回答一覧 - 男性が原因の不妊について No.8 -
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 私は35歳半なので、そろそろと思って、1年前からトライしているのですが、一向に気配がありません。海外在住のため、よく理解できない事がたくさんあって、不安を感じています。
 この国では、どんな病気でも、まずは「主治医」に診てもらいます。先日、はじめて主人が精子検査をうけ、結果は、以下の通りでした。
 精液量:1ml
 精子濃度:1000万/1ml
 運動率:35%
 奇形率(?):76%
 この結果を主治医に見せたところ、「ちょっと時間がかかるだろうけど、そのうち・・・(自然妊娠するだろう)」のようなコメントでした。また、この国では出産が遅いせいか、「奥さんはまだ若いから、まったく問題はない」と真剣にとりあってくれません。
 主人の検査結果は、一般的にはどうなのでしょうか?インターネットで調べてみると「乏精子症」の部類に入るのではと思う数値であるし、量や運動率、奇形率にも、決してよい数値のように思えません。
 このまま、主治医の意見に従っていてよいでしょうか?

 精子検査の所見を拝見しますと、乏精子症の部類といえるでしょう。このような状態では、自然妊娠は難しいかもしれません。しかし、コンディションや禁欲期間によっても精子の数値は変化しますので、複数回の検査をされることをお勧めします。
再検査をしても同様な結果であれば、人工授精(AIH)や体外受精(IVF)も視野に入れ、検査や治療を進めていかれてはいかがでしょうか。[2008年9月16日]
(産婦人科医・麻酔科医:姫野憲雄)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:3回 体外受精:0回
 先日、夫が39℃近くの高熱を出し、腸炎で10日間ほど入院しました。その間、解熱剤、抗生物質や点滴をしていました。
退院後、すぐに夫婦生活を取りましたが(禁欲期間2週間)、薬の摂取や高熱に伴う精子への影響が不安で、もし妊娠しても素直に喜んで良いのか複雑な心境です。受精や妊娠、胎児に影響はないものでしょうか?

 まず問題になることは少ないと思います。いい精子でなければ、高熱など、体調不良によって死滅したり、運動率が低下しているものと思われます。
 通常は、自然にふるい分けが起こり(自然淘汰)、不良精子での受精は起きにくく、受精・分割をして、着床・妊娠に至っても、胚に問題があれば殆どが流産になるものと思われます。今後のこととして、もう一度精液検査をしてみて、以前と所見が変わっていないのか確認されてみてはいかがでしょうか。[2008年8月20日]
(産婦人科医:永吉基)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:7回 人工授精:0回 体外受精:0回
 昨年受けた精子検査では問題ありませんでしたが、その後のフーナーテスト(5回)で運動精子が見当たりませんでした。先日、2回目の精子検査をしたのですが、精液量、精子数は問題ありませんでしたが、動いている精子はすべてくるくると旋回している状況で、FSCといわれる良好精子はまったくいない状況でした。
 状態をよくするため、漢方を飲み始め、人工授精(AIH)を行う予定ですが、このような状況で効果はあがるのでしょうか?
 ちなみに、3回目のフーナーテスト(結果は不良)のときに妊娠しましたが、流産しています。

 一度自然妊娠したのであれば、妊娠・出産する可能性は期待できると思います。そのような精子の運動異常は精子の鞭毛に原因があるのだろうと思いますが、精子頭部の形態異常の率がさほど高くないのであれば、「精子の運動異常」が流産の直接原因になるとは考えにくいと思います。おそらく別の原因でしょう。
 妊娠する上で、まったく問題のない若い男女が自然妊娠したとしても、約10〜15%は流産します。その多くは、胎児側の染色体が原因であり、次回は健康な赤ちゃんを出産できる場合が大半なので、特別な治療は必要ありません。
 今後、タイミング法(夫婦生活)で妊娠できない場合に、人工授精法(AIH)で、より妊娠しやすくなるという断言はできませんが、やってみるだけの価値はあると思います。
 それでもなかなか妊娠しない場合には、ステップアップして、体外受精(IVF)となります。体外受精では、御主人の精子が卵子と受精する能力があるかどうかを確認できますし、もし受精しなければ顕微授精法(ICSI)を用いて人工的に授精させることによって、妊娠する事は十分可能だと思います。
 漢方薬に効果があるかどうかについては何とも言えません。[2008年7月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:5回 人工授精:0回 体外受精:0回
 なかなか子供ができず、検査を進めるうちに「無精子症」が発覚しました。泌尿器科で診ていただいたところ、「先天性の非閉塞性無精子症」の可能性が高いということでした。
 血液検査による「ホルモン検査」と「染色体検査」の結果を待っている段階ですが、睾丸のサイズが大変気になっています。通常「16〜20cc」のところ、主人は6ccしかないそうです。睾丸のサイズが小さいとよくないのではと思いますが、精子や精子細胞がみつかる可能性はあるのでしょうか?

