回答一覧 - 女性が原因の不妊について No.23 -
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:8回
 私は両側卵管閉塞の診断を受け(クラミジアではありませんでした)、体外受精での胚移植を計8回行いました。結果2度の心拍確認後の初期流産を経験し、現在に至ります。受精卵は胚盤胞まで育ちますがグレードは1.2ばかりです。
 両側卵管閉塞の診断を受けた時にFT手術の説明も受けましたが、当時はここまでの回数を想定しておらず、また体外受精に進んだ方が早いとの医師の提案もありステップアップしました。
 精神的にも経済的にも、一度ここでリセットしたいと考えFT手術を受けたいと考えるようになったのですが、以前の検査では両側とも根元から詰まりがあると診断を受けています。このような状態でも卵管の詰まりは解消出来るのでしょうか?また根元から詰まっていた卵管の通りが良くなり、自然妊娠をされた方はいらっしゃいますか?

 FT手術のとても良い適応になるかと思われます。実際両側とも根元からつまっていた方が両側根治し、自然妊娠するケースというのは全くめずらしい事ではありません。
 FT手術をされるべきだと考えます。[2016年11月10日]
(産婦人科医:御木 多美登)

年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:回 体外受精:3回
 AMH:2.99で、男性不妊(精子数30万/ml)のため顕微授精をしております。
 これまでロング法(13個採卵、G2:3個、G3:1個、D:9個)、アンタゴニスト法(6個採卵、G3:3個、D:3個)に挑戦しましたが、いずれも上記の通り良い卵子が取れず顕微授精をしても受精したのは1個、さらにそれも分割停止だったり遅かったりと、うまくいきません。
 生理周期は30日程度ですが刺激で採卵時期が早まり、アンタゴニスト法の時はD8で卵胞が22mmのものがあり、夕方にアンタゴニスト、夜中にHCGをうちD10で採卵でした。(D3でE2:19 LH:0.8 FSH:6.7、D8でE2:1106 P:1.04 LH:2.8)
 いつも質の悪いものしか採れず悩んでおりますが、今後は採卵時期を遅くしたり誘発方法を変えれば質が良くなる可能性もあるのでしょうか。また、アンタゴニストはHCG投与まで6時間程度の間隔でしたが、質に影響することはあるのでしょうか。

 なかなかお力になれず申し訳ありません。GnRHアンタゴニストはHCG投与まで時間を空けた方が良質な卵になるという報告もありますので、投与時間が胚質に影響を与えた可能性はあります。しかし最も大切なのは患者様に合った排卵誘発法の選択と採卵の時期ですので、再度誘発方法から提案させていただけたらと思います。[2016年11月10日]
(産婦人科医:市山 卓彦)
年齢:34 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 PCOSについて、治療方法や妊娠率などを教えてください。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 多嚢胞性卵巣症候群は生殖年齢女性の5〜10%くらいに認める頻度の高い疾患です。また病態として、インスリン抵抗性(糖尿病)が注目されており、排卵誘発と同時にインスリン抵抗性改善薬の併用が必要と考えます。
 まずは、クロミフェン療法で排卵誘発します。反応があれば排卵率は60%、妊娠率は約15%期待できますが、クロミフェンに反応がない場合は、FSHやHMGの注射を投与して排卵誘発します。注射の反応や結果をみて腹腔鏡手術も検討します。腹腔鏡下卵巣多孔術後の自然排卵率は70%くらい望めます。
 また、自然妊娠を考えていく上で、腹腔鏡内の観察も同時に可能ですので手術のメリットは多くあります。まずはPCOSのしっかりした診断をつけることがなにより大切です。[2016年9月20日]
(産婦人科医: 山口 貴史)
年齢:38 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 子宮頸がんになり、トラケレクトミー(子宮頸部摘出術)を受けました。タイミング法・人工授精をしましたが妊娠にはまだ至っていないので、体外受精にステップアップする予定です。
 トラケレクトミーを受ける前から妊娠・出産までにたどり着く確率が低いとの説明はありましたが、セントマザーで妊娠・出産まで至った方はいますか?どのように出産まで至ったか、治療方法や妊娠率、出産率などがあれば知りたいです。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 トラケレクトミー後、体外受精で妊娠に至った方はおられます。
 子宮頚部を切断しているため、子宮口が閉じてしまったり、もちろん子宮頚管粘液もなくなるため、自然妊娠成立は困難で体外受精が最も可能性が高くなります。いずれにしても一番の問題は、妊娠成立後の流産や早産のリスクです。長期管理入院や早産は必発と考えます。
 症例が多くないので妊娠率、出産率の詳細はありませんが、リスクを十分御理解頂いた上で、御相談しながら治療に入りましょう。[2016年9月20日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:42 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 39歳で、顕微授精にて第1子を出産しました。現在、第2子を希望し、第1子のときと同じ方法で不妊治療中です。
 卵はG1数個を含め、8〜10個採れました。「いい卵」と言っていただき、採卵周期移植と凍結胚移植を行いました。内膜の厚さは9〜12mmで、ホルモンは十分とのことで薬はありませんでした。採卵は4回、移植は6〜7回行っています。
 「十分妊娠可能」と言われていたのですが、移植しても妊娠まで至りませんでした。原因が分かりません。42歳になり、今後について悩んでいます。他にできることがあれば、トライしたいです。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 採卵可能であった卵子はG1も含まれていたとのことで形態評価としては良いと言えます。
 ただし、卵子の質に関しては言及できておりません。加齢による卵子の質の低下が主な原因と考えます。このメカニズムに関しては、詳細不明なことが多いですが、当院では“卵子の若返り”についてカウンセリングしておりますので、ぜひ御相談頂きたいです。[2016年9月20日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:37 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 子宮内膜症について詳しく教えて下さい。
 完治が出来ない、再発しやすいと聞きますが、将来妊娠を望む場合にはどのような治療をしておくべきでしょうか。(2016年7月 第17回 セミナーより)

