回答一覧 - 高度医療(体外受精・顕微授精・ギフト他) No.34-
年齢:43 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:8回 人工授精:8回 体外受精:2回
 注射で排卵誘発していますが、卵胞が1つしかできません。3年ほど前からFSHがあがってきて、過去3年間で採卵できたのは2回だけ・・・。その2回も顕微授精(ICSI)の翌日にはダメになりました。このような場合でも、治療法はありますか?

 女性の年齢が高くなるに従い、卵子の数が減り、質が低下することは、自然現象ですから、ある程度は避けることはできません。そのような状況下で、あなたが妊娠するためには、戦略を立てる必要があります。40歳以上の方の場合、FSHがある程度上がってきても、それほど気にしなくてもいいと思います。ピルで下げるという方法もありますが、FSHを下げ過ぎると、かえって卵胞が発育しませんので注意してください。ピルよりもカウフマン療法の方がいいかもしれません。
 また、私達は精子と卵子が出会い、受精、分割する生命誕生が行われる卵管の中に移植をするGIFT、ZIFTをお勧めしております。46歳で2人出産しておりますが、この方達は、GIFT、ZIFTでしたよ。[2009年4月3日]
(院長:田中温)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:5回
 卵管閉塞と診断され、体外受精(IVF)を行っています。卵管閉塞以外に問題は見つかっておらず、精液検査も異常はありません。
 これまでに、採卵を5回しましたが毎回受精卵のグレードが悪く妊娠しません。受精卵の数は、毎回4個くらいです。どのようにすればいい受精卵ができるのか理由がわからず迷っています。年齢的にはまだ治療はできると思っているのですが・・・どうすればよいのかアドバイスをお願いします。

 体外受精(IVF)の妊娠率は、排卵誘発法の結果によって決まります。いかに良い卵がたくさん採れるかによって決まると言っても過言ではありません。そのためにはどの排卵誘発があなたに合っているかを見つけることが重要です。月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、大きさ、位置、E2、LH、FSHの値を参考に、総合的に判断することが必要です。このデータがあれば、必ず質の良い卵が採れるはずです。同じ方法を繰り返すのではなく、いろいろと試されることも重要だと思いますよ。[2009年4月3日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:2回 体外受精:1回
 ホルモン補充周期で凍結胚を戻す予定です。プレマリンを20日ほど飲み続けましたが、なかなか内膜が厚くならなかったため(6mm→7.5mm→6.6mm)移植がキャンセルになり、次周期(自然周期)に戻すことになりました。
 プラノバールを10日間飲んで生理を来させるようですが、今周期はたくさんのお薬を使ったので、次周期すぐに戻すと薬の影響が残り、着床率が下がるのではないかと心配です。貴重な胚なので無駄にしたくありません。自然周期移植であれば、次周期にすぐに戻しても問題はないのでしょうか。それとも、2〜3周期お休みしてから移植をした方がよいでしょうか。

 生理不順で排卵が起こらない方の場合は、ホルモン補充周期での胚移植が主体になります。あなたは基礎体温は2相性で月経は規則的という状態ですから、ホルモン補充を行ってみて内服が厚くならない場合は、自然周期の胚移植でいいと思います。
 次に薬の影響が心配ということですが、主治医からはどのような説明があったのでしょうか。プレマリン、プラノバールを飲んでの生理でも、自然周期で排卵し、子宮内膜が厚くなるのであれば、まず問題ないと思います。排卵が起こらなかったり、子宮内膜が厚くならなければ、次周期へ延ばされてはどうでしょか。また気になるのなら、1〜2周期お休みをして、自然周期で戻されてもいいと思います。[2009年4月3日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:1回
 プラノバールでリセット後に初めての体外受精(IVF)をしました。
 D2でのホルモン値は、E2が36.2、LHが4.6、FSHが8.2でした。D3からクロミッドを1日1回(5日間)服用、D5からフォリスチム注射(隔日)を3回、D10にHMG、HCG注射(E2は796、卵胞右19mm、18mm、14mm、左22mm)
 D12に3個採卵できましたが、結局使えたのは9分割のG3Bが1個だけでした。
 年齢の割に卵の質が悪いので検査をすることになり、D4にLH−RH負荷試験とTRH負荷試験をしました。結果は以下の通りです。
 LH  4.1 → 44.7
 FSH 5.8 → 13.1
 PRL 10.7 → 74.8
 結果をみて、潜在性高プロラクチン血症であることと、FSHの反応に対してLHの反応がおかしいと指摘されました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の話は一切でてきませんでした。
 結局、プロラクチンを下げるためにカバサール(1週間に1錠)、LHを下げるためにクラシエ芍薬甘草湯(1日2回)を服用し、しばらく様子を見てから後、再度採卵予定になりました。服用を始めて2ヶ月後に再検査を依頼したところ、薬を飲めば必ず数値は下がるので必要がないと却下されました。
 LH−RH負荷試験のLHの異常反応は卵の質に関係あるのでしょうか?また次回採卵する場合、どのような誘発法が良いと思いますか?先生のご意見をお聞かせください。