 おそらく、非閉塞性無精子症だろうと思います。FSHやテストステロンの血中濃度を調べていると思いますが、多くの場合、異常値になります。染色体検査はされていますか。染色体が「47XXY」のクラインフェルター症候群の可能性もあります。
 MD-TESEという手術で精子や精子細胞が見つかり、顕微授精(ICSI)を行うことができる可能性もありますが、妊娠・出産までができる症例は限られると思います。当院でも、精子細胞を用いて出産した赤ちゃんはまだ300名足らずしかいません。
 クラインフェルター症候群の場合、他の非閉塞性無精子症より、精子(または精子細胞)が見つかる可能性は高くなります。MD-TESEをお受けになられてはいかがでしょうか。[2008年7月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:31 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 主人が2回の精液検査でいずれも無精子症と診断されました。
 主人は現在30歳なのですが、12年前に肺に腫瘍ができて、肺を1つ摘出しております。その際に、6クールの化学療法を行ったことが、無精子症になった原因だと考えられると担当医から言われています。精子を作るように命令しているホルモン値は平均より高いそうです。
 私達には、精巣生検をして顕微授精(ICSI)を行うしか手がないようですが、精子が作られている可能性はあるのでしょうか。

 抗癌剤による化学療法で重症乏精子症や無精子症になる人は多くいます。ご主人の場合も、それが原因となった可能性はかなり高いと思います。
 FSH(やLH)の値が高くなっているのだろうと思いますが、薬物療法を行う前は、正常に精巣が機能して精子を産生していただろうと思いますし、染色体異常のクラインフェルター症候群を除いては、後天的に無精子症になっている場合の方が、精巣内に精子や精子細胞がみつけられる期待があるように思います。ただ年月とともにその確率は低下していくでしょう。まずはご主人の手術をしてみてから、ということになります。
 成熟精子は見つからなくとも、後期精子細胞などが存在すれば(妊娠率は低下しますが)治療は可能です。
 ただ、結果によっては『提供精子による不妊治療』しか選択肢が無いこともしばしばあります。[2008年6月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:35 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:10回 体外受精:6回
 結婚2年目にして不妊クリニックを受診し、主人の精子無力症が判明し、顕微授精(ICSI)しかないと言われて治療中です。
 実は、主人はEDで、勃起はするが持続しないといっています。バイアグラを試しましたが、まったく効きませんでした。しかし、精液採取は可能で、顕微授精に用いる精子はとれます。
 これはEDなのでしょうか?それとも何か他に原因があるのでしょうか?また、EDだと思っていたら、精子無力症という診断でしたが、EDの人には多いことなのでしょうか?

 勃起不全ということなので『ED』にあたります。すべての症例にバイアグラが効くとは限りません。自己採取が可能であれば、ストレスなどの精神的原因や自律神経の失調によるもののように思いますが、器質的な原因(神経損傷や腫瘍など)の可能性も完全に否定はできないかもしれません。
 古い精液が溜まりすぎると、精液所見は悪化します。定期的に射精させることで、いくらか改善する可能性も考えられますが、どの程度の検査結果なのかはっきりしませんし、EDが原因かどうかは判断できません。[2008年6月16日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:36 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 主人がY染色体の中の一部(AZFc)が欠失している無精子症と言われました。精巣生検をするようにすすめられましたが、精子が見つかる率は低く、辛い手術になると聞き戸惑っております。また、このY染色体欠失の無精子症は、男の子には確実に遺伝すると言われましたので、更に悩みが深くなるばかりです。もう子供は諦めた方が良いでしょうか。