 子宮内膜症の治療法には、内科的治療と外科的治療があります。あなたの年齢を考えますと、まずは卵管の癒着がどうなっているかを詳しく調べる必要があると思います。癒着があれば、内科的治療では妊娠に至りません。正確な診断をするためには、腹腔鏡検査が必要です。腹腔鏡検査をするのであれば、大きさが5cm以上ある場合には、腹腔内の診断、内膜症の進行具合、癒着があればその剥離もできますので、外科的治療をおすすめしたいと思います。ただし手術により卵巣予備能が低下する可能性もありますので、ご主人とよく相談されて、方針を決められてはいかがでしょうか。[2016年9月20日]
(院長:田中 温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 過去に子宮外妊娠となり、卵管を切除しました。卵管が片方しかない状態で卵管造影検査をしたところ閉塞していたので、FTカテーテルと腹腔鏡検査を受けました。腹腔鏡検査では癒着はないとのことでしたが卵管の開通は確認できず、その後の通水でも開通しませんでした。
 その後の治療はお休みしていましたが、1年後に自然妊娠にて第一子を授かることが出来ました。現在は第二子の自然妊娠を希望しています。FTカテーテル手術から4年ほど経過しているので再度卵管が閉塞しているのではないかと不安です。
 卵管が閉塞していた場合、2回目のFTカテーテル手術は可能なのでしょうか。

 再閉鎖している可能性も考えられます。まずは卵管造影をされてはいかがでしょう。
 閉塞している場合、再度のFTカテーテルは可能ですので、考えられてはいかがでしょう。[2016年4月23日]
(産婦人科医:御木 多美登)

年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:19回 人工授精:6回 体外受精:1回
 私は両方の卵管狭窄で不妊です。虫垂炎からの腹膜炎で開腹手術の既往歴があります。半年前にFTをして人工授精を6回しましたが妊娠に至らないため、卵管造影検査をしたところ再び両方が卵管狭窄していました。
 体外受精に踏み切り、採卵をして分割胚を凍結してあります。体外受精では子宮外妊娠の発生率が自然妊娠より高いことと、自然妊娠が諦めきれないのでステップダウンがいつでもできるようにするために、同時並行で再度FTを行うことにしました。
 FTした7日目から10日後に胚移植は可能でしょうか?子宮内が傷つきますか?
 ひとまず貴重な凍結胚はとっておき、人工授精などで自然妊娠にトライしようか迷っています。

