正しく、二相性になっているのであれば、チャンスはあるとお考え下さい。
(院長:田中温)
子宮内膜症の治療をしていますが、なかなかよくなりません。年齢も高いので、不妊治療と並行して行いたいのですが、内膜症の治療をしながらできる不妊治療はありますか?
子宮内膜症は、がんのような悪性の疾患ではありませんが、完治しないと、必ず進行していくという意味では、非常に悪性な不妊症の原因と考えられます。このような場合には、治療が先か体外受精が先かという問題になりますが、内膜症の治療は、排卵をおさえますので、妊娠できません。
かなり進行した場合には薬物治療の効果はあまり期待できませんので、体外受精にはいられたほうがいいと思います。しかし、中程度の内膜症の場合には、先に薬物治療をされることも、ひとつの方法だと思います。しかし、年齢が高い場合には、妊娠率が低下しますので、体外受精にはいられた方がいいのではないでしょうか? (院長:田中温)
不妊治療を始めようと受けた初診の卵管造影で、卵管が片方しか通っていないとわかりました。タイミングや人工授精(AIH)から始めても、妊娠の可能性はあるでしょうか?また、その確率は、療法通過している場合に比べて、どれくらい差がでるのでしょうか?
卵管造影で片側が閉塞している場合は、妊娠率は半分だといわれていますが、実際には半分以下になります。それは、卵管が閉塞する原因のひとつに感染症があるからです。感染症は、片方の卵管にだけ影響を及ぼすわけではなく、子宮卵管造影上、通過していると思われている反対側の卵管にもなんらかの影響を及ぼしていると考えられます。ですから、クラミジアや淋菌の検査を行い、陽性が出た場合には薬物療法を行います。そして、腹腔鏡検査をして、腹腔内や卵管の状態を検査し、このまま自然に放置していいかどうかを確認することが重要だと思います。
開通している卵管周囲に癒着が認められない場合には、タイミングや人工授精(AIH)からはじめてもかまいませんが、癒着が生じている場合には、体外受精にはいられた方がよいと思います。
(院長:田中温)
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