 10年ほど前より、Y染色体の微小検出が、無精子症の原因であるという報告がされております。しかしながら、正常な男性にもこのような欠失があることが報告されており、欠失と無精子症との直接的な因果関係はわかっておりません。無精子症の方の中で欠失が見られる割合は10%程度と高くありません。
 Y染色体の欠失は、男の子が生まれた場合は、おそらく遺伝すると思いますが、それが無精子症に直接つながるかどうかは、未だ証明されておりません。諦める必要はないと思いますよ。[2008年6月16日]
(院長:田中温)
年齢:23 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 フーナーテストで精子が見当たらない事が分かり、精液検査をしたところ、精子が見当たりませんでした。非運動精子を含めて、見つからなかったそうです。ホルモン検査の結果、FSHが32と高く、担当医からは非常に厳しいと言われました。
 先月、染色体検査のため採血をして、クラインフェルター症候群(47XXY)であると告げられました。子供の事が頭から離れる日はなく、毎日が不安で不安でたまりません。私達には、希望はありますでしょうか。

 クラインフェルター症候群は無精子症の原因の1つですが、他の非閉塞性の無精子症に比べて、精巣上体から精子または後期精子細胞が見つかる確率は高くなりますので、諦める必要はないと思います。
 精子または細胞が見つかる確率は、30%ぐらいだと思って下さい。なお日本産科婦人科学会から、染色体異常を有する男性からの不妊治療に関しては、十分注意する必要があるとの報告があります。うまれてくるお子様の染色体異常の率が少し高くなる可能性があると理解してください。但し、実際のところ、当院にてクラインフェルター症候群で出産した方については、全て正常な染色体であることがわかっております。[2008年6月16日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:無関係 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 前回の回答で、何年かぶりの嬉し涙でいっぱいになりました。心からお礼と感謝を申し上げます。
 主人は、無精子症で精母細胞のみの確認ですが、先生の「是非トライしてみて下さい」という言葉で可能性がゼロでないことを知りました。それだけでも今の私達には十分過ぎる回答でした。
 もしかしたら・・・というよりも、これから2人で生きる上で納得したいという気持ちが強くあります。主人の仕事の都合で、来院は約1年後になりそうですが、予約を取っておくことはできますでしょうか?また、遠方からの来院ですので、できるだけのことをやって、検査時には主人の体調を整えて臨みたいと思っています。
 無精子症に効く漢方薬は処方してもらえないのでしょうか?インターネットでは、鍼やゴーヤの種などは効果があるとありますが、夫婦の考えでは、やはり病院で処方された漢方薬を常飲してみたいと思っています。主人の体と精神的な面を整える意味で、少しでも効果があるのならば、漢方薬を試してみたいので、処方してもらえるのであればお願いしたいと思っています。処方していただけるのならば、どうすればよいのか教えてください。

 予約は可能です。かなり先まで予約が詰まっていますので、なるべく早く予約された方がいいでしょう。鍼やゴーヤなどはあまり効果がないとお考え下さい。といいますのは、精子を作ったり、卵子を作ったり、または神経細胞のような細胞は一度障害を受けると、再生する能力がないからです。
 無精子症の特効薬はありません。漢方薬もあくまでも二次的、補助的なものであると考える方がよいと思います。当院では画一的に処方するのではなく、個別のカウンセリングを行った後に処方内容を決めております。漢方薬の処方については、ホームページにも掲載しておりますので、ご覧下さいね。[2008年6月2日]
(院長:田中温)
年齢:29 基礎体温:無関係 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 2年前に無精子症といわれ、細胞検査をしたところ、精母細胞のみの乏無精子症とわかりました。絶望的な毎日でしたが、泣くだけ泣いて、今は前向きにいます。「諦めたら0%」この言葉に支えられ、現在はいつかセントマザーへという思いで夫婦仲良く生活しています。もちろん、精母細胞のみでは、妊娠が不可能な事は、このQ&Aの回答でも分かっています。ただ、いつもこのサイトで勇気付けられているのは確かです。主人の生まれ持った体であれば仕方ありません。けれど常に人は変わっていくのだから、もしかしたら奇跡があるかもしれない・・・私はそう信じています。もう、十分に落胆しました。同じ結果だろうと、私たち夫婦は一度セントマザーで診てほしいと思っているのです。このような検査結果をもつ私達の場合、セントマザーへの来院は断られるでしょうか?