 治療が長期間にわたっており、最善策は何か、というお気持ちをお察し致します。
 まずFTカテーテル施行後、同周期での胚移植はあまりおすすめしません。感染のリスクや子宮内腔の環境を考えると、次周期がよいでしょう。またFTカテーテルで卵管再疎通をすることは大切ですが、虫垂炎と腹膜炎の既往歴がありますので、自然妊娠を考える上では、腹腔鏡で卵管周囲癒着の有無を検査することがよいと考えます。[2015年10月2日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:35 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:15回 人工授精:5回 体外受精:3回 
 不妊治療を始めて5年目になります。
 最初のクリニックで子宮後屈、高プロラクチン血症と、過去にクラミジアに感染していたこと、右の卵巣に高い頻度で未破裂卵胞があることが分かりました。卵管通気検査では引っかからなかったのでカバサールを内服しながら1年間タイミング法を続け、2年目はタイミング法と人工授精を続けていました。患者さんの多いクリニックで診察を受けていたため流れ作業のように診察も終わり、左があるからということで次のステップアップに向けての話もなかなか進まずに過ごしていました。
 治療を初めてから3年目後半に今のクリニックに転院しました。初診の卵管造影検査で右の卵巣は癒着しているだろうという事と、左も癒着している可能性は否定できないとのことでした。子宮底部側には内膜ポリープがありましたが子宮鏡下ですぐに切除しました。子宮筋腫は筋層内のものが17mmと19mmの2つがありましたが、今は大丈夫との事でした。
 タイミング法を2回と人工授精を1回終え、治療4年半ごろに体外・顕微授精の準備に入りました。採卵をして、胚盤胞が10個(good6・fair1・poor3)、E2が高値だったので凍結しました。その後凍結胚移植を3回、うちホルモン補充法での移植は2回行いました。3回ともgoodの卵でアシステッドハッチングを行い移植しましたが、全て陰性でした。3回目のエコーの際に筋腫の大きさを測定してもらったところ、2つとも25mm程度の大きさになっていました。
 卵の質は良く、筋腫もまだ内膜を圧迫してない大きさなので先生も悩まれていました。筋腫があっても妊娠は可能と聞いていますし、手術後すぐ妊娠する人もいると言われ、その通りだろうと思いながらも筋腫の開腹手術に進むべきかどうか迷っています。クラミジアによる癒着をとっても開腹手術での癒着や筋腫の再発、その他の血液系の着床障害なのではないかと心配事がたくさんあります。goodの凍結胚が3つしかないので色々考えてしまいます。どれから手を付ければいいか分からなくなってきましたのでアドバイスをお願いします。

 開腹手術をすると、かえって癒着が強くなることがありますのでおすすめできません。
 大事な点は子宮卵管造影検査で開通が確認できても、卵管の外側の癒着は診断できません。卵管の正確な診断には子宮卵管造影検査と腹腔鏡検査の両方が必要です。あなたにとって1番大事な腹腔鏡検査が抜けています。ですからまず腹腔鏡検査を行い、癒着があればそれをはがし、筋腫があれば同時に腹腔鏡下にてとれば1番よい方法ではないでしょうか。開腹は避けたほうがよいと思います。[2015年5月27日]
(院長: 田中 温)
 年齢:29 基礎体温:不明 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 採卵1回で新鮮・融解胚移植(8分割グレード2以上)を4回行い、すべて陰性に終わっています。現在は残り1回の移植を予定しております。
 前回陰性判定を受けた際、着床不全の血液検査をしました。結果は、Th1細胞14.2%、Th2細胞1.3%、Th1/Th2比10.9でした。Th1/Th2比が若干高いことと、1度も着床に至っていないこともあり、プログラフという薬を処方されました。
 今回移植2日前からプログラフ1mg/日を服用しなければいけないのですが、タクロリムスを含むプログラフという薬は妊娠希望や妊娠中の方は服用すべきでない、胎児への影響がある可能性は否定できない、ということを知りました。移植前にしてとても不安です。どのくらいの確率で、どのような影響が出てしまうのでしょうか?

 着床・妊娠における免疫の関与は近年明らかになってきたものも多くあります。着床には、Th1/Th2比(通常妊娠ではTh2優位になります)、NK細胞活性、炎症性サイトカインなど、免疫系が関与しており、これらの改善のために免疫療法があります。その1つに、タクロリムスがあります。この薬剤は免疫抑制剤で、臓器移植前後での拒絶反応の抑制や、間接リウマチの治療として使用されています。
 タクロリムスやピシバニールなど、免疫抑制により着床障害を改善する薬剤の導入が始まっておりますが、確立された治療法ではなく、確率も不明であります。
 添付文書には妊婦には禁忌の薬剤とありますので、主治医先生と薬剤の使用についてよく御相談されて下さい。[2015年4月7日]
(産婦人科医:山口 貴史)
 年齢:29 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 不妊治療を始めたばかりです。他院で調べたところ、視床下部からのホルモン量が少ないと言われました。高校時代の体重減少(体重30kg,身長152cm)が原因と言われ、実際にその時期に月経が止まっています。その後体重が戻り、大学時代には自然に月経が来るようになりました。しかし、5年前から、自力では月経が来なくなりました。現在は体重40kg、身長152cmです。
 病院では、注射を毎日のように打って治療する必要があると言われましたが、だいぶ費用もかかるようです。それがベストの方法でしょうか?