 LHの反応が少し高いようですね。しかし、あなたは、月経周期が規則正しく基礎体温が二相性になっていますので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではないと思います。しかし、LH−RHテストの結果からいえば、負荷後に、LHがFSHの3倍以上となっていますので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断となります。
 高プロラクチン血症に関しては、カバサールで十分対処できると思います。もっとも信頼できる所見は、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞内の数、大きさですので、是非教えて下さい。胞状卵胞がたくさん認められるようであれば、排卵誘発法を、GnRHアゴニストを用いたLong法かアンタゴニストを用いた方法に変えるといいと思いますよ。そうすれば卵の数はもっと採れるはずです。採卵数が10個くらいになれば妊娠率は必ず高くなりますよ。[2009年4月3日]
(院長:田中温)
年齢:42 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:8回
 現在までに顕微授精(ICSI)を8回(うち3回はセントマザー)行っています。いつも年齢の割には質の高い卵が取れますが、分割のスピードが遅く、8分割までしか培養できません。回数的にも年齢的にも諦め時なのか・・・とは思うのですが、結論はZIFT法をしてから!と思ってがんばって続けています。しかし、ZIFTになったことがありません。1回目は凍結胚戻し、2回目は内膜が薄かったのですが卵の質がよくなかったので新鮮胚を子宮に戻しました。3回目はG2の卵が4個あり内膜が10mmの状態で、2日培養して子宮に戻しました。ZIFT法を行うのは、どのような基準で判断されるのでしょうか?自分で希望すれば、行ってもらえますか?

 卵管内移植(GIFT・ZIFT)の適応としては、採取される卵子の数が少ない方、過去に複数回の体外受精(IVF)を失敗している方の中で、良好卵子が少なくても1個以上採れた方です。もちろん、卵管は両側の内、一方が通過していることが条件です。
 今年から、GIFT・ZIFTの妊娠率をさらに高めるために、採卵周期に2日目4細胞〜6細胞で凍結しておき、自然周期に融解して卵管に入れるEIFTを行っており、妊娠率は上昇してきております。
 クロミフェン、クロミッド、HMG、スプレキュア、アンタゴニストなどの卵を作る薬剤は、すべて子宮内膜や黄体に作用して、着床を阻害してしまいます。採卵周期には凍結して自然周期に戻すことが最も着床率を高める方法だと思います。[2009年4月3日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:5回 体外受精:2回
 私が通っているクリニックでは、移植から妊娠判定までの中間日に採血をして、E2とP4の数値を調べます。結果、E2値が低いと指摘されました。(E2=120、P4=16.7でした。)
 別のクリニックに通っている友人に尋ねたところ、E2は調べずP4のみを調べているそうですが、妊娠判定までにE2を調べる意義はあるのでしょうか?
 また、採血結果が出る日は妊娠判定日で、陰性判定が出た後に「採血でE2が低かった」と指摘されました。素人考えですが、「結果がわかった時点でE2を補充できないのだろうか?」と考えてしまうのですが、いかかでしょうか?妊娠判定まで結果がわからないのに、採血をする目的がよくわかりませんので教えてください。ちなみに、移植後は妊娠判定まで、1日2回の膣座薬を続けていました。