 乏無精子症に対する診断や治療は、少しずつではありますが、進歩してきております。現在では、採取した精細管の中から、少数個の細胞を分離し、どのステージの細胞かも観察・同定を高い確率で行なう事ができます。また、形態学的に診断した細胞を、同日にすべて凍結保存できます。精母細胞が見つかったという結果は、おそらく組織で観察した結果だと思います。組織内に精母細胞が見られたということは、おそらく、細胞レベルで見れば、数は少なくても精子細胞が見つかる可能性は十分あると思いますよ。もう一度やってみる価値は十分あると思います。決して諦めずに、是非、トライしてみて下さい。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:6回 人工授精:0回 体外受精:1回
 夫は36歳、非閉塞性無精子症(FSH高)です。7ヶ月前に大学病院でMD-TESE(精巣左右両方とも)を受け、手術は3時間半もかかりました。結果は、精巣機能の状態は非常に悪く、精子細胞が見つからず、1個だけ異常精子細胞があり採取したが妊娠は難しいということでした。駄目で元々で、先生にお願いして、その異常細胞を使って顕微授精(ICSI)を受けてみたところ、受精したので8分割(3日培養)で移植しましたが妊娠しませんでした。
 その後夫と話し合い、非配偶者間人工授精(AID)に進むことを考えています。しかし、私としては、やはり夫の子供をあきらめきれません。セントマザーで、もう一度MD-TESEをすることは可能でしょうか。異常であっても細胞が見つかったのだから、正常な細胞もあるのではないかと考えてしまうのです。夫の体への侵襲を考えると、もうしない方がいいでしょうか・・・。

 当院では、無精子症に対し独自の診断、治療をしております。方法としては、採った組織をすべて酵素処理して、ひとつひとつの細胞を詳しく観察し、その内で凍結します。組織ではなく細胞として凍結する方が、融解時の蘇生率は高くなります。また、精子が見つからなくても後期精子細胞であれば、これを用いて妊娠される技術が開発されております。たとえ数は少なくても、細胞が見つかったのであれば、より正常で良好な細胞が見つかる可能性は高いと思いますよ。確かに、精巣生検は大変辛い検査ですが、できれば、もう一度検査されてみてはどうでしょうか。やってみる価値はあると思います。[2008年4月15日]
(院長:田中温)
年齢:31 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:1回 人工授精:4回 体外受精:0回
 4回目の人工授精(AIH)を昨日行いました。私は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で治療中、夫も精子無力症と診断されています。前回から精子の状態が悪化していると言われています。
 今までの精子の状態については、でした。1、2回目のAIHでは精子数が2000〜3000万前後で運動率は前進運動しているものが15〜50%、3回目には精子数は3000万で運動率が8%でした。4回目には、状態が悪く、数は80万しかおらず、運動率は高速前進運動しているものは0%、かろうじて前進運動しているものが12%でした。
 実は、4回目の時に、精液採取をした容器を自宅から病院へ持って行く時に、床へ落としてしまいました。容器は割れませんでしたが、精液がふたや容器のまわりに飛び散ってしまったので、それが原因で数が減ってしまったのかと気になっています。落とした衝撃で、精子の状態が悪くなることはあるのでしょうか?
 精子の状態が徐々に悪くなってきているので、とても不安です。このまま精子がいなくなってしまう可能性もあるのでしょうか。

 精液の入った容器を落とした事による1回の衝撃で、精子の数や運動が悪くなる事はさほどないだろうと思います。精液がまわりに飛び散ったためにかなり減ってしまったのではないでしょうか。
 男性不妊の場合、治療によって精液所見が改善する事はあまり多くはありません。一旦悪くなると徐々に低下していく事の方が多いと思いますが、そのスピードは個人差があります。また、精液所見の改善のために精索静脈瘤の手術をすすめる泌尿器科医もいます。[2008年4月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:7回 体外受精:2回
 男性不妊で治療中です。夫は現在33歳ですが、26歳で「精作静脈瘤」で手術、29歳で「睾丸水腫」で手術をしています。精子数は、1500〜3000万、運動率は0〜30%(0%は過去に2回)です。
 1回目の体外受精(IVF)で自然受精しましたが、2回目はほとんど運動してなかったので顕微授精(ICSI)になりました。
 気になったのですが、このような男性不妊の場合、男児が生まれた場合は、遺伝する可能性は高いのでしょうか?教えてください。