 体重減少性無月経は、体重の回復で月経が戻ることが多いですので、まずは体重を増やすように努力してみて下さい。ただし、体重が戻ったとしても約3割は無月経が続きます。視床下部性無月経ですので、以下の3つの排卵誘発法を試してみることになります。
 @クロミフェン
 AHMG(注射)
 BGnRH agonist(注射)
 まずは、@の内服で効果がなければ、注射を使用する方法はいかがでしょうか。[2015年4月7日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:33 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:8回 人工授精:1回 体外受精:0回
 不妊治療を始めて1年半が経ちます。夫に問題はありません。幼少時より運動が好きで、現在フルタイムで働きながら週1〜2回は空手やロードバイクでサイクリングをしています。20代の頃には自律神経失調症やうつ病に罹患したことがあります。
 多嚢胞性卵巣症候群のため生理不順があり、クロミッドでも排卵がなかなかうまく行かず、高温期は8〜10日程度しかありません。最近初めてフェマーラを1日1錠5日間服用してみましたが、16mm程度になった卵が消えてしまいました。高温期にはなっていなかったため、排卵していないようです。
 先日、生理開始時に測ったホルモン値(FSH・LH・E2)が基準よりだいぶ低かったため、「脳下垂体からうまく指令が出ていない可能性がある」と言われています。
 このような状態で、果たして妊娠は可能なのでしょうか。また、治療法や改善した方がいいことがあるとすれば、どのようなものがありますか?運動をやめた方がいいのか、専門職でストレスや緊張などを強いられるので仕事をやめた方がいいのか、色々と悩んでいます。

 生理開始時に測ったホルモン値(FSH・LH・E2)が基準より相当低かったとのことですが、発来した月経時のホルモン値は薬の影響を強く受けますので、正確ではありません。
 2週間たった後、薬を一切使わない時に測定してみてください。LH値がFSH値より高ければ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。
 HMGで卵ができやすい病気ですが、十分な治療が必要です。腹腔鏡下のドリリングが有効と考えます。[2015年2月26日]
(院長:田中 温)
 年齢:39 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:回 人工授精:4回 体外受精:0回 
 ホルモン値はAMH:0.1未満で高FSHです。刺激をしても反応が悪く卵が育ちにくかったのですが、1年ほど遠赤外線治療を続けて少し血流が良くなったのか、2〜3か月おきくらいに卵が1つできています。高FSHに対する薬は使用しておりません。
 おりものが出てくる頃にプレマリンを朝晩2錠飲み、卵胞確認後にHMG・ガニレスト・HCG注射を打つ誘発法で半年の間に3回ほど採卵しましたが、空胞2回、排卵済1回でした。
 その後、FSHを下げて卵が育つのを待つ方針に切り替えて、プレマリンを間を空けずに飲み続けています。プレマリン以外は飲んでおらず、生理は来てしっかり出血もあるのですが、高温期がほとんどありません。D21でFSH:3.2、LH:7.4、E2:191とホルモン値は良くなりましたが、もう3か月程卵が確認できず、いつまで待てばよいのか不安になっています。「高FSHで育つ卵の質が悪いとは限らないが、FSHを下げた方が卵が育つ可能性が上がるから」と医師は言います。空胞では意味がないのも事実ですが、結果としては前回の方法が採卵できる確率は高かったのに、とも思います。また、プレマリン単独では空胞の確率があがるとここの不妊Q&Aで見たこともあって、不安です。
 なるべく体に負担をかけずにと思いプレマリン単独治療を続けていましたが、セントマザーではどういった治療が考えられるでしょうか?

