回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.14 -
年齢:33 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:3回
 顕微授精(ICSI)による治療で、スプレキュアと注射で卵を作っています。今まで麻酔による採卵でした。
 卵を作る期間、採卵前、採卵後、戻しの後、とにかく治療開始から結果が出るまでの間、ずっと夫婦生活はない状態です。治療に悪い影響があるのでは?と主人が避けています。
 治療の流れについては、とても詳しい説明書を毎回頂いているのですが、このような事には触れられていません。実際、避けたほうが良い期間、気にしないで良い期間があるのでしょうか?私としては「病院で子供を作る」感じを減らす為にも自然に過ごしたいと思っています。

 顕微授精(ICSI)で使用する精子が凍結精子であるならば、夫婦生活は何ら影響を与えませんので、普通に自然にされて構いません。
 新鮮精子を使用する場合は、(人工授精でも同じですが)その前に3〜4日間の禁欲をされておいた方が、より良好な精子を採取できる可能性が高いです。それ以外で夫婦生活が治療に悪い影響を与えることはありません。[2006年10月15日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:3回 体外受精:0回
 体外受精(IVF)において重要なのは「卵の質」だとよく耳にしますが、卵の質をよくするために自分でできることはありますか?また、何日培養するのがベストなのかは、採卵した時にわかるのでしょうか?
 胚盤胞だと妊娠する確率が上がると聞きましたが、胚盤胞まで培養すると質が悪くなるというのは本当でしょうか・・・。もし本当であればそうならば、培養日数を何日にするかどのようにして決めればよいのでしょうか?
 7月に初めて体外受精したのですが、卵が出来ずに中止になったので、10月に予定している体外受精ではなんとか移植までできるように・・と願う毎日です。ぜひご回答お願いします。

 体外受精(IVF)において、良好な卵胞が採卵でき、質のいい卵が採れ、条件が揃えば、1個でも妊娠は可能です。卵の質は、1個、1個状態が違うので、2日目に戻した方がいいのか、3日目、4日目、5日目に戻した方がいいのかは、培養して、その成長をみていかないと決まりません。
 培養が長くなると、質が悪くなるわけではありません。しかし、卵によっては、途中から成長が遅くなって、胚盤胞までいかないものもあります。
 戻す卵の数についてですが、当院では、毎日午前・午後のチェックをし、患者様のこれまでの治療歴や妊娠歴を考慮し、相談の上決定しています。当院の患者様でしたら、戻す数のご希望があれば、お気軽に御相談ください。[2006年10月16日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:1回 体外受精:1回
 こんにちは。先生、質問が2つあります。現在、アメリカで不妊治療を受けています。来月36歳になります。
 (質問1)
 7月に子宮内膜症のため、ラパロを受け、右卵巣にチョコレート膿腫があって処置をしました。その後(8月末から)、刺激周期を始めて体外受精(IVF)をしたのですが、右卵巣が注射薬に反応せず、左のみからの採卵でした。結果は陰性だったのですが、私のドクターは次回IVFをするときには投薬方法を変えて、右卵巣からの採卵をしましょう言いました。右卵巣は、もう使えないと思っていたのですが、可能なのでしょうか?
 (質問2)
 IVFから現在までずっと微熱が続いています。これは、移植後に毎日打っていたプロゲステロンの影響でしょうか? 先日生理が終わり、本来なら今は低温期のはずですが、体温は高温期の数値です。ドクターは次に生理が来たら(10月中旬予定)、またIVFを..と言っていますが、このままの状態で治療を続けても大丈夫でしょうか?
 お忙しいところ申し訳ありませんが、先生のご意見をお聞かせください。

 子宮内膜症で卵巣がチョコレート嚢腫になった場合、ほとんどの場合で、卵巣の機能は消失しております。排卵誘発剤で反応しない場合には、おそらくその後も反応しないと思います。体外受精(IVF)後、高温期が続くのは移植後に行った大量のプロゲステロンの影響だと思います。
 妊娠反応はどうだったのでしょうか?陰性であることを確認していますか?体外受精後の次周期は放置していますと、かなり乱れてきますので、カウフマン療法(卵胞ホルモンと黄体ホルモンの投与)によって卵巣機能を1度スタートラインに戻す方が良いと思います。できれば、月経3日目までのE2、FSHのホルモンを測り、その数値を見て異常であるならば、もう1周期カウフマンをされた方が良いと思います。[2006年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:1回
 いつも拝見し、参考にさせて頂いています。
 抗精子抗体が陽性で、体外受精(IVF)をしました。受精卵(卵の質は良い)を戻して、2週間注射を打ちました。注射を始めて8日程経った時にお腹が痛くなり、ディファストンを飲んでいましたが、注射が最後の日に出血が始まりました。
 結局、結果を聞いた翌日に生理が来ました。基礎体温は、高いままです。薬が効かなかったのでしょうか?