 無精子症などの重症男性不妊症の中には、Y染色体の中の遺伝子の微小欠損など(AZFなど)が原因のものもあるといわれていますが、まだ詳しくは解明されていません。単一遺伝子ではなくて、いくつかの遺伝子が複雑に影響しているともいわれています。また、環境因子や病気などの後天的な要因が関与している場合も多いと思います。男性不妊が、必ずしも遺伝するとは言えません。また、たとえ夫の不妊が遺伝子による原因だとしても、次の世代において、それが必ず発現するというわけでもありません。[2008年4月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:40 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 無精子症と診断され、先日MD-TESEをうけた結果、精祖細胞もないと診断されました。医師からは治療方法はなく、あきらめるか非配偶者間人工授精(AID)しかないといわれましたが、他の男性から精子の元になる細胞を、睾丸に移植するなどの方法はないのでしょうか?

 精祖細胞が無いという状態であれば、やはり非配偶者間人工授精(AID)しかないと思います。APS細胞など新聞などで取り上げている細胞に関しては、まだ、研究段階で臨床に応用されるかは疑問視されております。[2008年4月1日]
(院長:田中温)
年齢:37 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 男性の飲む薬について、ご相談したいことがあります。主人は3ヶ月ほど前から、プロペシア1mgを毎日1錠のんでいます。この薬は、1年くらい前に認可されて皮膚科を受診してもらっていますが、薬の副作用として、精力減退、精子減少、勃起障害などがあるようです。
 インターネットなどで調べると、この薬は、女性の摂取は厳禁となっておりますが、男性が飲みながら女性が妊娠した場合のことが書かれていません。妊娠を希望しているので、産婦人科医に尋ねたのですが、新しい薬のためか、はっきりとした答えをもらえず、悩んでいます。
 この薬を飲み始めて、精力減退を感じていて、実際に副作用は感じているようですが、プロペシアは続けたいといいます。この薬を飲みながらの妊娠は難しいでしょうか?また、薬を飲みながら妊娠できた場合、奇形などの可能性はあがるでしょうか。

 育毛剤の一種だと思いますが、はっきりとしたデータに基づいているわけではありませんが、薬剤の性質から考えると、長期的にみて「精液所見が低下する可能性(精子数や運動率の低下)」については、ありうるのではないかと心配です。胎児奇形に関する影響は考えにくいと思いますが、これもデータに基づいているわけではありません。[2008年3月15日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:回 人工授精:回 体外受精:回
 昨年から複数回の精液検査を受けております。毎回精子は確認されず「無精子症」との判断です。血液検査の結果、テストステロンは正常値のようでしたが、FSHが1.2、LHが1.8と共に低いため、男子性腺機能低下症(MHH)の治療を始めることになりました。
 医師からは改善される可能性はあると聞いておりますが、今後、精子が現れることを期待してもよいのでしょうか。もし精子が現れなかった場合、諦めなくてはならないのでしょうか。

 泌尿器科の中でも男性不妊専門医の先生のもとで、もしくは不妊専門施設で検査を行われているのであれば、治療方法としては適切な対応をされているのだろうと思います。まずは、精子が出現する事を期待して、トライされてはいかがでしょうか。
 FSHが高値になっている人に比べると、精子が見つかる可能性は高いと思います。精巣の大きさや染色体検査の結果はどのように言われているでしょうか。
 精子が出現しなかった場合には、MD‐TESEという方法で、精巣(睾丸)内の精子を探したりして顕微授精法(ICSI)を行う治療も残されています。[2008年3月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:28 基礎体温:二相性 生理周期:規則的 タイミング法:12回 人工授精:0回 体外受精:0回
 主人の精液検査を行ったところ、数、運動率は正常でしたが、奇形率が90%という結果でした。先生は、奇形率が高めだが、問題はないとおっしゃいました。数が多かったので、絶対数で考えれば問題ないということなのでしょうか・・・。
 これまでにクロミッド使用のタイミングを行なって、2年経ちましたが、まったく妊娠しません。私自身の検査は、特に問題は見つかっていません。精子の奇形率が高いことで、受精しにくいのでしょうか。人工授精も視野に入れておりますが、フーナーテストは良好なので、あまり意味がないようにも思えます。もしかしたら、私のピックアップ障害などがあるのかもしれないとも考えておりますが、この奇形率では、タイミングでの妊娠は難しいでしょうか?