 着床を左右する因子として黄体期中における血中黄体ホルモン、卵胞ホルモンの値があります。黄体ホルモンは、排卵後、徐々に高くなります。着床した場合には、黄体からホルモンが出るため、黄体ホルモンは高値が継続されます。一方、卵胞ホルモンは排卵時にピークを迎え、その後は低下しますが、黄体期の前半部分でまたピークを迎え、二相性となります。ですから、E2の値が採卵後に極端に下がってしまうことは、着床には良くないことかもしれません。しかし、この微妙なE2の変化を見つけて補正することは、実際の臨床では、かなり時間と労力を要すると思います。現在は、黄体補充機能として黄体ホルモンや少量の卵胞ホルモンを加えた方が、着床率が高くなるという事が、一般的に認められておりますので、前もって卵胞ホルモンを投与されてはいかがでしょうか。[2009年4月3日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:1回 体外受精:2回
 20代の頃から軽い子宮内膜症や子宮腺筋症、40代になって乳房の繊維線種が発見されるなど、体質的にエストロゲン優勢の体質ではないかと思っています。
 卵巣が腫れているわけでもないのに、生理3日目(D3)のE2値も90〜100と高いです。
 排卵誘発の注射やクロミフェンを服用しても、卵が1〜2個しかできなくて、内膜も薄くなってしまうので、次回はセキソビットを使用するつもりなのですが、セキソビットはエストロゲンを増やして卵を育てるお薬だと聞きました。私のようにエストロゲン優勢の体質でも使用して大丈夫でしょうか?

 エストロゲン優勢の体質という事ですが、子宮内膜症、腺筋症とは関係ないと思いますよ。繊維線種もエストロゲン優勢と因果関係があるのでしょうか。
 E2値が高いことは、加齢による影響が考えられます。また、卵が1〜2個しかできないのも年齢的なものかもしれません。月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、大きさをぜひ診てもらって下さい。あなたのお話からすると、月経3日目に、胞状卵胞は1〜2個しかみえないのではないでしょうか。もしも、そうであれば、どのような排卵誘発を使っても、採卵数は3個未満だと思います。このような場合には、排卵誘発剤を強くしないで、クロミフェン、セキソビットで誘発する方が良いと思います。セキソビットはクロミフェンよりも卵を作る能力は劣りますが、着床の状態はセキソビットの方が優れていると思います。こころみる価値はあると思いますよ。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:6回 体外受精:2回
 1人目は自然妊娠でしたが、2人目不妊で通院を始め、ステップアップをしてこれまでに2回の採卵を行いました。  1回目はロング法でした。採卵数15個で、体外受精で8個、顕微授精(ICSI)で4個が受精しました。(残り3個は受精しませんでした。)受精後は、すべてグレードが悪く、移植はできませんでした。
 1回目で受精卵のグレードが悪かったので、2回目はアンタゴニスト法を行い、採卵数は20個、その中に成熟卵が18個ありましたが体外受精で1個も受精しませんでした。
 1回目のロング法で受精障害の兆候がなかったので、2回目は顕微授精を行いませんでしたが、こんなことなら・・・と後悔しています。成熟卵が多く採れたのに、全く受精しないというのはどういうことか、主治医も分からないとおっしゃっていました。
 次回も何らかの方法でチャレンジしたいとは思っていますが、アンタゴニスト法で全部顕微授精をするか、それとも全く違う方法(クロミッドなど)で採卵するか迷っています。セカンドオピニオンとして、先生の見解をお聞かせください。よろしくお願い致します。