 治療が難渋されており、大変つらい思いをされていることと思います。
 AMH0.1未満・FSH高値である場合、ホルモン周期(カウフマン療法など)で月経を整えて、FSH・HMGなどの排卵誘発により、卵胞発育を経過観察していく方法で当院では治療させて頂くことが多いです。
 あなたの卵巣は、卵巣機能不全という状態だと思われます。すなわち排卵する卵子のもととなる原始卵胞の数がかなり減少している状態で、排卵誘発に反応しない状態となっています。このような状態では一般的にはカウフマン療法を行ってきましたがその成功率は非常に低いものであるので、もう一つの方法としてはあなたがお受けになられた卵胞ホルモンを投与し、直接卵胞を発育するという方法があります。プレマリンは卵胞を発育させる効力はそれほど強くなく、プロギノーバという薬剤の方が強いと思われます。この薬剤をかなり大量に飲み、卵胞が発育してきた時点で大量のFSHを投与することにより卵胞発育を行うということが、残された方法ではないでしょうか。[2015年2月26日]
(産婦人科医:山口 貴史)
 年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在パーロデル2.5mgを服用しており、4ヶ月経っています。生理から13日目の右卵巣内に、11mm×15mmほどの卵胞が1つ排卵せずに残っていると言われました。23日目には、左卵巣内に約4cmの卵胞が1つ残っていると言われました。このようなことがあるのでしょうか?
 子宮頸癌、子宮体癌は無く、性病もありません。また、14日目から19日目にかけてずっと薄い出血やドバッと出る出血がありました。何か関係はありますか?

 今周期はセロフェンやクロミッドなどの排卵誘発剤の内服をされていたのでしょうか。全くの自然周期でも排卵誘発剤の内服周期でも、卵胞が排卵せず(未破裂卵胞となって)上記のように残り、卵巣嚢胞のようになっていることはあります。月経がきて自然に消失することもありますし、そのまま月経初期に残っていることもあります。残っているようならピル等を使用し、1か月様子をみると小さくなっていることが多いです。
 出血に関しては子宮内膜が厚くなり、それが剥がれて出血している可能性があります。癌検査は定期的に受けてください。[2015年1月21日]
(産婦人科医:永吉 基)
年齢:25 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不規則 タイミング法:10回 人工授精:回 体外受精:回
 中学時代ダイエットに励み10キロほど痩せましたが、その頃から生理が全くこなくなり、現在に至るまできちんと毎月くることがなく、きても半年に1回などです。
 これはまずいと思い産婦人科で処方してもらった薬で1年ほど生理を起こしていましたが、しばらくやめてみるとまた生理がこなくなりました。基礎体温もガタガタのグラフになります。
 産婦人科の先生には「もう少し体重を増やそう」と言われますが、もともと一番やせて43キロくらいで50キロまで増えた時期もありましたが、その時も生理はきちんときていませんでした。
 赤ちゃんはほしいと思うのですが、不妊症でできないのではないかと思うと辛いです。今のような状態から妊娠できる身体になるまではやはり長期間かかるのでしょうか?28歳までには1人くらい欲しいという希望があるのですが、難しいでしょうか?

 体重減少はストレスとなり、摂食の抑制と促進の調節を行う脳の視床下部の働きが悪くなり、生殖機能の調節ができなくなってしまいます。体重減少性の無月経は、体重を徐々に戻していくことが、まず初めの治療です。
 体重を回復させることは容易ではないですし、月経回復まで長期間に及ぶことがあります。その他にも、ホルモン療法、排卵誘発剤など治療法はあります。妊娠を諦めず、ぜひ、一度来院して頂き御相談下さい。[2014年9月12日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:30 基礎体温:二相性ではない 生理周期:不明 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回 
 一人目を完母で育ててきて、2か月前に断乳しましたが、生理が再開する兆しが全くありません。痩せていることが原因ではないかと考えています。
 もともと体が細めで妊娠中もあまり体重が増えず、産後は授乳の影響もあり妊娠前より5キロほど減ってしまいました。断乳後の現在は少し体重が増えましたが、BMIは15.8です。
 妊娠期間を含めると2年以上生理が止まっていることになり不安です。二人目を希望しており、早く妊娠できる状態に戻したいと思っているのですが、いつごろ受診するのがよいでしょうか?