 体外受精(IVF)での胚移植後は、胚盤胞のステージで着床します。着床・妊娠している場合には、原則的に注射や飲み薬を使わなくても高温層が続き、妊娠反応は陽性が出ます。逆に多量の黄体ホルモンを用いても妊娠反応は出ず、その注射をやめると出血が始まります。黄体ホルモンだけの場合は、2週間ほどで出血が始まると思います。これは決して異常ではなく、妊娠しない場合の一般的な変化です。
 薬がきかなかったのではなく、着床していなかったとお考え下さい。着床していない場合は、黄体ホルモンを多量に投与しても月経は始まります。[2006年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:22 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 初めて体外受精(IVF)をしましたが、卵巣過剰症候群(OHSS)がひどくなるかもしれないので、凍結をして次周期にホルモン補充で凍結胚移植する事になりました。移植の周期10日目に内膜チェックをしたところ、あまり内膜が厚くなってなかったので、また次周期にもちこしとなりました
 早く移植したいので、先生に1週間後に生理が来る薬(ローリンディオール1日1錠)をもらいました。次周期は自然周期で移植するそうですが、薬で生理を早めても内膜の成長には問題はないでしょうか?また、ホルモン補充で内膜が厚くならなかったのに自然周期だと厚くなるものでしょうか?ちなみに、生理はいつも30日周期で、たまに37日周期になります。

 ローリンディオールというお薬は避妊薬です。このお薬を飲んでいる限りは生理はきませんし、内服を中止しますと、3〜4日で出血が始まります。しかし、あまり早く生理をこさせる場合には、その後の出血がだらだらと長く続くことがありますので、できるならば、早くこさせることよりも、少し遅くした方が、いい結果が出ると思います。
 ホルモン補充で内膜が厚くならなかった場合は、おそらく自然周期でも厚くならないと思いますが、月経が大体規則正しいのであれば、自然周期に戻すことをおすすめいたします。もし、自然周期が不規則であるならば、例え薄くてもホルモン補充の方がいいと思います。[2006年10月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:0回 体外受精:1回
 いつも参考に、拝見しております。
 先日、初めて体外受精(IVF)をしましたが、受精卵を戻した日の夜に38度3分の熱が出ました。何か影響が、ありませんでしょうか?また、今回の体外受精がうまくいったとして、胎児に問題はないのでしょうか?

 38度台で短期間であれば、胎児への影響はないと思いますが、万一、子宮内の炎症によるものであれば、妊娠の可否への影響はありえます。高熱の原因を確認し、把握して下さい。[2006年10月2日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:3回 体外受精:0回
 今回、初めて体外受精(IVF)に挑戦します。採卵して、受精卵を胚移植する時には、通常、いくつの受精卵を戻すのでしょうか?
 妊娠率からして、病院からは2つをすすめられていますが、双子ができる可能性を考えると、1つにした方が良いのか悩んでいます。一般的には、どのようにするのでしょうか?