 見かけ上、良好な卵でも体外受精で全く受精しないことはよくあります。排卵誘発法の違いによって結果が違うこともよくあります。今までの結果を参考にされて、もし必要な場合には顕微授精(ICSI)をされることをお勧めいたします。
 アンタゴニストでいい卵が採れているようですので、次回はアンタゴニスト法で誘発し、すべて顕微授精をされてはどうでしょうか。クロミッド法もいい方法ですが、採卵数が減ってしまいます。あなたの場合は、アンタゴニスト法で十分反応しているようですので、私は数が多い方が有利だと考えます。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 採卵周期には全胚凍結をして、別の周期に自然周期胚移植を行うと妊娠率がよくなるという回答を拝見しました。
 内膜が薄くなくても、採卵した周期に戻すより自然周期で戻す方が妊娠率は上がるのでしょうか?胚凍結のリスクもあるので、内膜の状態がよければ採卵した周期に戻すほうがいいのでしょうか?教えてください。

 全胚凍結の利点のひとつは、内膜が薄い方に適応できるということです。内膜を厚くするために色々な方法が考案され、私達も行ってきましたが、結果的には薄い方はなかなか厚くならないというのが最終的な結論です。内膜を厚くしようと大量のホルモン剤を使う事によって、かえって卵巣機能を壊してしまうこともあります。そういう意味で、内膜が薄い方の場合には、自然周期に戻す方法をお勧めいたします。ホルモン剤を使わない自然周期であれば、当院では内膜の厚さが3mmで41歳の方が男児を出産しております。ですから、内膜が薄い場合には、自然周期胚移植をお受けになるのもひとつの方法だと考えています。
 内膜が十分に厚い場合には、全胚凍結をしないで、採卵周期に移植をしても構いません。ただ、考え方は施設によって異なりますので、その施設が得意とする方法でされるといいと思います。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:2回
 顕微授精(ICSI)をしていて、質問が2つあります。
 1. 採卵した5個のうち2個が未成熟だったため、培養して1日おいてから受精させたと言われました。そのような卵子でも妊娠は可能なのでしょうか?
 2.通院している病院では受精後すぐに凍結をします。先日凍結卵を融解したのですが、翌日2細胞になったものの、3日後も分割が進んでいませんでした。それでも凍結胚の場合は、時間が経ってからどんどん成長することがあるとの説明で、その胚を戻したのですが、結局妊娠にはいたりませんでした。分割が止まったという判断はどのくらいでするものなのでしょうか?

 採卵後、未成熟卵を1日培養して受精させる方法は、ほとんど妊娠しません。受精率は高く4細胞〜8細胞まで分割しますが、その後の分割率が極端に落ちます。これは、やはり卵子の質が既に低下している状態で受精しているためだと考えます。すなわち、採卵する時点で未成熟であった場合には、卵子の運命はすでに退行に向かっていると考えられます。おそらく、このような方法で妊娠・出産した報告はほとんどないのではないでしょうか。
 胚のステージは未授精卵、受精卵、分割卵(4細胞〜胚盤胞)と色々ありますが、施設によって得意とするステージがあると思います。ですから、通院されている施設が得意な方法を行うことが最も良いと思います。しかし、一般的に受精直後の凍結よりも、分割胚の方が凍結に対する抵抗力が強くなります。分割胚を凍結保存する方がいい結果につながるかもしれません。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:27 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:1回
 精子細胞が見つかり、顕微授精(ICSI)にて妊娠することができました。
 羊水検査の説明をうけ、受けるかどうか迷っているところです。後期精子細胞よりも未熟な精子細胞での妊娠です。可能性のある障がいとしてはどのようなものがあるでしょうか?