 精子奇形率が90%の場合には、自然妊娠率はかなり下がると思います。50%まではそれほど問題はないと思いますが、奇形率が90%となると、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)が必要になると思います。ただし、精子奇形率は検査によって多少変化しますので、精液検査は複数回されてみてください。また、精子の奇形といっても、様々なタイプ(頭部が小さい、または大きすぎる、丸いなど)があります。ご主人の場合は、どのような奇形でしょうか。奇形のタイプによっても、人工授精(AIH)の可能性は出てくると思います。[2008年3月1日]
(院長:田中温)
年齢:22 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:0回 人工授精:0回 体外受精:0回
 僕は、以前、近医で無精子症の疑いがあると診断されました。結婚を機に治療を始めようと思いますが、無精子症の場合、まずはどのような治療を進めていくのでしょうか?まったく想像がつかず、まず何をすればよいのか、わからずにいます。簡単でよいので、流れを教えて頂けますか?

 不妊治療専門施設で精液検査を受けて下さい。もし、精液中に精子が存在しなければ「無精子症」と診断されますが、「無精子症」と診断された場合、LH、FSH、テストステロンなどのホルモン検査や染色体検査も行う事になります。
 「無精子症」は
 1. 精巣(睾丸)で精子が正常に造られているにも関わらず、射出するまでの通路の途中で閉塞している「閉塞性無精子症」
 2. 精巣で精子の産生自体が障害されている「非閉塞性無精子症」
に分けられます。
 1. の場合は手術で「精巣上体(副睾丸)」に溜まった精子を採取することで、顕微授精法(ICSI)を用いた治療は比較的容易です。2. の場合には精巣から精子を得ることができれば、それを用いた顕微授精法を行うことは可能ですが、多くの場合には運動精子を得ることは困難です。
近年、国内で広く行われるようになってきた「MD-TESE」という治療法も、決して妊娠率は高いものではありません。また、薬剤を用いた治療によって精子を産生できるようにする事は、現実的にはほとんどの症例で不可能といえるでしょう。[2008年2月1日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:26 基礎体温:二相性 生理周期:不規則 タイミング法:2回 人工授精:0回 体外受精:0回
 先月私が不妊病院に通いだしてから、勃起障害(ED)の症状になってしまいました。射精はできますが、挿入が難しい状態です。仕事でもかなりストレスが溜まっているようですが、自然に治るものなのでしょうか?私は26歳、主人は29歳です。

 心因性のものと思われますので、自然に治る可能性も期待できると思いますが、泌尿器科でバイアグラなどの薬を処方してもらう事も1つの方法だと思います。仕事によるストレスや疲労も、改善することができればよいのですが・・・。今後も、膣内射精が出来ない状態がつづくのであれば不妊治療としては、排卵日に人工授精(AIH)を行う方法もあります。[2008年1月3日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
年齢:33 基礎体温:無関係 生理周期:無関係 タイミング法:4回 人工授精:回 体外受精:回
 現在1児の父親です。そろそろ2人目と考えているのですが、なかなかできず、精液検査をしたところ、運動率が5%しかありませんでした。思い当たるふしが2点あり、ご質問させていただきます。
 1. 子供のころに流行性耳下腺炎(ムンプス)をしていたのですが、つい先日もなってしまいました。しかし熱は37度台で翌日にさがりました。睾丸炎にもなっていません。これは影響あるのでしょうか?
 2. アルコールが大好きで毎晩晩酌をします。検査前日も20度の焼酎をグラス4杯、350mlの缶ビールを飲んでしまいました。毎日焼酎は、グラス4杯ぐらい飲みます。4リットルのボトルを買っても10日でなくなるぐらいの量を飲んでいます。検査後はずっと禁酒をしています。
 今度、人工授精(AIH)をする予定ですが、次回に運動率のよい精子がとれるでしょうか・・・やはり禁酒を続けるべきでしょうか。

 精子無力症の原因が流行性耳下腺炎(ムンプス)かもしれませんし、他の原因かもしれませんが、数回精液検査を繰り返しても改善しないようなら、今後、改善する可能性はかなり少ないと思いますし、逆に悪化していく可能性は高いと思います。体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)も考える必要があるかもしれません。
 飲酒の件は、今までは明らかに飲みすぎだと思います。禁酒・減酒は御主人の健康にとっても重要なことなので、精子の状態にかかわらず、続けられてはいかがでしょうか。[2008年1月3日]
(産婦人科医:粟田松一郎)
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