 2ヶ月の断乳と、出産されて1年以上経過されていますので、月経再開してよい時期ですので、早めに受診して頂いた方がよいかと思います。
 また、急激な体重減少がストレスとなり無月経を引き起こしますので、まずは徐々に体重回復を目指していきましょう。
 一度来院して頂き御相談下さい。[2014年9月12日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:30 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回 
 結婚して2年たちましたが妊娠しなかったので、卵管造影検査にて左右ともに異常なしと確認後、クロミッド内服のタイミング療法を始めたところ妊娠しました。しかし、右側の卵管流産となりました。その後、不妊専門クリニックへ転院し、黄体化未破裂卵胞と診断され、内服と注射による治療で第1子を出産しました。
 出産1年半後、自然妊娠しましたが、また右側卵管で子宮外妊娠となり、右卵管を切除しました。手術から3ヶ月後、卵管造影検査で残っている左卵管は異常なしと確認できましたが、その3ヶ月後に自然妊娠するも今度は左側の卵管流産でした。
 左卵管はまだ残っていますが、また子宮外妊娠となってしまうのは怖いです。卵管はいずれも通っていたのに、なぜ子宮外妊娠を繰り返してしまうのでしょうか?半年で2回、出産前を合わせると3回も子宮外妊娠を繰り返すようなら、二人目は体外受精を試みるほうがよいのでしょうか? 

 子宮卵管造影検査で左卵管通過が確認できているようですので、自然妊娠をお考えになってよろしいと思います。
 以前に右卵管妊娠で右卵管切除されているようですが、子宮外妊娠既往のある方の場合、左卵管は通過していても子宮外妊娠を繰り返す可能性は、約10〜29%との報告もあります。既往歴のない方の約2%と比べると高い発症率です。
 造影検査では正常であっても、卵管の機能までは調べることはできません。以前に感染や、炎症を患ったことが原因である可能性もあります。クラミジア感染や卵管周囲癒着の存在が子宮外妊娠の危険因子となるとの報告はあります。また、卵管の流産との診断をつけることは難しいと思います。腹腔鏡検査をぜひお受けになられて下さい。[2014年9月12日]
(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:38 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 現在、セントマザーで治療中の者です。私たちは他院で5回、セントマザーで3回、体外受精や顕微授精を行い、全て上手くいきませんでした。
 今回のセミナーの中で、腹腔鏡検査は体外受精に入る前にやるべきだとのことでしたが、私はまだしたことがありません。今まで、腹腔鏡手術を他院でもセントマザーでも勧められたことがなかったため、私たちの場合、内膜症など癒着はないものと思い込んでいましたが、改めて腹腔鏡検査した方がいいのかと思っています。もし、内膜症が原因なら、もっと早く別の対応ができていたのにと思っています。
 腹腔鏡検査をした方がいい場合と、しなくてもいい場合があるのでしょうか?それとも、子宮内膜症の有無を、腹腔鏡手術以外で確認する方法があるのでしょうか?
 (2014年7月 第15回セミナーより)

 子宮内膜症は超音波所見、血液検査、臨床症状、画像診断(MRI)などで治療方針を決定いたします。月経痛がひどい場合、卵巣嚢腫のサイズが大きい場合、手術適応を決めていきます。
 また、子宮内膜症の場合、腹腔内の癒着、とくに卵管周囲癒着が考えられますので、自然妊娠を考慮する時は腹腔鏡検査が必要です。超音波で内膜症を指摘されていれば、検査を進めていきましょう。来院時、ご相談ください。[2014年8月12日]

(産婦人科医:山口 貴史)
年齢:44歳 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 自分でできる卵子の若返り法はありますか?
 (2014年7月 第15回セミナーより)

 卵子の老化を防ぐことはできませんが、遅らせることはできます。そのためには、規則正しい食生活と適度な運動、すなわち健康な体と健全な精神を維持することがもっとも重要となります。[2014年8月12日]

(院長: 田中 温)
年齢: 基礎体温: 生理周期: タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 中学1、2年生の時に卵巣奇形腫のため手術をしました。
 未婚でも卵子の凍結ができると報道されましたが、セントマザーでも可能でしょうか?
 (2014年7月 第15回セミナーより)

 未婚女性の卵子凍結は、悪性腫瘍の治療の場合に限られます。卵巣奇形腫は良性腫瘍ですので、未受精卵凍結の適応とはなりません。ただし、卵巣奇形腫で稀に悪性化する場合があります。そのあたりはどうなのでしょうか?病理結果で分かると思います。良性であれば、そのまま様子を見られて結構です。[2014年8月12日]

(院長: 田中 温)
質問一覧に戻る   |    このページの最初へ   |    TOPページに戻る