 精子となる前の精子細胞を用いた場合の胎児および新生児の異常に関しては、当院の分析では自然妊娠と変わらないという結果が出ております。染色体異常や遺伝子の異常が増えることはないと思います。ただし、一番問題になるのは遺伝子の機能がうまく発育するかどうかという点で、この点においては異常が報告されています。すなわち、プラダーウィリー症候群やアンジェルマン症候群などの疾患です。これらの疾患を代表とする「遺伝子刷り込み異常」ですが、特徴的な異常としては、生まれる前の発育異常、生まれた時に筋緊張が少ないなどの特徴が認められます。しかし、精子になる前の細胞を使って明らかにこのような異常が増えるという報告は現在のところ認められていません。また、この遺伝子刷り込み異常に関しましては、羊水検査では正しく診断することはできません。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:4回 体外受精:2回
 低刺激周期で誘発をしたところ、採卵数11個、8個が正常受精し、G1を1個新鮮胚移植しましたが陰性でした。残りの7個は胚盤胞まで育て、唯一育った1個を凍結して翌周期に戻しましたが陰性でした。
 その後は5ヶ月休み、前回と同じ誘発法で治療を行いました。(ただし、最後から4回目の誘発注射種類が、前回はテイゾー、今回はフォリスチムでした。)ところが、今回は6個しか採卵できず、うち3個は空胞でした。正常受精できたのは、たったの1個でした。また、前回は採卵後の内膜も12mmでしたが、今回は8.7mmと薄くなってしまいました。
 誘発法を変えていないのに、このような違いがおこって、がっかりしています。前回との違いで気になる点は、9日目に1個だけ20mm以上まで育ったいびつな卵胞があったことです。
 次の治療を行うにあたり、質問をさせてください。
 1.治療をお休みしていた5か月の間に、卵巣機能が半年ですっかり低下してしまったのでしょうか?(今回は、FSHがぎりぎり1桁だと言われました。)それとも周期によって、これくらいの違いはあってもおかしくはないでしょうか?  2.次回の誘発法としては、どのような方法を行うとよいでしょうか。もっと自然に近い方法で誘発してみたほうがよいでしょうか?

 あなたの質問から考えてみると、原因は「5ヶ月のお休みで卵巣機能が低下した場合」「排卵誘発剤の種類の変更」「9日目の20mm以上のいびつな卵胞」の3つが考えられます。今後は、ホルモン検査(FSH、E2等)を行い、超音波にてAF(胞状卵胞)の状態をチェックすれば、卵の成長がある程度推測できると思います。もしも、卵巣が腫れている状態なら、その周期はお止めになった方がいいでしょう。
 上記の低刺激周期というのは、具体的にどのような排卵誘発法だったのでしょうか。どういうことが分かれば、またアドバイスが可能と思いますので、お知らせください。[2009年3月17日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:38 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:10回 人工授精:8回 体外受精:6回
 治療を始めて6年になります。タイミング、人工授精(AIH)を経て、現在は、体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)をしています。
これまでに、ショート法、ロング法をしましたが妊娠しませんでした。ロング法では途中で中止になることもあって、現在は、負担の少ないアンダゴニスト法で治療をしています。採卵数は3〜4個で、2〜3個は受精します。子宮内膜の厚さも基準値はあるので、これまでは凍結はしないで初期胚を移植していました。
 しかし、採卵周期は薬や注射のダメージを受けているので全胚凍結をして別の周期に移植する方がいいと聞き、採卵後、2個の受精確認後すぐに凍結し融解胚移植しました。胚はグレードB(8分割)とグレードBC(6分割)でした。移植に向けて、生理3日目からプレマリンを服用し、15日目からはルトラールとクリノンを追加しました。しかし、妊娠判定は陰性・・・内膜もホルモン補充も十分できていたのに残念です。
 これまでに胚の長期培養をした事もありますが、途中で止まってしまい、胚盤胞まで成長しませんでした。着床しないのは、やはり胚の質が良くないからなのでしょうか?
 年齢的な事や経済的な事から、治療もあと数回と考えているので、次の治療方法について迷っています。今まで、色々な方法を行ってきましたが・・・先生ならば、次回はどのような方法を行いますか?アドバイスをお願いします。