 採卵の結果はどうでしたか。(何個卵胞ができて、何個採卵できて、何個分割したか)また、子宮内膜の厚さはどうでしょうか。
 採卵2〜3日目の移植であれば2個、4〜5日目の桑実胚や胚盤胞であれば1〜2個を戻すことが一般的だと思います。しかし、これはあくまで一般的なことであり、分割胚、子宮内膜、過去の妊娠歴、体格などを考えて、1人1人条件が異なるので、病院の先生とよく相談されて、個数は決められて下さい。[2006年10月2日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:18回 人工授精:3回 体外受精:1回
 3回のフォリスティム225iu注射とセロフェンの刺激にて、17個の採卵ができました。卵子の質はとても良く、医者からもお褒めを頂いたくらいです。精子も男性不妊の可能性があったにも関わらず、数も問題なく、swim up後運動率98%と運動率も良い結果でした。
 17個のうち13個を顕微授精(ICSI)、4個を媒精したところ、12個が受精しました。採卵後2日目に移植予定でしたが、都合が悪かったため3日目に移植となりました。しかし、3日目の時点で、すべての受精卵が4分割、グレードも2〜3のものばかり...。グレード2の受精卵を2つ戻しましたが、判定は陰性でした。
 現在、同じ条件の受精卵を4つ凍結して、1周期お休みしてから凍結胚移植の予定です。移植の時には、注射はせず、弱い誘発を行い、できるだけ自然に近い状態で移植をするという事です。
 でも、分割スピードの遅い受精卵は妊娠率が低いのでは...と心配しています。卵の質も精子の状態も良くて、顕微授精(ICSI)したのに、分割スピードが遅いのは、どのような原因が考えられるのでしょうか。過去の回答も参考にさせていただきましたが、今回は卵が多過ぎたからダメだったのでしょうか。今後はどのような治療が最もよいのでしょうか?

 胚の質を正確に診断するためには4細胞のレベルでは充分とはいえません。少なくとも8細胞までにならないと本当の胚の質はわかりません。すなわち、真の胚の質を判定することは、8細胞以降で可能となるのです。 3日目の時点で4分割の胚の質は低く、その時点での凍結した胚の移植では、妊娠率は非常に低いと予測されます。このような分割処理が遅い胚の原因として、採取された卵子の質が考えられます。すなわち、採卵時に肉眼所見では良好な卵子と見えても、実際はあまり質の高くない卵子を採ったということになるでしょう。次回の方法としてはアンタゴニストやアゴニストなどを使ったほうがいいと思います。[2006年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:20回 人工授精:3回 体外受精:5回
 2年前から体外受精(IVF)をしています。毎回、受精はするのですが、5日目に桑実胚になりかけで、分割が停止してしまいます。2日目の分割はG2・G3ではありますが、順調に進みます。卵の質を改善するためにグリコランを飲んでいますが、今回も5日目で分割停止になってしまいました。どうしたら、胚盤胞まで育つのでしょうか?

 胚の質は8細胞以降にならないと正確な判断はできません。胚自身の生命力は8細胞以降の細胞における分裂過程の中で発揮されます。ですから、胚自身の能力が低い場合には、8細胞で止まってしまうか、桑実期胚で止まってしまい、胚盤胞には至らないといった結果になってしまいます。
 分割停止をクリアするためには、質の高い卵子を採取する必要があります。そのためには、あなたに最もあっている排卵誘発法を見つけることが最優先となります。胚の質改善のためのグリコランは直接的には影響はないと思います。月経初期から3日目までの胞状卵胞(未成熟な卵胞)の位置、数、大きさなどや、E2、FSHの濃度を測定し、排卵誘発を決定することが重要です。質の高い卵子が採れれば、必ず胚盤胞に至ります。[2006年10月2日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:24回 人工授精:3回 体外受精:1回
 来週期、体外受精(IVF)に再挑戦する予定です。初めての時は点鼻薬とHMGでしたが、卵が育たず中止になりました。今まで排卵しないという事はなかったので、とても不安になりましたが、たまたまダメだったようなので、心配いらないと言われました。
 卵管が片方詰まっている以外には、特に問題ないと言われていますが、私のような場合、2度目の体外受精で妊娠できる可能性は高いでしょうか?採卵、移植までいけば着床するのでしょうか?
 クロミッドでも、多くて2個しか卵ができません。通常は、点鼻薬とHMGではもっとたくさんできるのでしょうか?

 これまでにHMGを使って、排卵誘発を行ったことがあるかどうかがわかりませんが、HMGを使って卵が育っていない時には、1つ目に「今回のみ、たまたまHMGに対して反応が悪かった場合」、2つ目に「点鼻薬が合っていない場合」が考えられます。2つ目に関しては、もともと点鼻薬が合わない体質であるか、点鼻薬の使い方(長期使用なのか短期使用の排卵誘発剤)で、卵のできふできが決まることがあります。
 卵のできる数は1人1人違いますし、作り方によってもずいぶん変わるものです。担当医とよく相談されて、次回の治療法を決めてください。[2006年9月15日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:8回 体外受精:5回
 過去、体外受精(IVF)を4回、凍結胚移植をホルモン補充療法周期で1回しましたが妊娠せず、これからどうすすめばいいか悩んでいます。
 ショート法(点鼻薬と誘発剤)で、5〜8個ほど採卵でき、毎回3〜4個は受精します。卵のグレードもよく、内膜も担当医からほめてもらうほどいい状態で、戻しますが妊娠しません。
 理由は「卵の質が悪かった」と言われますが、グレードと卵の質とは違うのでしょうか。以前、胚盤胞まで育てようとした時、分割の速度が遅いと言われたことがありますが、関係があるのでしょうか?私のような場合、GIFT法(ZIFT法)をしてみた方がよいのでしょうか。GIFT法はおなかに穴を開けるので、傷跡や癒着が残らないかと不安になります。今後、どうすれば妊娠できるでしょうか?