 Long法は卵の数が少し減るため、あなたの年齢では、Long法は向かないと思います。Short法が一番いいと思います。アンタゴニストももちろんいいと思いますよ。
 まずは、月経3日目までの左右卵巣内の胞状卵胞の数、大きさを診てもらってください。胞状卵胞の所見が排卵誘発法を決める上で、最も重要な所見となります。胞状卵胞は5個以上あるならば、アンタゴニストかShort法がいいでしょう。アンタゴニスト法では卵の数が減りますから、胞状卵胞が少ない場合にはShort法がいいと思います。
 凍結するタイミングは色々ありますが、受精直後よりも翌日の4細胞〜8細胞に分割した胚を凍結する方がいいと思います。あなたは月経周期が規則正しく二相性ですので、移植はホルモン剤を使わない自然周期で行うとよいでしょう。妊娠率には差がありませんが、流産率が自然周期の方が低くなると思います。
 長期培養、胚盤胞移植は決して万能ではありません。途中で分割が止まることも良くあります。このような場合には早めに戻す方が有利です。当院では体外受精(IVF)を数回して結果が出ない方には、卵管に入れる方法(GIFT・ZIFT法)をお勧めしております。[2009年3月17日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:不明 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:1回
 4年前にクラミジアが発覚し、夫婦で薬を飲んで治療した後、卵管造影検査をして問題ないといわれました。しかし、なかなか自然妊娠しなかったため、1年前に顕微授精(ICSI)を行って1回目で妊娠し、無事出産をいたしました。
 現在は、2人目を希望しており通院しておりますが、卵管に水腫のようなものがあるので卵管造影検査をしましょうと言われました。私は子宮頸ガンのクラス3aがあり、別の病院で3ヶ月おきに内診をして経過をみてもらっているのですが、水腫の話は一度もでてなかったので、とてもショックでした。もし卵管造影検査をして水腫があった場合は、必ず腹腔鏡手術をしないといけないのでしょうか?腹腔鏡手術をしないで体外受精(IVF)ということも可能でしょうか?ちなみにクラミジアのIGGとIGAの数値は、いつも2.0以上の数値がでますが、下がっているから薬は飲まなくてもいいと言われています。

 クラミジアによって卵管に炎症が起きて、水腫のような形状になった可能性が考えられます。IgG、IgAとも陽性という事ですが、治療後、治癒の状態ですね。
 水腫があっても、卵管の通過性はあるのでしょうか。水腫があっても卵管の通りが良ければ腹腔鏡手術をしなくても人工授精(AIH)を行っても構いません。ただ、卵管が水腫になっているということは感染が起こった可能性が示唆されますので、「1.腹腔鏡を行って癒着の有無を確認する」「2.腹腔鏡をしない場合、人工授精は多くても5回ぐらいまでとして、結果が出ないならば体外受精(IVF)を考える」のどちらかを選択されて下さい。
 ただ、卵管の水腫様の部分が大きくなったり、子宮内に液の貯留がでてきたりと、着床に悪影響を及ぼすようであれば手術を考えられる方がいいと思います。[2009年3月5日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:46 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:3回 人工授精:13回 体外受精:5回
 体外受精(IVF)のため採卵を繰り返していますが、いつも空胞で、卵子が1個も採れません。刺激法は、クロミフェンを生理2日目から12日間の服用です。  どうすれば卵子のある卵胞ができるのでしょうか?教えてください。

 採卵時のE2(エストラジオール)の値はいくらでしょうか。卵子1個当たり200pg/ml以上あれば、卵子はできていると判断できます。もしかしたら、この値が低いのではないでしょうか。是非ホルモンの値を測定してみて下さい。
 E2の値が低くて、卵子が採取されない場合は、採卵時の吸引された液の中に顆粒膜細胞があるかどうかを診てもらってください。もし顆粒膜細胞があれば、その状況(黒くて硬い、透明感があるなど)を教えて下さい。
 E2が低くて、卵胞が認められる場合は、前周期の未熟な卵胞が残存卵として残っていることも考えられます。[2009年3月5日]
(院長:田中温)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:4回 人工授精:5回 体外受精:2回
 セントマザーで治療をしています。2回目の体外受精(IVF)で、初めての陽性反応がでました。受精卵の分割速度が遅く、凍結は無理だということで期待していなかったので驚いています。
 採卵10日目からお腹が膨らみ始め、以前よりウエストが4cm程大きくなりました。体重の増加や尿の減少等はありませんでしたが、膣座薬挿入の際、腫れているような違和感がありましたので、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)ではと思い、受診したところ、OHSSでした。卵巣が左右とも6〜7cm腫れ、腹水もありました。血液検査の結果は後日で、胎嚢はまだ確認できていません。
 担当医には、「血液が濃くなりやすいので水分をたくさん摂取するように」と言われましたが、水分摂取は腹水が溜まるので最小限にと書かかれています。賛否両論があるようですが、先生はどうお考えでしょうか。また、このままOHSSが続くと流産の可能性はありますか。

 当院に来院できるようでしたら、来院時に詳しい状態を聞いて下さい。遠方からお越しで、現在は他院で状態を観察されている場合は、血液検査で、白血球の数やヘマトクリットはどうなっていますか。また、腹水量や入院については、お話がありませんか。
 通常、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の方には水分の補給を指示しますが、実際水分をとるとしても1.5Lまでが限界ではないでしょうか。1〜1.5Lを毎日の目安にして、あとは必要に応じて点滴と行うようにするといいと思います。2L以上とることは、実際問題難しいでしょうし、水中毒といって体の中の水分バランスの乱れを生じることがありますので気をつけてください。[2009年3月5日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:6回 体外受精:1回
 私は、33歳の時に採卵して、12個凍結保存してあります。凍結胚の更新時期が近づいていますが、何年も凍結して卵子の質の低下などはないのでしょうか?もちろん、個人個人の状況で違うとは思いますが、長期凍結のダメージはどれくらいなのか知りたいと思っています。
 何年も凍結するよりも、また採卵を始めからした方がいいのでしょうか?それとも、若い時に採った卵の方が質はよいのでしょうか。更新するならば2年くらい更新しようと思っていますが、更新しないで新たに採卵するのと、若い時の卵を使う(凍結・融解時のダメージを含めて)のと、どちらが妊娠率はよいでしょうか。

 33歳の時に凍結したということは、3年前の胚ということだと思います。この程度の保存期間ならば、質の低下はないと考えます。この凍結胚を使って治療されてはどうでしょうか。凍結保存期間は5年位であれば、質の低下はないと考えます。5年以上となりますと、胚の質は少しずつ低下してくると思います。[2009年3月5日]
(院長:田中温)
年齢:43 基礎体温:二相性ではない 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:15回 体外受精:19回
 今回5回目の流産をしました。4回目の妊娠からは、ヘパリン療法をしましたが、やはり育ちませんでした。あと半年くらいは治療を続けようと思っていますが、私の体では、やはり妊娠を継続するのは難しいのでしょうか。
 また、10ヶ月前にGIFT法をしましたが、条件がそろえば、(流産率が低いと聞いているので)次の治療も再度GIFTをしたいと思っています。前回のGIFTから1年以上経っていませんが、再度GIFT法を行うことは可能でしょうか?(それとも、私のような場合は、流産率はGIFTでも低くならないのでしょうか・・・。)

 GIFTの傷は1ヶ月経てば、ほとんど完全に元に戻りますので、2ヵ月間をあければ大丈夫だと思いますよ。[2009年3月5日]
(院長:田中温)
年齢:32 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:3回 体外受精:1回
 4ヶ月前に、体外受精(IVF)にステップアップしました。今までの人工授精(AIH)では、セロフェンにて誘発、卵胞が4個くらいは確認できていました。初めの体外受精では、前周期にプラノバールを服用し、セロフェンにて誘発しましたが2個で少ないため採卵は中止となり、次周期にアンタゴニスト法に変更となりました。
 アンタゴニストでの誘発周期(前周期の服用せず)では、5個の卵胞ができたのですが、大きさがばらばらでした。受精卵は1個で、内膜が薄いため凍結し、7分割の胚を移植しました。
 私は、左卵管閉塞・高プロラクチン血しょう、主人は、精子運動率が不安定で良かったり、悪かったりです。
 今後の治療についてですが、採卵数、卵胞の大きさを考えるとこれまでの誘発法が合っていないのではと思っています。次回の誘発法は、ショート法かロング法かを行ってみようと思いますが、どちらがいいでしょうか?また採卵数は、どのくらいを目指せばよいのでしょうか?今回は、受精卵1個だけだったので、また採卵から・・・と思うと負担が大きいです。次回は受精卵がもう少しできるようにしたいのですが、どうすればいいでしょうか?