 あなたと同じようなお悩みを持つ方はたくさんいらっしゃいます。体外受精(IVF)で妊娠するためには、良好な胚と良好な着床が必要です。良好な胚かどうかは採卵5日目の胚盤胞の発生率でわかります。できれば、胚盤胞も初期ではなくて、拡張胚盤胞の率がどのくらいなのかを見ることが必要でしょう。
 おそらく、あなたの場合は、採卵した卵子の質が十分ではないのではないでしょうか。その理由として、受精の割合が低いからです。できれば、顕微授精(ICSI)に入られることをおすすめします。顕微授精は卵子が良好であれば、約90%の確率で受精します。採卵後3日目で8細胞、4日目で桑実期胚、5日目で胚盤胞(拡張期)が1つの目標です。この目標よりも胚の発育が遅れている場合には、卵のグレードが低いと考えていいと思います。もしも、発育が遅れることがあれば、あなたに合った排卵誘発を早く見つけることが重要でしょう。卵子の質があまりよくなければGIFT・ZIFTという方法でもなかなか妊娠には至りません。[2006年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:7回 体外受精:5回
 数件の病院で体外受精(IVF)を行いましたが、胚移植後の休憩方法がそれぞれ全く違っており、どちらの方法を信じればいいのかわからなく不安に思っています。ある病院では、4時間もずっと安静にしていないといけないと言われ、別の病院では治療台でそのままの姿勢で20分程度休憩すれば、あとは自由にしていいといわれました。
 胚移植後の2週間は、普通にしていればいいともよく言われますが、どうしても気になって神経質になってしまいます。生活方法で着床率というのは変わってくるのでしょうか。

 体外受精後の休憩法については、各施設において、かなり異なっているかもしれませんが、休憩の時間と着床率は関係ないという考えが一般的です。すなわち、移植後、ただちに歩いて帰っても着床率は変わらないと思います。ただし、移植後は30分〜1時間横になった方が、気分的には安心かもしれませんね。また、その後の日常生活も特に安静にする必要はなく、普通の日常生活をされて一向に構いません。[2006年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:回 体外受精:7回
 夫の精子は、検査では問題がなかったのですが、体外受精(IVF)では受精率が極端に悪く、分割のスピードが遅く、途中で成長止まることが判明したので、顕微受精(ICSI)を行っています。前回は、刺激周期で顕微授精(ICSI)をしました。排卵誘発で、22個採卵できて、17個受精しました。すべてを胚盤胞まで培養しましたが、6日目に2個だけが胚盤胞になりました。それを、凍結しています。
 あきらかに採卵数に対して、胚盤胞になる率が低いのですが、これは、卵子の質が悪いせいでしょうか?私はクロミッド服用の自然周期での採卵でも10〜15個、刺激周期で18〜22個と、たくさんの卵が採れるので卵巣機能に問題はないように思えるのですが・・・。胚盤胞まで育たない原因は何でしょうか?また今後の対処法はありますか?また、今回の胚盤胞のグレードは、3BBと5CBと良くありません。次回、ホルモン補充周期で2つ戻す予定ですが、6日目ということもあり、着床率は低いでしょうか?