 体外受精(IVF)における排卵誘発法で、どのくらいの卵胞が発育するかどうかを前もって予測する検査法としては、月経3日目までの胞状卵胞の数と大きさを調べることが有効的です。この数が粒ぞろいで、7〜8mm以下のものがあれば、必ず発育してきます。
 胞状卵胞が粒ぞろいの場合には、アンタゴニスト法でもいいと思います。あなたの場合は、前回の結果大きさがバラバラだったという事ですので、胞状卵胞の数が5〜6個ならばShort法、7〜8個ならばLong法がいいと思います。また3日目までのE2、LH、FSHの値を測定して下さい。LHの値が低い場合には、卵ができない可能性があります。  採卵周期前のプラノバールの服用は、諸刃の剣です。かえって卵ができなくなることがありますので、十分注意して下さい。ホルモンの値が低下している場合には、その周期は見送った方がいいと思います。[2009年3月5日]
(院長:田中温)
年齢:34 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:4回 体外受精:11回
 結婚して5年になります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されていますが、生理は規則的で、卵管も問題ありません。排卵時には下腹部に激痛があり、ひどいときはおしりまで痛いことがあります。(クロミッド服用時は、痛みで夫婦生活をもてる状態ではありませんでした。)主人には問題はありません。
 POCSに対する治療はまったくなく、クロミッド服用、ホルモン注射、デュファストン服用の繰り返しです。体外受精(IVF)をすすめられ、ステップアップしました。
 1回目は、採卵11個、受精11個、胚移植1個で結果は出ませんでした。分割5日目に胚盤砲になったのは2個だけでしたが凍結し、2回目は、凍結胚盤胞移植(アシスティッドハッチングをしました)をしましたがだめでした。担当医は、「年齢も若いから次はまた採卵して・・・」と簡単に言いますが、治療費が安くないので、簡単ではありません。それで、担当医を信頼できなくなってしまいました。もしかしたら、体外受精をする前に、何か行う検査や治療があるのではないのかと考えています。高い治療費を払っているのに、待ち時間は2時間、診察は1分、質問したら怒られる・・・。まったく納得がいかないので、転院も考えています。PCOSのことも気になっていますが、私が受診した場合、先生ならばどのような流れで検査・治療を進めてくださるでしょうか。もしも(遠距離から)セントマザーへ転院する場合は、もっとも適切な受診のタイミングや必要な資料があれば併せて教えてください。

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断には、まず月経不順があります。月経が規則正しい場合には、PCOSとはいいません。ただ超音波上で、多数の嚢胞が見えているだけです。これは、多嚢胞性卵巣(PCO)と言います。
 体外受精(IVF)で最も大事な点は、いかに質の高い卵を誘発するかという事です。自然周期や飲み薬を服用する方法もひとつの方法ですが、やはり10個ぐらいの卵が採れた方が有利だと思います。11個採れて全て受精したのに、胚盤胞が2個という結果は少し発育が悪いようですね。排卵誘発法を変えてみてはどうでしょうか。
 排卵誘発法を決定するには、まず月経3日目までの胞状卵胞の数、大きさ、位置、E2、LH、FSHの値をチェックして、検討してみて下さい。これらの値の結果を見て、数が多い場合にはLong法またはアンタゴニスト法、少ない場合にはShort法が有利だと思います。また、胞状卵胞数が7〜8個以上と多い場合には、1周期ピルを飲んでから排卵誘発をする事も有用です。
 当院への転院をご希望の場合には、いつでも結構ですが、もしも日時が選ぶことができるのであれば、月経開始の直前か月経開始3日目までの午前中に来院されてください。また基礎体温表などがありましたら、ご持参されて下さい。また、ご主人と一緒に来院できるようであれば、ご主人は初診時に精子凍結が可能ですので、2〜3日禁欲して来院されて下さい。[2009年3月5日]
(院長:田中温)
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