 飲み薬のクロミッドで10個以上卵ができるということは、卵巣自体に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の傾向があるかもしれません。1度、ホルモン測定をされるといいと思います。もし、PCOSの可能性があるならば、排卵誘発をしっかりと限定して行わなければなりません。卵の数が増えても、卵の質がともなっていない場合はよくあります。6日目で2個の胚盤胞になり、凍結されているようですが、発育は明らかに遅くなっております。この原因はやはり、卵子の質にあると思います。ですから、あなたの場合は、LHの濃度を十分にコントロールするためのGnRHアンタゴニストが有効だと思われます。
 全ての体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)の治療について言えることですが、最も妊娠率を左右する大事な要素は卵子の質と卵の数です。質の高い卵を10個ほど採れる方法を目指すことが妊娠の最短距離と考えます。[2006年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 2年前に後期精子細胞による顕微授精(ICSI)にて妊娠反応は出たものの7週で流産しました。そのときは、2日目に戻しました。後期精子細胞でも、もう少し培養して桑実胚や胚盤胞まで育てる事はできるのでしょうか?その場合、妊娠率や流産率は変わってくるのでしょうか?

 後期精子細胞を用いた顕微授精(ICSI)での長期培養は有効な治療法です。分割がすすめば、着床率は高くなります。
 しかし、内膜が薄い場合には、全胚凍結して自然周期に戻すほうが有利だと思います。精子であっても、後期精子細胞であっても、正常に受精して、分割が始まれば、その先の胚の発生は同等と考えていいと思います。ただし、後期精子細胞の場合、妊娠率は約20%と正常な精子とに大差はありませんが、流産率は30%と約2倍に高くなります。これは用いた細胞の未熟性が原因となると考えられております。[2006年9月15日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:5回 体外受精:2回
 戻し後、1週間ほどすると、たまに下腹部が痛くなります。胸も張って痛くなり、生理前のような症状が始まります。そうなると、着床しなかったということでしょうか?何か異常ではないでしょうか?
 妊娠判定の日までドキドキしながら、待つ方なので、痛かったりすると、もうダメかも・・・と不安です。

 その頃に下腹部が痛くなる原因としては、採卵後の黄体嚢胞の腫大による場合もあります。卵胞数が多ければ、痛みが起こる可能性やその程度は強くなります。また、御本人が心配されるように、月経が起こる前兆である可能性も考えられますが、その原因と結果の関係をよく考えていただく必要があります。痛みなどの症状を起こらないようにすることが、直接、妊娠につながるわけではありません。移植胚の質や着床の問題として取り組む必要があります。[2006年9月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:32 基礎体温:不明 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 初めて体外受精(IVF)をしました。結果、妊娠には至らなかったのですが、判定日4,5日前から出血(茶色いおりもののようなもの)が少しずつありました。
 採卵日からドオルトンを飲んでいたのですが、ピルを飲んでいてもこのような出血がみられることがあるのでしょうか?判定日前の出血は、ホルモンのバランスが悪いなど、何か問題があるのではないかと不安に思っています。近いうちに、2回目の体外受精にチャレンジしようと思うのですが、その前に、ホルモン検査などをしたほうがいいのでしょうか?
 また、基礎体温をつけていたときに、二相性になってないことがよくありました。これは、体外受精の結果に関係しているでしょうか?

 通常は、ドオルトン服用中に少量の出血があることはありません。しかし、このような出血がおきた場合には、次回は全胚凍結して、自然周期に戻すのが良いと思います。その方が安全で有利だと思います。
 基礎体温が二相性になっていない方は、黄体の機能が少し不十分なことがあります。このような場合も、やはり全胚凍結し、自然周期に戻すのが有利だと思います。[2006年9月1日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:5回 体外受精:2回
 先日、凍結卵を融解しました。凍結する時点ではグレードは良いと言われた受精卵ですが、融解してみるとかなりダメージを受けていて、割球が半分ほどしか残ってないと言われました。 このようなダメージの多い受精卵でも妊娠はありえるのでしょうか?また、妊娠したとしても障害などが残る可能性はないのでしょうか?

 凍結胚を融解した際、半分が戻っていない場合には、胚が生存していないと判断します。ですから、妊娠の可能性は非常に低いとお考え下さい。妊娠したとしても、障害児が産まれる可能性はありませんが、流産の可能性があります。しかしながら、まず着床はしないと思います。
 凍結胚は自然周期に戻しますので、その着床率は採卵周期よりは明らかに高くなります。しかし、凍結の技術が不十分な場合、または胚の状態が不十分な場合には、なかなか着床に至りません。凍結胚を行う条件としては、凍結の技術が完遂していることと、分割の胚の状態が良好であることの2点が必要です。[2006年9月1日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:0回 体外受精:3回
 他院にて、約1年前より不妊治療をしております。主人の精子は異常なく、フーナーテストも良好なため、子宮内膜症によるピックアップ障害の疑いということで、今までに体外受精(IVF-ET)を3回行いましたが、いずれも陰性でした。
 1回目は受精卵の分割スピードが遅かったのですが、2回目は分割の状況も良好な8分割胚を移植、内膜の厚さも十分ありましたが、ダメでした。
 3回目は二段階移植に挑戦し、フォリスチム+クロミッドの誘発で、7個採卵、5個が受精したので、2日目に2分割胚を1個、5日目に胚盤胞(5AA)を1個移植しました。黄体ホルモン不足気味のため、移植後は黄体ホルモン補充しましたが、判定日の血中HCG値は1.0でした。
 これだけの良好胚を、いい状態の内膜に移植してもダメだと、着床に原因があるといわざるを得ないのでしょうか。先生も首をひねるばかりで、万策尽き果ててしまったのか・・・と絶望しています。現在、胚盤胞を3つ凍結しているのですが、胚盤胞の蘇生率はあまりよくないということなので、また落胆してしまいました。
 もしかしたらピックアップ障害ではなく、着床障害なのではないかと思っているのですが、どうでしょうか?これから、どうすればよいでしょうか?

 体外受精での妊娠には、良好な分割胚と同時に良好な着床状態が必要です。
 一般的に、採卵周期では、使用したホルモン剤の影響で内膜がかなり乱れており、胚盤胞の状態まで培養しても、なかなか着床しないことがあります。そのような場合には、全胚凍結して、内膜の状態を調えてから、自然周期に戻すと着床率は必ず上がります。ですから、採卵後、全胚凍結して、自然周期に戻すと良いと思います。諦めずに頑張ってみてはどうでしょうか。
 また、一般的に胚の分割が進むにしたがって、凍結の蘇生率は下がってしまいますので、凍結を御希望の際には、採卵2日目の4細胞で凍結されることをおすすめいたします。4細胞がもっとも蘇生率が高く、妊娠率も高くなります。[2006年9月1日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:2回
 現在、凍結胚があります。過去に凍結胚移植を2回行いましたが、どちらも妊娠には至りませんでした。これまでに、新鮮胚では妊娠したことがあります。
 私の卵や体質が凍結には向かないということでしょうか?体質や卵によって、凍結に向かないのであれば、費用もかかるし、凍結胚移植は無駄なように思います。また新たに採卵するかどうか迷っています。

 採卵周期にはお薬によって内膜がかなり影響を受け、また、卵巣機能も障害されてしまいますので、着床率が落ちます。そういった場合は、採卵(刺激)周期で戻さないで、一度全胚凍結し、自然周期に戻すことによって着床率は必ず上がります。
 しかしながら、全胚凍結がうまくいく場合の条件としては、凍結の技術が完遂していることと、分割した胚の状態が良好であることが必要です。この両方が揃っているならば、着床率は今の状態よりも必ず高くなるはずです。胚の状態によって凍結の向き不向きはありますが、体質が影響していることはありません。[2006年9月1日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:4回
 セントマザーにて採卵を行い、2日目の分割卵を3個づつ凍結しています。
 凍結胚移植で長期培養を行った場合で、仮に3つすべて胚盤胞まで育ったとしたら3つとも戻すのでしょうか?3つ戻さない場合は胚盤胞で再凍結が可能なのでしょうか?
 胚盤胞まで育つ確率は1/3程度と言われていますので、全部が順調に育つ可能性は低いと思いますが、せっかく育った受精卵ですのでなるべく残していきたいと思っています。

 胚の凍結は各ステージで可能ですが、分割が進むにしたがい、その蘇生率は下がります。採卵2日目の4細胞で凍結すると、ほぼ100%元に戻りますが、胚盤胞の場合には60〜70%しか良好な状態になりません。これは一般的な傾向ですので、凍結をご希望の場合には4〜8細胞の間で凍結することをおすすめいたします。
 4細胞を長期培養しても、胚盤胞まで育つ確率は100%ではありませんので、当院では、長期培養をして戻す場合には、4細胞を3つずつ凍結してあります。
 4細胞を融解後、長期培養して、3つとも胚盤胞に育った場合には、分割の状態を見ながら胚盤胞の一日手前の桑実期胚で再度凍結保存します。胚盤胞を凍結するよりも、桑実期胚の方が蘇生率は明らかに高くなります。[2006年9月1日]
(院長:田中温)
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